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10、自慰とその後*
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一人の部屋に違う気配を感じた。
もぞもぞと自分以外の存在が布団の中で蠢いている。
その存在は、恭吾の浴衣を少し開き男性の象徴を弄っていた。
手で優しく包んでいるようで、その滑らかな手の平で亀頭の先を撫でられると自身の蜜口からとろりと液が流れるのを感覚で捕らえる。
少し冷えたその手と、布団の中から感じる息遣いでその人物は先ほど廊下で別れた蓮なのだと判断した。この屋敷内でこのような行為の出来る大人はまず、蓮しか居ないのだが、冷静にそのようなことを考察してしまっていた。
すぐに布団を剥いで何をしていると問えば良いのだが、恭吾は動かずに蓮の好きにさせる。
「……ん……」
かすかに盛り上がった布団が揺れる。
刺激によって、熱を帯び始めた恭吾の陰茎に舌を這わせながら、露出した恭吾の足に自身の亀頭を擦り付けているようだ。その亀頭からは、恭吾のものより遥かに多くの蜜を吐き出しており、ヌメヌメとした感覚に興奮する。
自分の陰茎は少し冷える手で支えられているのに、擦り付けられた亀頭は驚くほど熱く同じ人物の身体とは思えないほどの差に身体が反応を示す。
ドクンと大きさを増した恭吾を唇ではむように茎を刺激していた蓮がぐっと頭を落とす。
そして、二つの張り出した実の片方を口に含み飴玉を転がすようにクチュクチュと舐めた。溢れた唾液が実から菊花へ流れ、布団を濡らす。
足に擦ることの出来なくなったのか、蓮は実を含みながら自身のそれを手淫し始めた。
「んぁ……んく、んぅ……きょ……ごさ……んぅぅ」
姿の見えない状態で布団から篭った喘ぎが聞こえる。更に、手淫して漏れる蜜の絡まるクチャクチャした音まで響いているようだ。
実をキュウと吸い上げられ、思わず吐精しそうになる身体を強張らせ我慢する。起きている事に気付かれそうな程の反応も、夢中になった蓮は分からないようだ。
「あぁぁぁ! ……あ、ぁん……ん、はぁ……イク……まだ、まだダメなのに……イッてしまうぅ……ん」
何をしたのか、蓮は実を口から吐き出し大きな声で喘ぎ始めた。
恭吾の腹に頭を置いたようで、さらりと蓮の長い髪が肌を撫でる。更に、再び陰茎に舌を這わせ始めて時折、愛おしそうに亀頭の先を含んで舌を蜜口に差し込む。
我慢した欲望がまた溢れそうになるのを、布団を強く握り締めて押さえ込んだ。
チロチロと差し込まれた舌が蜜口の中の繊細な道を弄る。
「っ!! はぁ……」
初めての感覚に思わず吐息が漏れ出した。
だが、蓮はその行為を止めようとせずしきりにそこを弄り、喘ぎを続けている。
「……んん、恭吾しゃ……味……おいし……もっとぉ……あぁ、……んく…… やっぱ……足りな……んぁぁぁぁ! あ、だめ、やっぱり自分の指は……ぁぁ!」
どうやら、手淫ではなく自身の菊花を刺激しているようだ。
その淫猥な姿を今すぐに見たいという気持ちが溢れる。だが、反対にこのまま蓮を自慰でイくまでヤらせたいとも思う。その葛藤は後者ですぐに決着がついた。
「んく、ん……きょご……さ……入っ……、でもこっちも……」
後孔と陰茎を同時に擦り始めたのか、腹の頭の重量が増した。更に目の前にある狂暴に蜜を滴らせる恭吾を口に含んだ。
風呂場で交わってしまった時とは比べられない位、淫乱に欲して悶える蓮に姿は見えなくても恭吾も限界が近づく。
「んぐ、んぅん……ん、ん、んぅ んぅぅぅぅぅぅ!」
ビクンと跳ねた蓮の動きに合わせて、太ももに熱い飛沫がかかるのを感じた。
「先にイッて……はぁ、はぁ……」
先に達してしまった蓮は、それを拭くこともせずに両手で恭吾の手淫を始めて深く口に含んだ。
「んっくんく……はぁ、ん、恭……ん、ん……」
徐々に速さを増す蓮の手の動きに、腰が浮くのを感じる。
「ん? あぁ、感じてくれてるんですね……ん、もっと良くします……だから、熱いのを……んぐ、んちゅ……」
再び蜜口に舌を挿される。陰茎は扱かれ、その振動が下の淫実を揺らし、さらに蜜道を穿るように刺激され、とうとう恭吾は布団の中に白濁を撒く。
ビクンビクン!
