漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

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第1章 王都編

第95話 ボス戦へ

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 49階層をもう少しで抜けるという辺りでこの階層での最後になるであろうと思われる魔物と対峙してい。
 結界で腹にダメージを与えてから全員で倒していった。

 ボス戦では結界を使い皆の出番はないと思うが、万が一がある。
 だから戦闘勘を高めてからボス戦に挑む。

 ミノタウロスをさくっと倒し、階段が見えた時には俺達のテンションはマックスだ。

 階段を降りる前にソシアが各種バフを掛けてくれた。
 言わなくてもやってくれるのだ。
 ありがとう!

 準備が整い、いよいよ階段の先にある最下層のボスと対峙する。
 通路に背を向けて階段の方へと歩き出した時に、背後から何かが飛んできた。
 しかし、最後尾を歩く俺が避ける訳にはいかない。
 避けるとソフィアかマリニアに当たるはずだ。

 一瞬トラップか?と頭に過ぎったが咄嗟に結界を張って防いだので飛んで来た物を拾った。
 見覚えのある槍だが、取り敢えず収納に入れた。
 これは・・・ギルミーの槍だ。
 投げても念じれば手元に飛んでくるチート武器だ。
 しかし、収納の中であればどうにもなるまい。
 こいつもクソ野郎だ。
 クックックッ!自慢の武器を失ったな。
 気が付かなかったら槍に貫かれ死んでいたかもだ。
 だが、こちらに近付いてくる奴等は間違いなくサンタナ達で、槍を投げてきたギルミーは赤文字だ。

 俺も流石に驚いた。

「貴様ら待て!何でテメェがいやがる!」

 階段までの長い直線を走ってくる。

 俺は無視して結界を通路を完全に塞ぐ形で発動し、皆に手振りで行こうとしてその場を去った。

「あいつがサンタナとギルミーだ。さすがに奴等の攻略スピードには驚いたが、赤文字だったよ。今はとっとと攻略してしまおう」

「確かにサンタナ達ね。あの槍、君が結界で塞がなかったら誰かに刺さり、下手をしたら死んでいたわよ」

「殺すつもりで投げてきましたね。まあ、ダンジョンを攻略してから考えましょう!今は結界があるけど、それも時期に消えますから」

「あれがランスタッドを追放した人なんだ」

「そうだが、昔の事さ。よし、おしゃべりはここまでだ。とっとと倒して、偉業を成し遂げようぜ」

「ほら、辛気臭い顔をしてんじゃねえ!行くぞ」

 ベッカードがドアを開け、そそくさと中に入る。
 俺はマリニアとスニシスの背中を押して中に押し込み、ソシアは俺の裾を掴んでおり一緒に中に入る。

 全員が入るとドアが閉まり、部屋の中が明るくなった。

 中は広い。
 野球場位もあり高さは20m以上有るだろうか。

 ボスがまだいない。
 キョロキョロしていると、中央で何かが光り出した。
 数秒でその光は弾けたが、そこには金色に輝くドラゴンがいた。

 ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

 そのドラゴンは咆哮をあげた。
 俺達に気が付きこちらに向いて口を開けると、その口に光の粒子が集まり出した。
 そしてピカっと光ったかと思うと口からブレス?を俺達に向かって吐き出したのであった。
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