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契りを 1 *

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 龍神の膝に座っていたおとめは、パサりと音を立てて布団に横たわる。覆い被さる龍神が、愛しむように顔中に口付けをし、そのまま着物を下げて首筋、肩、胸の上へと唇が移動した。
 それがくすぐったいけれど、今から行う密事を想像してしまい下腹部がキュウと切なく疼く。
 それを知ってか知らずか、龍神はおとめの乳房を引き出し、すっかり勃ってしまった場所を避けるように両乳房を揉みながら滑らかな肌に舌を這わせ続けた。
 早く触れて欲しいけれど、これから七日もあるならばじっくりと交わりたい気もする。

「おとめの乳房は、甘く柔らかい菓子のようだな」
「そうですか? ここでは見たことがないですけど、きっと帝都や外国にはそんな菓子があるかも。私も食べてみたいです」

 そんなことを呟くと龍神は舌を止め、いつか連れて行ってやると小さく呟いた。

「これから、おとめは俺と共に長い時間を過ごすんだ。どんなところも行けるようになるだろう」
「そっか、楽しみですね!」

 龍神に笑みを向けると、嬉しそうに微笑み そうだな と返してくれた。そして、また乳房に吸い付き、今度はぷっくりと大きく膨れてしまった乳首の周りを丁寧に舌先で刺激してくる。
 くるりと乳輪を撫でられ、甘い声が出ると嬉しそうに何度もその行為を繰り返す。たまに舌の側面が乳首に触れ、ピクンと胸を震わせた。
 恍惚とした表情で、乳房を撫で、乳首を避けつつ龍神は舐め続ける。

「おっぱい、好きですよね。ンッ、大きいから?」

 その言葉に、龍神はパッと乳房から手を離した。

「嫌だったか!? 悪い、その」
「あ、違います! その、とっても愛おしそうに舐めてくれるから……」
「あぁ、良かった。好き、好き……好きなんだろうな……」

 そう言った龍神は耳まで真っ赤にして顔を背ける。

「私の大きいから?」
「大きさは関係無い。おとめだからだ。比べる対象が無いからな」
「最初の子は?」
「……………………」

 思い出しているのか、それともおとめに話すべきか迷っているのか。龍神の沈黙からは何も察せられず、首を傾げる。

「覚えていない……」
「え?」
「覚えていないんだ。その、最初に贄で失敗した女性に失礼だとは思うんだが、すでに千年以上前だから……身体どころか、顔も声も何も覚えていない」

 本当に大変失礼である。だけれど、最初の女性は忘れられないというが、龍神は覚えていない。ならば、おとめが龍神の全てになるのだろう。覚えていられたら、それはそれで嫉妬してしまいそうなので、おとめは安堵の息を吐いた。

(自分から聞いたくせにね)

 そっと、胸に頬を寄せた龍神の頭を撫でる。その手にうっとりとするように龍神は自らの手を乗せた。

「あー……幼い子供みたいか? その、舐め続けるのは……」

 長身で男らしく、優しさと強さを兼ね備えた神が、おとめの胸で眉を下げている。
 その様子はおとめしか見ることができない光景だ。その優越感にどっぷりと浸り、龍神の黒く長い髪に唇を寄せた。

「そんなことないです。龍神様に愛してもらうの大好き。もっと、沢山して?」

 おとめの言葉で龍神は頭を起こす。そして、両手でおとめの乳房を中央に寄せ、両方の乳首を大きく口を開いて含む。

「あ、んぅッ!!」

 熱い口腔に乳首が包まれ、龍神の長めの舌が動き出す。扱くように乳首の付け根から先端までを擦られ、おとめは自然と腰が動き出す。
 蜜道はすっかり濡れて、少しでも気を抜けばトロトロと淫らな蜜が溢れてしまうだろう。その感覚すら、おとめを欲情させ甘い吐息へと変化させる。

