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第三章 リブート編
第66話 帰り
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ステージアは一人で歩く事が出来なかったので、仕方無くジークが背負って村に戻る事になった。隊列はジークが真ん中で、双子が先頭と殿に別れた。
セリーナが隊列を指示しており、双子のどちらかが背負う話が出たが、ステージアがジークが良いとリクエストし、ジークが了承した。
正直あり得なかった。ゴブリンキングというのは、災厄が訪れる前触れとも言われ、S級の魔物だからだ。
ゴブリンキングのソードであるツーハンデッドソードはソルガーに渡した。オリハルコン製の剣で、ジークが扱うにはデカかったからだ。
遠慮されたが、事情が変わったからと、身に付ける装備は可能な限り良い物を貸し与えるとして、皆に配った。後程全てを出してしっくり来るのを選んで貰う事にした。
ジークは少し焦っていた。前世の場合、ゴブリンキングが現れた時には既に魔王が復活又は誕生していた。
大輝が魔王を倒した時はそうだったが 今回がどういう奴なのか?!、どのような状況になるのかは現段階では分からない。
ひとつ言えるのは、魔王も復活直後は大した強さがないという事だ。
ならば弱いうちに倒せばよいそういう事になるのだが、力をつけるまで完全にどこかに雲隠れしているので倒すのは厳しい。
「みんなよく聞いてくれ。
僕の事は知っている人は知っていると思うが、勇者大輝が転生したのが今の僕だ。だが、その記憶は完全ではない。だから、その時の事と比べるしか無いけれど、今は向こうも力がなく、力を付けるまでの間は配下の者を動かし、自分は安全な所に隠れていると思う。奴が力を付けるのには数年の猶予しかない。誰かが倒さないと魔王が世界を支配する事になると思う。多分僕が立ち上がらないといけないのだろうと思うし、その運命からは決して逃げられないのでは無いかと考えざるを得ないと思うんだ。生き残るのにこれからは力を付けるしかない。だから、僕のクランはそれを目指すしかなくなる。巻き込んでしまったと思うし、もしも抜けたいのならば、抜けて欲しい」
「何を言っているのですか?ローシェルからジークさんの事を聞いてから、それを考えなかったとでも思うのですか?私達もボンクラでは有りません。今この時代にかつての魔王を倒した勇者大樹が生まれ変わった。それが意味する事など考えるのは容易い事だと思います」
乙女の残り香の方も同じ状況だと言っている。
だが、今一つ言えるのは、僕も早くギルドに戻り報告しなければならないという事だ。
ジークは今頃になってからステージアの胸の感触を堪能していた。
背負っているし、体重を全て預けており、更にしがみついている状態なので、胸の感触が伝わってくる。落ちないようにお尻に手をやっているが、中々柔らかく、心地よい触り心地だったりする。
ステージアがボソッと言った。
「お尻を撫でて貰っても構わないわ。こっそりでなく、堂々としてもらい、一応一言言ってもらえれば幸いです」
そう、一度擦ってしまったのだ。ローシェルから聞いていたのは、こういうように言っておけば大抵もうしてこない。背中越しの胸の感触を味わう位が関の山になると感じたからだ。
一応キャサリンがステージアのお尻に手を宛て、ジークの負担を軽くしようとしていた。
実はキャサリンはジークに触れたかった。しかし恥ずかしくて言えず、これ幸いにとステージアを支えると必然的にジークの手に触れる事になるから、自ら買って出たのだ。
普段は苛烈な発言や行動が有り、もしも彼女のお尻を撫でようものならキャサリンのその手に握られているのは、尻を触った相手の手をナイフで切り取り、その手をそいつに返した逸話があるそうだ。勿論貴族令嬢の頃の話だ。彼女は男女の事に対してはうぶ過ぎるのだ。
それはともかく、キャサリンの思惑はともかくとして、助かったのは事実で、村についた時にお礼を言ったら真っ赤になっなっていたのだが、ジークには理解できていなかったのである。
セリーナが隊列を指示しており、双子のどちらかが背負う話が出たが、ステージアがジークが良いとリクエストし、ジークが了承した。
正直あり得なかった。ゴブリンキングというのは、災厄が訪れる前触れとも言われ、S級の魔物だからだ。
ゴブリンキングのソードであるツーハンデッドソードはソルガーに渡した。オリハルコン製の剣で、ジークが扱うにはデカかったからだ。
遠慮されたが、事情が変わったからと、身に付ける装備は可能な限り良い物を貸し与えるとして、皆に配った。後程全てを出してしっくり来るのを選んで貰う事にした。
ジークは少し焦っていた。前世の場合、ゴブリンキングが現れた時には既に魔王が復活又は誕生していた。
大輝が魔王を倒した時はそうだったが 今回がどういう奴なのか?!、どのような状況になるのかは現段階では分からない。
ひとつ言えるのは、魔王も復活直後は大した強さがないという事だ。
ならば弱いうちに倒せばよいそういう事になるのだが、力をつけるまで完全にどこかに雲隠れしているので倒すのは厳しい。
「みんなよく聞いてくれ。
僕の事は知っている人は知っていると思うが、勇者大輝が転生したのが今の僕だ。だが、その記憶は完全ではない。だから、その時の事と比べるしか無いけれど、今は向こうも力がなく、力を付けるまでの間は配下の者を動かし、自分は安全な所に隠れていると思う。奴が力を付けるのには数年の猶予しかない。誰かが倒さないと魔王が世界を支配する事になると思う。多分僕が立ち上がらないといけないのだろうと思うし、その運命からは決して逃げられないのでは無いかと考えざるを得ないと思うんだ。生き残るのにこれからは力を付けるしかない。だから、僕のクランはそれを目指すしかなくなる。巻き込んでしまったと思うし、もしも抜けたいのならば、抜けて欲しい」
「何を言っているのですか?ローシェルからジークさんの事を聞いてから、それを考えなかったとでも思うのですか?私達もボンクラでは有りません。今この時代にかつての魔王を倒した勇者大樹が生まれ変わった。それが意味する事など考えるのは容易い事だと思います」
乙女の残り香の方も同じ状況だと言っている。
だが、今一つ言えるのは、僕も早くギルドに戻り報告しなければならないという事だ。
ジークは今頃になってからステージアの胸の感触を堪能していた。
背負っているし、体重を全て預けており、更にしがみついている状態なので、胸の感触が伝わってくる。落ちないようにお尻に手をやっているが、中々柔らかく、心地よい触り心地だったりする。
ステージアがボソッと言った。
「お尻を撫でて貰っても構わないわ。こっそりでなく、堂々としてもらい、一応一言言ってもらえれば幸いです」
そう、一度擦ってしまったのだ。ローシェルから聞いていたのは、こういうように言っておけば大抵もうしてこない。背中越しの胸の感触を味わう位が関の山になると感じたからだ。
一応キャサリンがステージアのお尻に手を宛て、ジークの負担を軽くしようとしていた。
実はキャサリンはジークに触れたかった。しかし恥ずかしくて言えず、これ幸いにとステージアを支えると必然的にジークの手に触れる事になるから、自ら買って出たのだ。
普段は苛烈な発言や行動が有り、もしも彼女のお尻を撫でようものならキャサリンのその手に握られているのは、尻を触った相手の手をナイフで切り取り、その手をそいつに返した逸話があるそうだ。勿論貴族令嬢の頃の話だ。彼女は男女の事に対してはうぶ過ぎるのだ。
それはともかく、キャサリンの思惑はともかくとして、助かったのは事実で、村についた時にお礼を言ったら真っ赤になっなっていたのだが、ジークには理解できていなかったのである。
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