漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

KeyBow

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第1章 王都編

第61話 奴隷がわんさか!

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 そこにいた奴隷の多さに一瞬狼狽えたが、寝かされている者がおり、誰かが世話をしているのが気になった。

 怪我でもしているのか?

「はーい!皆さん注目!あなた達の新しい御主人様を連れてきましたので、御主人様の指示に従うように!首輪に触れれば確認出来ますからね」

 奴隷商に言われ皆首輪に触っていたが、1人が片膝をつくと皆真似をした。

「我らの御主人様。ご命令を!」

 俺は狼狽えており何も発する事が出来なかった。

「皆ゲロビーの家に行くから荷物を持つのじゃ!」

「失礼ですが我らは御主人様の奴隷。他の者の命を聞く筋合いはございませぬ」

「此奴の師匠じゃ!坊主よ、今暫く我の指示に従うように言うのじゃ」

「ああ。ここは良くない。クルシュさんの指示に従って家に行こう。話はそこに行ってからだ」

「はっ!畏まりました」

 壮年の執事服を着た奴が皆を代表して話していた。

「悪いが、あんた、他の者を纏めて欲しい。指示も頼むよ」

「畏まりました。今は前の御主人様が名付けた名前で呼びます事をご承知下され」

「分かった」

 俺は何とかそれを言うのが精一杯だった。

 奴隷商が馬車を用意しており、寝かされていた者を運び入れていた。

 俺も徒歩で行くが、皆俺を気にしているがおれの表情から誰も話し掛けられなかった。
 今は駄目だ。周りの目があり過ぎる。

 程なくして俺の館に着いたが、出迎えたスニシスが沢山の奴隷を連れた俺を見て固まった。

 しかし、流石と言うしかないがクルシュさんが仕切る。

「全員食堂に集まるのじゃ!」

 ツマイラがクルシュに聞いてきた。

「クルシュ様。3人の子供達はどうします?寝ていますが」

「そうじゃったな。ツマイラ、悪いがついてやっていておくれ」

 一礼をし去っていった。

 食堂に入ると先の執事服を着た男が話してきた。

「御主人様。全員集まりまして御座います。どうか皆にお話を」

「ああ。俺はA級冒険者のランスタッドだ。君達の主人だった男爵を討伐した為に俺が主人となった。で、こちらにいるのがクルシュさんは俺の師匠で、マリニア、スニシス、ソシアと俺のパーティーメンバーだ。また、小さな子供を引き取って面倒を見ていて、今は疲れから寝ている。ここは男爵討伐の報酬として国から下賜された館だ。私は普通の冒険者だから、前の主人とはかなり違うと思う。まず君達に性的な奉仕を一切求むないし、夜伽も不要だ。で、そこにいるのは怪我人か?」

「前の御主人様により虐待を受けた子らでございます。この子達は我らと違い違法奴隷です」

「見せてくれ」

「畏まりました。ただ、これをしたのは前の主人と言うのを覚えておいて下され」

 寝かされている者を見ると、おむつしかしていない。

 全身傷だらけで四肢がない。
 まだ10歳にも満たない子供達だ。
 酷い・・・

 俺は涙を流しながらヒールとクリーンを使う。
 怪我自体は治ったが、欠損部位は無理だった。

「ソシア!」

「はい御主人様。この子達を治してやってくれ!君のスキルに欠損修復があるから。魔力が足りなければ俺の魔力で君の魔力を回復させる。試みてくれ」

 ソシアはパッと明るくなった。
 初めて俺に命令をされ、それが嬉しかったのだ。

「・・・欠損修復」

 1番の小さい子に行うと手足が生えてきたが、ソシアは倒れた。
 何とかキャッチするも顔が青白く汗をかいている。
 これは魔力切れだ。

 ゼェゼェ・・・ハァハァ

「申し訳ありません。魔力が足りず1人しか出来ませんでした」

「残りの2人をベッドに。メイドの1人はついていてやってくれ。マリニア、後を頼む。俺はソシアに魔力を譲渡する」

 戦闘中以外、魔力譲渡は人に見せるものではないので、俺はお姫様抱っこをしてソシアを寝室に運ぶのであった。



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