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第1章

第40話 アジトの戦い

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    俺は戦いの場が見えた途端に叫んだ。

「俺の奴隷は一旦退き、俺の元へ来い」

 奴隷達が追われ始めた為に、アイスボールで追手を無力化して行く。俺は皆に指示をした。

「可能な限り殺すな!生け捕りにしろ。怪我は後で治す!ゼツエイの指示は取り消してやるから命を無駄にするな!」

 そう指示をすると、俺の後ろに隠れるように3人が駆けて来たが、血塗れで息を切らしている。俺の元に来た3人にヒールを掛けていく。

 「さっきも言ったが、先のゼツエイの命令は無しだ。この先30m位先に馬車がある。馬車の護衛を命ずる。行け!」

 そうすると奴隷達は慌てて走って行き、俺は盗賊達と向き合う。俺は自分が上から目線で命令していた事に驚いた。普段は人見知りが激しく、会話もままならない筈だった。

 俺は8人に囲まれたが、落ち着いていた。
 ゼツエイにしろ、ツインズにしろ、皆それぞれ盗賊と向き合っているので、俺への加勢は期待できない。
 俺はやっぱりヘタレなのだろうか?なるべく殺したくないと思ってしまう。
 そして一番近い奴に斬りかかる。
 俺は思わず「おおおおおお!」と叫びながら斬り結ぶが、1人目の腕を切断して蹴りを入れるも、横から打ち込まれたので、盾で何とか受け止める。

 目の前に次の奴がいたが、俺は後ろへ剣を突き立てる。すると後ろから迫った奴の腹に剣が突き立ったのだ。スキルの影響からか、難なく対応が出来た。

    そして目の前の奴が剣で攻撃してくるが盾で防ぎ、返す剣で脚を斬り付けた。
 そして残りの奴が一斉に襲い掛かかって来たが、ふと冷静になりアイスボールを5つ同時に放ち、一気に無力化した。

 全て腹に当たっていて、5人は腹を押さえながら悶絶していた。腕を切断した奴と脚を斬りつけた奴にアイスボールを放ち、気絶させて決着した。

 俺は間髪入れず奴隷化し、次にスキルを奪った。安全が確保できたので順次治療を行っていった。腕を切断した奴に対しては、腕を切断面に押し付けながらヒールを掛けると、きっちり繋がった。

 そして周りを見ると、ミザリアが1人を拘束した以外、賊は全て死んでいた。
 俺は責めまいと心に誓い、ミザリアが拘束した者を奴隷にした。

 頭領はイリアの方に行ったようだった。

「友安様申し訳ありません。生け捕りにできませんでした」

「良いんだよ。悪かったな。頭領はイリアの所に行ったか。可能ならお願いしたかったけど、イリアの命の方が大事だからね!ってお前怪我をしているじゃないか」

 そう言って慌てて治療し、皆の傷を確認するもミザリアは無傷で、後はミリアが膝を擦り剝いた位だった。

 盗賊の死体を集めていると、奴隷にしていた者が辛うじて生きていたので、急いで治療をしてやった。
 周りの警戒をゼツエイ、ミザリアにお願いし、俺は死んだ奴からスキルをごっそり回収していた。

 周りには他に生き物の気配は無かったが、念の為生存者がいないかアジトの中を確認したが、中に有ったのは死体だけだった。

 アジトの中で横たわる死体からスキルを奪うと、収納に入れ、外に出てから出していった。また、くまなく中を確認し、金目の物を回収していった。アジトには盗賊の馬車があるので、奴隷にした盗賊にアジトにある馬車にお宝の積み込みをさせた。

 その間俺達は死体の処理だ。イリアとミリアにはアジトからの荷物の運び出しの監督をして貰ったが、それはミザリアからの提案だった。
 俺達は死体からカードを回収していった。

 最終的に最初の襲撃で8人を殺し、1人を道案内、捕えた9名にてアジトを襲わせた。
 アジトへの襲撃で2名が死亡し、アジトにいた盗賊で死んだのは11人で、新たに捕らえたのは9人だ。
 つまり合計すると死んだのは21人、捕らえたのは18人だった。
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