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第1章 王都編
第106話 オルシーナ姫
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国王は王女が戻ると俺達に報奨を与え始めた。
俺以外のメンバーへは男爵の地位を授けると告げた。
あっ!マリニアは伯爵だとか。
まあ予測の範囲内だ。
で、俺だ・・・
「・・・であり、パーティーを率いた我が国が誇るSランク冒険者たるランスタッド卿へはこうしゃくの地位を授ける」
どよめきと感嘆が聞こえる。
侯爵ってうげー
「そして我が国が誇る星姫たるこのオルシーナを夫人の1人として授けると共に王位継承権第1位に任命する」
今聞き捨てならない事を言いおったぞ!これは流石にいかん。貴族の地位はともかくだ。
「陛下!なりません!侯爵の地位と責務はありがたく頂きますが、政略結婚として王女様を娶る事は王女様のご意思に反しての非人道的な事です。どうかもう1度お考えを直されますようお願い申し上げます」
「欲がない御仁だな。これは私の要望ではなく、オルシーナの至っての頼みなのだ。オルシーナ、話して差し上げなさい」
先程のメイド姿とは違い、後光が光っていると思う位に綺麗だ。
「ランスタッド様、お慕い申し上げております。今、私がこうやって立っていられるのも全てランスタッド様のお陰です」
「あのう、俺じゃなくて私はオルシーナ様とお会いした記憶はと言うか、口ぶりから私が命を助けたかのようですが、オルシーナ様の様なお美しい方で有れば絶対に忘れないのですが?」
「ランスタッド君、5年前、君達がスタンピードに対処した町を覚えているかい?」
「勿論覚えています」
「君達のリーダーが逃げ出したのに君と他の3人が殿を勤め、当時王太子だった私達家族を守ってくれ、オルシーナを守るのに君は重症を負うも騎士団に私達を引き渡してくれたのだよ。当時11歳だったから覚えがないのじゃないかな」
「あの時の女の子か!言われてみれば何となく面影があるな」
「ランスタッド様は騎士達に私を託すと再び魔物を倒しに行かれましたけど、私がお嫁さんにしてくださいと言った時の事を覚えていませんか?」
「はっきりと覚えていないけど、何か条件を言った気がする」
「立派なレディーになるんだ。誰もが認める、そうだな二つ名が付くほどの素敵な女性になったら攫いに行くよ。俺もその時は君に相応しい漢になるよと仰られましたのよ。ですから私、女を磨いて来ました。攫ってください!」
思い出した・・・・子供の戯言と思い淑女になれ的な事を言ったな。
当時かなりお転婆だったと記憶している。
偶々通り掛かった町の近くで助けた時に、何かと俺に突っ掛かって来た生意気なツンデレ少女の相手を押し付けられたっけな。
このままだと不名誉な二つ名がつく未来しか見えなかったから、見兼ねてお淑やかになるように言ったんだった。
あの後サンタナがこの人達を見捨てて逃げた事に恥ずかしくて、助けた事を名乗らなかった。
ただ、俺の名は聞こえていたから当時も女の子に呼び捨てにされていたな。
俺は今謁見の間で、しかも大勢の者が見ている壇上で、国王と話しているのを忘れ、オロオロしているのであった。
俺以外のメンバーへは男爵の地位を授けると告げた。
あっ!マリニアは伯爵だとか。
まあ予測の範囲内だ。
で、俺だ・・・
「・・・であり、パーティーを率いた我が国が誇るSランク冒険者たるランスタッド卿へはこうしゃくの地位を授ける」
どよめきと感嘆が聞こえる。
侯爵ってうげー
「そして我が国が誇る星姫たるこのオルシーナを夫人の1人として授けると共に王位継承権第1位に任命する」
今聞き捨てならない事を言いおったぞ!これは流石にいかん。貴族の地位はともかくだ。
「陛下!なりません!侯爵の地位と責務はありがたく頂きますが、政略結婚として王女様を娶る事は王女様のご意思に反しての非人道的な事です。どうかもう1度お考えを直されますようお願い申し上げます」
「欲がない御仁だな。これは私の要望ではなく、オルシーナの至っての頼みなのだ。オルシーナ、話して差し上げなさい」
先程のメイド姿とは違い、後光が光っていると思う位に綺麗だ。
「ランスタッド様、お慕い申し上げております。今、私がこうやって立っていられるのも全てランスタッド様のお陰です」
「あのう、俺じゃなくて私はオルシーナ様とお会いした記憶はと言うか、口ぶりから私が命を助けたかのようですが、オルシーナ様の様なお美しい方で有れば絶対に忘れないのですが?」
「ランスタッド君、5年前、君達がスタンピードに対処した町を覚えているかい?」
「勿論覚えています」
「君達のリーダーが逃げ出したのに君と他の3人が殿を勤め、当時王太子だった私達家族を守ってくれ、オルシーナを守るのに君は重症を負うも騎士団に私達を引き渡してくれたのだよ。当時11歳だったから覚えがないのじゃないかな」
「あの時の女の子か!言われてみれば何となく面影があるな」
「ランスタッド様は騎士達に私を託すと再び魔物を倒しに行かれましたけど、私がお嫁さんにしてくださいと言った時の事を覚えていませんか?」
「はっきりと覚えていないけど、何か条件を言った気がする」
「立派なレディーになるんだ。誰もが認める、そうだな二つ名が付くほどの素敵な女性になったら攫いに行くよ。俺もその時は君に相応しい漢になるよと仰られましたのよ。ですから私、女を磨いて来ました。攫ってください!」
思い出した・・・・子供の戯言と思い淑女になれ的な事を言ったな。
当時かなりお転婆だったと記憶している。
偶々通り掛かった町の近くで助けた時に、何かと俺に突っ掛かって来た生意気なツンデレ少女の相手を押し付けられたっけな。
このままだと不名誉な二つ名がつく未来しか見えなかったから、見兼ねてお淑やかになるように言ったんだった。
あの後サンタナがこの人達を見捨てて逃げた事に恥ずかしくて、助けた事を名乗らなかった。
ただ、俺の名は聞こえていたから当時も女の子に呼び捨てにされていたな。
俺は今謁見の間で、しかも大勢の者が見ている壇上で、国王と話しているのを忘れ、オロオロしているのであった。
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