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第1章

第64話 試し斬り

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 武器ガチャを回し、カナロアとムネチカの武器がポンコツからグレードアップしたので、前日に続き又もやグリフォンの巣を目指す事にした。改めて2人の腕試しと、武器の試し斬りだ。

 因みに専用装備は消えろと念じれば消え、出ろと念じれば現れる。また、折れたムネチカの剣は再顕現で復活していたが、ポンコツ性能のままだった。

 今度は大丈夫と2人が自信満々で断言したので、俺は頷いてリトライを決定したのだ。

 流石に上級エリアに入って直ぐに現れた魔物にて、カナロアとムネチカの2人の新武器で試し斬りをさせた。ミノタウロスだったが、オーバースペック過ぎて笑える位だった。
 
 魔石すらバターを切るかのように切り裂いていたのには驚いたものだ。砕けたのではなくスパーンと綺麗に割れたのだ。

 特に今日カナロアに願いしたのは、昨日使ったレベルの法術は指示がない限り、余程の事が無い限り使用しない事だ。

 今日は剣の腕を見たいのと、グリフォンの卵をゲットしたいので倒し方も指示した。お腹を斬るなと。

 先陣はカロアナだ。

 巣にはグリフォンがいなかったが、丁度巣に戻ってくる所だった。

 カナロアは巣の近くで待ち構えていた。グリフォンがカナロアに気が付いて衝撃波を放ったが、カロアナはギターとしか思えない盾で受け流そうとした。しかし、盾は砕け散ってしまった。カナロアは唖然としながらうそーん!と叫びながらどこかに吹き飛ばされた。

そして戻ってきた燃えるカロアナは怒りに任せ、グリフォンの背後に一気に回り込んだのだが、早過ぎて俺の目では追えなかった。

 グリフォンの首を掴み、地面に叩きつけた。そして足で踏みつけながら剣で首を切り落とした。

 圧巻の強さだった。
 剣がなまくらだったから気が付くべきだったが、盾も紙装甲だった。
 カナロアに断りを入れ、防具を兼ねている服の上から肩を短剣で刺すと、さくっと刺さった。
 直ぐにヒールを掛けるが、防具も紙装甲のポンコツだと判明したのだ。

  ムネチカは一般に売られている革鎧を今は着ているが、召喚時に身に着けていたのは単なる水着かセクシーランジェリーとの判定だ。

 彼女曰く、グリフォン程度に怪我をさせられる事は無いと。

 10分位でまたグリフォンがやってきて相対するが、後10m位に迫った時に、突然ムネチカの姿が消えた。

 正確にはジャンプしてグリフォンに向かって行き、上空であっさり倒した。そして魔石を抜いて優雅に離脱し、すーっと着地した。魔石を抜き取ったのは空中でだ。人間業ではない。

 また、グリフォンは巣の近くに墜落していった。  

 巣には卵が2つあり回収し、次は反対側に行く。

 道中は獣型が多く、ひたすら倒しては魔石を回収するのを繰り返していた。

 試しにとカナロアへ法術を解禁すると伝えると、周辺の魔物を根こそぎ倒してしまった。魔石を回収しに行き、まとめて俺に渡してきたが、100m以内だが、全ての魔物を倒す事ができた。

 かなり強烈で、こいつに勝てる奴がいるのか?俺って要らなくないか?位に感じている。

 ムネチカは近接オンリーで、その身体能力の高さには脱帽する。革鎧の為胸がぷるるんとならないのが残念だが、それは決して表に出してはいけない感情だ。

 ムネチカは大剣なのに、オモチャの剣を振り回すが如く軽々と扱い、全てを斬り伏せる感じだ。細身の躰のどこにこれ程の力があるのか!と俺は唸っていた。彼女に組み伏せられたら絶対に逃れられないだろう。

 これで俺の中衛行きが決まったようなものだ。

 ただ、攻撃力と防御力のバランスが悪く、単に服を着て戦う感じになっている。彼女曰く、当たらないのだから防御力はいらないと。

 今日の戦いは能力の確認と問題を見付ける事であり、その目的を果たしたのでお開きだ。

 宿に戻り、風呂に入る前に、俺は恐る恐るガチャを覗くのであった。いや、ワクワクしながらか。
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