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第1章
死を覚悟
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太一は全身を打撲しており、痛みから呻いていたが、逃げなきゃ!逃げなきゃと這いつくばり先に進み出した。
這っている為、ノロノロと前に進んでいたが、数分位してこれじゃ駄目だ、無理してでも立たなきゃと感じ、みっともなくではあるが、呻りながらもなんとか立つ事が出来た。
足は大丈夫そうなので立てたのだが、左手が使い物にならなくなっていた。痛みで今は動かす事が出来なかったのだ。骨折はしていないようなので暫くすれば痛みが引き、再び動かす事が出来るだろうが、今は痛み以外の感覚が麻痺し、左手は動かなかった。
今は落ちているナイフを右手で拾うのが精一杯だった。残念ながら階段の上のから魔物の気配がしており、回復を待つ時間はなさそうだった。
そうして降りてきたというより、転がり落ちて来た階段を警戒していたが、何故か先程の魔物達が降りてくる気配が無かった。ただ階段を降りてきた太一が今いる所は異様で、大きな扉が一つぽつんとあるだけで他には何もなかったのだ。
再度階段の方の気配を探るが、やはりまだ上の方に何かがいる気配がする。とりあえずこの扉の中に入って動けるようになるまで休ませて貰おう、そんなふうに思ったのだ。
扉を開け中に入ると、そこは野球場位の大きさの広い空間が有った。とりあえず壁沿いに進もうと思ったが、突然ドアがバタンと閉じ、慌てて開けようとするも開かなかった。部屋に入った直後は薄暗かったのだが、ドアが閉まると明かりがどんどん灯って行き、昼間のような明るさになっていった。
辺りの様子の変化にその都度太一はビビってしまっていたが、もう一度焦りながらドアを開けようとするも開かなかった。まあ、お約束のパニック的な行動であった。
太一は階段を転げる時に頭も打っており、痛みと恐怖で思考がかなり鈍っていた。急にハッとなりこれってひょっとすると小説やアニメでよくあるボス部屋ってやつだろうか?ふとそんな気がしたのだ。そうだとすれば合点が行くのだ。
ボス部屋の所に強い魔物がいるので、先の魔物が怖気づいて下に降りて来られなかったのではないか?行くにしろ戻るにしろ扉をくぐる前に休んでおくべきだったと今更だが後悔した。しかし後悔してももう遅いのである。詰んだかな。やっぱり死んじゃうのかな?そんな事が頭をよぎるが、画面の中のカウントダウンをしている所を見ると後1分を切っていた。1分逃げ切れるかな?そう思っていると中央の方に何やら光の繭のようなのが発生し、繭が破れ、中から出てきたが物がだんだん大きくなり、何かの生き物の形が作られてきた。
やがてそれは体長20 mはあろうかと言うような所謂ドラゴン、それも西洋風のドラゴンという奴としか思えないのが現れた。そしてその脇に何やら子分と思われる魔物も発生していたのだ。
魔物が、つまりドラゴンが咆哮をあげる。太一は恐怖ですくみ、その場にパターンと尻餅をついて恐怖のあまり失禁までしてしまった。そして太一の髪は一気に真っ白になっていく。死を覚悟し助からない、あれは絶対的な強者だと悟ったのだ。逃げる方向を間違えたなぁと、最初の分岐路を逆に進んていたらひょっとしたら地上に行く方向に行っていたのかもなとも思ったが、もう後の祭りである。童貞のまま死ぬのか、無念だと。丁度今はドラゴンの横っ面の方にいた。
太一は目立たないようにのろのろと這いつくばってドラゴンの背後に回り、視界に入らないようにしようとした。しかしお供の魔物が太一を見つけて走り出してきた。
太一が恐怖にかられ、うわあーと叫びながらどこに逃げても無駄なのだが、そいつらが追ってくる方と反対の方に走り出す。すると何かにつまずいて太一はこけたのだが、先ほどまで太一の頭があった所をドラゴンの尻尾が薙いでいた。転けた時に体を擦り向き、顔を擦りむいて皮が剥け、血だらけになっていた。
そしてまた走り出すが、魔物の足はそんなに早くはなかったので、ほぼ全力に近い太一の走りに付いて来れなかった。そうして強運からか時間稼ぎに成功し、カウントダウンが終わったのだ。
すると魔物の数だけの魔法陣が、魔物の強さに応じた大きさで、対象の魔物の目の前に展開された。そして魔物がその魔法陣を見つめていた。ドラゴンもその魔法陣を見て恐怖に引きつっていたが、道連れにしてやると言わんばかりに太一に向かい口から炎を出した。
するとまばゆいばかりの光のビームと言ったら良いのだろうか、光の束が魔法陣から一斉に放たれ、一気に魔物に襲い掛かって行った。
それらのビームと言うか、魔力の本流が一瞬にして魔物達の体を貫いていった。例外なくすべての魔物に効いていたのだ。そしてゴーッという大きな音と共に魔物が一斉に霧散していったのだ。
太一の頭の中に何故かレベルアップしましたと聞こえたのだが、太一は先程浴びた炎により火傷を負い、酷い火傷により呻いていて、自分のゼイゼイハアハアと言う声でアナウンスが聞こえていなかった。そして太一は急激に意識を手放し、気を失ったのであった。
這っている為、ノロノロと前に進んでいたが、数分位してこれじゃ駄目だ、無理してでも立たなきゃと感じ、みっともなくではあるが、呻りながらもなんとか立つ事が出来た。
足は大丈夫そうなので立てたのだが、左手が使い物にならなくなっていた。痛みで今は動かす事が出来なかったのだ。骨折はしていないようなので暫くすれば痛みが引き、再び動かす事が出来るだろうが、今は痛み以外の感覚が麻痺し、左手は動かなかった。
今は落ちているナイフを右手で拾うのが精一杯だった。残念ながら階段の上のから魔物の気配がしており、回復を待つ時間はなさそうだった。
そうして降りてきたというより、転がり落ちて来た階段を警戒していたが、何故か先程の魔物達が降りてくる気配が無かった。ただ階段を降りてきた太一が今いる所は異様で、大きな扉が一つぽつんとあるだけで他には何もなかったのだ。
再度階段の方の気配を探るが、やはりまだ上の方に何かがいる気配がする。とりあえずこの扉の中に入って動けるようになるまで休ませて貰おう、そんなふうに思ったのだ。
扉を開け中に入ると、そこは野球場位の大きさの広い空間が有った。とりあえず壁沿いに進もうと思ったが、突然ドアがバタンと閉じ、慌てて開けようとするも開かなかった。部屋に入った直後は薄暗かったのだが、ドアが閉まると明かりがどんどん灯って行き、昼間のような明るさになっていった。
辺りの様子の変化にその都度太一はビビってしまっていたが、もう一度焦りながらドアを開けようとするも開かなかった。まあ、お約束のパニック的な行動であった。
太一は階段を転げる時に頭も打っており、痛みと恐怖で思考がかなり鈍っていた。急にハッとなりこれってひょっとすると小説やアニメでよくあるボス部屋ってやつだろうか?ふとそんな気がしたのだ。そうだとすれば合点が行くのだ。
ボス部屋の所に強い魔物がいるので、先の魔物が怖気づいて下に降りて来られなかったのではないか?行くにしろ戻るにしろ扉をくぐる前に休んでおくべきだったと今更だが後悔した。しかし後悔してももう遅いのである。詰んだかな。やっぱり死んじゃうのかな?そんな事が頭をよぎるが、画面の中のカウントダウンをしている所を見ると後1分を切っていた。1分逃げ切れるかな?そう思っていると中央の方に何やら光の繭のようなのが発生し、繭が破れ、中から出てきたが物がだんだん大きくなり、何かの生き物の形が作られてきた。
やがてそれは体長20 mはあろうかと言うような所謂ドラゴン、それも西洋風のドラゴンという奴としか思えないのが現れた。そしてその脇に何やら子分と思われる魔物も発生していたのだ。
魔物が、つまりドラゴンが咆哮をあげる。太一は恐怖ですくみ、その場にパターンと尻餅をついて恐怖のあまり失禁までしてしまった。そして太一の髪は一気に真っ白になっていく。死を覚悟し助からない、あれは絶対的な強者だと悟ったのだ。逃げる方向を間違えたなぁと、最初の分岐路を逆に進んていたらひょっとしたら地上に行く方向に行っていたのかもなとも思ったが、もう後の祭りである。童貞のまま死ぬのか、無念だと。丁度今はドラゴンの横っ面の方にいた。
太一は目立たないようにのろのろと這いつくばってドラゴンの背後に回り、視界に入らないようにしようとした。しかしお供の魔物が太一を見つけて走り出してきた。
太一が恐怖にかられ、うわあーと叫びながらどこに逃げても無駄なのだが、そいつらが追ってくる方と反対の方に走り出す。すると何かにつまずいて太一はこけたのだが、先ほどまで太一の頭があった所をドラゴンの尻尾が薙いでいた。転けた時に体を擦り向き、顔を擦りむいて皮が剥け、血だらけになっていた。
そしてまた走り出すが、魔物の足はそんなに早くはなかったので、ほぼ全力に近い太一の走りに付いて来れなかった。そうして強運からか時間稼ぎに成功し、カウントダウンが終わったのだ。
すると魔物の数だけの魔法陣が、魔物の強さに応じた大きさで、対象の魔物の目の前に展開された。そして魔物がその魔法陣を見つめていた。ドラゴンもその魔法陣を見て恐怖に引きつっていたが、道連れにしてやると言わんばかりに太一に向かい口から炎を出した。
するとまばゆいばかりの光のビームと言ったら良いのだろうか、光の束が魔法陣から一斉に放たれ、一気に魔物に襲い掛かって行った。
それらのビームと言うか、魔力の本流が一瞬にして魔物達の体を貫いていった。例外なくすべての魔物に効いていたのだ。そしてゴーッという大きな音と共に魔物が一斉に霧散していったのだ。
太一の頭の中に何故かレベルアップしましたと聞こえたのだが、太一は先程浴びた炎により火傷を負い、酷い火傷により呻いていて、自分のゼイゼイハアハアと言う声でアナウンスが聞こえていなかった。そして太一は急激に意識を手放し、気を失ったのであった。
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