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第1章 王都編

第70話 必死の3人

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 今俺は仁王立ちする3人から白い目で見られ、正座をさせられております。

 俺が倒れて、取り乱したスニシスをマリニアが平手打ちし、ソシアに俺の治療を指示した。

 スニシスに弓で援護するように伝え、マリニアはヒットアンドアウェイで攻めていく。
 ソシアに目を狙うように指示をし、ソシアは泣きながら俺に治療をする。

 俺は気配を頼りに戦闘の状態を見極める。

「もう!なんで当たらないの!」 

「手のひらに丸を描いてそれを飲む感じにしてみて!」 

 マリニアは必死に戦い、スニシスをフォローしている。

 実は咄嗟に結界で内蔵を破壊し、恐らく力もスピードも半減している。

 だからよく見て対処すればどうという事はない。

 スニシスは落ち着いたようだ。
 俺はわざとらしくぐううと唸り、生きているぞと分かるようにしたのもあり、落ち着きを取り戻すと、矢を外す事がなくなった。

 転機が訪れたのはレッドベアーが動きを止めた一瞬に、残った目にスニシスが放った矢が刺さった時だ。

 パニックになり腕をブンブン回していたが、倒木に躓いて倒れた。
 好機とばかりにソシアも護身用のナイフを手に取り、一斉に襲い掛かった。

 何度も滅多刺しにし、やがて動かなくなった。

 ぜえぇ、ぜえぇ、はあぁ、はあぁ・・・
 3人は息も絶え絶えで、肩で息をしていた。

 そして噎せながら俺の方に来たのだが・・・・おいその蟻どっか行けよ!
 俺の鼻の下に数匹の蟻が動いており、くすぐったい。

 あっ!やばい・・・出る・・がハッハッ、ハッ・・・ハックション!

 3人は俺のくしゃみにへっ?と唸り、俺は気絶している振りをするが・・・ふー!・・・ 

 スニシスとマリニアが左右の耳に息を吹きかけてきた。

「ひゃいっ!」

 俺が唸ったものだから気絶していない事がバレ、更に背中を確認したソシアが唸る。

「えっ!?傷がない?」

 ゴゴゴゴゴゴと音が聞こえていると錯覚するようなまずい気迫が感じられ、俺はいてててとわざとらしく起き上がったが・・・

 3人の目が怖かった。
 でも美少女の怒った顔もよいかも!?

「何か言いたい事はある?」

 俺はありませんと1言告げるとマリニアが指を指した所に正座をするしかなかった。

 戦闘を褒めるも怒りは収まらず、死んだかと思ったとか、酷いですとか散々怒られた。
 今は何を言っても無駄なので、俺はひたすらごめんなと謝っていた。

 しかし、そんなお仕置きタイムも草をかき分ける音により終わった。 

「ほら、本来のお客さんだぞ!」 

 そこには可哀想だと思える哀れなゴブリンが10体程現れ、怒りモードの美少女3人に瞬殺されていった・・・

 でもありがとう!君達のお掛けで窮地を脱したよ!ほっ!
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