異世界でハズレスキル【安全地帯】を得た俺が最強になるまで〜俺だけにしか出来ない体重操作でモテ期が来た件〜

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第24話 安全地帯の検証

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 安全地帯を構成するキューブについて、動かせないか?と独り言を呟いたさつもりだったが、その言葉を聞き逃さなかった2人がすぐに反応してきた。

「そう、それ!アタシも不思議に思ってたんだよね!このキューブ、動かせるんじゃないのかなって。でも、やまっちが試してみないから、もう試したりしていて、無理だったんだろうなって思ってたんだ」

 ミカが興奮気味に言うと、カナエも同調した。

「私も上の空間が無駄だと思ってたの。3層を2層にしたらもっと広く使えるのにって。でも、不可能だって決めつけていたわ」

「そうだな。どうなるか分からないけど、動くかどうか試してみようか!」

 そこで俺たちは、実際にキューブを動かしてみることにした。驚いたことに、キューブは簡単に動かすことができ、俺たちは協力してキューブを再配置し、居住スペースを広げることに成功した。
 キューブはメジャーがないので正確には分からないが、正立方体であり目測で1辺は約1mと分かっている。
 つまり1キューブは約1㎥だ。
 それが27個、つまり3mx3mx3mの正立方体になっているのが安全地帯のデフォルトだ。

 それを各キューブ単位で動かせないのか?と今更ながら思い至ったのだ。
 そこから色々検証したが、キューブは一つの面が必ずどれかのキューブに接していなければならず、動かす時に分離できなかった。
 つまり2個のキューブを独立させることが不可能だった。

 また、屈まないとだが、一列に27個並べる事も出来た。
 ただ1つ言えるのは、安全地帯に入った時の入口となったキューブだけは動かすことが出来なかった。

 つまり、安全地帯の中でキューブを動かしながら大幅に動くということは無理だということだ。
 最大でも27mしか移動できない。
 つまり、壁抜けの限界は27mということを意味する。

 そして以下のような組み合わせが、居住スペースを最大限確保することが分かった。
 頭上に圧迫感があるが、面積が大幅に広がり快適度が上がったのだ。
 これまでは3x3が3層構造と面積は9㎡で、更に荷物があった。
 しかし今度は4x3が2層、12㎡と面積が3割ちょい増え、更に1x3、3㎡で1層となる荷物置き場もある。
 頭上は圧迫感があり、ジャンプすると頭を打つし、手を伸ばせば天井を簡単に触るが広くなったのは大きい。


 **1層: キューブ数 15個**

 xxxx  
 xxxx  
 xxxx  
 xxx   

 **2層: キューブ数 12個**

 xxxx  
 xxxx  
 xxxx  

 ---

「これが一番快適に過ごせるんじゃないかな?」

 俺は満足げに言ったが、ミカが不機嫌そうに顔をしかめた。

「遅いのよ!私はとっくに気がついてたんだからね!」

 その言葉に、俺はたじろいだ。

「やまっちは鈍感さんだから、私たちが思ったことを感じているとは限らないようね。次からはちゃんと気がついたことは伝えなきゃね」

「そうね。私も検証済みだと決めつけていたわ。やまっち、ゴメンね・・・」

 ミカとカナエの言葉は鋭く、特にミカは容赦がない。
 しかし、ちゃんとフォローをしてくれるし、建設的な意見をくれ、本当に助けられていた。

 そしてリフォーム後訓練をしていたが、型の基本というか、空手の基本中の基本である突きくらいしか今はできなかった。
 蹴りをするには狭く、先ずは突きの反復練習をしていたけど、どうやら覚えは早いらしい。
 ミカからは、下手な癖がついていないから教えやすく、覚えるスピードが早いらしい。
 だけど、それはミカの教え方が上手なんだと思う。
 また、カナエからの槍も払いができず、突きを突き詰めていた。

 突きだけとはいえ、2人からフォームがきれいで、教えたことをどんどん吸収するなんてやっぱりすごいね!とか言われた。

 2人は俺が自信を付けるのによいしょしているのだろうけど、わかってはいても、『俺はできるやつなんだ』などと勘違いしてしまいそうになる。
 だけど、それでも嬉しいし、少しは自信になった。

 そんなやり取りの中で、俺は少し恥ずかしさを感じながらも、彼女たちとの絆が深まっていくのを実感した。狭い空間の中でも、少しずつ居住環境を改善しながらも、生き抜く為に備えていく俺たち。安全地帯の中でも、この後に対する備えを忘れない!
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