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第三章 リブート編
第79話 未遂だった
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ジークはクランの女性達が見守る中、リスカリカに膝枕をされている状態で目覚めた。
今の状況が分からないが、切腹に失敗したのだと分かる。起きるとストレージからナイフを出して自らの首に刺そうとしたが皆に取り押さえられ、猿轡もされた。
手足を縛られ、椅子に座らされた。自害する手が無くなった。正確にはあるのだが、周りを巻き込んでしまうから出来ない。駄目だ!やり直しだ!と願っても今回はどうにもならなかった。
必死に死なせてくれ!とモゴモゴしていたが無理だった。
しかも椅子に縛られ、身動きが出来ない。涙を流すしかなかった。
「ジーク、落ち着いて話しを聞いてあげて!貴方が死んだら聖女様も自害なされるのよ!私達も同じ気持ちよ!」
カレンが泣いて抱きついた。
ジークは諦めて大人しくなった。
「ジーク、猿轡を外すけど、もうあんな事をしないでね」
猿轡を外され、リスカリカが抱きついてきた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!私の所為で苦しめてしまいました。私がされた事はああなると分かっていて、しかも私が命令をしたのです。貴方は私の命令に従っただけですから、ジーク様が取るべき責は無いのですわ。もしも私の肌を見た事に対し、罪悪感を感じているのでしたら、ジーク様が本来される形で私の事を愛して頂けるればと思います。それに娶って頂く事を望んでおります。軽蔑しても良いのですよ。既成事実を元に娶るように要求しているのですから」
「僕は許されない事をしたんですよ。なのに…。無茶苦茶な事をした、貴女を穢した僕なんか見たくもないでしょ?」
「貴方に酷い事をしていたのは私なのです」
「意味がわからないですが?」
「正確には私は大輝様を召喚する直前に魔族に体を乗っ取られ、私の体が貴方に酷い仕打ちをしたのです。だから気に病む必要はないのです」
「嘘ですね。矛盾がありすぎる。何故自分を悪者にして、僕を責めないのですか?」
「やはり通用しないのですね。私は幼き頃に神託を受け、周りから勇者様に相応しい女性になるように育てられ、どこに現れるか分からないので、それに対応するためにカレンさんのような弟子を育ててきました。そもそも私は勇者様以外の者の妻になるつもりはないのです。ですからジーク様に身を任せようとしたのです。ですから例え都合の良い女として乱暴に扱なわれたとしてもら私は嬉しくて涙を流すのです。勇者様の為に生きる事を強いられましたが、渡士には他に生きる道もありません。哀れな女なのです。このように穢れた女で幻滅しましたでしょうか?」
リスカリカが泣いてしまった。
ジークは強引に魔法を使って拘束を解いたかと思うと、リスカリカを抱きしめた。
「そんな事を言うな。俺が全力で愛してやる。苦しめたんだね。大丈夫。これからはやさしくするから」
ジークはついそうしてしまった。リスカリカの作戦勝ちだ。抱かれながらサムズアップをし、皆から授けられた泣き落とし作戦が効いたのだ。
「嬉しいです。もうじさつなんてなさらないでくださいね」
「やはりリスカリカさんが生き返らせてくれたんだよね?死んだ筈なんだ」
「私が聖女と言われるのはひとえにこの力です。自然死以外の場合、死体の一部でもあれば生き返らせる事が出来ます。それで生き返らせて頂きました。その、出来れば、そこにクリーン魔法を使って頂けると有り難いのですが」
「あっはい。今直に」
言われるがままにクリーンを使った。
「流石ですわね。それと、もう自らを責めないでくださいまし。私、悲しくなりますから」
「う、うん。もうしないと約束します」
「それと私達を娶ると約束をしてくださいますわよね?」
「も、勿論娶りますとも。いや、是非娶らせてください!」
皆からやったぁと聞こえてきたので、えっ?となった。
「はい、皆さん、みんなまとめて娶ると言質が取れました。それでは第一回婚前会議を開かせて頂きます。僭越ながら今回は私が議長をさせて頂きます。そうそう、ジーク様はギルドマスターがお話があるとの事で、お目覚めになられましたらギルドにてお待ちですので、ギルドに来るようにとの事です。宜しくて?」
ジークは呆然としながら部屋を追い出され、ギルドに向かい出した。
「皆さん、やはりジーク様は皆さんから伝えられている時間遡行を使われたようですね。恐らく私の純潔を散らす直前に戻ったようで、事後だと勘違いされたようです。ただ、時間遡行をする前に私を犯したという記憶が有るようで、王女からの命令に従ったようです。その時にかなり乱暴に扱ったと言っておりました。それを言うと腹を切り裂き自害なされました。確かに私は王女を演じて、抱くように命じました。今晩ちゃんと告げようと思います。私は嫌な女ですね」
「何をおっしゃいますか!リスカリカ様のお陰で彼は踏ん切りが着いたのですよ。それよりももう一度順番といつにするか決めないとですね」
そう、ジークはちゃんと時間遡行を使えていたのだ。ただ、いつもはまだ服を着ている状態だったが、今回は剥ぎ取った段階に戻っていたので勘違いをしていたのであった。
今の状況が分からないが、切腹に失敗したのだと分かる。起きるとストレージからナイフを出して自らの首に刺そうとしたが皆に取り押さえられ、猿轡もされた。
手足を縛られ、椅子に座らされた。自害する手が無くなった。正確にはあるのだが、周りを巻き込んでしまうから出来ない。駄目だ!やり直しだ!と願っても今回はどうにもならなかった。
必死に死なせてくれ!とモゴモゴしていたが無理だった。
しかも椅子に縛られ、身動きが出来ない。涙を流すしかなかった。
「ジーク、落ち着いて話しを聞いてあげて!貴方が死んだら聖女様も自害なされるのよ!私達も同じ気持ちよ!」
カレンが泣いて抱きついた。
ジークは諦めて大人しくなった。
「ジーク、猿轡を外すけど、もうあんな事をしないでね」
猿轡を外され、リスカリカが抱きついてきた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!私の所為で苦しめてしまいました。私がされた事はああなると分かっていて、しかも私が命令をしたのです。貴方は私の命令に従っただけですから、ジーク様が取るべき責は無いのですわ。もしも私の肌を見た事に対し、罪悪感を感じているのでしたら、ジーク様が本来される形で私の事を愛して頂けるればと思います。それに娶って頂く事を望んでおります。軽蔑しても良いのですよ。既成事実を元に娶るように要求しているのですから」
「僕は許されない事をしたんですよ。なのに…。無茶苦茶な事をした、貴女を穢した僕なんか見たくもないでしょ?」
「貴方に酷い事をしていたのは私なのです」
「意味がわからないですが?」
「正確には私は大輝様を召喚する直前に魔族に体を乗っ取られ、私の体が貴方に酷い仕打ちをしたのです。だから気に病む必要はないのです」
「嘘ですね。矛盾がありすぎる。何故自分を悪者にして、僕を責めないのですか?」
「やはり通用しないのですね。私は幼き頃に神託を受け、周りから勇者様に相応しい女性になるように育てられ、どこに現れるか分からないので、それに対応するためにカレンさんのような弟子を育ててきました。そもそも私は勇者様以外の者の妻になるつもりはないのです。ですからジーク様に身を任せようとしたのです。ですから例え都合の良い女として乱暴に扱なわれたとしてもら私は嬉しくて涙を流すのです。勇者様の為に生きる事を強いられましたが、渡士には他に生きる道もありません。哀れな女なのです。このように穢れた女で幻滅しましたでしょうか?」
リスカリカが泣いてしまった。
ジークは強引に魔法を使って拘束を解いたかと思うと、リスカリカを抱きしめた。
「そんな事を言うな。俺が全力で愛してやる。苦しめたんだね。大丈夫。これからはやさしくするから」
ジークはついそうしてしまった。リスカリカの作戦勝ちだ。抱かれながらサムズアップをし、皆から授けられた泣き落とし作戦が効いたのだ。
「嬉しいです。もうじさつなんてなさらないでくださいね」
「やはりリスカリカさんが生き返らせてくれたんだよね?死んだ筈なんだ」
「私が聖女と言われるのはひとえにこの力です。自然死以外の場合、死体の一部でもあれば生き返らせる事が出来ます。それで生き返らせて頂きました。その、出来れば、そこにクリーン魔法を使って頂けると有り難いのですが」
「あっはい。今直に」
言われるがままにクリーンを使った。
「流石ですわね。それと、もう自らを責めないでくださいまし。私、悲しくなりますから」
「う、うん。もうしないと約束します」
「それと私達を娶ると約束をしてくださいますわよね?」
「も、勿論娶りますとも。いや、是非娶らせてください!」
皆からやったぁと聞こえてきたので、えっ?となった。
「はい、皆さん、みんなまとめて娶ると言質が取れました。それでは第一回婚前会議を開かせて頂きます。僭越ながら今回は私が議長をさせて頂きます。そうそう、ジーク様はギルドマスターがお話があるとの事で、お目覚めになられましたらギルドにてお待ちですので、ギルドに来るようにとの事です。宜しくて?」
ジークは呆然としながら部屋を追い出され、ギルドに向かい出した。
「皆さん、やはりジーク様は皆さんから伝えられている時間遡行を使われたようですね。恐らく私の純潔を散らす直前に戻ったようで、事後だと勘違いされたようです。ただ、時間遡行をする前に私を犯したという記憶が有るようで、王女からの命令に従ったようです。その時にかなり乱暴に扱ったと言っておりました。それを言うと腹を切り裂き自害なされました。確かに私は王女を演じて、抱くように命じました。今晩ちゃんと告げようと思います。私は嫌な女ですね」
「何をおっしゃいますか!リスカリカ様のお陰で彼は踏ん切りが着いたのですよ。それよりももう一度順番といつにするか決めないとですね」
そう、ジークはちゃんと時間遡行を使えていたのだ。ただ、いつもはまだ服を着ている状態だったが、今回は剥ぎ取った段階に戻っていたので勘違いをしていたのであった。
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