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第37話 今後の事について
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ブラット達は村長の館に招かれていた。
豪華とは言えはしないが、今できる精一杯のもてなしを受けていた。
村の3割の建物に被害があった。村の入口付近は大した事は無かったのだが、ルキエル達の家は半壊していた。その為今日は村長の所に招かれていたのだ。
ルキエルの両親は既に他界していた。母親も3年前に流行り病に倒れたのだという。明日ブラットは己の両親とルキエルの両親の墓参りをするとした。
ブラットにルキエルはずっとしなだれかかっていた。
ブラット達が鎧を脱いでいる間にルキエルは子供達と話をしていた。子供達は既にブラットを受け入れていたが、問題定義をしていた。
「母様、タミアお姉さんはトト様の事を好きなんだって。何か2号さんでも良いって言ってたけど、追い出す?」
アリアナが話していた。
「何があったのかしら?」
「死に掛けた奴隷として売られたのだけど、買われた後に治療され、翌日には奴隷開放したんだって。それで好きになったんだって。でもまだ手をだしていないって」
「あの人らしいわね」
「まだあるの。あのメイドさんと、お姫様も好きなんだって。あの2人も性奴隷として売られているところをトト様が買ったのだけど、やっぱり手を出していないんだって。なんか一年の間は手を出さずに買い戻しをするチャンスをあげるって言われたんだって」
「あの3人は嫌い?」
「ううん。良くしてくれたよ」
「よくお聞きなさい。貴女達のお父様はあの聖騎士を討たれたそうよ」
「えっ?それって駄目なやつじゃないの?」
「違うのよ。あの聖騎士はね、人々を苦しめた極悪人なの。だからね、あの人は英雄なの。あの人は多くの妻を娶る義務があるの。今にこの国の重鎮になる御方なのよ」
「母様はそれで良いの?」
「時折愛してくれれば満足よ。それに、貴女達に沢山の弟や妹ができるかもね。それと多分王都に移り住む事になるわ。村を離れるのは嫌?」
「少し寂しいけど、母様とリリニアがいればどこでも良いわ!」
「決まりね。お家も壊れちゃったし、お父さんについていく事で良いわね?」
2人が頷く。
「あのね母様、トト様の魔法は凄かったの。あっという間に悪い人をやっつけていたの。ねえ、トト様と冒険者をしたいって言ったら怒る?」
「トト様に頼んでみなさい。少し早いけど、折角のスキル持ちですもの。魔法を伸ばすのも良いわね」
そんな話をしているとブラット達が戻ってきた。
村長がルキエルに話してきた。
「折角の親子の再会じゃ。4人で風呂に入ってきなさい。子供達はおお父さんの背中を洗ってあげるのじゃよ」
そうして4人で風呂に入る。
「なあルキエル。その、綺麗になったな」
「貴方こそ大人になって格好良くなったわ」
「聞いたよ。俺が帰ると信じて待っていてくれたんだってな。その、一つ言わなきゃならん事が有る。その、俺は腕を失くし、股間を切り取られていたんだ。それで最初はそんな体を見られたくないと思って帰るつもりはなかったんだ。したら、あのニスティーのお陰で俺は欠損修復が出来て男を取り戻したんだ。その、それで帰る決断をしたのだが、その、帰る事を諦めた時にだな、その…」
「その人も娶りなさい。タミアさんもニスティーさん、マリーナさんも貴方に想いを寄せているのでしょ?ならば直ぐに奴隷から開放してあげなさい。但し条件があるの」
「へっ?」
「ふふふ。この子達と冒険者をして、鍛えてあげて!この子達の力を伸ばしてあげて!それと家が壊れたから王都に連れていって欲しいの」
「いいのか?」
「ええ。貴方の事を一番愛しているのが私だと分かってくれるなら」
