漆黒の私刑人〜Ｓ級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

第１章 王都編

第111話 結婚

　褒美の屋敷は・・・王都にある屋敷の中では最大級だった。

　オルシーナ姫が喜々として案内してくれたが、後ろには護衛の姫騎士様達がゾロゾロ・・・
　２人きりにはなれません。
　主人の執務室らしき部屋へもお目付け役、じゃなくて侍女がおります。

「姫様、私はドアを確認するので少しの間背を向けていますので、御用がありましたらお呼びください」

　するとオルシーナは上目遣いでキスのおねだりだ。

　勿論額になんて事はしません。
　期待通りにファーストキスを頂きました。
　ただ、胸をタッチしようとしたら侍女に察知されたようで、侍女からの殺気から止めました。

　オルシーナ姫はレディ・オブ・レディとも言われる程のレディと国民の人気は高く、俺でも知っていた。

　ただ、まさか昔助けたお転婆娘がそうだったとは知らず、そんな女性の心を知らぬ間にゲットしていたのには驚いた。

　そしてオルシーナ姫は自室を決め、侍女の同意を得ると自分付けのメイド達を連れてくると言って、城に使いを出していた。

　広過ぎる。
　派手な内装に、派手な肖像画。
　なんでも高名な画家がかいたのだとかで、モチーフとなった取り潰しになった公爵はともかく、美術品としては１級品なので、美術館にモチーフは不明だがと寄付をする事にした。

　そして人海戦術で一気に引っ越しが終わった。

　そして瞬く間に１か月が過ぎ、俺の結婚式とお披露目パレードが行われた。

　嫌がったが、ベッカード先輩とクラシス姉達も花嫁と花婿としてパレードに参加させていた。

　俺が助けた子供達は、正式に俺の養子として迎え入れたので、魔法を学べる学校に通わせる事になった。

　そしてこの１か月の間にオルシーナ姫とイチャイチャしていたのではなく、確かにたまにキスをしたけど、常に侍女の監視があり、正式な婚姻が認められるまでそれ以上はお預けだ。

　で、そんな俺の調査をオルシーナ姫がしたのだが、何故ギフトが２つあるかだ。

　どうやら記憶がないが、もう１つ魂がある事が分かった。
　催眠状態にされ、記憶を掘り起こした。
　すると俺は異世界で１度死んだが、女神様とやらと話し、前世の善行があり別世界で生きる事を褒美として与えられた。
　そこでギフトの話となり、何をチョイスされるか選ぶ事が叶わぬが、前世の魂の一部を持って行く事を実行し、ギフトが２つの異常事態を招く事になったらしい。

　そして俺は記憶を消して欲しいと頼み、２つの魂を持つから、どちらかはチートになるよう祈ると言われたと話してくれた。

　俺は記憶にないが、魂に聞くので、嘘はないそうだ。
　そうして俺はマリニア、スニシス、ヤーナ、ソシア、そしてオルシーナを妻にした。

　幸せな新婚生活を送っていたのだが、そんな日も結婚式の１か月後に終わりを告げる事になるのであった。