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第1章 王都編
第101話 土下座
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「帰還結晶か・・・」
サンタナとギルミーが消え失せたのを見て俺は唸った。
俺達は兵士に囲まれたが、1人の指揮官らしき者がやってきた。
「き、貴様ら、お、大人しく詰め所に来い」
周りからブーイングが起こり、兵士達は戸惑っていた。
「き、貴様ら何だ??それにダンジョンの入り口が動いているが貴様の仕業か?」
するとはっとなったダンジョンの門番が駆け付けた。
「失礼します。私は当ダンジョン入退場を管理している第5騎士団所属ダニエスであります」
「ここの責任者だな?何だ?」
「はっ!この御方はA級パーティークリーンマイルを率いるランスタッド殿で、先程当ダンジョンを攻略されました。そこをあのSランクパーティーのサンタナとギルミーの2人が難癖を付け、更に彼らを襲っており、反撃していただけでございます」
「攻略しただと!?真か?」
指揮官は周りの様子から事実だと悟る。
「わ、分かったがどちらにせよ城に報告せねばならぬし、その者達の話が本当なら襲った者の手配をせねばならない。やはり詰め所まで来て貰おうか」
取り敢えずダンカン、シルレット、ハーニャが俺の前に立った。
ダンカンが指揮官に少し待ってくれと伝える。
「俺達いい様だよな。今更お前さんにおわす顔はないんだが、お前さんが追放されてからは散々だった。まあ、罰が当たったんだろうな。俺達はサンタナの元を去るべきだった。俺は1人でも何とかなるが、こいつらを助けてやってくれないか」
「お前達、その怪我でよくいきのこれたな。生きていて良かった」
「あのね、虫の良い話だとは思うの。シルレットを貴方の力で助けてあげて欲しいの。その代わり私の事はどうとでもして良いから。妾にでも夜伽の為の都合の良い女にでもなんでもなるから」
「そ、そんなの良くないよ。私なんかよりハーニャを助けてあげて。無理なお願いだとは思うの。私達に勇気があれば良かったのに」
そして3人がサンタナがした事、追放を止めなかった事、各々が他の者を助けて欲しいと願い出て土下座をした。
「ちょっと、皆が見ている前で止めてくれよ。取り敢えず一緒に行って報告をし、俺の家で話をしようか」
「すまねえ・・・」
「隊長さん、行きましょうか」
俺達は前人未到のダンジョン攻略と言う偉業を達成した喜びに浸る暇もなく、その場を離れた。
俺達が報告の為にダンジョンを離れると周りにいた者は一斉に散り出した。
歩いているとソシアが腕を組んで来たかと思うと耳元で囁いた。
「どうしますか?あの人達を治す事は可能ですわ」
「うん。後で頼もうと思っていたんだ。家に返ってから話を切り出すよ。ありがとうな」
ソシアは照れていたが、程なくして町の治安を維持する部隊の詰め所に着いたのだった。
サンタナとギルミーが消え失せたのを見て俺は唸った。
俺達は兵士に囲まれたが、1人の指揮官らしき者がやってきた。
「き、貴様ら、お、大人しく詰め所に来い」
周りからブーイングが起こり、兵士達は戸惑っていた。
「き、貴様ら何だ??それにダンジョンの入り口が動いているが貴様の仕業か?」
するとはっとなったダンジョンの門番が駆け付けた。
「失礼します。私は当ダンジョン入退場を管理している第5騎士団所属ダニエスであります」
「ここの責任者だな?何だ?」
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「攻略しただと!?真か?」
指揮官は周りの様子から事実だと悟る。
「わ、分かったがどちらにせよ城に報告せねばならぬし、その者達の話が本当なら襲った者の手配をせねばならない。やはり詰め所まで来て貰おうか」
取り敢えずダンカン、シルレット、ハーニャが俺の前に立った。
ダンカンが指揮官に少し待ってくれと伝える。
「俺達いい様だよな。今更お前さんにおわす顔はないんだが、お前さんが追放されてからは散々だった。まあ、罰が当たったんだろうな。俺達はサンタナの元を去るべきだった。俺は1人でも何とかなるが、こいつらを助けてやってくれないか」
「お前達、その怪我でよくいきのこれたな。生きていて良かった」
「あのね、虫の良い話だとは思うの。シルレットを貴方の力で助けてあげて欲しいの。その代わり私の事はどうとでもして良いから。妾にでも夜伽の為の都合の良い女にでもなんでもなるから」
「そ、そんなの良くないよ。私なんかよりハーニャを助けてあげて。無理なお願いだとは思うの。私達に勇気があれば良かったのに」
そして3人がサンタナがした事、追放を止めなかった事、各々が他の者を助けて欲しいと願い出て土下座をした。
「ちょっと、皆が見ている前で止めてくれよ。取り敢えず一緒に行って報告をし、俺の家で話をしようか」
「すまねえ・・・」
「隊長さん、行きましょうか」
俺達は前人未到のダンジョン攻略と言う偉業を達成した喜びに浸る暇もなく、その場を離れた。
俺達が報告の為にダンジョンを離れると周りにいた者は一斉に散り出した。
歩いているとソシアが腕を組んで来たかと思うと耳元で囁いた。
「どうしますか?あの人達を治す事は可能ですわ」
「うん。後で頼もうと思っていたんだ。家に返ってから話を切り出すよ。ありがとうな」
ソシアは照れていたが、程なくして町の治安を維持する部隊の詰め所に着いたのだった。
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