「あぁぁ! っつ! ん! くそっ……はぁぁ! ……」
声に出してしまったことで、起きていることは知られているはずなのに、撒いた白蜜を布団の暗闇の中で丁寧に舐め摂られ、蜜道からも絞り取るように吸い出される。
吐き出したはずの陰茎が再び熱を持ち始める。
すでに互いに一度達した所で、恭吾は布団を剥ぎ取った。
浴びせられた時は熱かった蓮の飛沫が、空気に触れて一気に冷める。
驚いた表情で、蓮は陰茎に舌を這わせたまま固まっている。
「え? え? 恭吾さ……いつから……」
「いつって……ほとんど最初から」
「な! 最初って……そん……なんで黙ってるんですか! 起きてるなら……」
「夢中でしゃぶられたら、起きれないだろ」
手を伸ばして、蓮の顔を股間から離れさせる。
美しい髪が蜜で所々、しっとりと水気を含んでいた。それをゆっくりと撫でると、それすら刺激になるのか、蓮は身体を大きく震わせた。
「俺のチンコ、うまかったか?」
顔を真っ赤にした蓮が、俯いて小さな声で はい と答えた。
「しゃぶって搾り出した、精液美味かったか?」
ピクンと肩を揺らし、更に小さくなった声で いいえ と答えた。
そして、這うように寝ている恭吾の顔まで移動し、瞳を合わせてその先を発する。
「……いいえ、恭吾さんの……口に上手く貰えませんでしたので……舐めた味しか分からないのです。だから、もう一度……下さい。恭吾さん……」
微かに震える睫毛と涙を溜めた瞳、熱を帯びて紅を差したような唇が艶かしく動いた。
たまらず、引き寄せるようにして蓮の口を貪る。先ほど放った自身の精を舐め取っていたからか、口腔は蓮の甘さと青臭さが混ざり合い何とも言えない味になっている。
自分の蜜の味など知りたくも無いが、懸命に快楽を貪った蓮が愛おしくて仕方がない。一瞬でも蓮を離したくないと、独占欲が心を占領し始めた。
隙間を作らせまいと、歯列の隙間まで舌を這わせると、長い睫に涙が溜まる。
「ん……きょ……ごさ……ふぅ……」
溢れるように名前を呼ばれ、息が出来なくなるほど抱きしめる。
唇が痺れてキスをしているのか、分からなくなるほど時間をかけた。
くちゅりと音を立てて離すと、やはり苦しかったのか肩で息をしている蓮をもう一度抱きしめた。
「蓮……もう一度舐めたいんだろ? 俺もお前のをしゃぶりたい」
ビクンと身体を跳ねさせ、ゆっくり恭吾から離れた蓮はくるりと身体を回転させ前に屈む。そして自ら寝間着の裾をたくし上げ、ぶらさがる陰部とヒクヒクと震わせる菊花を曝す。
達したはずの陰茎はすでに上向きに反り上がり、ぶらさがるというより、重力に最大の抵抗をしているようだ。
恭吾は頭を上げて、枕を二つに折って自身の腰に差し込む。
少し体勢が上り、更に、外していた眼鏡をかけるとその光景は鮮明になった。
「こんなにアナル開いてるのか……指、何本入れたんだ?」
菊花にそっと指を這わすと、反った陰茎から蜜が糸を引くように落ちる。
「一本です……それ以上は……怖くて……」
優しく叩くように開いた孔を刺激すると、蓮は前屈みにしていた腕に力が入らなくなったのか、上半身を恭吾の下半身に落とす。はぁと蓮が息を吐くたびに、己の熱肉も本能で跳ねるのを感じた。
「そうか、でもさっき初めて指入れたんじゃないだろ?」
「あぁぁ、あ、叩いちゃダメ……です」
「指、いつから入れるようになったんだ?」
掛け布団を手で引き込み、蓮は上手く顔を隠し、答えたくないというように、布団に頭を押し付けている。
答えない様子を見て、両手で孔を広げるようにして口に溜めた唾液を流すように落とした。決して舌や唇が触れないように流し込まれ、触れてもらえないのに息だけは熱くその菊花にかかる。
「んあ、あぁ、恭吾さぁん……ん、ん……はぁ……」
上手く入らなかった唾液がテラテラとそのヒクつくそこを、よりリアルにした。
双丘を揉み、孔に触れずに唾液を揉み込む様にする。
「あぁぁぁ! ヌルヌルしま……す、だめ、触れて欲しい、恭吾さ……んぅ!」
「だったら答えろよ。指、いつから?」
刺激を待ちわびるように開ききった菊花に向かって、細く長く息を吹く。すると蓮の陰茎が大きく振るえ、ピュっと音がしそうな程、大量の蜜を噴出した。
「あ、ああああ! あ……んぅん、ん……指、指は……恭吾さん……とよ、浴室で……」
「浴室で?」
煽るように、舌の先を硬くして菊花の周りだけを伸ばすように舐める。
堪らなくなった蓮が叫ぶように一気に答えを吐き出した。
「あぁぁ! 恭吾さんと浴室で交わってから、毎晩……毎晩、指を挿れてました! ん、お願い、恭吾さんの何でも良いから入れて下さいぃ!」
這わせていた舌を驚いて思わず、ずっぽりと中に埋めてしまう。
「ぁぁぁ…… 舌が、恭吾さんの舌、中に……」
そして、埋まった状態で更に質問をした。
「まひ……まひはん?」
「んあ! や、喋ったらだめ……ん、毎晩、毎晩毎晩、貴方を思い出して……身体が疼くのです、欲しくて満たして貰いたくて……抜いても足りなくて指を……」
「そうか」
舌を抜き、前に倒れきった蓮の右手を掴み、ふけきった菊花に持ってこさせ指をそこに触れさせるようにし、その指ごと菊花を舐める。
「んぁ、何を……するのです」
「毎晩弄って気持ち良かったんだろ? 見せてくれよ。蓮が一人でシてるの。俺も自分の扱くから」
そう言って、左は双丘を菊孔が見えるように広げ、右手で自分の肉棒を握る。火傷しそうな程熱くなった肉茎は、欲望を垂れ流し握っただけで厭らしい音を奏でた。
蓮の目下で、反り上がる肉を扱く。
見られているという快感と蓮の息で、蜜は粘度と量を増した。
その光景に刺激されたのか、蓮は恭吾に舐められ濡れた指をゆっくりと沈め始めた。
「あ、あ、ぁ……ぁん…… ふぅ、くぅ、ん」
嬌声を布団で隠そうとしているのか、声が微かに小さくなる。
「声、聞かせてくれよ。蓮の声、聞きたい」
「ん……ふ……」
蓮の中指が半分まで埋まる。周りを舐めていた舌でその先の指の根本まで舐め、人差し指と薬指も滴るほど唾液を絡ませた。
その間も、自身の陰茎は扱けば扱く程大きさを増し、淫靡な香りと音を放つ。
「指、増やして。それで、全部埋めて」
ヒクンと菊孔が言葉に反応した。
「無理です……これ以上は、きつ……い……」
「大丈夫だろ、俺のこのチンコ入れたことあるんだ。指くらいどうってことないだろ」
「あぁぁぁ……」
扱かれ続けている恭吾の陰茎に気付いた蓮は、亀頭とぱっくりと口で包み小刻みに動く。そうして、ゆっくりと菊花に人差し指を挿れて薬指を挿れる。
広がった孔から時折、ピンクに染まる中が見えると胸が異常な速度で音を鳴らした。
クチュクチュと音を立てながら、ゆっくりと目の前の美しく長い指が、白い肌の桃色に染まる部分に埋まっていく。
全てが埋まる頃には、蓮の陰茎は一度射精したと思うほどの蜜を恭吾の腹に垂らしていた。
「入りまし……恭……吾さん、入ったぁ……」
双丘を揉んでいた左手で蓮のだらしなく蜜を流し続ける陰茎を握る。
その刺激で腰を揺らし、更にその刺激で蠢く中が指を締め付けた。
「あぁぁ、そこ、今触ったら、イッちゃいます……」
ゆっくりと握った陰茎を擦り、少し声を低くして囁くように蓮に告げる。
「指、激しく動かしただけ、激しくチンコ扱いてやるよ。繋がってると思って指動かして」
「ぇ? そんな……出来ないです……」
泣いてしまいそうな声で訴える蓮の指を埋めた手にキスをする。
触れるようなキスではなく、本当にそこに唇があるかのようにネットリと蜜を交換しているように舌全体を這わした。
すると、蓮の指が少しずつ前後に動き始め、菊孔から音が響き始めた。
伝えた通りに陰茎もゆっくりと扱く。舌の動きに合わせて指が動いてしまうようで、恭吾が強く手の甲を吸い上げると奥に奥に指を埋め、また舌で小刻みに舐めると同じように小さく指を刻む。
「あぁぁぁあ、辛いです、またイきます……一人でイっちゃいます! 嫌なのに、一人はいや……」
「一人じゃないだろ? 俺のチンコも擦ってるから、一緒にイける」
「でも、でも、恭吾さんのでぇ……恭吾さんので埋めて欲しいのにぃ……」
「これでイったら突っ込んでやるし、俺も……挿れたい」
そう伝えると、蓮の動きが一気に増した。腸壁を擦り、溢れた蜜が白く泡立つほど手全体で菊花を穿っている。
目の前の卑猥な光景に手にキスをすることも忘れ、両手で蓮と自分の陰茎の両方を高速で扱いた。
「ぁ、ぁ、蓮……蓮、俺の舐めて。少しで良いから」
素直に舌を出して、扱く先の亀頭の部分をチロチロと唾液を流すように当てる。潤滑剤となった唾液が更に扱くスピードを速めた。
「ん、きょ……あ、い…… イク、だめ、本当にイっちゃう、イクイクイク!」
「あぁ、蓮、イけ。俺も!」
ドクンと音とを立てて、恭吾は蓮の口に、蓮は恭吾の腹に白い蜜を放った。タラタラと溢れ続ける蓮の残滓を絞るようにして出す。
クポっと音を立てて三本の指は抜かれ、力の抜けた蓮が倒れるようにして空いた布団の上へ落ちた。
身体を起こし、背中に当てた枕を取り出して蓮の頭へ差し込んでやる。
乱れた寝間着の襟から、蓮の胸板が見える。男のはずなのに、そこはとても柔らかそうに見え、今までの行為でぷっくりと勃起した乳首は紅色に染まっている。白い肌にその乳首はより浮き上がるように鮮やかな赤に見えた。
吸い込まれるようにして、その頂上の蕾を口に含み境目をなぞる様にして舌を動かす。
吐精したばかりで、息が整っていない蓮は ひゃん と高い泣き声を出して恭吾の頭を抱えた。
「や、や、今、イッたばかりです! あぁ、そこ舐めるの、今はダメです……っ、んぅ!」
今度は恭吾が蓮に被さるようにして、両方の乳首を指と口で刺激する。
蕾のように柔らかく、グミのように弾力があり、いくら弄っても飽きが来ることはないようなそんな感触の虜になったように夢中でしゃぶり続けた。
先を舌先で弄るのと指の先で弄るのでは感覚が違い、指で抓られるのと歯列でクニっと絞められるのでも感覚が違うような反応を見せる蓮を、あらゆる方法で責める。
出したばかりだと訴えた口からは、喘ぎ声ともっとと欲する欲望しか出なくなった。
陰茎も二回は達したというのに、その大きさを二人とも維持したままだ。
「あぁぁ、胸、そこ気持ち……です、恭吾さ…ん…がぁ……舐めるの気持ちい、あ、もっと強くして、大丈夫ですから……んぅ!」
「蓮、可愛いな。お前、よくこんな綺麗で可愛くて……今まで掘られなかったな」
「だってぇ、だって、私は、綺麗じゃな……いぃ! いい、そこ気持ち良いの、先っぽグニグニって歯でするの気持ち……ですぅ……んぁ、ああ!」
先日も綺麗ではない、嫌いにならないでと訴えていたことを思い出した。何が蓮をそのように言わせているのかは分からないが、自分の言葉でその思考を覆してやりたいと思う。
「いや、蓮は綺麗だよ。ほら、乳首こんなにコリコリしてピンクに勃起させてるし、チンコも前も思ったけど、亀頭が乳首と同じくらいピンクだし、陰茎の部分も蓮の手のように滑らかで擦りがいがある」
空いた手で、蓮の跳ねる陰茎を握り扱くと、再び透明な蜜を溢れさせる。
「ほら、擦れば擦るほど厭らしい蜜がどんどん出るんだ。しかも、お前、声可愛すぎ。三つ子に聞かれたらどうすんの? 俺だけに聞かせる声にして欲しい」
「んぅんうぅ、恭吾さん……だけですよぉ、こんな私を、そんな風に言ってくれて……私が狂ってしまうのは……恭吾さんだけ……」
扱いていた手を下に伸ばし、未だ閉じきらない菊花に指を差し込む。ビクンと大きく跳ねさせた胸の蕾をチュウと激しく吸ってから、唾液の糸を引きながら離してやる。
自由になった上半身を起こし、蓮は自分の足を掴み大きく開かせた。
目下に広がる蓮の痴態に、恭吾の陰部は最大に膨らむ。
「恭吾さん、だけだから。私が欲しいのは……恭吾さん……挿れてください。お願いします」
言われなくても、我慢の限界だった恭吾はパックリと開いた菊花に亀頭を合わせる。吸い付いて離さない菊花は、それどころか亀頭を導くように艶かしい動きを繰り返す。
「アナルが動いてる。奥に欲しいんだ?」
息を弾ませて、挿れてもらえない肉棒と自身の肉棒を見つめる蓮が唇を噛んだ。
「くっ……欲しいって言ってます。さっきも言いました、早く、早く恭吾を感じさせて下さい! あぁぁぁ!」
一気に貫くように凶悪な程大きくなった恭吾の肉が進んだ。
嬌声と共に、蓮は大きく背を反らせ軽く達したようでタラタラと先から白い蜜を溢れさせた。白い蜜を塗りこむように蓮の亀頭を撫でると肉棒を包む壁がギュウギュウと締め上げる。
「そんなしたら、すぐイッちゃうだろ」
「あぁ、きょぉごさ……恭 吾さ……あぁ、あ、ぁ、ぁ、入って、嬉しいです。おかしくなりそ……」
反らした背を落とすのかと思ったのだが、蓮はそのまま緩く腰を上下に振り始めた。下がる時に前立腺に当たるのか、蓮は布団をきつく掴む。
「あ、あぁ、ここ、当たるの、指では……届かなかったぁ……ここ、ここぉ」
うわ言のように前立腺に棒が少し触れては腰を上げ、繰り返す蓮は淫乱そのものなのだが、引くどころか恭吾はより乱れて欲しいとさえ感じた。
乙女のように細くしなやかな腰をしっかりと握り、蓮のイイと続ける部分を亀頭の先でゴリゴリと突き上げる。まるで陸に間違って上がってしまった人魚のように、下半身だけを跳ねさせる蓮をしっかりと握り、狙いを定めて当て続けた。
「っ、蓮。蓮、気持ち……んだな? 蓮、れ……ん」
「んぅ、いい、きょごさ……そこ、指で触れなかった、そこぉ! あぁ! そこそこそこ! だめ、そこ、それ、ゴリってするのダメです、おかしくなる、何か来る、あぁぁぁぁぁ、あぁぁ!」
大きく背を反らせ、そのまま固まった蓮は射精することなく達することを覚えてしまったようだ。ひくんひくんと吐くことの出来なかった陰茎を握り、一気に高速で擦り上げる。
「こうすると、男でも潮吹くって聞いたことがあってさ」
「はひゃん、今イったばか……ばかりで……びん、ぁ、し、潮? あ、ぁ、え? でちゃう、やだ、漏らしちゃいそうで……恭吾さっ、止めて止めてやぁぁぁぁ!」
一度射精せずに達した身体は、次に精液と違う液体をビュビュと音を立てて撒き散らせ再び違う快楽で達した。
ぐったりとした蓮をそっと布団に寝かせなおし、痛くないように抱きしめる。
少し気を失っているのか、朦朧とした目の蓮は恭吾に縋るように 行かないで と抱きしめた。だが、すぐに意識を取り戻し淫乱な身体を広げ、まだ恭吾さんがイってないでしょうと囁く。
「俺は、もういいかなって」
朦朧とさせてしまう程、蓮を苛めたので本当に吐精しなくていいと思えるほど心は充足感に満ちていた。それでは私が嫌なのですと蓮は再び腰を動かし、恭吾の律動を誘う。
「辛くないのか?」
「辛くないです、だから、恭吾さんの精液を中に……沢山、中に出して欲しいです」
はっとした。先日、六花は男でも妊娠できると言っていた。鬼の子供である六花が知っている事を、蓮が知らないとは思えない。だが、蓮はその危険があっても恭吾に中に出すように強請っている。いつかいなくなる自分に何故そのような危険をさせるのか、もちろん恭吾がその事を知っているということを蓮は気付いていないだろう。
考えがせめぎ合いを続けているうちも、蓮は腰の動きを止めない。
「中に出していいのか?」
自身の動きで感じ始めたのか、蓮は上ずるように声を出す。
「はぁ、はぁ、あ、ん……中に、中に恭吾さ……中に出して、沢山いっぱいにして欲しいので……すぅ! あぁ!」
蓮の言葉に吹っ切れた恭吾は、今だけは何も考えずに蓮と快楽を貪ることに決めた。腰をしっかりと抱え、部屋一杯に音が広がるほど中をかき回す。
恭吾から溢れた蜜と、蓮の壁から滲む蜜が混ざり合いパチュンパチュンと響く。
脳と本能を刺激するその音が二人だけの空間を埋めていった。
「つ、蓮。蓮、沢山出してやる。お前の中に! いくらでも、妊娠する位、出してやるよ!」
「あぁぁぁ、あ、あ、あ! 出して、出してぇ、奥、いっぱいにしてください! 貴方ので……あぁぁぁ!」
最奥を穿った瞬間に、恭吾の腫れた亀頭は噴出すように熱い飛沫を蓮の腸壁に染み込ませた。だが、衰えることなく壁に擦り込むように抽出を始め、ゴプゴプと繋がったところから溢れてしまった白蜜が滲んだ蜜と混ざり流れた。
指でうまく掬い上げたそれを、蓮は自身の口に持って来ると愛おしそうに舐める。
「舐めなくていいのに」
緩く腰を動かしながら蓮の頭を撫でてやる。
蒸気した顔でにっこりとした顔に胸が高鳴った。
「せっかく出して頂いたのに、んぅ……溢れては勿体ないですから……」
陰茎を舐めるのと同じように、いやそれ以上に愛おしそうに唇と舌を使い舐める指に嫉妬をした。恭吾自身より、その蜜の方がいいのかと責めたくなるような、下らなくみっともない嫉妬だ。