「そうか。ありがとう。他の女の事はいいんだ。それよりもルキエルの事をもっと知りたい。この10年の事を教えてくれ。女一人の身で双子の子育てなんて苦労した筈だろ?」
風呂の後、ブラットとルキエルは2人の時を過ごす。子供達はタミア、マリーナ、ニスティーと部屋を共にする。
朝になる頃には3人をお姉ちゃんと呼ぶ。3人も2人を実の妹のように接するようになるのだが。
ルキエルはブラットの噂を聞いていた。聖騎士を1人の戦奴が倒したとの噂、その名はともかく、かなりの巨躯だと。聞こえてくる噂話から20代中頃等、特徴がブラットと似ている事から生きていると確信していた。
戦奴となると開放されるのは稀だとは聞いていたが、多大な武勲を上げると開放されると聞いた事が有り、もしもブラットが噂の主ならば、奴隷から開放されるのは時間の問題だと。類稀な者として多くの妻を娶り、強い子孫を残す義務が課せられる、少なく共世間から求められる、その認識がある。ブラットは不器用だ。本当は独占したいが、それは世の中から許されないだろう。しかし、自らはハーレムを築こうとはしないだろう。ならば自分からそうするように諭してあげる必要がある。
但し正妻として、ブラットの妻に迎え入れる者の人となりを見極めようと。
ブラットが連れて来た3人は、お人好しの彼らしいなと感じた。その証拠に奴隷として買った3人に対してまだ手を出してはいない。タミアは年齢的にまだ早いからと言うのは分かるが、マリーナとニスティーは女の自分から見ても綺麗な女性だ。そんな彼女達を買ったのは奴隷から救いたいというお人好しな行動だと分かった。
ルキエルは明日3人とじっくり話そうと思いつつ、ブラットに抱かれる事に恥ずかしさが有るが、10年待ちに待った彼の胸に飛び込み、その温もりを感じる事の期待にトキメキ、宛てがわれた部屋にてこの10年を取り戻す事になる。母としてではなく一人の女として。
そうして恋人達の甘い夜が過ぎていくのであった。
豪華とは言えはしないが、今できる精一杯のもてなしを受けていた。
村の3割の建物に被害があった。村の入口付近は大した事は無かったのだが、ルキエル達の家は半壊していた。その為今日は村長の所に招かれていたのだ。
ルキエルの両親は既に他界していた。母親も3年前に流行り病に倒れたのだという。明日ブラットは己の両親とルキエルの両親の墓参りをするとした。
ブラットにルキエルはずっとしなだれかかっていた。
ブラット達が鎧を脱いでいる間にルキエルは子供達と話をしていた。子供達は既にブラットを受け入れていたが、問題定義をしていた。
「母様、タミアお姉さんはトト様の事を好きなんだって。何か2号さんでも良いって言ってたけど、追い出す?」
アリアナが話していた。
「何があったのかしら?」
「死に掛けた奴隷として売られたのだけど、買われた後に治療され、翌日には奴隷開放したんだって。それで好きになったんだって。でもまだ手をだしていないって」
「あの人らしいわね」
「まだあるの。あのメイドさんと、お姫様も好きなんだって。あの2人も性奴隷として売られているところをトト様が買ったのだけど、やっぱり手を出していないんだって。なんか一年の間は手を出さずに買い戻しをするチャンスをあげるって言われたんだって」
「あの3人は嫌い?」
「ううん。良くしてくれたよ」
「よくお聞きなさい。貴女達のお父様はあの聖騎士を討たれたそうよ」
「えっ?それって駄目なやつじゃないの?」
「違うのよ。あの聖騎士はね、人々を苦しめた極悪人なの。だからね、あの人は英雄なの。あの人は多くの妻を娶る義務があるの。今にこの国の重鎮になる御方なのよ」
「母様はそれで良いの?」
「時折愛してくれれば満足よ。それに、貴女達に沢山の弟や妹ができるかもね。それと多分王都に移り住む事になるわ。村を離れるのは嫌?」
