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第4話 9階層を進む
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ダンジョンの奥深くへ進み、ついに最下層が見えてきた。俺が臨時加入したパーティーは、ボス戦に挑むためのレイド戦メンバーの一つとしてここにいる。しかし、最下層にたどり着くまでの道は平坦ではなかった。
さすがにこの人数だと、周りを照らす【ライト】やその上位の魔法を使える人が何人かいて、ダンジョン内はそこそこ明るく照らされている。
他のダンジョンのことはあまり知らないが、今回レイド戦が行われるダンジョンは、普段俺が潜っている場所だ。ここは10階層まであり、入口の転移版に触れると行きたい階層に行ける。下の階に行くほど狭くなり、出没する魔物の強さも上がる。ただし、10階層には直接行けない。入口から行けるのは9階層の入口までだ。
10階層はボス部屋とその前のセーフティーエリア、階段、これだけだそうだ。しかし、目的のボス部屋には9階層を踏破してたどり着かなければならない。距離はというと、戦闘することがなくまっすぐ向かえば大人の足なら30分ほどらしい。だが、あくまで距離の目安であって、戦闘のたびに歩みは止まるから、思ったより進行速度は遅い。
先行している別のパーティーが道中の魔物を掃討していたおかげで、俺たちは比較的スムーズに進むことができた。しかし、魔物のリポップはゼロではない。道中、時折出現する魔物たちに対応するため、俺たちも戦闘を余儀なくされることがあった。
「邪魔だ、どけよ!」
俺はパーティーの男子に押しのけられた。直後、そいつは素早くオークを斬り倒す。俺がただ見ていると、「ぼさっとしてんじゃねえ!」と怒鳴られた。
今回俺の役目は、倒した魔物から出た魔石やドロップアイテムをリュックに放り込むことだ。各パーティーの間を行き来しながら、戦闘のたびにドロップ品を集め続けている。他の人より移動量が多いが、体力には自信がある。ハンターをするようになってからは、毎朝のランニングは欠かさない。
道中で手に入れたドロップ品は、後で経費を引いた残りをパーティー数で分配するのが基本だ。つまり、俺の役割はそれを運ぶ運搬役に過ぎない。また、個人への配分はパーティーリーダーに一任され、各パーティーは他のパーティー員の配分に口出しはしないのが暗黙の約束だ。
9階層を進むにつれて、俺たちは徐々に最下層のボスが待つ場所へと近づいていった。度重なる戦闘で歩みは止められ、ダンジョンに入ってからすでに3時間が経過し、全員にじわじわと疲労の色が見て取れ、一度休憩を取らないとまずいんじゃないかなと感じられる。森雪さんもそんな一人だ。
「はぁ、はぁ、はぁ、い、市河君は大丈夫!?」
「ありがとう、森雪さん。これでも体力だけはあるんだ。森雪さんこそ大丈夫?」
「う、うん。市河君、何かあっても私が治すから、絶対に無理しちゃだめよ!」
それでも俺たちは、ボス戦を前に緊張感を持ちつつ進んでいた。リーダーは中年だが元気溌剌で、他の者の疲労を気にしていないとしか思えなかった。
その時だった。突然、先頭を歩いていた一人のメンバーが何かを見つけた。
「おい、見ろ!これ、レアアイテムだぞ!」
その瞬間、俺の仕事が来た。
「森雪さん、ありがとう。ドロップが出たから行ってくるよ」
森雪さんが何か言いかけたけど、俺がいると休めそうにないので、声のした方、つまり最前線に向かった。それは、見たこともないオーブだった。透明な輝きを放つそのオーブには、神秘的な模様が浮かび上がっている。全員がそのオーブに視線を集中させた。
(すげぇ・・・、あんなオーブ、見たことない。人のものだけど、俺も欲しいな。使えばレアスキルを得られるかもしれないけど、結局は俺の手には入らないんだな。見ているだけの生殺しだ・・・)
「これ・・・、使えばレアスキルを得られるかもしれないぞ」
リーダーが興奮気味に言った。
「ただし、鑑定しないと正確な効果はわからないがな・・・」
その場にいた全員がざわめき始めた。ダンジョンでレアアイテムを見つけることは、それ自体が大きな成果だ。特にレイド戦のような場面では、その価値は計り知れない。
リーダーは、周囲を冷静に見回しながらオーブを掲げて宣言した。
「このオーブは、今回のレイド戦で最も活躍したパーティーのものとする。文句はないな?」
誰も反論する者はいなかったが、内心ではそれぞれが自分たちのチームが選ばれることを期待しているのが明らかだった。俺もそのオーブを見つめながら、自分が選ばれる可能性などないことは分かっていたが、それよりもそのオーブを見ると、どこか不安な予感が胸の中に湧き上がってきた。俺はリュックをおろし、あらかじめ渡されていたハードケースを出し、中にスキルオーブを入れ、厳重に封をし、リュックにしまう。
「おい、みんな、全力でこいつを守らないとオーブが砕けちまうからな!」
レアアイテムを巡る欲望が渦巻く中、俺たちは再び最下層へ、ボス戦へと向かう道を進んでいく。どんな結末が待っているのかは誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、この戦いが俺たちの運命を大きく左右するだろうということだけだった。