「龍神様、きもち――乳首、ちゅうって、それ、好き――ん、ンッ」

 おとめの言葉に気を良くした龍神は、片方の乳首を口から出し、爪先でカリカリと掻く。

「んんんっ!! それ、だ、めっ!」
「痛いか?」
「痛くない、けど、それ、カリカリって変んぅ」
「ならこれは?」

 今度は指の腹で挟み、上下に扱く。龍神の魔羅を扱くように、唾液で濡れた乳首が伸ばされた。

「あぁぁっッ!!」
「これも良いのか? ならこれは?」

 勃ちすぎてふっくらと膨れて揺れる乳首を、今度は指先で押し込まれる。その瞬間、おとめは足をピンと伸ばし身体を反らした。

「――ッ!! ッァ!! ――!!」
「達したか」

 そう言いながらも、龍神は指も舌も止めることはせず、押し込まれた乳首はコリコリとほじるように弄られ、反対の乳首は柔らかく舐められ続けた。
 その相反する愛撫の仕方に、混乱した快楽を逃すように身体を動かす。

「可愛いな。そんなに動かなくとも、ここが切ないのは気付いてる」

 乳首を押し込んでいた指が離れ、ホッと息をつく間もなく、今度は下半身に刺激が走る。

「トロットロだな」

 龍神の指が蜜口を擽り、集めた蜜で陰核を捏ね始めたのだ。
 身体が動いたことにより、堰き止められていた蜜が溢れ出していたらしく、おとめの耳にも届くほど蜜の音はよく響いた。

「指もすぐ飲み込みそうだ。――ほら」
「ぁッ――んぅッ――」

 スルリと一本目の指を蜜道は悦ぶように飲み込み、二本目も難なく受け入れた。
 そして、三本目が挿入され、グジュグジュと卑猥な音を響かせながら激しく掻き乱される。

「あぁ――っ!! んぅっ!!」
「熱くて蕩けているのに、俺の指を嬉しそうに締め付けてくる……魔羅がこれに包まれると、俺は幸せで仕方ないんだ」

 龍神の独り言なのだろうけれど、おとめはその言葉が至極嬉しかった。私も中を埋められると幸せだ、そう返事をしたいのに掻き乱されて上手くいかず、代わりのように蜜道がキュンキュンと指を絞めた。

「嬉しそうだ」

 解すような愛撫は続き、何度も軽い絶頂を繰り返す。頭が惚けてきたころ、龍神の指がクイと曲がり、中の敏感な部分を擦り上げる。それと同時に、陰核を親指で擦られ、乳首を吸われた。

「――!! んゥ――!! ――!!」

 陸に揚げられた魚のように腰が跳ね、龍神の指が蜜口からちゅぽんと抜ける。そして、プシャー!! と勢い良く淫らな蜜が吹き出した。

「んあ、あぁ……ん、んぅ――んッ!」

 もう龍神は触れていないのに、おとめは身体を震わせ、最初の勢い程では無いものの、淫水がピュ、ピュと吹き出している。
 力が入らない身体はうっすらと汗で濡れ、両足がカエルのように開き、快楽でひくつく蜜口を龍神に曝していた。
 耐えられない羞恥のはずだが、おとめは動かない身体がまだ絶頂の余韻でピクピクとしてそれどころではない。

「おとめ、あぁ。すごい……」

 龍神は自らの着物を脱ぎ捨て、おとめの着物も剥ぎ取る。そして、箪笥に手を伸ばし、小さな壺を取り出した。
 それが何かおとめにはさっぱり分からないが、龍神がおとめを傷つけることは絶対にない。
 なのでそのままでいると、龍神はその壺の蓋を取り、中に指を突っ込んだ。何度かグルグルと掻き混ぜ、引き抜くとそれは蜂蜜のように糸を引き桃色に輝いている。
 それをチロリと舐めた龍神は 大丈夫だな と言って、その指で……後孔に触れた。

「!? 龍神さ、ま――!!」
「大丈夫だ。後ろはずっと慣らしていなかったのに、突然嫁になって七日もの間……使うことになったから、これで少し痛みを散らす」
「ん、――さっきのは?」

