61 / 119
第1章 王都編
第61話 奴隷がわんさか!
しおりを挟む
そこにいた奴隷の多さに一瞬狼狽えたが、寝かされている者がおり、誰かが世話をしているのが気になった。
怪我でもしているのか?
「はーい!皆さん注目!あなた達の新しい御主人様を連れてきましたので、御主人様の指示に従うように!首輪に触れれば確認出来ますからね」
奴隷商に言われ皆首輪に触っていたが、1人が片膝をつくと皆真似をした。
「我らの御主人様。ご命令を!」
俺は狼狽えており何も発する事が出来なかった。
「皆ゲロビーの家に行くから荷物を持つのじゃ!」
「失礼ですが我らは御主人様の奴隷。他の者の命を聞く筋合いはございませぬ」
「此奴の師匠じゃ!坊主よ、今暫く我の指示に従うように言うのじゃ」
「ああ。ここは良くない。クルシュさんの指示に従って家に行こう。話はそこに行ってからだ」
「はっ!畏まりました」
壮年の執事服を着た奴が皆を代表して話していた。
「悪いが、あんた、他の者を纏めて欲しい。指示も頼むよ」
「畏まりました。今は前の御主人様が名付けた名前で呼びます事をご承知下され」
「分かった」
俺は何とかそれを言うのが精一杯だった。
奴隷商が馬車を用意しており、寝かされていた者を運び入れていた。
俺も徒歩で行くが、皆俺を気にしているがおれの表情から誰も話し掛けられなかった。
今は駄目だ。周りの目があり過ぎる。
程なくして俺の館に着いたが、出迎えたスニシスが沢山の奴隷を連れた俺を見て固まった。
しかし、流石と言うしかないがクルシュさんが仕切る。
「全員食堂に集まるのじゃ!」
ツマイラがクルシュに聞いてきた。
「クルシュ様。3人の子供達はどうします?寝ていますが」
「そうじゃったな。ツマイラ、悪いがついてやっていておくれ」
一礼をし去っていった。
食堂に入ると先の執事服を着た男が話してきた。
「御主人様。全員集まりまして御座います。どうか皆にお話を」
「ああ。俺はA級冒険者のランスタッドだ。君達の主人だった男爵を討伐した為に俺が主人となった。で、こちらにいるのがクルシュさんは俺の師匠で、マリニア、スニシス、ソシアと俺のパーティーメンバーだ。また、小さな子供を引き取って面倒を見ていて、今は疲れから寝ている。ここは男爵討伐の報酬として国から下賜された館だ。私は普通の冒険者だから、前の主人とはかなり違うと思う。まず君達に性的な奉仕を一切求むないし、夜伽も不要だ。で、そこにいるのは怪我人か?」
「前の御主人様により虐待を受けた子らでございます。この子達は我らと違い違法奴隷です」
「見せてくれ」
「畏まりました。ただ、これをしたのは前の主人と言うのを覚えておいて下され」
寝かされている者を見ると、おむつしかしていない。
全身傷だらけで四肢がない。
まだ10歳にも満たない子供達だ。
酷い・・・
俺は涙を流しながらヒールとクリーンを使う。
怪我自体は治ったが、欠損部位は無理だった。
「ソシア!」
「はい御主人様。この子達を治してやってくれ!君のスキルに欠損修復があるから。魔力が足りなければ俺の魔力で君の魔力を回復させる。試みてくれ」
ソシアはパッと明るくなった。
初めて俺に命令をされ、それが嬉しかったのだ。
「・・・欠損修復」
1番の小さい子に行うと手足が生えてきたが、ソシアは倒れた。
何とかキャッチするも顔が青白く汗をかいている。
これは魔力切れだ。
ゼェゼェ・・・ハァハァ
「申し訳ありません。魔力が足りず1人しか出来ませんでした」
「残りの2人をベッドに。メイドの1人はついていてやってくれ。マリニア、後を頼む。俺はソシアに魔力を譲渡する」
戦闘中以外、魔力譲渡は人に見せるものではないので、俺はお姫様抱っこをしてソシアを寝室に運ぶのであった。
怪我でもしているのか?
