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三十四人目 STARS
一話
しおりを挟むそいつはな。
本当に恵まれた男やった。
自分ではわかってない感じやったけどな。
その人生で、大きい怪我をした事がないらしい。
小さい頃の話だが…
馬車から落ちた時も…
山で遊んでて、竜に出くわした時も…
毒蛇に咬まれた時もな。
その毒も全身に回って危ない状況やのにな。
大体、普通なら死んでるような状況やのにな、いつも軽い怪我で済んでた。
昔からこういうのを…
“精霊の加護”
と言うたんや…
今日はなあ…
そいつの話をしたるわ。
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