45 / 130
第1章
第45話 修行初日
しおりを挟む
買い物から帰り、老婆から手に入れたアクセサリー類を皆へ分配した。 勇者殿にという事で、特別な一品を半ば強引に渡されており、結局魔道具を12個入手したのだ。
各自用にと同じデザインのブレスレットを6個貰っているので各自へ渡し、左腕に装着して貰う。これは魔力を込めると念話ができるという優れ物だ。装備後、魔力を込めた状態でブレスレット同士を触れさせると、ペアリングが完了して念話が出来る。ただ、制約があり、ペアリングされたブレスレット同士がグループになるが、ペアリングしてしまうと意図せずにグループに招き入れるので注意が必要で、個別か全体かのみを選んでの念話になる。例えば俺、イリア、ミリアの3者通話が出来ず、この2人へ同時に念話で指示をする為には、全員との念話になってしまう。だが、戦闘では大いに役に立つ筈だ。
そしてイリア、ミリア、ミザリア、この3人にはそれとは別のブレスレットをプレゼントした。簡単な魔道具でもあり、 魔力を込めると装着者の体格に合わせて大きさが変わるというもので、装着者の魅力を引き立てるシンプルなデザインのアクセサリーだ。しかもそれなりに強度があり、腕を守る防具にもなる感じだ。兵士が持つロングソード位なら受け止められる。尤も肉体が強化される訳ではないので、ロングソードだと骨を砕かれる。
3人は各々嬉しそうに、腕に装着したブレスレットを見つめていたり、俺に見せてきたりと気に入ったようだ。
問題は 魔道具の種類である。俺用のはネックレスで、俺の成長と共に秘められた力が解放されるが、今はただのアクセサリーだと言う。いまいちよく分からないが、俺の成長に期待する一品のようだ。なので、いきなり無双とはいかない。
ゼツエイ用のアイテムは炎の魔法を放つ事が可能なブレスレットだ。
イリア、ミリア、ミザリアへ渡すのは髪飾りだった。魔力防御力が上がるらしい。
そしてあろう事かフランカへ渡す物が髪飾りになってしまったのだ。やっちまったぜ俺氏。うっかりだよ・・・
ゼツエイ用のをブスレットにしたのは、まさか彼に髪飾りを渡す訳にはいかないので、恐る恐るといった感じでフランカに渡したが、なんと感謝され、即時に装着さえしていた。
確かにこの世界の男性を見ると、髪の長い者が多くおり、髪の毛を束ねたり、ヘアピン代わりの髪留めを男性が着けているのは別に不思議な話ではなかったのである。
ギリセーフだよね?・・・フランカの分を買う時に女装姿を思い浮かんだから、女装に合わせちゃった。
そして翌日の朝、俺達は管理されている上級者用のエリアへと向かって行く。そこは厚い鉄の扉で出入りを管理されており、町と魔物のエリアを隔絶する擁壁があって、島の中央部を隔てている。
そこには出入りを監視している者達がおり、その者達にギルドで発行された許可証を見せ、本当に上級エリアに入る事に問題がない者なのかを念入りにチェックしていた。
俺達の他に3パーティーが入っていると言われた。その他のエリアは100パーティー以上が 参加しており、獲物も熾烈な獲得競争になるのだという。しかし、この上級用エリアは直径が5km程あると言うのだ。その為、余程の事がない限りかち合う事がないであろうと言うのだ。
先に入った3組がどの方面に行ったのかを聞き、なるべくそちらではない方角に行く事とした。そして他のグループの者が近くにいると反応するネックレスを俺が代表で監視員から渡された。これは冒険者と魔物を間違えないようにする為の物であり、距離が近付くにつれて、点滅の間隔が短くなるというのであった。
俺達は島の中心部にある上級エリアに向かうのだが、入り口を入ってから左手の方向に向かう事にした。
そして歩く事5分程で今は鬱蒼とした森の中を進んでいる。そうすると早速何かが近付いてくる気配がした。草等がカサカサと動いているので、間違いなく何かが近付いてくるのが分かる。 ペンダントが輝いていない為、他の冒険者ではないという事が分かった。
俺がさっと剣を握り締めて警戒を始めたので、皆魔物の接近を俺が感じたという事が伝わったようで、各々戦闘準備に入る。一番気配察知が怪しいのが俺だ・・・
今回俺が前衛で、他に前衛はゼツエイ、後衛をミザリアとミリア、そしてイリアとフランカはその護衛である。護衛はかなり重要な役目だ。
後衛職が魔法を放つ時に無防備になってしまうので、それを守る重要な役目だ。強力な魔法程、詠唱に時間が掛かるのだ。 ゼツエイは護衛には向かないし、俺もそうだ。2人共猪突猛進する性分だ。
俺の場合、普段は前衛か後衛を担う。今回は中衛を置かず、敢えて前衛と後衛のみにしたのだ。
そうしていると、いきなり四方八方から何者かが飛び掛かってきた。
それはいわゆるリザードマンというトカゲが2足歩行をするような魔物であった。俺とゼツエイは各々剣と斧で斬り結ぶ。ミザリアとミリアは魔法を展開し、襲ってくる敵を撃破する。しかし撃ち漏らしがあり、ミリアが斬られそうになったのだが、そこはイリアがきっちり仕事をして仕留めた。
リザードマン8体がこの島での最初の戦闘で、俺はスキルをゲットしようとするがこれといったスキルは残念ながらなかった。持っている武器も棍棒であり、取得したのは棍棒術ばかりで俺は項垂れていた。
戦後処理をしなければならないので、フランカとゼツエイに周囲の警戒をお願いし、他のメンバーにてアイテムを拾ったり、魔石を抜き取るのであった。
各自用にと同じデザインのブレスレットを6個貰っているので各自へ渡し、左腕に装着して貰う。これは魔力を込めると念話ができるという優れ物だ。装備後、魔力を込めた状態でブレスレット同士を触れさせると、ペアリングが完了して念話が出来る。ただ、制約があり、ペアリングされたブレスレット同士がグループになるが、ペアリングしてしまうと意図せずにグループに招き入れるので注意が必要で、個別か全体かのみを選んでの念話になる。例えば俺、イリア、ミリアの3者通話が出来ず、この2人へ同時に念話で指示をする為には、全員との念話になってしまう。だが、戦闘では大いに役に立つ筈だ。
そしてイリア、ミリア、ミザリア、この3人にはそれとは別のブレスレットをプレゼントした。簡単な魔道具でもあり、 魔力を込めると装着者の体格に合わせて大きさが変わるというもので、装着者の魅力を引き立てるシンプルなデザインのアクセサリーだ。しかもそれなりに強度があり、腕を守る防具にもなる感じだ。兵士が持つロングソード位なら受け止められる。尤も肉体が強化される訳ではないので、ロングソードだと骨を砕かれる。
3人は各々嬉しそうに、腕に装着したブレスレットを見つめていたり、俺に見せてきたりと気に入ったようだ。
問題は 魔道具の種類である。俺用のはネックレスで、俺の成長と共に秘められた力が解放されるが、今はただのアクセサリーだと言う。いまいちよく分からないが、俺の成長に期待する一品のようだ。なので、いきなり無双とはいかない。
ゼツエイ用のアイテムは炎の魔法を放つ事が可能なブレスレットだ。
イリア、ミリア、ミザリアへ渡すのは髪飾りだった。魔力防御力が上がるらしい。
そしてあろう事かフランカへ渡す物が髪飾りになってしまったのだ。やっちまったぜ俺氏。うっかりだよ・・・
ゼツエイ用のをブスレットにしたのは、まさか彼に髪飾りを渡す訳にはいかないので、恐る恐るといった感じでフランカに渡したが、なんと感謝され、即時に装着さえしていた。
確かにこの世界の男性を見ると、髪の長い者が多くおり、髪の毛を束ねたり、ヘアピン代わりの髪留めを男性が着けているのは別に不思議な話ではなかったのである。
ギリセーフだよね?・・・フランカの分を買う時に女装姿を思い浮かんだから、女装に合わせちゃった。
そして翌日の朝、俺達は管理されている上級者用のエリアへと向かって行く。そこは厚い鉄の扉で出入りを管理されており、町と魔物のエリアを隔絶する擁壁があって、島の中央部を隔てている。
そこには出入りを監視している者達がおり、その者達にギルドで発行された許可証を見せ、本当に上級エリアに入る事に問題がない者なのかを念入りにチェックしていた。
俺達の他に3パーティーが入っていると言われた。その他のエリアは100パーティー以上が 参加しており、獲物も熾烈な獲得競争になるのだという。しかし、この上級用エリアは直径が5km程あると言うのだ。その為、余程の事がない限りかち合う事がないであろうと言うのだ。
先に入った3組がどの方面に行ったのかを聞き、なるべくそちらではない方角に行く事とした。そして他のグループの者が近くにいると反応するネックレスを俺が代表で監視員から渡された。これは冒険者と魔物を間違えないようにする為の物であり、距離が近付くにつれて、点滅の間隔が短くなるというのであった。
俺達は島の中心部にある上級エリアに向かうのだが、入り口を入ってから左手の方向に向かう事にした。
そして歩く事5分程で今は鬱蒼とした森の中を進んでいる。そうすると早速何かが近付いてくる気配がした。草等がカサカサと動いているので、間違いなく何かが近付いてくるのが分かる。 ペンダントが輝いていない為、他の冒険者ではないという事が分かった。
俺がさっと剣を握り締めて警戒を始めたので、皆魔物の接近を俺が感じたという事が伝わったようで、各々戦闘準備に入る。一番気配察知が怪しいのが俺だ・・・
今回俺が前衛で、他に前衛はゼツエイ、後衛をミザリアとミリア、そしてイリアとフランカはその護衛である。護衛はかなり重要な役目だ。
後衛職が魔法を放つ時に無防備になってしまうので、それを守る重要な役目だ。強力な魔法程、詠唱に時間が掛かるのだ。 ゼツエイは護衛には向かないし、俺もそうだ。2人共猪突猛進する性分だ。
俺の場合、普段は前衛か後衛を担う。今回は中衛を置かず、敢えて前衛と後衛のみにしたのだ。
そうしていると、いきなり四方八方から何者かが飛び掛かってきた。
それはいわゆるリザードマンというトカゲが2足歩行をするような魔物であった。俺とゼツエイは各々剣と斧で斬り結ぶ。ミザリアとミリアは魔法を展開し、襲ってくる敵を撃破する。しかし撃ち漏らしがあり、ミリアが斬られそうになったのだが、そこはイリアがきっちり仕事をして仕留めた。
リザードマン8体がこの島での最初の戦闘で、俺はスキルをゲットしようとするがこれといったスキルは残念ながらなかった。持っている武器も棍棒であり、取得したのは棍棒術ばかりで俺は項垂れていた。
戦後処理をしなければならないので、フランカとゼツエイに周囲の警戒をお願いし、他のメンバーにてアイテムを拾ったり、魔石を抜き取るのであった。
2
お気に入りに追加
1,726
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~
Bonzaebon
ファンタジー
『ヤツは泥だらけになっても、傷だらけになろうとも立ち上がる。』
元居た流派の宗家に命を狙われ、激戦の末、究極奥義を完成させ、大武会を制した勇者ロア。彼は強敵達との戦いを経て名実ともに強くなった。
「今度は……みんなに恩返しをしていく番だ!」
仲間がいてくれたから成長できた。だからこそ、仲間のみんなの力になりたい。そう思った彼は旅を続ける。俺だけじゃない、みんなもそれぞれ問題を抱えている。勇者ならそれを手助けしなきゃいけない。
『それはいつか、あなたの勇気に火を灯す……。』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる