奴隷勇者の転生物語

第三章 リブート編

第90話 魔王の襲来

　ジークは急ぎ神殿に駆けつけた。

　まっすぐにリスカリカの元に行き、神殿にいる者を連れて避難させるように告げた。

　リスカリカはジークに理由を何も聞かずに、側近の者や護衛の者達に至急神殿から退避するように告げた。

　リスカリカがジークと最後に神殿を離れた途端に、町の外から何かが投げられた。その何かが神殿を直撃し、そこにはクレーターができた。

　ジークは急ぎ町の外に向かった。カレンを含むクランメンバー全員とだ。

　シリウスにリスカリカを守るように告げ、自分はこの攻撃をした奴の対処の為に外に行くと告げた。

　町には魔族を通さない結界があるが、今回の攻撃は物理攻撃だったが、攻撃が通った。

　ジークはメの前に見える奴が魔王だと理解した。
　全盛期の１割程度の力しかない。それはジークも同じだ。

　どうやらジークが力を付けると勝ち目がないと踏んで、今なら互角だからと、勝負を仕掛けてきたようだ。ジークは皆にカレンの護衛を頼んだ。
　魔王には自分が対処するからと。

　結界の外に出たが、そいつはガランだった。側にダニーが虚ろな目をして控えていた。

「ダニー、愚かな！」

「貴様が勇者の生まれ変わりか！死ね！」

　問答無用で仕掛けてきた。

　剣で受け止め、魔法で反撃をするのを繰り返していた。
　互角である。

　ダニーは王都に突撃していったが、結局先のダメージが抜けておらず、アイシアを執拗に追い回したが、結局その隙きを突いてアーリアとステージアが背後から斬りつけ、その首を落とした。最早人のがわに引き戻すのはフカノウト判断力したのだ。

　ジークは３０分位戦っていたが、カレンが漸く対魔王専用の極大魔法を発動させた。

　準備に３０分程掛かるのだ。

　そうしてカレンが極大魔法を発動するまでの時間稼ぎをジークがしていたが、発動した魔法を見て魔王は固まり、うでで身を護る動作をした。

　そしてもろに食らい、魔王は両腕を喪い、瀕死の状態だった。

　そしてジークは魔王の首に剣を突き立てながら、ジークの持っている対魔王用の滅びの極大魔法を使った。

　突き立てた剣から魔王に魔力が流れ、やがてその魂を極大魔法から現れた天使が掴み、天に引っ張っていき、当代の魔王の魂を浄化していった。そうして、極大魔法に耐えられなかったジークは意識を手放すのであった。