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第61話 思い出の地
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ギルドで水木さんに不動産屋を紹介してほしいと頼んだが、手配というか、不動産屋が休みの日のため連絡に少し時間がかかるとのことだった。俺は軽く頭を下げてから、ふと3人に向かって口を開いた。
「じゃあさ、俺、ちょっと行きたいところがあるからここで解散かな」
その時、浅香が俺の顔をじっと見つめてきた。
「先輩、なんか様子が変だよ。どこに行くの?」
弘美も不思議そうな表情で言葉を継ぐ。
「確かに気になる・・・先輩、私たちも行っていいですか?」
友理奈も控えめに頷いた。
「一人で行くのはあれなんで、私も一緒に行くよ。だめ?」
俺はちょっと戸惑ったが強引な3人に押し切られ、結局4人で行くことになった。ギルドの近くでタクシーを呼び、全員で乗り込む。
「お、俺、前に座るから。」
そう言って助手席に座り、住所を運転手に告げた。今の状態で後部座席に座ると誰かが前にいかざるを得ないが、それよりも横に座った者から色々聞かれそうなので自ら前に行く。
後部座席では浅香と弘美が何か話している声が聞こえたが、気にはならなかった。
タクシーに揺られること15分。車が目的地付近に差し掛かったので近くで降りてそこから歩く。
俺の視界に入ってきた家並みがどこかおかしいことに気づいた。
「ん…?なんだこれ…?」
俺は眉をひそめ、周囲を見渡した。かつての記憶と照らし合わせてみるが、どうも隣家の配置が微妙にずれている気がする。いや、隣家の隣にあるはずの塀が見当たらない。今の住人が壊したのかな?
「どうしたの?」
友理奈が心配そうに声をかけてきたが、俺は首を振り、先を急いだ。そして、ついに目の前にその場所が現れる。
そこで足を止めた俺は、言葉を失った。
かつて家があったはずの場所。・・そこには規制線が張られ、警察官が数人立っていた。俺の家だった場所は、ただの更地になり果てていたのだ。
「これ…なんだよ…?」
声にならない声が漏れ、膝が崩れそうになる。理解不能だ。まあ、更地になることはさもあらんだけど、何故規制線が張られている?殺人事件とか発生してたら立ち直れないよ・・
友理奈が慌てて俺の横に駆け寄り、肩を支えてくれた。
「銀治、大丈夫?ここが銀治の家があった場所なんだよね?」
俺は無言で頷く。それを見た浅香が規制線の向こうをじっと見つめた。
「ただの更地…じゃないよね。これって何かあったんじゃない?」
弘美も険しい顔で規制線の内側を凝視していた。
「普通の事故じゃなさそう。どうしてこんなことに…?」
俺は唇を噛みしめ、もう一度その場所を見つめた。そして、その瞬間、全身に嫌な予感が走る。
「これ…この感じダンジョンだよな?入り口はどこにある?」
俺の声に3人が驚いたように目を丸くする。その時、規制線近くにいた警察官がこちらに気づき、近寄ってきた。
「君たち、ここは立ち入り禁止区域だ。何か用か?」
俺は警察官に一歩近づき、できるだけ冷静を装って尋ねた。
「すみません、ここって昔僕が住んでいた家があった場所なんですけど…。この感じって…ダンジョンですよね?何があったんですか?」
警察官はきょとんとした顔で俺を見返す。
「ダンジョン?いや、今朝からここで異変が起きているとは聞いているが…詳しいことは警視庁の専門チームが来るまで分からない。本官はそれまで誰も入らせないようにと聞いている」
俺は携帯を取り出し、すぐに水木さんに連絡を入れた。
「水木さん、た、大変です。市内に新しいダンジョンが現れたみたいです。場所は…」
言いながら俺は、目の前の光景にぎりっと拳を握りしめた。かつての家族との思い出の場所が、今、新たなダンジョンの入り口として目を覚まそうとしていた。
「じゃあさ、俺、ちょっと行きたいところがあるからここで解散かな」
その時、浅香が俺の顔をじっと見つめてきた。
「先輩、なんか様子が変だよ。どこに行くの?」
弘美も不思議そうな表情で言葉を継ぐ。
「確かに気になる・・・先輩、私たちも行っていいですか?」
友理奈も控えめに頷いた。
「一人で行くのはあれなんで、私も一緒に行くよ。だめ?」
俺はちょっと戸惑ったが強引な3人に押し切られ、結局4人で行くことになった。ギルドの近くでタクシーを呼び、全員で乗り込む。
「お、俺、前に座るから。」
そう言って助手席に座り、住所を運転手に告げた。今の状態で後部座席に座ると誰かが前にいかざるを得ないが、それよりも横に座った者から色々聞かれそうなので自ら前に行く。
後部座席では浅香と弘美が何か話している声が聞こえたが、気にはならなかった。
タクシーに揺られること15分。車が目的地付近に差し掛かったので近くで降りてそこから歩く。
俺の視界に入ってきた家並みがどこかおかしいことに気づいた。
「ん…?なんだこれ…?」
俺は眉をひそめ、周囲を見渡した。かつての記憶と照らし合わせてみるが、どうも隣家の配置が微妙にずれている気がする。いや、隣家の隣にあるはずの塀が見当たらない。今の住人が壊したのかな?
「どうしたの?」
友理奈が心配そうに声をかけてきたが、俺は首を振り、先を急いだ。そして、ついに目の前にその場所が現れる。
そこで足を止めた俺は、言葉を失った。
かつて家があったはずの場所。・・そこには規制線が張られ、警察官が数人立っていた。俺の家だった場所は、ただの更地になり果てていたのだ。
「これ…なんだよ…?」
声にならない声が漏れ、膝が崩れそうになる。理解不能だ。まあ、更地になることはさもあらんだけど、何故規制線が張られている?殺人事件とか発生してたら立ち直れないよ・・
友理奈が慌てて俺の横に駆け寄り、肩を支えてくれた。
「銀治、大丈夫?ここが銀治の家があった場所なんだよね?」
俺は無言で頷く。それを見た浅香が規制線の向こうをじっと見つめた。
「ただの更地…じゃないよね。これって何かあったんじゃない?」
弘美も険しい顔で規制線の内側を凝視していた。
「普通の事故じゃなさそう。どうしてこんなことに…?」
俺は唇を噛みしめ、もう一度その場所を見つめた。そして、その瞬間、全身に嫌な予感が走る。
「これ…この感じダンジョンだよな?入り口はどこにある?」
俺の声に3人が驚いたように目を丸くする。その時、規制線近くにいた警察官がこちらに気づき、近寄ってきた。
「君たち、ここは立ち入り禁止区域だ。何か用か?」
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「すみません、ここって昔僕が住んでいた家があった場所なんですけど…。この感じって…ダンジョンですよね?何があったんですか?」
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俺は携帯を取り出し、すぐに水木さんに連絡を入れた。
「水木さん、た、大変です。市内に新しいダンジョンが現れたみたいです。場所は…」
言いながら俺は、目の前の光景にぎりっと拳を握りしめた。かつての家族との思い出の場所が、今、新たなダンジョンの入り口として目を覚まそうとしていた。
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