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第1章
第52話 もう一体の逆襲
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この町というか、この島の魔物がいるエリアと人が住むエリアは擁壁で隔絶されている。人はそれをただ壁と言う。
しかし、それだけだと上空からの侵入を防ぐ事が出来ない為、合わせて結界が張られている。島から魔物が出られないようになっているのはこの為だ。そうでなければグリフォンは町を真っ先に襲うのだろう。
この島で発生する魔物はS級までで、結界はSS級までも防いでくれるので、本来、魔物エリアから魔物は出られない筈だ。
俺はハッとなった。空気が揺れたのだ。直感で結界が破られたと確信した。何故だ?唐突だろう?しかも結界は中から破られたようだ。つまり、魔物エリアから外に向かって破られた。嫌な予感しかしない。
「町がヤバイ。結界が破られた筈だ!奴が(魔物)町を襲うのを止めないと!」
ミザリアの顔が青ざめる。
「ま、まさか!?先程の衝撃は結界が割れた音なのですか?そ、そんな!ここの町には1万人が住んでいると言われているのですよ!」
「急ごう!被害を少しでも小さくするんだ。あの冒険者は見つけ次第拘束して罪を償わせてやる!」
あいつが何かしたのだと確信した。それ以外思いつかない。黒髪だから、召喚時に言われた3人の召喚者の1人だろうと。
イリアもミリアも表情は硬い。しかしフランカは意気揚々と俺の役に立てる期待で一杯な感じだ。フランカ、君は戦闘狂か?それはおっさんの役目だと思うぞ。
俺達は走って入り口に向かうが、途中魔物には出くわさなかった。だが、入り口近くで他の冒険者が魔物と戦っていた。
俺達はそれをスルーして町へと向かう。既に町から煙が上がっており、町が魔物に襲われているのだと分かる。
門の近くだが、オーガやミノタウロスが見える。冒険者が必死に戦っていて何とか被害を食い止めている。俺はグリフォンを探すが、上空に見えたのはドラゴンとしか思えない。そんな魔物が飛んでいるのだ。
驚愕した。多分あのグリフォンがドラゴンに進化したのだろう。活性化が原因か?変異か?
ドラゴンはSSS級の魔物だ。
他の魔物には目もくれず、俺は魔法の展開を開始した。
ミザリアも詠唱を開始し、他のメンバーは俺とミザリアの護衛だ。空にいる魔物相手に魔法以外では対処がまず無理だ。城にある対空兵器ならいざ知らず、弓をいくら引き絞っても届かない。
ミノタウロスが数体こちらに向かってくるが、フランカが剣で危なげなく捌いている。
擁壁からまた一つのグループが出てきたので俺は指示を出した。
「ドラゴンは俺達が何とかする。貴方達は壁から町に向かう魔物を駆除して、町に入るのを防いで欲しい」
「分かった。あれは俺達じゃ無理だな。これ以上町に魔物を入れないようにしてやるよ。兄ちゃん日本人だよな?死ぬなよ」
俺よりも少し歳上のような冒険者が入り口を引き受けてくれるので、俺はドラゴンに集中できそうだった。見た目から彼も日本人だと思われる。
アイスアロー数十発と、特大なファイヤーボールを放つ準備が整った。その途端、ドラゴンが俺に気が付き、目の色を変えて飛んで来るのが分かる。だが、上空にいる為、その大きさがよく分からなかったのであった。
しかし、それだけだと上空からの侵入を防ぐ事が出来ない為、合わせて結界が張られている。島から魔物が出られないようになっているのはこの為だ。そうでなければグリフォンは町を真っ先に襲うのだろう。
この島で発生する魔物はS級までで、結界はSS級までも防いでくれるので、本来、魔物エリアから魔物は出られない筈だ。
俺はハッとなった。空気が揺れたのだ。直感で結界が破られたと確信した。何故だ?唐突だろう?しかも結界は中から破られたようだ。つまり、魔物エリアから外に向かって破られた。嫌な予感しかしない。
「町がヤバイ。結界が破られた筈だ!奴が(魔物)町を襲うのを止めないと!」
ミザリアの顔が青ざめる。
「ま、まさか!?先程の衝撃は結界が割れた音なのですか?そ、そんな!ここの町には1万人が住んでいると言われているのですよ!」
「急ごう!被害を少しでも小さくするんだ。あの冒険者は見つけ次第拘束して罪を償わせてやる!」
あいつが何かしたのだと確信した。それ以外思いつかない。黒髪だから、召喚時に言われた3人の召喚者の1人だろうと。
イリアもミリアも表情は硬い。しかしフランカは意気揚々と俺の役に立てる期待で一杯な感じだ。フランカ、君は戦闘狂か?それはおっさんの役目だと思うぞ。
俺達は走って入り口に向かうが、途中魔物には出くわさなかった。だが、入り口近くで他の冒険者が魔物と戦っていた。
俺達はそれをスルーして町へと向かう。既に町から煙が上がっており、町が魔物に襲われているのだと分かる。
門の近くだが、オーガやミノタウロスが見える。冒険者が必死に戦っていて何とか被害を食い止めている。俺はグリフォンを探すが、上空に見えたのはドラゴンとしか思えない。そんな魔物が飛んでいるのだ。
驚愕した。多分あのグリフォンがドラゴンに進化したのだろう。活性化が原因か?変異か?
ドラゴンはSSS級の魔物だ。
他の魔物には目もくれず、俺は魔法の展開を開始した。
ミザリアも詠唱を開始し、他のメンバーは俺とミザリアの護衛だ。空にいる魔物相手に魔法以外では対処がまず無理だ。城にある対空兵器ならいざ知らず、弓をいくら引き絞っても届かない。
ミノタウロスが数体こちらに向かってくるが、フランカが剣で危なげなく捌いている。
擁壁からまた一つのグループが出てきたので俺は指示を出した。
「ドラゴンは俺達が何とかする。貴方達は壁から町に向かう魔物を駆除して、町に入るのを防いで欲しい」
「分かった。あれは俺達じゃ無理だな。これ以上町に魔物を入れないようにしてやるよ。兄ちゃん日本人だよな?死ぬなよ」
俺よりも少し歳上のような冒険者が入り口を引き受けてくれるので、俺はドラゴンに集中できそうだった。見た目から彼も日本人だと思われる。
アイスアロー数十発と、特大なファイヤーボールを放つ準備が整った。その途端、ドラゴンが俺に気が付き、目の色を変えて飛んで来るのが分かる。だが、上空にいる為、その大きさがよく分からなかったのであった。
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