ちなみに、荷物持ちはレイド戦の最中にボス部屋には入らないのが常だが、最近荷物持ちがボス部屋の外で待機していたはずが消え失せていた。それまでのドロップを奪われたレイド戦があるらしく、お前も入れと言われたんだ・・・嫌な予感はしたが、この後の悪夢を誰が予測できたであろうか・・・
さすがにこの人数だと、周りを照らす【ライト】やその上位の魔法を使える人が何人かいて、ダンジョン内はそこそこ明るく照らされている。
他のダンジョンのことはあまり知らないが、今回レイド戦が行われるダンジョンは、普段俺が潜っている場所だ。ここは10階層まであり、入口の転移版に触れると行きたい階層に行ける。下の階に行くほど狭くなり、出没する魔物の強さも上がる。ただし、10階層には直接行けない。入口から行けるのは9階層の入口までだ。
10階層はボス部屋とその前のセーフティーエリア、階段、これだけだそうだ。しかし、目的のボス部屋には9階層を踏破してたどり着かなければならない。距離はというと、戦闘することがなくまっすぐ向かえば大人の足なら30分ほどらしい。だが、あくまで距離の目安であって、戦闘のたびに歩みは止まるから、思ったより進行速度は遅い。
先行している別のパーティーが道中の魔物を掃討していたおかげで、俺たちは比較的スムーズに進むことができた。しかし、魔物のリポップはゼロではない。道中、時折出現する魔物たちに対応するため、俺たちも戦闘を余儀なくされることがあった。
「邪魔だ、どけよ!」
俺はパーティーの男子に押しのけられた。直後、そいつは素早くオークを斬り倒す。俺がただ見ていると、「ぼさっとしてんじゃねえ!」と怒鳴られた。
今回俺の役目は、倒した魔物から出た魔石やドロップアイテムをリュックに放り込むことだ。各パーティーの間を行き来しながら、戦闘のたびにドロップ品を集め続けている。他の人より移動量が多いが、体力には自信がある。ハンターをするようになってからは、毎朝のランニングは欠かさない。
道中で手に入れたドロップ品は、後で経費を引いた残りをパーティー数で分配するのが基本だ。つまり、俺の役割はそれを運ぶ運搬役に過ぎない。また、個人への配分はパーティーリーダーに一任され、各パーティーは他のパーティー員の配分に口出しはしないのが暗黙の約束だ。
9階層を進むにつれて、俺たちは徐々に最下層のボスが待つ場所へと近づいていった。度重なる戦闘で歩みは止められ、ダンジョンに入ってからすでに3時間が経過し、全員にじわじわと疲労の色が見て取れ、一度休憩を取らないとまずいんじゃないかなと感じられる。森雪さんもそんな一人だ。
「はぁ、はぁ、はぁ、い、市河君は大丈夫!?」
「ありがとう、森雪さん。これでも体力だけはあるんだ。森雪さんこそ大丈夫?」
「う、うん。市河君、何かあっても私が治すから、絶対に無理しちゃだめよ!」
それでも俺たちは、ボス戦を前に緊張感を持ちつつ進んでいた。リーダーは中年だが元気溌剌で、他の者の疲労を気にしていないとしか思えなかった。
その時だった。突然、先頭を歩いていた一人のメンバーが何かを見つけた。
「おい、見ろ!これ、レアアイテムだぞ!」
その瞬間、俺の仕事が来た。
「森雪さん、ありがとう。ドロップが出たから行ってくるよ」
森雪さんが何か言いかけたけど、俺がいると休めそうにないので、声のした方、つまり最前線に向かった。それは、見たこともないオーブだった。透明な輝きを放つそのオーブには、神秘的な模様が浮かび上がっている。全員がそのオーブに視線を集中させた。
(すげぇ・・・、あんなオーブ、見たことない。人のものだけど、俺も欲しいな。使えばレアスキルを得られるかもしれないけど、結局は俺の手には入らないんだな。見ているだけの生殺しだ・・・)
「これ・・・、使えばレアスキルを得られるかもしれないぞ」
リーダーが興奮気味に言った。
「ただし、鑑定しないと正確な効果はわからないがな・・・」
その場にいた全員がざわめき始めた。ダンジョンでレアアイテムを見つけることは、それ自体が大きな成果だ。特にレイド戦のような場面では、その価値は計り知れない。
リーダーは、周囲を冷静に見回しながらオーブを掲げて宣言した。
「このオーブは、今回のレイド戦で最も活躍したパーティーのものとする。文句はないな?」
誰も反論する者はいなかったが、内心ではそれぞれが自分たちのチームが選ばれることを期待しているのが明らかだった。俺もそのオーブを見つめながら、自分が選ばれる可能性などないことは分かっていたが、それよりもそのオーブを見ると、どこか不安な予感が胸の中に湧き上がってきた。俺はリュックをおろし、あらかじめ渡されていたハードケースを出し、中にスキルオーブを入れ、厳重に封をし、リュックにしまう。
「おい、みんな、全力でこいつを守らないとオーブが砕けちまうからな!」
レアアイテムを巡る欲望が渦巻く中、俺たちは再び最下層へ、ボス戦へと向かう道を進んでいく。どんな結末が待っているのかは誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、この戦いが俺たちの運命を大きく左右するだろうということだけだった。
ちなみに、荷物持ちはレイド戦の最中にボス部屋には入らないのが常だが、最近荷物持ちがボス部屋の外で待機していたはずが消え失せていた。それまでのドロップを奪われたレイド戦があるらしく、お前も入れと言われたんだ・・・嫌な予感はしたが、この後の悪夢を誰が予測できたであろうか・・・
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