87 / 92
第三章 リブート編
第85話 指揮官
しおりを挟む
ジークが皆に足場を作り、その足場を伝ってシリウス達が地上に降りた。
皆地上に降りた直後にもう駆けていた。ジークは皆の一歩後ろを走る感じなので、皆を見ながら必要に応じて各々が必要とする位置に適切に足場を作り出している。障害物が邪魔で、ジャンプで飛び越えたりする為にだ。
皆己が飛び越えたいと思った時に、既にジャンプするタイミングと場所に足場を出して貰っているが、ジークが作っていると確認はしていないが、確信はしていた。有り難いと思いつつ、補助魔法を掛けて貰っている為にほぼ全力で駆ける事が出来ていた。
身体能力を強化されているお陰で、クレーター迄は1km程ある筈なのだが、その距離を全力疾走しているにも関わらず、殆ど息が切れないのだ。
ジークが使ったのはそういう移動補助系の補助魔法である。これもやはり大輝の知識から得ている魔法だ。
ジークが使う補助魔法に関しては、どれも初級扱いであり、消費する魔力も初級扱いとかなり低い。だが、その効果や中身が上級魔法並みの威力があるというような特殊な補助魔法である。これは召喚勇者の特典であるギフトの為せる技だ。
防壁から駆ける事3分程で、クレーターの中心部で毒付いている敵の指揮官と思われる魔族と対峙した。
「何だ貴様達は?これはお前らがしでかしたのか?くそが!」
顔が青白く、額から短い角が生えている。ヒョロ長く陰湿な目付きといかにも悪役といった顔をしている。
ジークは敵の指揮官が毒付いている間に次の魔法を練り上げていた。
そして練り上がるとそいつに向かいやはり何かの玉のようなものを投げ付けようとした。
「グラビティーパラライズ!」
そしてジークが魔法を放った。
そいつは流石に気が付き、避けようと身を翻した。そして玉はそいつの背後に富んでいったが、その途端に弧を描いてターゲットに対して追尾を始めた。
躱したと思いジークに魔法を放とうと魔力を練り上げていたが、追尾してきた玉が背中に当たると、その指揮官は驚いた顔をしながら、いきなり崩れ落ちた。
「ば、馬鹿な!?」
そう唸ったが、その一言をはっすると、ガッ!ガッ!ガーと呻き動けなくなった。
そしてジークが、今だと言うと皆が一斉に斬り掛かった。そして四肢を切断し、虫の息の状態にまでした。
そして脂汗をかいているジークは、溜息をつきつつその首を急ぎ刎ねた。
その死体と持っていた武器を何とかストレージに入れたが、フラフラになった。ジークの様子がおかしいので、ステージアが慌てて肩を貸した。
しかし、まともに立てなくなり、ジークがステージアに抱き付き、その胸に顔を埋める形になった。
「ジ、ジーク様、嬉しいのですが、皆が見ている前では流石に恥ずかしいですわ」
ステージアは一瞬パニックになり、ジークが抱き付き、己の体を求めてきたのだと勘違いした。だがそうではない 。
ステージアは思わずギュッと強く抱きしめたが、ジークは今にも崩れ落ちそうになり、ハァハァと息が荒かった。そして、がっ!があぁ!と唸ったかと思うと、全身が痙攣を始めた。そして痙攣と共にジークは意識を手放したのである。
悲鳴を上げ、アイシアはジークに駆け寄り、やはり狼狽えたステージアと共に地面に膝枕で寝かせた。ただ、アイシアは少し冷静な部分もあり、ジークの口にハンカチを突っ込み、舌を噛まないようにした。トライミーとリースティアは片膝を付き、ジークを押さえていた。
ただ、シリウスだけは慌てている皆とは裏腹に、冷静に周りの警戒をしてくれており、ギャレッジに反対側を警戒するように指示をしていた。
様子がおかしい事に気が付いたクランメンバー達が、程なくしてクレーターに来た。
そしてシリウスはジークが倒れたので馬車を持って来てくれと伝え、程なくして馬車を引き連れてキャリンとローシェルが戻ってきた。
それからなんとか皆でジークをクレーターから運び出して馬車に運び入れた後、急ぎ町に向かって行ったのであった。
皆地上に降りた直後にもう駆けていた。ジークは皆の一歩後ろを走る感じなので、皆を見ながら必要に応じて各々が必要とする位置に適切に足場を作り出している。障害物が邪魔で、ジャンプで飛び越えたりする為にだ。
皆己が飛び越えたいと思った時に、既にジャンプするタイミングと場所に足場を出して貰っているが、ジークが作っていると確認はしていないが、確信はしていた。有り難いと思いつつ、補助魔法を掛けて貰っている為にほぼ全力で駆ける事が出来ていた。
身体能力を強化されているお陰で、クレーター迄は1km程ある筈なのだが、その距離を全力疾走しているにも関わらず、殆ど息が切れないのだ。
ジークが使ったのはそういう移動補助系の補助魔法である。これもやはり大輝の知識から得ている魔法だ。
ジークが使う補助魔法に関しては、どれも初級扱いであり、消費する魔力も初級扱いとかなり低い。だが、その効果や中身が上級魔法並みの威力があるというような特殊な補助魔法である。これは召喚勇者の特典であるギフトの為せる技だ。
防壁から駆ける事3分程で、クレーターの中心部で毒付いている敵の指揮官と思われる魔族と対峙した。
「何だ貴様達は?これはお前らがしでかしたのか?くそが!」
顔が青白く、額から短い角が生えている。ヒョロ長く陰湿な目付きといかにも悪役といった顔をしている。
ジークは敵の指揮官が毒付いている間に次の魔法を練り上げていた。
そして練り上がるとそいつに向かいやはり何かの玉のようなものを投げ付けようとした。