咥える指を離させ、唇を合わせ塞ぐ。
「いくらでも注いでやるから。俺だけを味わってくれ」
「ん……は……」
蓮が口を開けるとざらつく上顎を弄り、薄く開けば歯列をなぞる。閉じた時でも唇が無くなりそうなほど舐めてやる。
全ての反応が恭吾を満たしていった。
こんなにも蓮が欲しがる自分は特別なのではないかと、一種の満足感も得られる。
その全てを溢れるほど満たす欲望のためだけに、腰を激しくし何度も勃起させた。
時に乳首を吸いながら達し、耳元で言葉にしてくれと行為の全てを蓮に言わせることもした。何度も何度も蓮の中だけで放ち、互いの体力の限界まで交わり続けた。
恭吾が、萎えそうな棒を引き抜くとドロドロと白い蜜が赤く熟れたザクロのような菊花から流れ出る。
涙や透明な蜜、汗、唾液、多くの精液と潮に塗れた互いの身体を抱きしめあう。
すでに、数え切れないほど気を失いそうになっていた蓮は、最後に恭吾の胸に顔を埋めて一言消えそうな声で呟いた。
「愛しています…………ごめんなさい……」
何がと聞こうとした時は、既にスースーと寝息を立て始めていた蓮を無理に起こそうとせず、豊かな髪を生やす頭にキスをした。
「俺も、愛してる。蓮」
自身を必要としてくれている蓮が愛おしくて仕方が無かった。
もし、この屋敷や妖怪の世界とやらから帰れなくなっても、それはそれで構わないと思う。むしろ、帰らないで蓮と共に生きたいと思った。
全く知らない世界と、三つ子と、この繊細で優しくて一人で抱え込もうとする蓮。全部含めて愛せるようになりたいと心から願って、恭吾も夢の世界へ意識を落として行くのだった。
もぞもぞと自分以外の存在が布団の中で蠢いている。
その存在は、恭吾の浴衣を少し開き男性の象徴を弄っていた。
手で優しく包んでいるようで、その滑らかな手の平で亀頭の先を撫でられると自身の蜜口からとろりと液が流れるのを感覚で捕らえる。
少し冷えたその手と、布団の中から感じる息遣いでその人物は先ほど廊下で別れた蓮なのだと判断した。この屋敷内でこのような行為の出来る大人はまず、蓮しか居ないのだが、冷静にそのようなことを考察してしまっていた。
すぐに布団を剥いで何をしていると問えば良いのだが、恭吾は動かずに蓮の好きにさせる。
「……ん……」
かすかに盛り上がった布団が揺れる。
刺激によって、熱を帯び始めた恭吾の陰茎に舌を這わせながら、露出した恭吾の足に自身の亀頭を擦り付けているようだ。その亀頭からは、恭吾のものより遥かに多くの蜜を吐き出しており、ヌメヌメとした感覚に興奮する。
自分の陰茎は少し冷える手で支えられているのに、擦り付けられた亀頭は驚くほど熱く同じ人物の身体とは思えないほどの差に身体が反応を示す。
ドクンと大きさを増した恭吾を唇ではむように茎を刺激していた蓮がぐっと頭を落とす。
そして、二つの張り出した実の片方を口に含み飴玉を転がすようにクチュクチュと舐めた。溢れた唾液が実から菊花へ流れ、布団を濡らす。
足に擦ることの出来なくなったのか、蓮は実を含みながら自身のそれを手淫し始めた。
「んぁ……んく、んぅ……きょ……ごさ……んぅぅ」
姿の見えない状態で布団から篭った喘ぎが聞こえる。更に、手淫して漏れる蜜の絡まるクチャクチャした音まで響いているようだ。
実をキュウと吸い上げられ、思わず吐精しそうになる身体を強張らせ我慢する。起きている事に気付かれそうな程の反応も、夢中になった蓮は分からないようだ。
「あぁぁぁ! ……あ、ぁん……ん、はぁ……イク……まだ、まだダメなのに……イッてしまうぅ……ん」
何をしたのか、蓮は実を口から吐き出し大きな声で喘ぎ始めた。
恭吾の腹に頭を置いたようで、さらりと蓮の長い髪が肌を撫でる。更に、再び陰茎に舌を這わせ始めて時折、愛おしそうに亀頭の先を含んで舌を蜜口に差し込む。
我慢した欲望がまた溢れそうになるのを、布団を強く握り締めて押さえ込んだ。
チロチロと差し込まれた舌が蜜口の中の繊細な道を弄る。
「っ!! はぁ……」
初めての感覚に思わず吐息が漏れ出した。
だが、蓮はその行為を止めようとせずしきりにそこを弄り、喘ぎを続けている。
「……んん、恭吾しゃ……味……おいし……もっとぉ……あぁ、……んく…… やっぱ……足りな……んぁぁぁぁ! あ、だめ、やっぱり自分の指は……ぁぁ!」
どうやら、手淫ではなく自身の菊花を刺激しているようだ。
その淫猥な姿を今すぐに見たいという気持ちが溢れる。だが、反対にこのまま蓮を自慰でイくまでヤらせたいとも思う。その葛藤は後者ですぐに決着がついた。
「んく、ん……きょご……さ……入っ……、でもこっちも……」
後孔と陰茎を同時に擦り始めたのか、腹の頭の重量が増した。更に目の前にある狂暴に蜜を滴らせる恭吾を口に含んだ。
風呂場で交わってしまった時とは比べられない位、淫乱に欲して悶える蓮に姿は見えなくても恭吾も限界が近づく。
「んぐ、んぅん……ん、ん、んぅ んぅぅぅぅぅぅ!」
ビクンと跳ねた蓮の動きに合わせて、太ももに熱い飛沫がかかるのを感じた。
「先にイッて……はぁ、はぁ……」
先に達してしまった蓮は、それを拭くこともせずに両手で恭吾の手淫を始めて深く口に含んだ。
「んっくんく……はぁ、ん、恭……ん、ん……」
徐々に速さを増す蓮の手の動きに、腰が浮くのを感じる。
「ん? あぁ、感じてくれてるんですね……ん、もっと良くします……だから、熱いのを……んぐ、んちゅ……」
再び蜜口に舌を挿される。陰茎は扱かれ、その振動が下の淫実を揺らし、さらに蜜道を穿るように刺激され、とうとう恭吾は布団の中に白濁を撒く。
ビクンビクン!
「あぁぁ! っつ! ん! くそっ……はぁぁ! ……」
声に出してしまったことで、起きていることは知られているはずなのに、撒いた白蜜を布団の暗闇の中で丁寧に舐め摂られ、蜜道からも絞り取るように吸い出される。
吐き出したはずの陰茎が再び熱を持ち始める。
すでに互いに一度達した所で、恭吾は布団を剥ぎ取った。
浴びせられた時は熱かった蓮の飛沫が、空気に触れて一気に冷める。
驚いた表情で、蓮は陰茎に舌を這わせたまま固まっている。
「え? え? 恭吾さ……いつから……」
「いつって……ほとんど最初から」
「な! 最初って……そん……なんで黙ってるんですか! 起きてるなら……」
「夢中でしゃぶられたら、起きれないだろ」
手を伸ばして、蓮の顔を股間から離れさせる。
美しい髪が蜜で所々、しっとりと水気を含んでいた。それをゆっくりと撫でると、それすら刺激になるのか、蓮は身体を大きく震わせた。
「俺のチンコ、うまかったか?」
顔を真っ赤にした蓮が、俯いて小さな声で はい と答えた。
「しゃぶって搾り出した、精液美味かったか?」
ピクンと肩を揺らし、更に小さくなった声で いいえ と答えた。
そして、這うように寝ている恭吾の顔まで移動し、瞳を合わせてその先を発する。
「……いいえ、恭吾さんの……口に上手く貰えませんでしたので……舐めた味しか分からないのです。だから、もう一度……下さい。恭吾さん……」
微かに震える睫毛と涙を溜めた瞳、熱を帯びて紅を差したような唇が艶かしく動いた。
たまらず、引き寄せるようにして蓮の口を貪る。先ほど放った自身の精を舐め取っていたからか、口腔は蓮の甘さと青臭さが混ざり合い何とも言えない味になっている。
自分の蜜の味など知りたくも無いが、懸命に快楽を貪った蓮が愛おしくて仕方がない。一瞬でも蓮を離したくないと、独占欲が心を占領し始めた。
隙間を作らせまいと、歯列の隙間まで舌を這わせると、長い睫に涙が溜まる。
「ん……きょ……ごさ……ふぅ……」
溢れるように名前を呼ばれ、息が出来なくなるほど抱きしめる。
唇が痺れてキスをしているのか、分からなくなるほど時間をかけた。
くちゅりと音を立てて離すと、やはり苦しかったのか肩で息をしている蓮をもう一度抱きしめた。
「蓮……もう一度舐めたいんだろ? 俺もお前のをしゃぶりたい」
ビクンと身体を跳ねさせ、ゆっくり恭吾から離れた蓮はくるりと身体を回転させ前に屈む。そして自ら寝間着の裾をたくし上げ、ぶらさがる陰部とヒクヒクと震わせる菊花を曝す。
達したはずの陰茎はすでに上向きに反り上がり、ぶらさがるというより、重力に最大の抵抗をしているようだ。
恭吾は頭を上げて、枕を二つに折って自身の腰に差し込む。
少し体勢が上り、更に、外していた眼鏡をかけるとその光景は鮮明になった。
「こんなにアナル開いてるのか……指、何本入れたんだ?」
菊花にそっと指を這わすと、反った陰茎から蜜が糸を引くように落ちる。
「一本です……それ以上は……怖くて……」
優しく叩くように開いた孔を刺激すると、蓮は前屈みにしていた腕に力が入らなくなったのか、上半身を恭吾の下半身に落とす。はぁと蓮が息を吐くたびに、己の熱肉も本能で跳ねるのを感じた。
「そうか、でもさっき初めて指入れたんじゃないだろ?」
「あぁぁ、あ、叩いちゃダメ……です」
「指、いつから入れるようになったんだ?」
掛け布団を手で引き込み、蓮は上手く顔を隠し、答えたくないというように、布団に頭を押し付けている。
答えない様子を見て、両手で孔を広げるようにして口に溜めた唾液を流すように落とした。決して舌や唇が触れないように流し込まれ、触れてもらえないのに息だけは熱くその菊花にかかる。
「んあ、あぁ、恭吾さぁん……ん、ん……はぁ……」
上手く入らなかった唾液がテラテラとそのヒクつくそこを、よりリアルにした。
双丘を揉み、孔に触れずに唾液を揉み込む様にする。
「あぁぁぁ! ヌルヌルしま……す、だめ、触れて欲しい、恭吾さ……んぅ!」
「だったら答えろよ。指、いつから?」
刺激を待ちわびるように開ききった菊花に向かって、細く長く息を吹く。すると蓮の陰茎が大きく振るえ、ピュっと音がしそうな程、大量の蜜を噴出した。
「あ、ああああ! あ……んぅん、ん……指、指は……恭吾さん……とよ、浴室で……」
「浴室で?」
煽るように、舌の先を硬くして菊花の周りだけを伸ばすように舐める。
堪らなくなった蓮が叫ぶように一気に答えを吐き出した。
「あぁぁ! 恭吾さんと浴室で交わってから、毎晩……毎晩、指を挿れてました! ん、お願い、恭吾さんの何でも良いから入れて下さいぃ!」
這わせていた舌を驚いて思わず、ずっぽりと中に埋めてしまう。
「ぁぁぁ…… 舌が、恭吾さんの舌、中に……」
そして、埋まった状態で更に質問をした。
「まひ……まひはん?」
「んあ! や、喋ったらだめ……ん、毎晩、毎晩毎晩、貴方を思い出して……身体が疼くのです、欲しくて満たして貰いたくて……抜いても足りなくて指を……」
「そうか」
舌を抜き、前に倒れきった蓮の右手を掴み、ふけきった菊花に持ってこさせ指をそこに触れさせるようにし、その指ごと菊花を舐める。
「んぁ、何を……するのです」
「毎晩弄って気持ち良かったんだろ? 見せてくれよ。蓮が一人でシてるの。俺も自分の扱くから」
そう言って、左は双丘を菊孔が見えるように広げ、右手で自分の肉棒を握る。火傷しそうな程熱くなった肉茎は、欲望を垂れ流し握っただけで厭らしい音を奏でた。
蓮の目下で、反り上がる肉を扱く。
見られているという快感と蓮の息で、蜜は粘度と量を増した。
その光景に刺激されたのか、蓮は恭吾に舐められ濡れた指をゆっくりと沈め始めた。
「あ、あ、ぁ……ぁん…… ふぅ、くぅ、ん」
嬌声を布団で隠そうとしているのか、声が微かに小さくなる。
「声、聞かせてくれよ。蓮の声、聞きたい」
「ん……ふ……」
蓮の中指が半分まで埋まる。周りを舐めていた舌でその先の指の根本まで舐め、人差し指と薬指も滴るほど唾液を絡ませた。
その間も、自身の陰茎は扱けば扱く程大きさを増し、淫靡な香りと音を放つ。
「指、増やして。それで、全部埋めて」
ヒクンと菊孔が言葉に反応した。
