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第2章

第111話 ぷちデート

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 領主の館を後にしてからは、宿に戻りがてらエルザと町を見て回った。
 妙にエルザがはしゃいでいて、普段のキリッとして隙のない堅苦しい雰囲気とは違い、そのギャップにどきっとしてしまった。

 ある程度ざっくり見て回り、不足品を買っていたりもしていた。

「ねえねえ友安様!あれ美味しそうですよ。買ってきますのでちょっと待っていてくださいね!」

 そう言い美味しそうな匂いの漂う店に行き、串焼きを買って来たので歩きながら頬張る。
 鶏肉のような感じで中々美味しく、特にタレが美味しかった。
 歩いていると小さな公園にいつの間にか足を踏み入れており、ベンチに座って食べていた。

 エルザがハンカチを取り出して俺の頬を拭く。どうやらタレが頬に付いてしまったようだ。

「あはは。友安様ったらまるで子供みたい」

 エルザはフルーツを口に運んでくれたりとハイテンションだ。そんなエルザの仕草にドキドキしてしまう。顔が近く、胸元が開いていて、谷間を強調する服だ。そこから見事な谷間が覗いているのだ。ついつい手を伸ばしたくなる。

 この世界の女性の服は胸元が開いているのが多く、魅力的な格好が一般的だ。男の気を引く為の服とミザリアが言い切っていた。

 エルザもそういう服で、谷間にゴクリとしてしまう。もうエルザを抱く事しか頭になかった。エルザの魅力にころっと逝ってしまっており、エルザの事しか考えられなかった。

「ちょっとどこを見ているんですか?そんなだから顔が汚れるんですよ」

 俺はエルザを抱きしめた。夕焼けに照らされたエルザの顔は美しく、赤みが掛かっていてまるで女神だった。

「エルザ、愛している。君が欲しい。常に俺の傍らにいて欲しいんだ」

 そう言い顎に手をやり戸惑っているエルザにキスをする。すると串だけになった串を落とした。

 熱烈なキスをし、胸を軽くタッチする。
 抵抗はない。短くあっと呻くだけで力が抜けていた。
 暫くベンチに腰を掛け、腰に手を回し抱き寄せていた。エルザは体重を俺に預けていて、頷いていた。

 名残惜しいが、そろそろ夕食の時間帯なので引き上げる事に。

 腕を組んで歩く。語る必要はない。ただ一緒に歩くだけでよい。

 歩いていると、女性向けの服屋が目に入り、エルザが1人で入っていった。
 その間に俺は隣のアクセサリー店でネックレスを買った。シックで派手ではないが、引き立て役になる小さな宝石が上品な一品だ。
 店の前で待っていると、買い物を終えたエルザがニコニコしながら出て来た。

「何を買ったの?」

「勝負下着ですよ!」

「えっ?」

「なーんてね。乗馬用の服ですわ。本気にしたの?」

「想像しちゃった。素敵だろうなぁ」

 あぁ想像しちゃったよ!

 不敵な笑みを浮かべるエルザと手を繋ぎ宿に向かう。そのまま食事をしてから部屋に入る。

 食事は正直何を食べたか覚えていない。宿の食堂は繁盛していたが、本日のおすすめ定食を頼んだ事だけは覚えているが、エルザの顔が眩し過ぎて、定食の中身は覚えていなかった。
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