「グラビティーパラライズ!」
そしてジークが魔法を放った。
そいつは流石に気が付き、避けようと身を翻した。そして玉はそいつの背後に富んでいったが、その途端に弧を描いてターゲットに対して追尾を始めた。
躱したと思いジークに魔法を放とうと魔力を練り上げていたが、追尾してきた玉が背中に当たると、その指揮官は驚いた顔をしながら、いきなり崩れ落ちた。
「ば、馬鹿な!?」
そう唸ったが、その一言をはっすると、ガッ!ガッ!ガーと呻き動けなくなった。
そしてジークが、今だと言うと皆が一斉に斬り掛かった。そして四肢を切断し、虫の息の状態にまでした。
そして脂汗をかいているジークは、溜息をつきつつその首を急ぎ刎ねた。
その死体と持っていた武器を何とかストレージに入れたが、フラフラになった。ジークの様子がおかしいので、ステージアが慌てて肩を貸した。
しかし、まともに立てなくなり、ジークがステージアに抱き付き、その胸に顔を埋める形になった。
「ジ、ジーク様、嬉しいのですが、皆が見ている前では流石に恥ずかしいですわ」
ステージアは一瞬パニックになり、ジークが抱き付き、己の体を求めてきたのだと勘違いした。だがそうではない 。
ステージアは思わずギュッと強く抱きしめたが、ジークは今にも崩れ落ちそうになり、ハァハァと息が荒かった。そして、がっ!があぁ!と唸ったかと思うと、全身が痙攣を始めた。そして痙攣と共にジークは意識を手放したのである。
悲鳴を上げ、アイシアはジークに駆け寄り、やはり狼狽えたステージアと共に地面に膝枕で寝かせた。ただ、アイシアは少し冷静な部分もあり、ジークの口にハンカチを突っ込み、舌を噛まないようにした。トライミーとリースティアは片膝を付き、ジークを押さえていた。
ただ、シリウスだけは慌てている皆とは裏腹に、冷静に周りの警戒をしてくれており、ギャレッジに反対側を警戒するように指示をしていた。
様子がおかしい事に気が付いたクランメンバー達が、程なくしてクレーターに来た。
そしてシリウスはジークが倒れたので馬車を持って来てくれと伝え、程なくして馬車を引き連れてキャリンとローシェルが戻ってきた。
それからなんとか皆でジークをクレーターから運び出して馬車に運び入れた後、急ぎ町に向かって行ったのであった。
1
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜
KeyBow
ファンタジー
1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。
各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。
ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。
その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。
彼らは通称カーヴァント。
カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。
カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。
しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。
また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。
探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。
つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。
数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。
月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。
彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。
そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。
勿論二世だ。
斗枡が持っている最大の能力はカード合成。
それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。
彼はその程度の認識だった。
実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。
単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。
つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。
また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。
斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?
女子が自然と彼の取り巻きに!
彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる