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第1章 王都編

第105話 S級になったようです

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 国王が玉座に座、メイドさんが国王の横に立った。
 先程まで玉座にいた者は重鎮達がいる所に戻っていった。

 俺が片膝を着こうとしたが、先手を打たれた。

「ああ、ランスタッド卿、そのままで」

 俺が立ったままなのを確認し満足していた。

 先程まで玉座にいた者が話し始めた。

「ランスタッド卿、よくぞ参られた。陛下の企てた余興を見破るとは見事。皆の者、先程我が国のダンジョンが攻略された。それをなしたのはランスタッド卿率いるグリーンマイルだ。ランスタッド卿、陛下へそなたのパーティーメンバーを紹介して欲しい」

「はっ。それでは先ず私はA級冒険者である・・」

「待ち給え!」

 ギルドマスターが遮った。

「君は先程S級、他のパーティーメンバーはA級になった。遮ってすまなかったね」

「私が?。はい。次に副リーダーのマリニア・・・」

 俺はパーティーメンバーの紹介をしていった。

 俺が陛下に紹介を終えると、陛下は俺達に上がってくるように指示をした。
 俺は畏まりましたと1礼し、皆についてくるように指示をした。

 壇上に上がると陛下は全員にハグをしていき、家臣達を大いに驚かせた。

 ソシアへのハグが長かったような気がしたが、咳払いしたメイドさんが耳を引っ張り引き離していた。

 皆唖然としていたが、玉座に座ると俺達に反対側を向き、集まっている者達に手を振るように言われた。

 手を振りながらあのメイドさんは王女なのだろうが、何となく見覚えがあるのだが、思い出せない。
 これ程の美貌の持ち主と会っているなら忘れるはずがないのだが、どうにも思い出せない。
 それにあの視線は確かに初対面の者が向けるものではない。
 ダンジョン攻略者や、上級冒険者に対する市井の者からの憧れなら分かるが、王族が褒めてくれたり、部下に取り入れたりしたいと言う意味で向けて来る視線ではない。

 自意識過剰ではなく、どう見ても俺に惚れているそれだ。

 トイレに行った時もそうだが、てっきり身分の低いメイドが玉の輿を狙い、貴族に取り入れられる見込みの俺を篭絡とは言わないが、俺に一目惚れしたのかと思った。
 ソシア達がいなければ間違いなく食事に誘うレベルだ。

 だが、王女からそのように一目惚れされるような見た目でもない。
 財力は貴族と良い勝負ができるだろうが、例えば彼女を口説こうとしたらどうだろうか?

 財力では王族は靡かない。
 やはりダンジョン攻略者か。
 俺が知らないだけで、ダンジョン攻略者は王族に取り込む程の何かがあるのか?

 ドロップ品の大半はまだ鑑定していない。

 国王が俺と俺の隣りにいるソシアの間に入り、肩に腕を回してきた。

 俺が国王の子飼や守護者として信頼されている者としてアピールしているのか?
 ソシアに何か言っていて、王女をちらりと見て大丈夫ですわと答えていたな。
 同じようにマリニア、スニシスにもしており、ギルドマスターとヤーナへ視線を向けると、ギルドマスターがヤーナに何か囁いていた。
 ヤーナは首を縦に振っており、意味が分からない。

 ベッカードとクラシス姉にも同じようにするも、2人が俺を見てニタニタしている。
 なんだよ?
 これはあれだ、きっと爵位だな。
 国に貢献のあった者は一代貴族である準男爵を賜る。
 しかし、これはそれより上と見た。
 俺以外が準男爵で、俺は男爵だな。
 侯爵でも驚かないぞ!

 残念ながら心構えが出来ているから驚かないぞ!
 どうやら陛下は人を驚かせるのが好きらしい。

 俺があっさり影武者を見破った時に、陛下が魔道士の1人に扮していたと家臣の誰1人として気が付いていなかった事に満足しているのと、俺が気が付いていたことにえらく関心していたな。

 その後俺達は壇上で椅子に座り展示させられているのだが、何かの報奨を与えていたようで、続きを始めた。

 まだ俺達に用があるそうで、王女が着替えから戻ってきたら俺達への報奨を発表すると。
 そう、まだ言われていないから用とはそれだよな。

 そうこうしていると王女が戻ってきたが、その気品ある姿に驚いた。

 金髪で片流しの髪は腰まである。
 完璧な淑女だ。
 多分16から18歳なのだが、王女が戻ると会場にざわめきが起こったのだった。
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