 龍神の指が、皺を伸ばすようにクルリと円を何度か描く。

「あぁ、龍の秘薬だ。甘いぞ。舐めてみるか?」

 壺を置き、空いたその手先で蜜を掬いあげた龍神は、その蜜をおとめの唇に乗せるように撫でた。舌先を伸ばして舐めると、確かに甘い。
 ――甘くて、もっと欲しくなる。

「……おとめ」

 思わず両手で龍神の手を掴み、指先をしゃぶるように舐めてしまっていた。

「あ、ごめんらさい。おいひくて、つい」
「――いや、構わない。ただ、その……」

 何が伝えたいのか分からず、おとめは首を傾げる。すると龍神は困ったように微笑んで、身体を曲げて腹部に口付けをしてきた。
 それだけで、キュンと子宮が音を立てたような気がした。

「舐め方が、いや、指だからか。その魔羅を舐められているような気に……なってしまったんだ」
「え? ――んんんっ!!」
「言わせるな」

 後孔でくるくると遊んでいた指がツプリと埋められた。腹から顔を上げた龍神は、困った顔はもうしていない。
 欲を孕んだ、滾る雄の表情だ。
 それが逞しく、妙な色気と艶やかさを感じてしまい、おとめの下腹部も淫らに動き始める。
 差し込まれた指が出入りを繰り返し、それを更に奥へ誘おうと吸い付いているようだ。
 後孔は初めてだけれど、痛みは一切ない。
 それどころか、指では全く足りないと思ってしまう。もっと、太く逞しい、奥まで愛してくれるものが欲しい。

「龍神、しゃまぁ――身体、すこしこっちにきて」

 指での愛撫を止めずに、龍神は身体をおとめの身体の横に移してくれた。
 腰が浮き、ガクガクとしながらもおとめは必死に手を伸ばし、龍神の魔羅に触れる。二本の雄々しいそれはすっかり勃ちあがり、一度射精でもしたかのように、大量の先走りが垂れている。
 それを手で塗り込むようにしながら、亀頭のつるりとした部分から雁首の凹みにあるざらざらした場所を擦る。
 おとめは、女にはないその絶妙なざらつきが好きだった。
 蜜道を引っ掻き、掻き出すようにしてくれるその場所。先端で最奥の子宮を叩かれれば、頭が沸騰しそうなほどの強い快楽を与えてくれる。愛しくて愛しくて堪らない人の、自身しか見ることの許されない場所だ。
 堪らない。

「おとめ、何を考えてるんだ?」
「ふあ?」
「恍惚として、口端が緩んでる。それなのに、後ろの中は必死に絞めてくるんだ。厭らしいことでも考えていたんだろう? 俺の魂にもおとめの快楽が伝わってくる」

 そう言われ、一気に顔が赤くなった。
 淫らな妄想が漏れ伝わっているほど恥ずかしいことはない。
 しかし、それならとおとめは自身の魂に意識を向ける。
 暖かい魂にそれよりも熱い欲の熱を感じた。それは二つある。
 一つは自身の欲の熱。
 そしてもう一つは……。

「龍神様も、早く、挿れたいんでしょう?」
「――!? はは、そうだな。俺も筒抜けか」

 じんわりと広がる、愛撫からくる自身の熱とは比べ物にならないほど強い……龍神の欲の熱。きっと、今すぐにでも二本の肉塊を埋めたいに違いない。
 身体を引きずるように移動させ、龍神の肉塊に頬を寄せる。
 興奮した男の香りがする。生々しく、独特の香りだ。
 それを思い切り肺に吸い込むと、とろけるほど胸がいっぱいになり、それしか考えられなくなった。
 頬を擦り寄せ、その熱と逞しさ、浮き上がった血管の雄々しさにうっとりとして目を瞑る。

「おとめ」
「龍神様、私、大丈夫です。ね? 早くこのおちんぽを二本とも私の中に挿れて下さい」
「だ、が。まだ慣らしきってない」
「平気。もう欲しいの。いっぱい奥で出して、お嫁さんにしてくれるんでしょう?」

 ねだるように肉塊へ頬擦りをして、両手で二本を寄せて口をつける。

「――っ、だ、やめてくれ。出てしまう」
「ん。それは勿体無いですよね……お口ではまた今度、お嫁さんになってからにしましょう。今日は――七日間は全部、ここに出して?」

 そう言って、おとめは肉塊から顔を離し、自らの腹に手を当てた。

 
 
 

 
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