「無理です……これ以上は、きつ……い……」
「大丈夫だろ、俺のこのチンコ入れたことあるんだ。指くらいどうってことないだろ」
「あぁぁぁ……」
扱かれ続けている恭吾の陰茎に気付いた蓮は、亀頭とぱっくりと口で包み小刻みに動く。そうして、ゆっくりと菊花に人差し指を挿れて薬指を挿れる。
広がった孔から時折、ピンクに染まる中が見えると胸が異常な速度で音を鳴らした。
クチュクチュと音を立てながら、ゆっくりと目の前の美しく長い指が、白い肌の桃色に染まる部分に埋まっていく。
全てが埋まる頃には、蓮の陰茎は一度射精したと思うほどの蜜を恭吾の腹に垂らしていた。
「入りまし……恭……吾さん、入ったぁ……」
双丘を揉んでいた左手で蓮のだらしなく蜜を流し続ける陰茎を握る。
その刺激で腰を揺らし、更にその刺激で蠢く中が指を締め付けた。
「あぁぁ、そこ、今触ったら、イッちゃいます……」
ゆっくりと握った陰茎を擦り、少し声を低くして囁くように蓮に告げる。
「指、激しく動かしただけ、激しくチンコ扱いてやるよ。繋がってると思って指動かして」
「ぇ? そんな……出来ないです……」
泣いてしまいそうな声で訴える蓮の指を埋めた手にキスをする。
触れるようなキスではなく、本当にそこに唇があるかのようにネットリと蜜を交換しているように舌全体を這わした。
すると、蓮の指が少しずつ前後に動き始め、菊孔から音が響き始めた。
伝えた通りに陰茎もゆっくりと扱く。舌の動きに合わせて指が動いてしまうようで、恭吾が強く手の甲を吸い上げると奥に奥に指を埋め、また舌で小刻みに舐めると同じように小さく指を刻む。
「あぁぁぁあ、辛いです、またイきます……一人でイっちゃいます! 嫌なのに、一人はいや……」
「一人じゃないだろ? 俺のチンコも擦ってるから、一緒にイける」
「でも、でも、恭吾さんのでぇ……恭吾さんので埋めて欲しいのにぃ……」
「これでイったら突っ込んでやるし、俺も……挿れたい」
そう伝えると、蓮の動きが一気に増した。腸壁を擦り、溢れた蜜が白く泡立つほど手全体で菊花を穿っている。
目の前の卑猥な光景に手にキスをすることも忘れ、両手で蓮と自分の陰茎の両方を高速で扱いた。
「ぁ、ぁ、蓮……蓮、俺の舐めて。少しで良いから」
素直に舌を出して、扱く先の亀頭の部分をチロチロと唾液を流すように当てる。潤滑剤となった唾液が更に扱くスピードを速めた。
「ん、きょ……あ、い…… イク、だめ、本当にイっちゃう、イクイクイク!」
「あぁ、蓮、イけ。俺も!」
ドクンと音とを立てて、恭吾は蓮の口に、蓮は恭吾の腹に白い蜜を放った。タラタラと溢れ続ける蓮の残滓を絞るようにして出す。
クポっと音を立てて三本の指は抜かれ、力の抜けた蓮が倒れるようにして空いた布団の上へ落ちた。
身体を起こし、背中に当てた枕を取り出して蓮の頭へ差し込んでやる。
乱れた寝間着の襟から、蓮の胸板が見える。男のはずなのに、そこはとても柔らかそうに見え、今までの行為でぷっくりと勃起した乳首は紅色に染まっている。白い肌にその乳首はより浮き上がるように鮮やかな赤に見えた。
吸い込まれるようにして、その頂上の蕾を口に含み境目をなぞる様にして舌を動かす。
吐精したばかりで、息が整っていない蓮は ひゃん と高い泣き声を出して恭吾の頭を抱えた。
「や、や、今、イッたばかりです! あぁ、そこ舐めるの、今はダメです……っ、んぅ!」
今度は恭吾が蓮に被さるようにして、両方の乳首を指と口で刺激する。
蕾のように柔らかく、グミのように弾力があり、いくら弄っても飽きが来ることはないようなそんな感触の虜になったように夢中でしゃぶり続けた。
先を舌先で弄るのと指の先で弄るのでは感覚が違い、指で抓られるのと歯列でクニっと絞められるのでも感覚が違うような反応を見せる蓮を、あらゆる方法で責める。
出したばかりだと訴えた口からは、喘ぎ声ともっとと欲する欲望しか出なくなった。
陰茎も二回は達したというのに、その大きさを二人とも維持したままだ。
「あぁぁ、胸、そこ気持ち……です、恭吾さ…ん…がぁ……舐めるの気持ちい、あ、もっと強くして、大丈夫ですから……んぅ!」
「蓮、可愛いな。お前、よくこんな綺麗で可愛くて……今まで掘られなかったな」
「だってぇ、だって、私は、綺麗じゃな……いぃ! いい、そこ気持ち良いの、先っぽグニグニって歯でするの気持ち……ですぅ……んぁ、ああ!」
先日も綺麗ではない、嫌いにならないでと訴えていたことを思い出した。何が蓮をそのように言わせているのかは分からないが、自分の言葉でその思考を覆してやりたいと思う。
「いや、蓮は綺麗だよ。ほら、乳首こんなにコリコリしてピンクに勃起させてるし、チンコも前も思ったけど、亀頭が乳首と同じくらいピンクだし、陰茎の部分も蓮の手のように滑らかで擦りがいがある」
空いた手で、蓮の跳ねる陰茎を握り扱くと、再び透明な蜜を溢れさせる。
「ほら、擦れば擦るほど厭らしい蜜がどんどん出るんだ。しかも、お前、声可愛すぎ。三つ子に聞かれたらどうすんの? 俺だけに聞かせる声にして欲しい」
「んぅんうぅ、恭吾さん……だけですよぉ、こんな私を、そんな風に言ってくれて……私が狂ってしまうのは……恭吾さんだけ……」
扱いていた手を下に伸ばし、未だ閉じきらない菊花に指を差し込む。ビクンと大きく跳ねさせた胸の蕾をチュウと激しく吸ってから、唾液の糸を引きながら離してやる。
自由になった上半身を起こし、蓮は自分の足を掴み大きく開かせた。
目下に広がる蓮の痴態に、恭吾の陰部は最大に膨らむ。
「恭吾さん、だけだから。私が欲しいのは……恭吾さん……挿れてください。お願いします」
言われなくても、我慢の限界だった恭吾はパックリと開いた菊花に亀頭を合わせる。吸い付いて離さない菊花は、それどころか亀頭を導くように艶かしい動きを繰り返す。
「アナルが動いてる。奥に欲しいんだ?」
息を弾ませて、挿れてもらえない肉棒と自身の肉棒を見つめる蓮が唇を噛んだ。
「くっ……欲しいって言ってます。さっきも言いました、早く、早く恭吾を感じさせて下さい! あぁぁぁ!」
一気に貫くように凶悪な程大きくなった恭吾の肉が進んだ。
嬌声と共に、蓮は大きく背を反らせ軽く達したようでタラタラと先から白い蜜を溢れさせた。白い蜜を塗りこむように蓮の亀頭を撫でると肉棒を包む壁がギュウギュウと締め上げる。
「そんなしたら、すぐイッちゃうだろ」
「あぁ、きょぉごさ……恭 吾さ……あぁ、あ、ぁ、ぁ、入って、嬉しいです。おかしくなりそ……」
反らした背を落とすのかと思ったのだが、蓮はそのまま緩く腰を上下に振り始めた。下がる時に前立腺に当たるのか、蓮は布団をきつく掴む。
「あ、あぁ、ここ、当たるの、指では……届かなかったぁ……ここ、ここぉ」
うわ言のように前立腺に棒が少し触れては腰を上げ、繰り返す蓮は淫乱そのものなのだが、引くどころか恭吾はより乱れて欲しいとさえ感じた。
乙女のように細くしなやかな腰をしっかりと握り、蓮のイイと続ける部分を亀頭の先でゴリゴリと突き上げる。まるで陸に間違って上がってしまった人魚のように、下半身だけを跳ねさせる蓮をしっかりと握り、狙いを定めて当て続けた。
「っ、蓮。蓮、気持ち……んだな? 蓮、れ……ん」
「んぅ、いい、きょごさ……そこ、指で触れなかった、そこぉ! あぁ! そこそこそこ! だめ、そこ、それ、ゴリってするのダメです、おかしくなる、何か来る、あぁぁぁぁぁ、あぁぁ!」
大きく背を反らせ、そのまま固まった蓮は射精することなく達することを覚えてしまったようだ。ひくんひくんと吐くことの出来なかった陰茎を握り、一気に高速で擦り上げる。
「こうすると、男でも潮吹くって聞いたことがあってさ」
「はひゃん、今イったばか……ばかりで……びん、ぁ、し、潮? あ、ぁ、え? でちゃう、やだ、漏らしちゃいそうで……恭吾さっ、止めて止めてやぁぁぁぁ!」
一度射精せずに達した身体は、次に精液と違う液体をビュビュと音を立てて撒き散らせ再び違う快楽で達した。
ぐったりとした蓮をそっと布団に寝かせなおし、痛くないように抱きしめる。
少し気を失っているのか、朦朧とした目の蓮は恭吾に縋るように 行かないで と抱きしめた。だが、すぐに意識を取り戻し淫乱な身体を広げ、まだ恭吾さんがイってないでしょうと囁く。
「俺は、もういいかなって」
朦朧とさせてしまう程、蓮を苛めたので本当に吐精しなくていいと思えるほど心は充足感に満ちていた。それでは私が嫌なのですと蓮は再び腰を動かし、恭吾の律動を誘う。
「辛くないのか?」
「辛くないです、だから、恭吾さんの精液を中に……沢山、中に出して欲しいです」
はっとした。先日、六花は男でも妊娠できると言っていた。鬼の子供である六花が知っている事を、蓮が知らないとは思えない。だが、蓮はその危険があっても恭吾に中に出すように強請っている。いつかいなくなる自分に何故そのような危険をさせるのか、もちろん恭吾がその事を知っているということを蓮は気付いていないだろう。
考えがせめぎ合いを続けているうちも、蓮は腰の動きを止めない。
「中に出していいのか?」
自身の動きで感じ始めたのか、蓮は上ずるように声を出す。
「はぁ、はぁ、あ、ん……中に、中に恭吾さ……中に出して、沢山いっぱいにして欲しいので……すぅ! あぁ!」
蓮の言葉に吹っ切れた恭吾は、今だけは何も考えずに蓮と快楽を貪ることに決めた。腰をしっかりと抱え、部屋一杯に音が広がるほど中をかき回す。
恭吾から溢れた蜜と、蓮の壁から滲む蜜が混ざり合いパチュンパチュンと響く。
脳と本能を刺激するその音が二人だけの空間を埋めていった。
「つ、蓮。蓮、沢山出してやる。お前の中に! いくらでも、妊娠する位、出してやるよ!」
「あぁぁぁ、あ、あ、あ! 出して、出してぇ、奥、いっぱいにしてください! 貴方ので……あぁぁぁ!」
最奥を穿った瞬間に、恭吾の腫れた亀頭は噴出すように熱い飛沫を蓮の腸壁に染み込ませた。だが、衰えることなく壁に擦り込むように抽出を始め、ゴプゴプと繋がったところから溢れてしまった白蜜が滲んだ蜜と混ざり流れた。
指でうまく掬い上げたそれを、蓮は自身の口に持って来ると愛おしそうに舐める。
「舐めなくていいのに」
緩く腰を動かしながら蓮の頭を撫でてやる。
蒸気した顔でにっこりとした顔に胸が高鳴った。
「せっかく出して頂いたのに、んぅ……溢れては勿体ないですから……」
陰茎を舐めるのと同じように、いやそれ以上に愛おしそうに唇と舌を使い舐める指に嫉妬をした。恭吾自身より、その蜜の方がいいのかと責めたくなるような、下らなくみっともない嫉妬だ。
咥える指を離させ、唇を合わせ塞ぐ。
「いくらでも注いでやるから。俺だけを味わってくれ」
「ん……は……」
蓮が口を開けるとざらつく上顎を弄り、薄く開けば歯列をなぞる。閉じた時でも唇が無くなりそうなほど舐めてやる。
全ての反応が恭吾を満たしていった。
こんなにも蓮が欲しがる自分は特別なのではないかと、一種の満足感も得られる。
その全てを溢れるほど満たす欲望のためだけに、腰を激しくし何度も勃起させた。
時に乳首を吸いながら達し、耳元で言葉にしてくれと行為の全てを蓮に言わせることもした。何度も何度も蓮の中だけで放ち、互いの体力の限界まで交わり続けた。
恭吾が、萎えそうな棒を引き抜くとドロドロと白い蜜が赤く熟れたザクロのような菊花から流れ出る。
涙や透明な蜜、汗、唾液、多くの精液と潮に塗れた互いの身体を抱きしめあう。
すでに、数え切れないほど気を失いそうになっていた蓮は、最後に恭吾の胸に顔を埋めて一言消えそうな声で呟いた。
「愛しています…………ごめんなさい……」
何がと聞こうとした時は、既にスースーと寝息を立て始めていた蓮を無理に起こそうとせず、豊かな髪を生やす頭にキスをした。
「俺も、愛してる。蓮」
自身を必要としてくれている蓮が愛おしくて仕方が無かった。
もし、この屋敷や妖怪の世界とやらから帰れなくなっても、それはそれで構わないと思う。むしろ、帰らないで蓮と共に生きたいと思った。
全く知らない世界と、三つ子と、この繊細で優しくて一人で抱え込もうとする蓮。全部含めて愛せるようになりたいと心から願って、恭吾も夢の世界へ意識を落として行くのだった。
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