漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

KeyBow

文字の大きさ
上 下
60 / 119
第1章 王都編

第60話 奴隷商へ

しおりを挟む
 クルシュの屋敷に着いたが、マリニアとスニシスは困ったように俺を出迎えた。

「ただいま。アイツラはどうした?」

「寝ちゃっててさ」

「こんな時間にか?」

「長旅の疲れだと思いますわ」

「あまり迷惑も掛けられないから3人で抱っこして家に行こうか」

 そんな話をしているとクルシュが出て来た。

「もう行くのかぇ?」

「あまり長いすると迷惑だろうしな」

「うむ。別に迷惑ではないのじゃがな。所でその娘は?というか、お主の所には見目麗しい娘が現れやすいのう。その子が聖女でも驚かんがのぅ」

「あのう、どうしてそれを?鑑定もなくギフトが分かるのでしょうか?」

「娘っ子よ。今なんと申した?まさか聖女なのか?しかし聖女はそこのゲロビーがいたパーティーにいるはずじゃが?」 

「大聖女と言うのなんだそうです」 

「ま、まさか・・・?」

「俺が鑑定したから間違いないぞ。彼女はソシア。グリーンマイル4人目のパーティーメンバーだ」

「あれっ?パーティー名なんてあったんですか?」

「スニシスには伝えていなかったか。スニシス、マリニア、彼女と仲良くしてくれ」

 それから経緯を話した。

「メイドをどうするのじゃ?お主らが活動している間ベイクルドとカタマリヤをリリアーナ1人に面倒を見させる訳にも行くまい」

「クルシュさん。どうやってメイドを確保すれば良いんだ?奴隷を買うのが一般的と聞いたんだが」 

「そうじゃのう。坊主よ、我と奴隷商に行くのじゃ。娘っ子達は先に家で待っておれ。これツマイラ!」

 1人のメイドが現れた。

「3日間このツマイラを貸す故、その間に生活に慣れるのじゃ」

 俺は有り難いと思う反面、奴隷を購入するのに抵抗がある。
 ソシアを見れば尚更だ。

「ソシアは性奴隷だったんだ。例の男爵が買って王都に戻るのに合わせて納品され、俺が寝室に入ったタイミングで現れたんだ。物心付いた時には奴隷で、奴隷としての生き方しか知らないんだ。今も俺の事を御主人様と思っているんだ。だから皆優しくしたり、色々な事を多目に見てやってくれ。それとメイドは奴隷しかいないのか?」

「いなくはないがのう、来る迄に月単位の時間が必要じゃて。条件を決め、買い戻しをさせればよいのじゃ。ソシアさんのような奴隷は稀じゃがのう」

 結局俺、マリニア、クルシュさんの3人で奴隷商に行く事になった。
 いくつかある奴隷商の中でクルシュが選ぶ奴隷商だから、真っ当なところのはずだ。

 ただ、クルシュさんは半ば強引に奴隷商に引っ張っており、なぜ強引に奴隷を買わすのか理解できなかった。不自然にメイドの話に切り替わったが、確かにメイドは必要だが。

 目当ての奴隷商に着くと、応対した店員は直ぐに主を連れて来た。

「これはクルシュ様。いらっしゃいませ」

「約束通り主人となった者を連れて来たぞえ」

「この方がそうでございますか。確かA級冒険者のランスタッド様でしたな?今朝着いたばかりで、今は会議室にて休ませております」

「うむ。コヤツは事情を知らぬ故メイドを買いに来た事になっておるが、メイドはいるのかぇ?」

「はい。執事2人、メイド4人。性奴隷兼用のメイドが2人、性奴隷5人、男の性奴隷2人、戦闘奴隷4人、違法奴隷が3人でございます」

「うむ。高々男爵の割に多いのう」

「はい。驚きました。これから新たな主人を探す事にならずに助かります。ランスタッド様、失礼ですがステータスカードを拝見したい」

 俺は意味が分からなかったが、言われるがままにカードを出して渡した。

「はい。間違いなくあの者達の主人ですね。いやぁ助かります」

「違法奴隷がいるのかぇ?」

「10歳から13歳の少女でして。かなり酷いですぞ」

「その歳で性的な暴行を受ければ、奴隷から開放されるはずじゃが?」

「性的な暴行ではなく・・・違法奴隷ではありますが、首輪が外れない範囲の事になりますが、まあ見れば分かります。心を強く持って見てください」

 俺は案内されるままほ会議室の扉を開け、中にいた者達を見て愕然となったのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...