「はーい!皆さん注目!あなた達の新しい御主人様を連れてきましたので、御主人様の指示に従うように!首輪に触れれば確認出来ますからね」
奴隷商に言われ皆首輪に触っていたが、1人が片膝をつくと皆真似をした。
「我らの御主人様。ご命令を!」
俺は狼狽えており何も発する事が出来なかった。
「皆ゲロビーの家に行くから荷物を持つのじゃ!」
「失礼ですが我らは御主人様の奴隷。他の者の命を聞く筋合いはございませぬ」
「此奴の師匠じゃ!坊主よ、今暫く我の指示に従うように言うのじゃ」
「ああ。ここは良くない。クルシュさんの指示に従って家に行こう。話はそこに行ってからだ」
「はっ!畏まりました」
壮年の執事服を着た奴が皆を代表して話していた。
「悪いが、あんた、他の者を纏めて欲しい。指示も頼むよ」
「畏まりました。今は前の御主人様が名付けた名前で呼びます事をご承知下され」
「分かった」
俺は何とかそれを言うのが精一杯だった。
奴隷商が馬車を用意しており、寝かされていた者を運び入れていた。
俺も徒歩で行くが、皆俺を気にしているがおれの表情から誰も話し掛けられなかった。
今は駄目だ。周りの目があり過ぎる。
程なくして俺の館に着いたが、出迎えたスニシスが沢山の奴隷を連れた俺を見て固まった。
しかし、流石と言うしかないがクルシュさんが仕切る。
「全員食堂に集まるのじゃ!」
ツマイラがクルシュに聞いてきた。
「クルシュ様。3人の子供達はどうします?寝ていますが」
「そうじゃったな。ツマイラ、悪いがついてやっていておくれ」
一礼をし去っていった。
食堂に入ると先の執事服を着た男が話してきた。
「御主人様。全員集まりまして御座います。どうか皆にお話を」
「ああ。俺はA級冒険者のランスタッドだ。君達の主人だった男爵を討伐した為に俺が主人となった。で、こちらにいるのがクルシュさんは俺の師匠で、マリニア、スニシス、ソシアと俺のパーティーメンバーだ。また、小さな子供を引き取って面倒を見ていて、今は疲れから寝ている。ここは男爵討伐の報酬として国から下賜された館だ。私は普通の冒険者だから、前の主人とはかなり違うと思う。まず君達に性的な奉仕を一切求むないし、夜伽も不要だ。で、そこにいるのは怪我人か?」
「前の御主人様により虐待を受けた子らでございます。この子達は我らと違い違法奴隷です」
「見せてくれ」
「畏まりました。ただ、これをしたのは前の主人と言うのを覚えておいて下され」
寝かされている者を見ると、おむつしかしていない。
全身傷だらけで四肢がない。
まだ10歳にも満たない子供達だ。
酷い・・・
俺は涙を流しながらヒールとクリーンを使う。
怪我自体は治ったが、欠損部位は無理だった。
「ソシア!」
「はい御主人様。この子達を治してやってくれ!君のスキルに欠損修復があるから。魔力が足りなければ俺の魔力で君の魔力を回復させる。試みてくれ」
ソシアはパッと明るくなった。
初めて俺に命令をされ、それが嬉しかったのだ。
「・・・欠損修復」
1番の小さい子に行うと手足が生えてきたが、ソシアは倒れた。
何とかキャッチするも顔が青白く汗をかいている。
これは魔力切れだ。
ゼェゼェ・・・ハァハァ
「申し訳ありません。魔力が足りず1人しか出来ませんでした」
「残りの2人をベッドに。メイドの1人はついていてやってくれ。マリニア、後を頼む。俺はソシアに魔力を譲渡する」
戦闘中以外、魔力譲渡は人に見せるものではないので、俺はお姫様抱っこをしてソシアを寝室に運ぶのであった。
1
お気に入りに追加
175
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる