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幸せなひととき *

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 魔王アルフレッドが突然訪れ、フロストを人間に戻し、死んだフロストの弟が実はフロスト使い魔だった。
 という、短時間でありながら怒涛の出来事があったその日の夜。屋敷の執事とメイドであるゴードンとフランを中心に他のメイド達まで、愛らしいフロストの弟であるアリストに夢中になり、服を着せ替えたり入浴させたりとしていた。
 夕食も皆と机を囲み、パーティではないけれど賑やかな食卓となった。
 それを見守るフロストが、至極幸せそうな顔をしていたので、私の心はじんわりと温かく、常に涙が出そうな感動を覚えていた。
 そのまま夜を迎えるかと思えば、久しぶりに人間とまともに話したからか、疲れたアリストは電池が切れたように眠ってしまった。
 今は屋敷の客間で寝かせているが、明日にでもアリスト用の部屋を整えようと話をした。カーテンは何色がいいだろうか? 家具は使いやすく、勉強がしたいと言っていたので大きめの本棚も買ってやろう。そんは話ができる幸せが堪らなく嬉しくなる。
 ベッドの上でフロストと見つめ合うと、頬がまだ少し腫れていることに気がついた。
 そこをそっと撫でる。

「まだ痛みますか? すぐ冷やせば良かったんですけど……そうもいかなかったですもんね」

 すると、頬に触れる手の上からフロストの手が重なる。大きくて、柔らかさがない硬い手だ。だが、その手が何よりも優しく愛してくれることを知っている。
 だから、こちらもその手が愛しくて堪らない。

「――痛い。痛すぎる。オッサン、思い切り殴ったからな」

 人間に戻る方法が、頬を思い切り殴る……だとは思えない。きっと別の方法もあるけれど、アルフレッドのわかりにくい愛情表現なのではと思う。
 ちょっと、やり過ぎだけれど。

「もう、血を飲んで治る気がしないんだよな」
「人間ですからね」

 魔族であったころも怪我に痛みはあったけれど、治りが早く、吸血すればその治りは格段に早くなっていた。だが、これからは人間だ。
 怪我をすれば何日も寝込むことになるかもしれないし、命を落とすことだってあるだろう。
 でも、そのリスクを背負っても共に歳を重ねられることの素晴らしさには変えられないだろう。
 そんなことを考えていると、フロストが甘えたように眉尻を下げている。

「どうしました?」
「ねぇ、マリアで癒してくれよ」
「…………いいわ」

 いつもいつも、フロストには与えられていたのだから、今日は私から沢山与えて甘えてもらおう。そう覚悟したら、何でもできるような気がしてきた。

「フロストは寝転がっていて」
「え? え? あ、あぁ」

 自分から言ったくせに、戸惑ったフロストを無視して覆い被さるようにキスをする。
 毎夜の熱いキスを思い出し、自ら舌を差し込みフロストの歯列をなぞる。舌を絡め、唾液を与えるように流し込む。
 そのネットリとした液体をフロストが飲み込む音がいやらしく、身体に淫らな熱が溜まった気がした。
 それはフロストも同じのようで、既にズボンがしっかりと持ち上がり兆していることがわかる。
 それが嬉しくて、そっと手でその膨らみをなぞると、ピックと跳ねた。

「可愛い……」

 思わず呟くと、フロストが困ったように はぁ と艶めかしく息を吐く。指先でカリカリと亀頭を弄れば、しっとりと先走りが染みてきた。
 ウエストに手をあてると、察したフロストが腰を上げてズボンを脱がしやすくしてくれる。その間にサッと下着も一緒に引き下げれば、まだ完璧ではないけれど勃起している肉棒が目の前にブルンッと飛び出してきた。
 何度も見たことはあるけれど、こんなに近くで見るのは初めてだ。
 ツルリと滑らかで薄い赤に染まった亀頭。いつも奥を叩きつける時は硬くてこじ開けるように強いのに、手のひらで撫でるとそこはふんわりと柔らかさすら感じる。
 張り出したカリ首は段差が激しく、これでいつも私の中を掻き回しているのだと思うと堪らなくなり、そこに指を這わす。少しザラつい段差を何度も擦ると、フロストが腰をヒクンと動かした。
 それが痛みではないことを知っているので、そっと赤黒く染まった太く長い竿に手を移動させる。両手で握ると、熱く浮かび上がった血管がドクドクと脈を打っているのを感じられた。
 その血管が不思議で指の腹で優しく撫でる。

「……す、すごいわ」

 根元を握り、先走りがどうやって出ているのか、それが溜まって流れ落ちる様を観察するようにじっくりと眺める。
 ただ眺めているだけなのに、なぜか蜜口が疼いてくる。きっと今触れられたら、しっとりと濡れそぼっているに違いない。
 じっとこちらを見ているフロストと目が合い、微笑み返す。そして、溢れ続ける先走りを掬い取るように亀頭に舌を伸ばした。

「ぅっ!」

 フロストが唸る。それが嬉しくて、チロチロと舌を這わせ続けた。
 ムワリと広がる雄の香りが肺を満たす。入浴は済ませているはずなのに、これ程まで香るということは、今それだけフロストが興奮しているということだろう。

(嬉しい……)

 舐めているだけでは足りなくなり、口を開き亀頭を全て口に含んだ。

「マリア! 無理はしなくていい。美味しくないだろう?」

 無理なんてしていない。むしろもっと、もっと喉の奥にこの独特の味と熱を感じたい。それに……。

「おいひぃ」
「!! ――くそッ」

 眉間に皺を寄せたフロストが髪に手を差し込み頭を掴んできた。痛くはないので、そのままゆっくりと頭を前後に動かす。
 太く長いフロストの肉棒は、小さな口には全く収まらないけれど、それでも懸命に愛撫を続ける。
 口の中で舌を動かし、鈴口を弄る。亀頭よりもさらに柔らかく、雄々しいその竿とのギャップが堪らない。
 何度も何度も吸い付けば、フロストの腰は揺らめき始めた。

「マリア、もう、やめ……」

 懇願するような顔が向けられ、ゾクゾクと何かが身体を駆け抜けた。こんな感覚は初めてだ。
 あのフロストが閨で翻弄されている。それが堪らなく興奮させてきた。
 もっと、もっと感じさせたい。
 そう思って、力一杯吸い付き頭を動かし、さらに右手で竿を扱き、左手は下に下がる陰嚢を柔らかく揉みしだく。
 ジュブジュブと淫らな音を立て続けると、フロストの肉棒がビクンと大きく跳ねた。

「マリア!! ダメだ!! それ以上は、本当に――デる、イクから!! 止まってくれ!!」

 そう言われたら、イかせたくなる。私の拙い口淫で達してくれるなんて光栄だ。そう思って、ニコリと笑い、さらに激しくする。

「ばッ!! もう! 知らないからな!! あぁ!! イく、――出すぞ、マリア――あ゛ッ、くぅ!!」

 ドブッと口の中に青臭く粘る液体が注がれた。口から溢れそうになり、飲み込めばまた空いた場所を埋めようと液体が流れ込んできた。
 何度か繰り返し、ようやく落ち着いた肉棒を口から離す。

「プハッ」
「もう、離さないどころか飲むなんて……。無茶するな」
「無茶なんてしてないわ。それに、まだ終わってませんから」

 寝転がったフロストを見下ろしつつ、ネグリジェを脱ぎ捨てる。乳房があらわになり、布は下着だけになった。
 そして、フロストの手を引きベッドサイド座らせる。

「今度はなに??」
「胸、好きでしょ??」

 その言葉にフロストの喉が大きく上下に動いた。どうやら期待してくれているらしい。なら、その期待に応えたい……。
 達したばかりだというのに反り立つ力を失わない肉棒を、豊満に育った乳房で包む。
 その乳房から、亀頭だけがぴょこんと顔を覗かせているのが何とも愛らしい。
 その亀頭に軽くキスをしてから、両手で乳房を押して肉棒を強く挟む。

「ハハッ……絶景だな」

 困ったような顔をしながら髪をかきあげるフロストだけれど、その目に全く困った様子はない。それどころか、この光景から目を離せなくなっているのが伝わってきた。
 ゆっくりと上下に乳房を揺らす。
 強めに乳房押し付け下からフロストの肉棒の皮を引き上げるように、上から亀頭や竿を撫でるように優しく……何度も乳房で肉棒を愛してやった。
 再び溢れ出した先走りが乳房全体に広がり、滑らかに動かせるようになったので、速く動かして様々な動きで肉棒を包む。その包んだ中で跳ねる肉棒が愛しくて、良い反応をしてくれるやり方を探す。
 そうしていると、フロストが手を伸ばし顎を優しく支えて顔を上げられた。

「良くなかったですか?」

 頬を染めたフロストは首を振る。

「堪らないんだ。だから、俺もしたい」

 そう言ってくれるのは嬉しい。けれど、今はまだフロストを甘えさせるために奉仕がしたい……。
 その思考を感じ取ったのか、フロストはベッドに寝転がり自らの口を指差す。

「ここに跨いで。マリアの舐めたいから」
「で、でも」

 そんなことをしたら、脚を開いて閉じている蜜口まで丸見えだろう。何度と見られているとしても、恥ずかしさがないわけではない。

「ほら、マリアはまた口でしてくれないか? お互いにすれば恥ずかしくないだろ?」

 そんなわけあるはずないだろう。と思ったけれど、ここで拒否するのはなんだか違う気がした。
 これは……これも、フロストを癒してるのだ。
 意を決してフロストの身体が見えるような体勢で顔を跨ぐ。すでに溜まりに溜まった蜜が開いた蜜口からトロトロと溢れ、太ももを伝いだした。
 それをフロストの舌が掬うように舐め取り、嬉しそうに くくくっ と喉を鳴らした。

「まだ触れてないのにこんなになったのか。マリア、俺のペニス好き?」

 答えらずに少しだけ荒い息を吐き頷くが、フロストは追い打ちをかけるように 俺のペニスは好きか? と聞いてくる。顔が見えていないからだ。

「す、好き。フロストのおちんちん、好きよ」

 その言葉に、フロストの肉棒はピクンと動いた。

(喜んでくれてる……)

「凄く好き。形も、大きさも、浮き出る血管も、それに色も……香りだってとても男らしいわ。大好き」

 身体を倒し、ピックピクと反応を示す肉棒に唇を添える。先程より咥えにくいので、やさしく食むようにコリコリと裏筋を唇で挟んだ。

「はぁ――ッ、凄いな。俺の舐めて、ここがパクパクしてるのか」
「――んッ!」

 フロストが蜜口にキスをした。まだたったそれだけなのに、身体が熱を帯びる。首を反らし快感を発散させようとしたけれど、ジュルジュルと淫らな音をさせながら蜜を吸い出され、子宮まで疼き出してしまった。

「ほら、口離さないで? 大好きなペニスをもっと愛してくれ」
「ンッ、あむ、ん、ふぅ――ンンッ!」

 必死に肉棒を唇と舌で愛撫しつつ、両手で根元からゆっくりと擦り上げる。時折顔を寄せてふっくらとした柔らかい陰嚢を口にふくみ、飴玉を舐めるようにゆっくりと吸ってやった。
 こちらの動きに変化を持たせれば、フロストも指を中に挿れて掻き出すように出し入れをする。
 蜜口に吸い付き、陰核を捏ね、柔壁を押し上げ中を掻き乱す。
 何度も軽い絶頂を感じつつ、懸命にフロストの肉棒に吸い付くと、もうそれしか考えられないほどの快楽に溺れていくようだ。

「ん、すご……ねぇ、マリア。そんなエッチなこと誰に教わったの? 軍で? それとも黒蝶の誰か?」

 嫉妬混じりの声色だが、フロストは冷静を装って伺っていることがわかる。だが、どちらも不正解だ。
 ゆっくりと身体を起こし、フロストの上で身体を回転させる。蜜口をフロストの肉棒の位置まで移動させると、舐めきれなかった蜜でフロストの顔がしっとりと濡れているのが見えた。
 自身でも感じてしまうほど愛液を溢れさせ、軽く達するたびに腰を落としてしまっていたので、フロストの顔にトロトロの蜜口を押し付けていたのだろう。
 その様子に、なぜか酷い興奮を覚えた。
 美しい彼のシルバーの髪が、顔が、唇がしっとりと私で濡れている。私だけのフロストだとマーキングしたかのようだ。
 ドクドクと心臓が煩い。
 腹に付くほど反っている肉棒を支え、蜜口に添える。

「え、ちょっとまって、マリア――!」

 グンッと腰を落とす。

「アァァァッァ!!」

 ゆっくりとするつもりだったのだが、想像以上に濡れそぼっていたため肉棒は一気に中に入り込み、最奥を突き上げてきた。
 同時にビュビュッと潮が吹き出し、フロストの顔をまた濡らす。

「まッ……って、マリアッ!! クソッ!!」

 悔しそうに眉間に皺を寄せたフロストは、こちらの腰を握って何度か下から突き上げてきた。その行為がフロストが射精をしようとしていると察して、肉棒を引き抜いた。
 その瞬間、鈴口から大量の精が吐き出され噴水のように飛沫となって顔を濡らしてきた。

「はぁ、はぁ……マリア、なんで……?」

 その なんで はどうして中に出させてくれなかったのかということだろう。

「中は……ダメです。その、フロストは人間なんで、あんなに濃いの……すぐに妊娠してしまうでしょう?」
「俺は子供好きだよ? マリアは嫌いなのか?」
「ち、違います! 私もフロストとの子供は……いつか……」
「なら」
「でも! まだ、結婚式をしてないから」

 事実婚のような状態ではあるが、まだ正式な誓いを立てていない。それに――。

「ウ、ウェディングドレスを、その、着てみたいの。コルセットでキツく締めるでしょう? 妊娠していたら身体に悪いだろうから、それまでは」

 そこまで言うと、フロストは目を瞑る。
 どうしたのかと頬に触れれば、その手を掴まれ指先にキスをされた。

「俺のマリアが可愛すぎる……。わかった、いいよ。それまでは中に出さない。ただ、外に出しても授かることもあるからな?」
「はい」
「なら――」

 よっ と勢いをつけてフロストが身体を起こしたかと思うと、その勢いのままベッドに押し倒された。

「まだ、私が」
「だめ。あのまま騎乗位でされたら、うっかり一番奥に出しちゃいそうだからな」

 耳元に口を寄せ マリアの腰つきが上手過ぎだからさ と言われ、思わず頬を染める。褒められて嬉しいが、まるで淫乱だと言われているような気もする。
 だが、フロストが嬉しそうに笑っているので、好かれはしても、そんなことで嫌われたりはしないだろう。
 また機会があれば挑戦しようと思う。
 そんなことを考えていると、フロストが再度ゆっくりと肉棒を中に挿れはじめた。
 先程とは違う圧迫感もあるけれど、何よりもフロストとの距離が近い。交わっているので、距離も何もないけれど……それでも、交わす眼差しの距離が近いとそれだけ心も満たされるようだ。

「さっきのも良いし、どんな体勢も好きだけど、これが一番だな」

 目を瞬かせると、フロストは首を傾げる。

「どうした?」
「私の心の声かと思ったんです。私も、こうしてフロストに抱き締められるのが一番好きよ」

 すると今度はフロストが目を瞬かせ、優しさに溢れた笑みを浮かべた。

「そしたら、もっと良くしないとな。動いていいか?」

 もちろんと頷くと、フロストの肉棒はゆっくりと味わうように中を掻き乱しはじめた。

「んッ――アァッ、気持ち、いっ! フロスト、好き、――好きよ、愛してる」

 広い背に手を回し、もっともっとと引き寄せる。うわ言のように何度も何度も愛を伝えた。
 すると、徐々にフロストの腰つきが激しさを増してきた。
 それに合わせるように腰を揺らめかせると、肩に顔を埋めたフロストは 悪い と呟き、叩きつけるように激しく動き始めた。すると、グジュッグジュッと淫らな蜜の掻き乱される音も激しさを増し、高い嬌声が部屋に響く。

「あっんッ! ふ、アァッ! い、クッ――フロスト、イクッゥ!!」
「俺も、あぁ、ッ……クソッ! イクぞ、マリアッ!!」
「アッ――ンッッッッゥ!!」

 最奥をこじ開けるように激しく動かれ、フロストより先に絶頂を迎えてしまった。
 その直後、雄々しい肉棒は勢いよく引き抜かれ、下腹部の上でビクビクと跳ねながら白濁を放った。その熱を感じるが……。

「あッ、……やっぱり……」
「はぁ、はぁ、どうした?」

 汗を拭いながらフロストが横に寝転がる。その顔を眺めて、少しだけ唇を尖らせた。

「すぐにフロストが中から……居なくなるのは寂しいなぁと……思ったんです」

 そう言いながらまだ生温い精液を指先で撫でる。本来なら中に入って、幸福で満たしてくれたはずのそれがなんだかとってももったいないような気がした。

「マリア!!」
「わっ!! なに? どうしたの、フロスト?」
「一刻も早く結婚式をしよう!! オッズライル行きは中止だ」
「え、でも、仕事が……」

 落ち着くまではしばらく時間がかかる。

「仕事なんてどうにでもなる! マリアをここに留めたがった全員に振ればいいさ。本当は田舎暮らしをするつもりだったんだ。これくらいわがままのうちに入らないだろ?」

 そう上手くいくだろうかと思わなくもないが、そうなれば嬉しい。思わずフロストに抱きついて頬にキスをした。

「すぐに春が来るから、その頃ならロックフェルトの皆も来れるかしら? あぁ、でもそれだとミーナは出産直後になってしまうかしら」
「いや、ミーナ達ならどんな状況だろうと来るだろうな。でも、心配なら少しだけ伸ばして初夏にするか。そしたら、半年はある」
「伸びて……我慢できますか?」

 フロストはうぅと唸りつつ、頑張りますと頷いた。正直、私の方も我慢しなければならないのだけれど……。
 それは互いに努力しなければ。

「三国が集まるなら、場所はこの辺じゃないとダメだよな」
「そうね。でも、三国が集まれば和平同盟が強固だって示せるし良いんじゃないですか?」
「結婚は戦略に使いたくないなぁ」
「戦略じゃないですよ。それに……」

 フロストの顔を掴んでキスをする。

「それに、どこで挙げてもフロストが幸せにしてくれるでしょう?」
「――ッ――!! もちろん。絶対幸せにする! 一生! いや、来世もその次もずっとマリアを見つけるよ。あー、もう。無理だよ。可愛い。好きだ。もう一回させて?」

 覆い被さったフロストに濃厚な口付けをされ、再びトロリと中から蜜が溢れ出す。
 全てが落ち着いたら、遠く東の国も行ってみたい。それに南の暖かい国で暮らす知らない動物や、北の寒い夜に現れるというオーロラも見てみたい。
 フロストとなら、どこに居ようと、どんな景色だろうと楽しめるだろう。
 もう、狭く暗いタルタロスではないのだから。
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