「少し寂しいけど、母様とリリニアがいればどこでも良いわ!」
「決まりね。お家も壊れちゃったし、お父さんについていく事で良いわね?」
2人が頷く。
「あのね母様、トト様の魔法は凄かったの。あっという間に悪い人をやっつけていたの。ねえ、トト様と冒険者をしたいって言ったら怒る?」
「トト様に頼んでみなさい。少し早いけど、折角のスキル持ちですもの。魔法を伸ばすのも良いわね」
そんな話をしているとブラット達が戻ってきた。
村長がルキエルに話してきた。
「折角の親子の再会じゃ。4人で風呂に入ってきなさい。子供達はおお父さんの背中を洗ってあげるのじゃよ」
そうして4人で風呂に入る。
「なあルキエル。その、綺麗になったな」
「貴方こそ大人になって格好良くなったわ」
「聞いたよ。俺が帰ると信じて待っていてくれたんだってな。その、一つ言わなきゃならん事が有る。その、俺は腕を失くし、股間を切り取られていたんだ。それで最初はそんな体を見られたくないと思って帰るつもりはなかったんだ。したら、あのニスティーのお陰で俺は欠損修復が出来て男を取り戻したんだ。その、それで帰る決断をしたのだが、その、帰る事を諦めた時にだな、その…」
「その人も娶りなさい。タミアさんもニスティーさん、マリーナさんも貴方に想いを寄せているのでしょ?ならば直ぐに奴隷から開放してあげなさい。但し条件があるの」
「へっ?」
「ふふふ。この子達と冒険者をして、鍛えてあげて!この子達の力を伸ばしてあげて!それと家が壊れたから王都に連れていって欲しいの」
「いいのか?」
「ええ。貴方の事を一番愛しているのが私だと分かってくれるなら」
「そうか。ありがとう。他の女の事はいいんだ。それよりもルキエルの事をもっと知りたい。この10年の事を教えてくれ。女一人の身で双子の子育てなんて苦労した筈だろ?」
風呂の後、ブラットとルキエルは2人の時を過ごす。子供達はタミア、マリーナ、ニスティーと部屋を共にする。
朝になる頃には3人をお姉ちゃんと呼ぶ。3人も2人を実の妹のように接するようになるのだが。
ルキエルはブラットの噂を聞いていた。聖騎士を1人の戦奴が倒したとの噂、その名はともかく、かなりの巨躯だと。聞こえてくる噂話から20代中頃等、特徴がブラットと似ている事から生きていると確信していた。
戦奴となると開放されるのは稀だとは聞いていたが、多大な武勲を上げると開放されると聞いた事が有り、もしもブラットが噂の主ならば、奴隷から開放されるのは時間の問題だと。類稀な者として多くの妻を娶り、強い子孫を残す義務が課せられる、少なく共世間から求められる、その認識がある。ブラットは不器用だ。本当は独占したいが、それは世の中から許されないだろう。しかし、自らはハーレムを築こうとはしないだろう。ならば自分からそうするように諭してあげる必要がある。
但し正妻として、ブラットの妻に迎え入れる者の人となりを見極めようと。
ブラットが連れて来た3人は、お人好しの彼らしいなと感じた。その証拠に奴隷として買った3人に対してまだ手を出してはいない。タミアは年齢的にまだ早いからと言うのは分かるが、マリーナとニスティーは女の自分から見ても綺麗な女性だ。そんな彼女達を買ったのは奴隷から救いたいというお人好しな行動だと分かった。
ルキエルは明日3人とじっくり話そうと思いつつ、ブラットに抱かれる事に恥ずかしさが有るが、10年待ちに待った彼の胸に飛び込み、その温もりを感じる事の期待にトキメキ、宛てがわれた部屋にてこの10年を取り戻す事になる。母としてではなく一人の女として。
そうして恋人達の甘い夜が過ぎていくのであった。
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