21 / 119
序章 私刑人誕生編
第21話 Dランクの討伐依頼を受ける
しおりを挟む
街道を進む事40分、そこから道を逸れて湖に向かう。
途中ゴブリンが出るもマリニアがショートソードを手に駆けて行き、サクッと倒した以外魔物との遭遇もなく、順調に目的地である湖の近くまで来た。
そうそう、今朝常時依頼であるオークの討伐依頼を出すと、規定によりマリニアの冒険者ランクが最低のFランクからEランクに上がったんだ。
パーティーを組んでいると、最低ランク者の1個上は問題なく受けられ、Dランク依頼であるリザードマンの討伐を受けられるようになった。
パーティーのランクはリーダーのランクからスタートする。
実際問題として俺が追放されたのは俺の所為でAランクの依頼までしか受けられなかったからだ。
なぜ嫉妬から追放されたと言っているのかだが、嫉妬から俺のレベルを上げさせないようにしていたからだ。
まあ、過去の事はどうでも良い、既に掛け替えのない仲間を得たし。
小五月蝿い所もあるが、素直で良い子だ。
スポンジが水を吸うように色々な事を急速に覚えていくのもあり、教え甲斐がある。
「よし、マリニア。俺が警戒をしているから、探索者の固有スキルを使ってリザードマンを探してみろ」
「でもどうしたら良いのか分からないよ?」
「ほら、そこにリザードマンの足跡があるぞ!分かるか?」
「あっ!本当だ!よく気が付くよね!」
「ずっと斥候役をしていたからな。最初の痕跡を見付けたら追跡のスキルを使うんだ。確か探索者の初期スキルに追跡があるだろ?もう発現していると思うが?」
「えっ?何で分かるんですか?」
「攻撃魔法を使えるようになる、というか、デフォルトで持っている自己強化魔法以外を覚えると発動するとギフト大全に書いてあったぞ」
マリニアはあっ!と唸ると、リザードマンの痕跡に対して追跡スキルを使った。
するとマリニアの目が赤く光る。
またもや俺はサンタナに嘘を教え込まれていたようだ。
何故なら赤く光るのは女、青く光るのは男と言っていたからだ。
「マリニア、スキルを使うと目がこういうふうに光るから注意しろよ」
俺は気配探知を使う。
「そういうふうになるんだ!初めて見たよ!」
「スキルを使うと、使った事がバレるから気を付けるんだぞ!」
「えっと、この先約200mの所に複数の反応があります」
「警戒しつつ行こうか」
「あっはい!今回は魔法でやりたいので、前衛をお願いします!」
「おう!任された!」
湖に沿って反時計回りに進んで行くと、程なくして少なくとも5体の気配がする。
俺は一旦止まる。
「因みに何体いるか分かるか?」
「6体ですね!?」
俺はえっと思いつつ気配察知を今一度使ったが、分かり難いが6体目の気配がする。流石探索者の持つギフトの補正能力のお陰かな。
「凄いな。確かに6だな。俺は5体かと思ったんだ。よし、行こうか。くれぐれも油断するなよ!」
そうして気配のする方に向かうと、取り敢えず4体が見えた。
湖畔で何かをしていて、俺達は木立の切れ目で、木に身を隠して目視確認していた。
ギイイイイイイー!
俺達の気配に気が付いたようで、その4体がこちらに向かってくる。
爬虫類が2足歩行している魔物だ。
トカゲではなく、ワニの手足を長くして立たせた感じで、立った時の背丈は170Cm程とひょろ長い。
尻尾による攻撃が要注意だ。
棍棒や粗末な剣を持ち、中には盾を持っているのもいる。
俺はその4体を相手にし、マリニアに近付けさせない。
そしてマリニアは詠唱を始めた。
「汚れの知らぬ乙女よ!我が願いは敵を討ち滅ぼさんとする力なり!悠久の時間を生きる精霊よ!我が母マリニクルスの名において力を開放せよ!・・・・ライオット!」
マリニアが詠唱すると魔法陣が頭上に現れて回転する。
雲が形成されバチバチとスパークする。
そしてライオットと茂みに向かって手を振るとその雲から雷が迸り、藪の中に落ちた。
すると、キャオオオオオオオとリザードマンの叫びがした。
俺は先頭の2体を剣の一閃で屠ったが、雷で怯んだ残り2体は武器を放り出して逃げ始めた。
1体は結界で首を落とし、もう1体は俺が投げたナイフが腰に刺さるも、逃げていく。
投げナイフの届く距離から離れたようで、マリニアを見ると顔を上気させ興奮しているのが分かる。
「マリニア、大丈夫か?」
「あっはい!どうなったんでしたっけ?」
「3体は俺が切り倒し、2体はお前の雷で焦げたはずだ。だが1体はナイフが刺さるも逃げたな」
「どうすればよいの?」
「まだ仲間がいるかもだから、取り敢えず死体などを回収したら追うぞ!まだ行けるか?」
「勿論大丈夫!魔法を放っただけだもん!」
「次は近接戦闘を視野に入れていけよ!さあ追い掛けるぞ!第2ラウンドの開始だ!怪我をしているから仲間の元に戻ると思うからな」
そうして死体を収納した後追跡スキルを使い、リザードマンを追い掛けるのだった。
途中ゴブリンが出るもマリニアがショートソードを手に駆けて行き、サクッと倒した以外魔物との遭遇もなく、順調に目的地である湖の近くまで来た。
そうそう、今朝常時依頼であるオークの討伐依頼を出すと、規定によりマリニアの冒険者ランクが最低のFランクからEランクに上がったんだ。
パーティーを組んでいると、最低ランク者の1個上は問題なく受けられ、Dランク依頼であるリザードマンの討伐を受けられるようになった。
パーティーのランクはリーダーのランクからスタートする。
実際問題として俺が追放されたのは俺の所為でAランクの依頼までしか受けられなかったからだ。
なぜ嫉妬から追放されたと言っているのかだが、嫉妬から俺のレベルを上げさせないようにしていたからだ。
まあ、過去の事はどうでも良い、既に掛け替えのない仲間を得たし。
小五月蝿い所もあるが、素直で良い子だ。
スポンジが水を吸うように色々な事を急速に覚えていくのもあり、教え甲斐がある。
「よし、マリニア。俺が警戒をしているから、探索者の固有スキルを使ってリザードマンを探してみろ」
「でもどうしたら良いのか分からないよ?」
「ほら、そこにリザードマンの足跡があるぞ!分かるか?」
「あっ!本当だ!よく気が付くよね!」
「ずっと斥候役をしていたからな。最初の痕跡を見付けたら追跡のスキルを使うんだ。確か探索者の初期スキルに追跡があるだろ?もう発現していると思うが?」
「えっ?何で分かるんですか?」
「攻撃魔法を使えるようになる、というか、デフォルトで持っている自己強化魔法以外を覚えると発動するとギフト大全に書いてあったぞ」
マリニアはあっ!と唸ると、リザードマンの痕跡に対して追跡スキルを使った。
するとマリニアの目が赤く光る。
またもや俺はサンタナに嘘を教え込まれていたようだ。
何故なら赤く光るのは女、青く光るのは男と言っていたからだ。
「マリニア、スキルを使うと目がこういうふうに光るから注意しろよ」
俺は気配探知を使う。
「そういうふうになるんだ!初めて見たよ!」
「スキルを使うと、使った事がバレるから気を付けるんだぞ!」
「えっと、この先約200mの所に複数の反応があります」
「警戒しつつ行こうか」
「あっはい!今回は魔法でやりたいので、前衛をお願いします!」
「おう!任された!」
湖に沿って反時計回りに進んで行くと、程なくして少なくとも5体の気配がする。
俺は一旦止まる。
「因みに何体いるか分かるか?」
「6体ですね!?」
俺はえっと思いつつ気配察知を今一度使ったが、分かり難いが6体目の気配がする。流石探索者の持つギフトの補正能力のお陰かな。
「凄いな。確かに6だな。俺は5体かと思ったんだ。よし、行こうか。くれぐれも油断するなよ!」
そうして気配のする方に向かうと、取り敢えず4体が見えた。
湖畔で何かをしていて、俺達は木立の切れ目で、木に身を隠して目視確認していた。
ギイイイイイイー!
俺達の気配に気が付いたようで、その4体がこちらに向かってくる。
爬虫類が2足歩行している魔物だ。
トカゲではなく、ワニの手足を長くして立たせた感じで、立った時の背丈は170Cm程とひょろ長い。
尻尾による攻撃が要注意だ。
棍棒や粗末な剣を持ち、中には盾を持っているのもいる。
俺はその4体を相手にし、マリニアに近付けさせない。
そしてマリニアは詠唱を始めた。
「汚れの知らぬ乙女よ!我が願いは敵を討ち滅ぼさんとする力なり!悠久の時間を生きる精霊よ!我が母マリニクルスの名において力を開放せよ!・・・・ライオット!」
マリニアが詠唱すると魔法陣が頭上に現れて回転する。
雲が形成されバチバチとスパークする。
そしてライオットと茂みに向かって手を振るとその雲から雷が迸り、藪の中に落ちた。
すると、キャオオオオオオオとリザードマンの叫びがした。
俺は先頭の2体を剣の一閃で屠ったが、雷で怯んだ残り2体は武器を放り出して逃げ始めた。
1体は結界で首を落とし、もう1体は俺が投げたナイフが腰に刺さるも、逃げていく。
投げナイフの届く距離から離れたようで、マリニアを見ると顔を上気させ興奮しているのが分かる。
「マリニア、大丈夫か?」
「あっはい!どうなったんでしたっけ?」
「3体は俺が切り倒し、2体はお前の雷で焦げたはずだ。だが1体はナイフが刺さるも逃げたな」
「どうすればよいの?」
「まだ仲間がいるかもだから、取り敢えず死体などを回収したら追うぞ!まだ行けるか?」
「勿論大丈夫!魔法を放っただけだもん!」
「次は近接戦闘を視野に入れていけよ!さあ追い掛けるぞ!第2ラウンドの開始だ!怪我をしているから仲間の元に戻ると思うからな」
そうして死体を収納した後追跡スキルを使い、リザードマンを追い掛けるのだった。
1
お気に入りに追加
175
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
イレギュラーから始まるポンコツハンター 〜Fランクハンターが英雄を目指したら〜
KeyBow
ファンタジー
遡ること20年前、世界中に突如として同時に多数のダンジョンが出現し、人々を混乱に陥れた。そのダンジョンから湧き出る魔物たちは、生活を脅かし、冒険者たちの誕生を促した。
主人公、市河銀治は、最低ランクのハンターとして日々を生き抜く高校生。彼の家計を支えるため、ダンジョンに潜り続けるが、その実力は周囲から「洋梨」と揶揄されるほどの弱さだ。しかし、銀治の心には、行方不明の父親を思う強い思いがあった。
ある日、クラスメイトの春森新司からレイド戦への参加を強要され、銀治は不安を抱えながらも挑むことを決意する。しかし、待ち受けていたのは予想外の強敵と仲間たちの裏切り。絶望的な状況で、銀治は新たなスキルを手に入れ、運命を切り開くために立ち上がる。
果たして、彼は仲間たちを救い、自らの運命を変えることができるのか?友情、裏切り、そして成長を描くアクションファンタジーここに始まる!
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる