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第1章 王都編

第103話 謎のメイドと腹痛

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 俺の歩き方はソシアに直されたが、俺の背中はびしょびしょだと思う位に緊張から汗をかいていた。

 お腹が痛いです。
 先ずは待機していて欲しいと会議室?のような所に案内された。

 扉の所にメイドさんが控えている。

「ちょっと緊張からお腹が痛くなったのでトイレに行ってくる」

「・・・」

 皆閉口しているが、俺はメイドさんにトイレに行きたい旨を伝えたが、メイドさんは俺以外の者にお辞儀をする。

「こちらでございます」

 トイレに案内されたが、ギュルるるとなっており、ヤバかった。

 トイレに座るなり・・・

 ふう。間に合いました。

 手を洗っているとメイドさんは興味本位で質問してきたが、トイレルームにまで入ってきており、出している音まで聞こえているし、臭っただろう。
 恥ずかしい。

「ランスタッド様は緊張なさっておいでなのですね。謁見で参られたのですか?冒険者の方がそのような格好のまま来られるのは異例なのです」

「ああ。多分謁見するんだろうな。爺さんじゃなくて、ギルドマスターに連れてこられたからね」

「どう言う事でしょうか?」

「なんでもダンジョンを攻略したら、城に行かなければと爺さんに言われて連れてこられたんだ。情けないが緊張からお腹が痛くなったんだよ」

「ダンジョンとはあの何百年もの間攻略されていない最古のダンジョンの1つですよね」

「ああ。それだよ」

「失礼します」

 そのメイドさんは俺の手を握ってきた。

 突然若い女性に手を握られてどきりとしたが、手から暖かな何かを感じ、段々落ち着いてきてお腹の痛みもなくなって行く。

「ありがとう。スキルかい?」

「はい。リラックス効果を与えるのです。謁見される方は緊張から挙動不審に陥る方が時折いらっしゃるので、その方を落ち着ける為に私が控えているのです」

 今更ながらメイドさんを見ると、城勤めだけあり?容姿端麗でスタイル抜群で驚いたな。

 いつの間にかメイドさんは後ろから抱きついていた。

 えっ?と思い胸の感触にどきりとするも、不思議と落ち着いていく。

 程なくして離れた。

「ありがとう。落ち着いたよ。別の意味で驚いたけど」

「落ち着かれたのでしたら、皆様のところに行きましょうか」

「ねえ、君は何者だい?」

「ただのメイドですわ」

「いや、多分違うよ。君は俺がダンジョン攻略したと言っても疑いも驚きもしなかったよね」

「ただのしがないメイドですから」

 一瞬鑑定をと思ったが、フェアじゃない。

「知っていたね?俺の名前も知っていたし、君はメイドじゃないね。メイドにしては美人過ぎるな。でも悪意を感じないから俺の人となりを見極めるお目付け役って所かな?」

「あらあら?お上手です事。それに中々鋭い御方ですわね。でもそろそろ行かないと皆様心配なされますよ」

「ああ。そうだね。じゃあまた案内をお願いします」 

 俺はメイドもどきに案内され、待機している部屋へと戻るのであった。

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