上 下
19 / 130
第1章

第19話 パーティー結成

しおりを挟む
 皆で話し合った結果、優男君とミザリア達の宿を俺達の泊まっている宿に移って貰う事にした。
 借りる部屋は2部屋になり、男性組と女性組で分けた。お子ちゃま2人が文句を言ったが、ミザリアに諭されて渋々頷いていた。宿は俺達の宿に移す必要が有るので、ミザリア達が泊まっている所を引き払って貰った。優男君は今日の宿はまだ決まっていなかった。

 宿の食堂で夕食となり、ゼツエイとミザリアにフランカの事を話すと、あっさりと仲間入りを了承したが、ミザリアが俺に一言告げてきた。

「貴方がリーダーをするのですよ。私達は全面的にフォロー致しますが、あくまでも貴方がリーダーになりましてよ。改めて宜しくお願いしますわ!リーダー♪」

 満面の笑みのミザリア様は正に女神だ。なんか頑張ろう!という気持ちが沸々と湧いてくるのだから、美女の笑みは物凄い効果だなと思ったりする。
 
 皆ひと言ずつ軽く自己紹介をしていった。
 例えばフランカの場合は国境付近の山間の村の出身で、魔物が多く出る地域に住んでいる。この先発生する変異で勇者の役に立ちたく、王都に来れば会えるかもと言う感じで来た。変異が終わった後は、生涯の伴侶を探すという。

 皆軽く自己紹介を終え、食事を食べ始めるとゼツエイが乾杯の音頭を取り始めた。この人はよく分からんおっさんだ。

「新たな仲間に乾杯!」

 樽にしか見えないジョッキ?で大量に、それも一気に酒を飲み干す。
 俺の隣はミザリアさんで、その隣にゼツエイさん、向かい側にお子ちゃま2人とフランカ君だ。ゼツエイさんはやたらと上機嫌だ。

「さあさあ、友安殿も飲め飲め。儂のおごりじゃて遠慮するな!ぐはははは」

 俺は飲めなくはないが、酒は好きではない。父親が酒乱だったからだ。よく殴られたり灰皿をぶつけられたんだよな。まあ、お近付きの挨拶代わりの1杯という事か!?そう思い、ゼツエイが飲んでいる樽から木のグラス?に半分位移されたのを仕方なく一気に飲み干した。しかし、いきなり俺は咽せた。

「ぐわあああ!なんだこれ?辛いしキツイ!ぐえええ」

「かかか!勇者殿とはいってもヒューマンにはちと辛かろう!何せドワーフ殺しじゃからのう」

「なんて物を飲ますんですか!死ぬかと思ったよ!ぐぶぁあ!」

 ミザリアがゼツエイの頭を叩いた。

「あれは殆どアルコールなのですから、ヒューマンに飲ませるなんて何を考えているのですか!?友安様を殺す気ですか!貴方が死ぬのは勝手ですが、私の大事な方なのですよ!」

「でもな、流石に勇者殿とは思わぬか?普通はヒューマンが飲むとその場で吐くであろう?吐かなかった場合、即刻気絶した奴しか見た事がないがのう!」

「あら?確かに咽せただけで平気ね。へー!ってそうじゃないでしょ!あんな危険な物を飲ませて万が一ぽっくり逝っちゃったら、私の子宝計画が狂うじゃないの。全くもう!」

 ちょっと聞き捨てならぬワードが出たが、ミザリアさんもお酒を飲んでいて、ほんのりと紅くなり妙に色っぽい。もし今誘惑されたら俺いっちゃいそうだよ。うん。
 とはいえさっきのドワーフ殺しは本当にきつかった。

 因みにお子ちゃま2人はというとアルコールを禁止にしている。子供には飲ませられないからね。

 フランカが会話を聞いて目を丸くしていた。綺麗な顔だ!悔しい!イケメンなんか嫌いだ!

「あのう!今ですね、友安様の事を勇者様とおっしゃいましたか!?」

「今更何を言っとるんだ?勇者と言ったらあの勇者しかおらぬだろう。この御仁はな、勇者にして我が娘同然のミザリアの将来の婿殿じゃて。孫を抱くのが楽しみじゃ!くかかかかあ」

「ふえー!?結婚相手が既に3人もいらっしゃるのですか!流石です!お師匠様!」

「これ!何を勝手に私を結婚相手にしているのですか!私などでは友安様に失礼ですよ。友安様申し訳ありません。年寄りの戯言と聞き流して下さいね♡」

 俺の心の叫びはこうだ!

「ゼツエイさんナイスっす!ミザリアさんって見た目も仕草も、そして声も何もかも、もろ俺のドストライクなんっすけど!嫁にぽちい!エルフだよエルフ!いやーエルフってみんな綺麗なんすっかねえ!ミザリアさんって素敵だあ!時折発するあの毒舌もキュートだあ!みざりあさああん!大好きだああ」

「えええ!?いやーん!本気ですか!?本気にしますわよ!?」

 俺はどうやら心の叫びを口走っていたようだ。そんな事を聞いているうちに頭がグラグラして、やがて倒れ込んだ。咄嗟に何かヤ・ワ・ラ・カ・イ・モ・ノ・!を掴んだ気がするが、先程のドワーフ殺しが一気に回り、酔い潰れてしまい、あっという間に意識を無くしたのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

祈りの力でレベルカンストした件!〜無能判定されたアーチャーは無双する〜

KeyBow
ファンタジー
主人公は高校の3年生。深蛇 武瑠(ふかだ たける)。以降タケル 男子21人、女子19人の進学校ではない普通科。大半は短大か地方の私立大学に進む。部活はアーチェリー部でキャプテン。平凡などこにでもいて、十把一絡げにされるような外観的に目立たない存在。それでも部活ではキャプテンをしていて、この土日に開催された県総体では見事に個人優勝した。また、2年生の後輩の坂倉 悠里菜も優勝している。 タケルに彼女はいない。想い人はいるが、彼氏がいると思い、その想いを伝えられない。(兄とのショッピングで仲良くしているのを彼氏と勘違い) そんな中でも、変化があった。教育実習生の女性がスタイル抜群で美人。愛嬌も良く、男子が浮き足立つのとは裏腹に女子からの人気も高かった。タケルも歳上じゃなかったら恋をしたかもと思う。6限目が終わり、ホームルームが少しなが引いた。終わると担任のおっさん(40歳らしい)が顧問をしている部の生徒から質問を受け、教育実習生のミヤちゃん(竹下実弥子)は女子と雑談。タケルは荷物をまとめ、部活にと思っていた、後輩の二年生の坂倉 悠里菜(ゆっちゃん、リナ)が言伝で来た。担任が会議で遅れるからストレッチと走り込みをと言っていたと。この子はタケルに気があるが、タケルは気が付いていない。ゆっちゃんのクラスの担任がアーチェリー部の担任だ。ゆっちゃんと弓を持って(普段は学校においているが大会明けで家に持って帰っていた)。弓を背中に回して教室を出ようとしたら…扉がスライドしない。反対側は開いていたのでそっちに行くが見えない何かに阻まれて進めない。反発から尻餅をつく。ゆっちゃんは波紋のようなのが見え唖然とし、タケルの手を取る。その音からみっちゃんも扉を見て驚く。すると急に光に包まれ、気絶した。目を覚ますと多くの人がいる広間にいた。皆すぐに目覚めたが、丁度三人帰ったので40人がそこにいた。誰かが何だここと叫び、ゆっちゃんは震えながらタケルにしがみつく。王女と国王が出てきてありきたりな異世界召喚をしたむね話し出す。強大な魔物に立ち向かうべく勇者の(いせかいから40人しか呼べない)力をと。口々に避難が飛ぶが帰ることは出来ないと。能力測定をする。タケルは平凡な数値。もちろんチート級のもおり、一喜一憂。ゆっちゃんは弓の上級スキル持ちで、ステータスも上位。タケルは屑スキル持ちとされクラスのものからバカにされる。ウイッシュ!一日一回限定で運が良ければ願いを聞き入られる。意味不明だった。ステータス測定後、能力別に(伝えられず)面談をするからと扉の先に案内されたが、タケルが好きな女子(天川)シズクと他男子二人だけ別の扉を入ると、閉められ扉が消え失せた。四人がいないので担任が質問すると、能力が低いので召喚を取り消したと。しかし、帰る事が出来ないと言っただろ?となるが、ため息混じりに40人しか召喚出

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

処理中です...