異世界でハズレスキル【安全地帯】を得た俺が最強になるまで〜俺だけにしか出来ない体重操作でモテ期が来た件〜

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第29話 ギルドに

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 宿で小休息をとった後、俺たちは街の冒険者ギルドへと向かった。目的はミカとカナエの冒険者登録と、街の情報を得ることだった。

「ここがギルドか、王都とは違うがある意味立派な建物だな」

 ミカが目を輝かせている。大きな石造りのギルドは、多くの冒険者で賑わっていた。中に入ると、壁にはびっしりと依頼書が貼られている。冒険者たちが次々に依頼書を確認し、受付へと向かっていく。

「まずは受付に行って登録を済ませよう」

 俺たちは受付に向かった。受付の女性が笑顔で迎えてくれる。

「いらっしゃいませ。ご用件は何でしょうか?」

「彼女たち2人の冒険者登録をお願いしたいのですが」

「かしこまりました。それでは、こちらの登録用紙に記入をお願いします」

 受付の女性が書類を差し出すと、ミカとカナエがそれを受け取った。しかし、2人は困ったような表情を浮かべている。カナエが申し訳なさそうに言った。

「すみません。私たち、文字の読み書きができなくて・・・」

 女性は驚いた様子だったが、すぐに優しく微笑んで言った。

「大丈夫ですよ。私が代わりに書きますので、名前と基本的な情報を教えてください」

 ミカとカナエは、女性に自分たちの情報を伝えていった。女性は手際よくそれを記入していく。しばらくして手続きが終わり、2人にギルドカードが渡された。

「これで登録は完了です。こちらがギルドカードになります」

 ミカは「ミカリン」、カナエは「カナッチ」と書かれたカードを手に取り、安心したように頷いた。俺たち3人は、ステータス隠蔽機能を使ってそれぞれ本名を偽名に変えていた。俺の偽名は「ガンロウタ」だ。これは嘘発見系のスキルを持つ者にも引っかからないよう、クラスで誰も使っていなかった名前を選んだものだった。

「さて、周辺の魔物の出没状況を教えてもらえますか?」

 俺が尋ねると、受付の女性はボードに貼られた依頼書を指さして説明してくれた。そこには魔物の出現情報が詳しく書かれているが、俺たちにはそれを読むことができない。それを察した女性は、口頭で教えてくれた。

「この辺りにはワーウルフやゴブリンなどの雑魚が多いですね。でも、最近はバトルウルフも出現しているようです。お気をつけくださいね」

「ありがとうございます。明日からその討伐をすることにします」

「お気をつけて」

 情報を得た俺たちは、明日からの計画を立てるため、ギルドを後にした。

 ギルドを出た後、俺たちは換金所へと向かった。街に来る途中で倒したことにした魔物の討伐証明部位と魔石を換金してもらうためだ。
 取り敢えず狼っぽいやつのだと言っていたから、多分ワーウルフだろう。当たり障りのない魔物の分を2体であれば問題ないだろう。

「ワーウルフを倒したつもりだったんだけど、実はバトルウルフだったんだよね」

 ミカが笑いながら言う。俺たちは持っていたバトルウルフの討伐証明部位と魔石を受付に提出した。受付の男性がそれを確認し、驚いた顔で言った。

「これは…バトルウルフの上位個体ですね。通常のワーウルフよりもずっと価値が高いです。1体につき金貨1枚で換金させていただきます」

 男性は金貨を2枚を俺たちに手渡した。ワーウルフだった場合は銀貨2枚にしかならなかったが、予想外の収穫だ。

「これでしばらくの間は金銭的に困らなくて済むな」

 俺たちは喜びを分かち合いながら、換金所を後にした。再び宿に戻り、今日得た情報をもとに、今後の行動計画を立てることにした。

「さあ、これからどうする?」

 カナエが問いかける。俺たちは明日から始める討伐計画について話し合い、この街での冒険者としての活動を本格的に開始する準備を進めていくのだった。
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