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序章 私刑人誕生編
第29話 情報屋に依頼する
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俺が情報屋に着くと珍しく意外そうに出迎えてきた。
「こんな時間に珍しいですなぁ。今日は何を知りたいので?」
「今日この町に奴隷商が来たろ?そいつの事が知りたい」
「よくご存じですな」
「今回は真正面から潰す!ランスタッドとしてな!生かしておくつもりは更々ない!」
「旦那が熱くなるなんて珍しいですな?何があったんで?」
「お前さんが俺に聞いてくるなんてそれこそ珍しいな。こいつは違法奴隷を売買していやがるんだ!」
「あまり良い噂は聞かない奴隷商ですが、アッシのしる限り表の奴隷商として手広くとは行かないですが、主にというか高級しか扱っておりやしませんね。で、旦那の知っている情報を頂けるとこちらも動きが早くて助かりやす」
「あーそうだな。どうやら王都で子供を攫い、その子供達をこの町に連れ込もうとしていたらしい。途中で魔物の群に襲われ、奴隷にした子供達が乗っていた馬車と、そこに乗る者達を生贄にして逃げてきたらしい。で、なぜ俺がそれを知っているかと言うと、その生贄にされた子供達の3人を助けたからだ。半分は既に死んでいたがな。この町に目的地があるような事を言っていたと聞いた。子供達を保護して町に引き上げたのが先ほどだ。5歳前後の子供を奴隷にしていたんだ。ここに来る前にこの前教えてもらったクルシュさんのところで奴隷の首輪を破壊してきた。首輪から裏を取れたりしないか?」
情報では首を横に振った。
「残念ですが奴隷商で一般的に使われている首輪なので、これから足がつく事はないと思いやす」
情報屋から首輪の残骸を渡された。
「今日この町に馬車2台分の奴隷を連れた奴隷商が来たとの情報はありやす。噂では闇市があり、毎年開催場所が違い、関係者にのみ教えられておりそこで違法奴隷の売買がされているそうでやす。残念ながらあっしの方にその辺りの情報はなかったのですが、今年はこの町で行われるようで。言われてみれば、確かに貴族の家来どもが何人か来ておりやした。なるほど、盗賊の数がやたらと増えていたのはこの為だったのですな。分かりました。至急調べやすので、また夜に来てくだせえ」
俺はちょっとしたおやつを買ってから宿に引き上げた。
宿に戻ると俺の顔を見て抱き着いてきたのは・・・マリニアだった。
「遅いよ!もうだめ!助けて!」
あー・・・床が濡れてるなぁ・・・はぁ・・・
俺は先ず部屋全体にクリーンを掛け、おこちゃま2人にクリーンを掛ける。
どうやら子供の面倒を見るのが大変だったようだ。
「いいか、おしっこをしたくなったら早目に言うんだぞ!」
「は~い!えっと、パパおかえりなさ~い!」
「お、おう!ただいま」
「ランスタッドさん、ごめんなさい。この子達、興奮しているとトイレに行くのをつい忘れてしまうようです」
「リリアーナ、王都に着くまであの子達の面倒を見てやれないか?俺とマリニアは冒険者としてやらなきゃならない事が多いんだ」
「あっはい。頑張ります!」
「それと、これお土産だ」
俺はこの子に似合うか分からないが、花柄のもようがあるゆなスカーフを渡す。
「女の子なんだから少しはお洒落をしたいだろ。本当は俺やマリニアに甘えたいような年頃だとは思うが、頼むよ」
リリアーナは驚きの表情を浮かべて固まっていた。そんな彼女を俺はギュッと抱きしめる。
「絶対王都に連れて行ってやるからな!リリアーナは俺達に多少の我儘を言っても良いんだからな!まだ子供なんだから遠慮するなよ!暫くの間俺を本当のパパだと思って甘えても良いんだからな!」
リリアーナは涙を浮かべ頷いていた。今はまだ気を張っているのだろう。
「よし、ちょっとしたおやつだぞ!」
俺はクッキーのような焼き菓子を取り出すと、おこちゃま2人は目を輝かせていたな。
フッフッフー!勿論マリニアとリリアーナの分は別にあるのさ。
「こんな時間に珍しいですなぁ。今日は何を知りたいので?」
「今日この町に奴隷商が来たろ?そいつの事が知りたい」
「よくご存じですな」
「今回は真正面から潰す!ランスタッドとしてな!生かしておくつもりは更々ない!」
「旦那が熱くなるなんて珍しいですな?何があったんで?」
「お前さんが俺に聞いてくるなんてそれこそ珍しいな。こいつは違法奴隷を売買していやがるんだ!」
「あまり良い噂は聞かない奴隷商ですが、アッシのしる限り表の奴隷商として手広くとは行かないですが、主にというか高級しか扱っておりやしませんね。で、旦那の知っている情報を頂けるとこちらも動きが早くて助かりやす」
「あーそうだな。どうやら王都で子供を攫い、その子供達をこの町に連れ込もうとしていたらしい。途中で魔物の群に襲われ、奴隷にした子供達が乗っていた馬車と、そこに乗る者達を生贄にして逃げてきたらしい。で、なぜ俺がそれを知っているかと言うと、その生贄にされた子供達の3人を助けたからだ。半分は既に死んでいたがな。この町に目的地があるような事を言っていたと聞いた。子供達を保護して町に引き上げたのが先ほどだ。5歳前後の子供を奴隷にしていたんだ。ここに来る前にこの前教えてもらったクルシュさんのところで奴隷の首輪を破壊してきた。首輪から裏を取れたりしないか?」
情報では首を横に振った。
「残念ですが奴隷商で一般的に使われている首輪なので、これから足がつく事はないと思いやす」
情報屋から首輪の残骸を渡された。
「今日この町に馬車2台分の奴隷を連れた奴隷商が来たとの情報はありやす。噂では闇市があり、毎年開催場所が違い、関係者にのみ教えられておりそこで違法奴隷の売買がされているそうでやす。残念ながらあっしの方にその辺りの情報はなかったのですが、今年はこの町で行われるようで。言われてみれば、確かに貴族の家来どもが何人か来ておりやした。なるほど、盗賊の数がやたらと増えていたのはこの為だったのですな。分かりました。至急調べやすので、また夜に来てくだせえ」
俺はちょっとしたおやつを買ってから宿に引き上げた。
宿に戻ると俺の顔を見て抱き着いてきたのは・・・マリニアだった。
「遅いよ!もうだめ!助けて!」
あー・・・床が濡れてるなぁ・・・はぁ・・・
俺は先ず部屋全体にクリーンを掛け、おこちゃま2人にクリーンを掛ける。
どうやら子供の面倒を見るのが大変だったようだ。
「いいか、おしっこをしたくなったら早目に言うんだぞ!」
「は~い!えっと、パパおかえりなさ~い!」
「お、おう!ただいま」
「ランスタッドさん、ごめんなさい。この子達、興奮しているとトイレに行くのをつい忘れてしまうようです」
「リリアーナ、王都に着くまであの子達の面倒を見てやれないか?俺とマリニアは冒険者としてやらなきゃならない事が多いんだ」
「あっはい。頑張ります!」
「それと、これお土産だ」
俺はこの子に似合うか分からないが、花柄のもようがあるゆなスカーフを渡す。
「女の子なんだから少しはお洒落をしたいだろ。本当は俺やマリニアに甘えたいような年頃だとは思うが、頼むよ」
リリアーナは驚きの表情を浮かべて固まっていた。そんな彼女を俺はギュッと抱きしめる。
「絶対王都に連れて行ってやるからな!リリアーナは俺達に多少の我儘を言っても良いんだからな!まだ子供なんだから遠慮するなよ!暫くの間俺を本当のパパだと思って甘えても良いんだからな!」
リリアーナは涙を浮かべ頷いていた。今はまだ気を張っているのだろう。
「よし、ちょっとしたおやつだぞ!」
俺はクッキーのような焼き菓子を取り出すと、おこちゃま2人は目を輝かせていたな。
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