44 / 64
第44話 セーフエリアでのひととき
しおりを挟む
4階層のフロアボスであるクレイジーウルフとの戦いを終えた俺たちは、階段前のセーフエリアにやってきた。ここは転移盤があるおかげで他の冒険者たちも少し休憩を取りに来る場所だ。イレギュラーが発生しない限り魔物は侵入してこないから、セーフティーエリアとされている。
やや緊張をほぐしながら腰を下ろすと、友理奈がリュックからお弁当を取り出した。
「ほら、お昼にしようよ。たくさん作ったから食べて!」
確かに少し大きめな弁当箱だ。
「え、俺も(日の丸)弁当を持ってるから大丈夫だよ」
そうと言いつつも、実は中身はご飯の真ん中に梅干しがポツンとあるだけの簡単なものだ。
そんな俺の弁当を見た友理奈は、すかさず自分のお弁当のふたを開け、きれいに並べられたおかずをいくつも見せてきた。
「ほら、見ての通りいっぱい作りすぎちゃって食べ切れないの。だから銀治も遠慮せずに食べて!」
そう言いながら俺の弁当の白いご飯の上に次々とおかずを乗せていく。
「ありがとう。けど、そんなに乗せなくても・・・」
照れ笑いしながらも、せっかくの好意に甘えてまずは一口。友理奈のおかずはどれも優しい味で、戦い疲れた体に染みわたる美味しさだった。正直、こんなにおかずが豪華なのは久しぶりで、思わず箸が進む。
これであーんでもされようものなら、昇天する自信がある。
ふと顔を上げると、他の冒険者がボスを狙って階段を登っているのが見えた。その一行がこちらの方に視線を向けていて、なんとなく恥ずかしくなり少し体を縮めてしまう。
でも、そんな気持ちも束の間、友理奈の楽しそうな笑顔を見ると、つい肩の力が抜けてリラックスできた。
「ありがとう。本当に美味しかったよ」
食事を終えたので感謝の言葉を伝えると、友理奈は少し照れたように微笑んだ。
「次の5階層、頑張っていこうね」
友理奈が言い2人して片付けをする。
俺も気合を入れ直して立ち上がる。
友理奈はコートを脱いでリュックにしまい、再びビキニアーマー姿だ。
慣れないのでやはり目のやり場に困る・・・
これがプールやビーチならガン見できるのにと思うも、武器を手に取り、お互いに装備について確認をし、問題ないので午後の部となった。
やや緊張をほぐしながら腰を下ろすと、友理奈がリュックからお弁当を取り出した。
「ほら、お昼にしようよ。たくさん作ったから食べて!」
確かに少し大きめな弁当箱だ。
「え、俺も(日の丸)弁当を持ってるから大丈夫だよ」
そうと言いつつも、実は中身はご飯の真ん中に梅干しがポツンとあるだけの簡単なものだ。
そんな俺の弁当を見た友理奈は、すかさず自分のお弁当のふたを開け、きれいに並べられたおかずをいくつも見せてきた。
「ほら、見ての通りいっぱい作りすぎちゃって食べ切れないの。だから銀治も遠慮せずに食べて!」
そう言いながら俺の弁当の白いご飯の上に次々とおかずを乗せていく。
「ありがとう。けど、そんなに乗せなくても・・・」
照れ笑いしながらも、せっかくの好意に甘えてまずは一口。友理奈のおかずはどれも優しい味で、戦い疲れた体に染みわたる美味しさだった。正直、こんなにおかずが豪華なのは久しぶりで、思わず箸が進む。
これであーんでもされようものなら、昇天する自信がある。
ふと顔を上げると、他の冒険者がボスを狙って階段を登っているのが見えた。その一行がこちらの方に視線を向けていて、なんとなく恥ずかしくなり少し体を縮めてしまう。
でも、そんな気持ちも束の間、友理奈の楽しそうな笑顔を見ると、つい肩の力が抜けてリラックスできた。
「ありがとう。本当に美味しかったよ」
食事を終えたので感謝の言葉を伝えると、友理奈は少し照れたように微笑んだ。
「次の5階層、頑張っていこうね」
友理奈が言い2人して片付けをする。
俺も気合を入れ直して立ち上がる。
友理奈はコートを脱いでリュックにしまい、再びビキニアーマー姿だ。
慣れないのでやはり目のやり場に困る・・・
これがプールやビーチならガン見できるのにと思うも、武器を手に取り、お互いに装備について確認をし、問題ないので午後の部となった。
32
お気に入りに追加
95
あなたにおすすめの小説
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
無限の成長 ~虐げられし少年、貴族を蹴散らし頂点へ~
りおまる
ファンタジー
主人公アレクシスは、異世界の中でも最も冷酷な貴族社会で生まれた平民の少年。幼少の頃から、力なき者は搾取される世界で虐げられ、貴族たちにとっては単なる「道具」として扱われていた。ある日、彼は突如として『無限成長』という異世界最強のスキルに目覚める。このスキルは、どんなことにも限界なく成長できる能力であり、戦闘、魔法、知識、そして社会的な地位ですらも無限に高めることが可能だった。
貴族に抑圧され、常に見下されていたアレクシスは、この力を使って社会の底辺から抜け出し、支配層である貴族たちを打ち破ることを決意する。そして、無限の成長力で貴族たちを次々と出し抜き、復讐と成り上がりの道を歩む。やがて彼は、貴族社会の頂点に立つ。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
異世界帰りの勇者は現代社会に戦いを挑む
大沢 雅紀
ファンタジー
ブラック企業に勤めている山田太郎は、自らの境遇に腐ることなく働いて金をためていた。しかし、やっと挙げた結婚式で裏切られてしまう。失意の太郎だったが、異世界に勇者として召喚されてしまった。
一年後、魔王を倒した太郎は、異世界で身に着けた力とアイテムをもって帰還する。そして自らを嵌めたクラスメイトと、彼らを育んた日本に対して戦いを挑むのだった。
【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~
椿紅颯
ファンタジー
目標である登録者3万人の夢を叶えた葭谷和昌こと活動名【カズマ】。
しかし次の日、身に覚えのない大炎上を経験してしまい、SNSと活動アカウントが大量の通報の後に削除されてしまう。
タイミング良くアルバイトもやめてしまい、完全に収入が途絶えてしまったことから探索者になることを決める。
数日間が経過し、とある都市伝説を友人から聞いて実践することに。
すると、聞いていた内容とは異なるものの、レアドロップ&レアスキルを手に入れてしまう!
手に入れたものを活かすため、一度は去った配信業界へと戻ることを決める。
そんな矢先、ダンジョンで狩りをしていると少女達の危機的状況を助け、しかも一部始終が配信されていてバズってしまう。
無名にまで落ちてしまったが、一躍時の人となり、その少女らとパーティを組むことになった。
和昌は次々と偉業を成し遂げ、底辺から最速で成り上がっていく。
元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜
伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。
麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。
探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。
「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」
孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。
「これがスライムの倒し方じゃ!」
現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。
たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、
インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。
自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。
世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。
今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる