漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

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第1章 王都編

第117話 衝撃で堕ちる

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 尋問は実りがなかった。
 四天王の事をひたすら讃え、お前らなんかあの方が来ればと言ったようなお決まりで刺激のないセリフのみだった。

 しかし、尋問中に俺は呼ばれた。

 呼びに来た兵士によると、そいつらは鈍重だそうだ。

 斥候が発見し、そいつらが防壁に辿り着くより先に俺は防壁の外に出る事が出来た。

 ドスン、ドスンと地響きがしかかと思うと、亀のような形の地竜の1種が3体おり、その亀のような奴の上に各々魔人?が騎乗していた。

「何故人間がおる?他の奴は道を間違えたのか?」

「お前のお仲間の7人衆の事か?1人を捕え3人を殺したぞ。お前らが残りの3人か?」

 俺は生首を串に刺したのを取り出すと地面に刺した。

 そいつらは怒りに任せて突進してきたが、結界で縦に斬り裂きあっさりと決着した。

 本来であれば物理攻撃は通用しない相手だった。
 外で解体をするのは危険なので、死体を収納して町に戻ってから兵士達に託す事にした。

 で、城に行き練兵場に地竜を出したら皆さん腰を抜かしていたな。
 情けなや。

 俺はヨロピコ♪と言ってからその場を離れた。

「オイオイオイオイ!あのおっさん何を置いて行きやがったんだよ!硬いだろがぁぁぁぁあ!」

 若い見習いが唸っていた・・・

 哀れんでいる余裕はなくはないが、それも仕事だと告げるが、体を真っ二つにする優しさはあった。

 しかし、体が真っ二つになると言うのは、臓物が露わになる事を意味する。
 その兵士は臓物が振り掛かってくるのを避けられず・・・数秒後に悲鳴が木霊した。

 防壁にて休む事数時間、防壁に対し凄まじい威力が込められた何かが放たれ、結界に阻まれた。
 これまでになかったような大きな衝撃で、街全体が揺れた。

 俺は弾き飛ばされ防壁から下に落下した。

「ぐはっ!」

 下には魔物の死体があり、それがクッションになった。
 これから解体する分で、時間と人、2つの余力がなく防壁の近くに置かれていた。

 俺は急ぎ自分の体を回復させ、再び防壁に登る。

 防壁を見るとクラックがあちこちに入っている。
 耐えられなかったのだ。

 しかし、直撃は避けられたので、振動のみだった。

 土煙が立ち込め、防壁の外に張られた結界の周りの視界がない。

 結界魔法は1度展開すると、それなりの魔力を注ぎ込めば発動した術者以外でも維持ができるので、何人かが結界の維持に魔力を提供していた。

 俺は急ぎ戦闘準備をし、視界が晴れるのを待つのであった。
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