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第三章 リブート編
第48話 修羅場
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昼少し前にプランBの店に向かっていた。
店の近くに行くと、カレンはもう一度4人が彼女で良いよねと念を押してきた。
貴族は数人の妻を娶っていたり、あのシリウスも3人の妻を持つ。彼はS級で一夫多妻の権利を擁する。彼いわく、男の冒険者の希望の為に複数の妻を娶っているとの事だ。そういう下心から頑張る冒険者がかなり多いのだと。
女もそうだ。強い冒険者との子をなしたい、稼ぎも良いから良い生活ができる。それに強者はそれだけでモテる。
ジークもこの4人からそういう認識をされている。今の所将来有望というよりは優しくてかっこいい。4人が喧嘩をしないのはいずれ一夫多妻権を得るのだろうから、争うよりお互いが妻の一人になる事を選んだからだ。
そうしてカレンは少し待っていてねと言って、アクセサリー店に入ったが、カレンが店に入った途端にジークから少し離れた所を歩いていた者の片割れが倒れ、もうひとりが助け起こそうとしていた。
ジークは助けなきゃと思い、その二人の所に駆け寄った。
周りの者は遠巻きに見ているだけで、その冒険者二人組みの少女に助けを出す者はいなかった。
「大丈夫ですか?」
ジークは背中越しに声を掛けた。
「連れが熱を出してしま…」
最後まで言わずにいきなりジークに抱きついて泣き出した。
そしてアクセサリー店から4人が店を出て目にしたのは、ジークが身も知らぬ冒険者風の女二人と抱き合い泣いている姿だった。カレンが口に手をやり泣きそうになっていた。
そう、ジークの名前が出ていたからだ。
「ジークだ!ジークだ!ああ、会いたかった。私達を許して。貴方と一緒に逃げるんだったわ。生きていてくれて良かった。死んでいないか心配したのよ」
「まさかジークなの。うう。こんな姿を見られたくなかったけど、ダニーの元にいたら奴の所為で近いうちに死ぬと確信し、置き手紙だけして逃げてきたんだ。ごぼっ、ごほっ。許されない事をしたが、ジークに謝りたかったんだ。あたいらはこんな体になってしまったが、身も心も全てを捧げる。だから一生を掛けて償わせてくれ」
「アイシアが謝る事は無いよ。僕にそんな事をする必要は無いよ」
「やはりこんな醜女になったあたいらは抱くに値しないのは判る。あたいは良い、マリーシスだけでも妾にでもしてやってくれ」
「そんなんじゃないよ。醜女なもんか。アイシアは僕の大事な幼なじみなんだよ。それよりも熱があるじゃないか」
「雨の中無理に進んできたの。あなたの女にして。もしダニーに見付かったら、私達犯されるに決まっているわ。今迄はジークがいたから手を出して来なかったけど、依頼を失敗した前夜夜這いに来たのよ。アイシアが助けてくれなかったら今頃あいつに純潔を散らされる所だったの。本当は私達ジークの事が好きだったの。でもダニーが怖くて気持ちを伝えられなかったの。こんな醜女に言われたくはないよね。ごめんなさい。でも私は良いからアイシアだけでも助けてあげて欲しいの」
「痛かっただろ?怖かっただろ。もう二度と会えないとおもっていたんだ。傷の事は心配しないで。そんなんで僕が二人を見る目が変わるわけないじゃないか。生きていて良かった。依頼を失敗して重症を負ったと聞いたんだ。生きていて良かった」
ジークは二人に抱きつかれ、ジークもギュッと抱きしめた。
慌ててローシェルが半ば怒鳴った。
「何なのよあんた達!何を私達のジークに抱きついているのよ!ちょっと離れなさいよ」
「ジーク殿、私達だけでは満足出来ないのか?」
「私達を彼女にしてくれるんじゃなかったのですか?この方達はなんなんですか」
「ジーク君酷い。好きだっていってくれたばかりじゃないの?あれは嘘だったの?」
「ジークは彼女が出来たの?」
「話せば長くなるけど、この4人は彼女になった子達だよ」
「さすがジークね。初めまして。孤高の剣のというか孤高の剣にいた魔法使のマリーシスとこっちが剣士のアイシアです」
「あたいはアイシア。力が入らないのでこんな格好ですまない」
「えっ?ジーク君のいた孤高の剣のメンバーなの?」
「抜けてきたんです。ごめんなさい。ジークに迷惑を掛けるつもりも、ジークを貴女達から奪うつもりはないの。ただ、ダニーに殺される前にジークに謝っておきたくて」
「ちょっと待って。今身体を治すから。ヒール」
「腕を上げたな。しんどいが熱が下がった!ありがとう」
「取り敢えず熱は下げたけど、消耗した体力が戻る訳じゃないから」
そうして先ずはアイシアの治療をしたのであった。
店の近くに行くと、カレンはもう一度4人が彼女で良いよねと念を押してきた。
貴族は数人の妻を娶っていたり、あのシリウスも3人の妻を持つ。彼はS級で一夫多妻の権利を擁する。彼いわく、男の冒険者の希望の為に複数の妻を娶っているとの事だ。そういう下心から頑張る冒険者がかなり多いのだと。
女もそうだ。強い冒険者との子をなしたい、稼ぎも良いから良い生活ができる。それに強者はそれだけでモテる。
ジークもこの4人からそういう認識をされている。今の所将来有望というよりは優しくてかっこいい。4人が喧嘩をしないのはいずれ一夫多妻権を得るのだろうから、争うよりお互いが妻の一人になる事を選んだからだ。
そうしてカレンは少し待っていてねと言って、アクセサリー店に入ったが、カレンが店に入った途端にジークから少し離れた所を歩いていた者の片割れが倒れ、もうひとりが助け起こそうとしていた。
ジークは助けなきゃと思い、その二人の所に駆け寄った。
周りの者は遠巻きに見ているだけで、その冒険者二人組みの少女に助けを出す者はいなかった。
「大丈夫ですか?」
ジークは背中越しに声を掛けた。
「連れが熱を出してしま…」
最後まで言わずにいきなりジークに抱きついて泣き出した。
そしてアクセサリー店から4人が店を出て目にしたのは、ジークが身も知らぬ冒険者風の女二人と抱き合い泣いている姿だった。カレンが口に手をやり泣きそうになっていた。
そう、ジークの名前が出ていたからだ。
「ジークだ!ジークだ!ああ、会いたかった。私達を許して。貴方と一緒に逃げるんだったわ。生きていてくれて良かった。死んでいないか心配したのよ」
「まさかジークなの。うう。こんな姿を見られたくなかったけど、ダニーの元にいたら奴の所為で近いうちに死ぬと確信し、置き手紙だけして逃げてきたんだ。ごぼっ、ごほっ。許されない事をしたが、ジークに謝りたかったんだ。あたいらはこんな体になってしまったが、身も心も全てを捧げる。だから一生を掛けて償わせてくれ」
「アイシアが謝る事は無いよ。僕にそんな事をする必要は無いよ」
「やはりこんな醜女になったあたいらは抱くに値しないのは判る。あたいは良い、マリーシスだけでも妾にでもしてやってくれ」
「そんなんじゃないよ。醜女なもんか。アイシアは僕の大事な幼なじみなんだよ。それよりも熱があるじゃないか」
「雨の中無理に進んできたの。あなたの女にして。もしダニーに見付かったら、私達犯されるに決まっているわ。今迄はジークがいたから手を出して来なかったけど、依頼を失敗した前夜夜這いに来たのよ。アイシアが助けてくれなかったら今頃あいつに純潔を散らされる所だったの。本当は私達ジークの事が好きだったの。でもダニーが怖くて気持ちを伝えられなかったの。こんな醜女に言われたくはないよね。ごめんなさい。でも私は良いからアイシアだけでも助けてあげて欲しいの」
「痛かっただろ?怖かっただろ。もう二度と会えないとおもっていたんだ。傷の事は心配しないで。そんなんで僕が二人を見る目が変わるわけないじゃないか。生きていて良かった。依頼を失敗して重症を負ったと聞いたんだ。生きていて良かった」
ジークは二人に抱きつかれ、ジークもギュッと抱きしめた。
慌ててローシェルが半ば怒鳴った。
「何なのよあんた達!何を私達のジークに抱きついているのよ!ちょっと離れなさいよ」
「ジーク殿、私達だけでは満足出来ないのか?」
「私達を彼女にしてくれるんじゃなかったのですか?この方達はなんなんですか」
「ジーク君酷い。好きだっていってくれたばかりじゃないの?あれは嘘だったの?」
「ジークは彼女が出来たの?」
「話せば長くなるけど、この4人は彼女になった子達だよ」
「さすがジークね。初めまして。孤高の剣のというか孤高の剣にいた魔法使のマリーシスとこっちが剣士のアイシアです」
「あたいはアイシア。力が入らないのでこんな格好ですまない」
「えっ?ジーク君のいた孤高の剣のメンバーなの?」
「抜けてきたんです。ごめんなさい。ジークに迷惑を掛けるつもりも、ジークを貴女達から奪うつもりはないの。ただ、ダニーに殺される前にジークに謝っておきたくて」
「ちょっと待って。今身体を治すから。ヒール」
「腕を上げたな。しんどいが熱が下がった!ありがとう」
「取り敢えず熱は下げたけど、消耗した体力が戻る訳じゃないから」
そうして先ずはアイシアの治療をしたのであった。
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