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第1章 王都編

第80話 ダンジョンへ

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 以前攻略せんとして潜っていたダンジョンだが、後2、3日で攻略か?となった時にサンタナは貴族の令嬢にしつこく迫り、怒りに震える男爵に王都から1日以内に去らねば賞金首として多額の賞金を掛けてやると脅され、逃げるように王都を去った。
 
 その後その令嬢も無事に結婚して熱りが覚めたと思ったからか、再び王都に戻ったがすっかり忘れていて、ダンジョンは手付かずだった。

 いや、確かあの時はダンジョン攻略の依頼があり、それを受けていたが、結局王都を逃げ出したから失敗したんだった。

 ダンジョンの最奥にいるボスを倒すと、レアな装備アイテムやかなりの価値になるアイテムがトレジャーボックスに入って待ち構えているらしい。

 それにボスの魔石やドロップとして落とされる素材は通常高値で取引される。

 危険を感じたら引けば良い。
 取り敢えず50階層にあると思われるボス部屋まで行こうと。
 S級パーティーの実力がいるとされており、サンタナが他の依頼をしているからか攻略が止まっている。
 今はもう攻略依頼がないからかもだ。

 入るなとも言われていないし、俺が攻略したところで文句を言われる筋合いはない。

 そして43階層へ来たが、オーガやミノタウロス等が出没する通常の魔物と凶悪だ。
 サイクロプスや巨大なケルベロスとBからA級の魔物がポツポツと出る。
 ダンジョンはフィールドと違い、死ぬと魔石やアイテムをドロップして体は消える。

 なので高ランクの魔石がかなり取れてウハウハになる。
 但し討伐証明部位が残らないので、魔石を始め物を売るしかない。

 で、早速現れたのは黒いミノタウロス。ブラミノと呼ばれ、40改装以降で一番多く見る魔物だ。
 身長3.5m程の牛顔で、2足歩行する魔物であり大概は斬馬刀を持つ。

 俺は足場を出して翔けるとその首に剣を一閃して終わった。

 魔石とドロップの角を拾って先を進む。

 基本的に40階層以降は大型の魔物が単独行動しており、時折獣型が群れをなす形だったが、たかだか2年では変わらないだろう。

 魔力を考えると足場を出すよりも結界の方が消費は少ないので、何体か剣で倒してウオーミングアップした後は基本結界で倒していく。

 オーガにサイクロプスと本来俺では単独で倒せない魔物もサクサク殺れる。

 フューチャーのお陰か?
 僅かに固有能力があるが、今は万能者がその上の覇者並みとなっているのと、結界が得意属性として現れたりと、それのお陰で難なく進んでいる。
 初日は44階層を踏破し、稼ぎも館を1年回せられる金額になったと思われる。
 本来ダンジョンでのドロップは重たい物は捨て置くのが殆どだが、俺の場合全てを持ち帰る事が可能だから実入りが良い。

 銅のインゴット、鉄のインゴット、銀のインゴットが各々10kg程出た。

 銀は対アンデット用の武器に重宝されるので、そこそこの金額になる。

 初日は45改階層をちらっと覗いただけにして引き上げ、マリニア達を引き連れてギルドに行き、ヤーナに魔石を渡して換金をしていた。

「ランスタッドじゃねえか?こんなところで何をしているんだ?」

 俺はそうやって声を掛けてきた者へと顔を向けるのであった。
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