5 / 6
異世界への扉
3
しおりを挟む
「ではトオルよ、主にスキルを授けよう。」
「はい、お願いします。」
「主に授けるスキルは【馴獣(じゅんじゅう)】と【名附(なつけ)】じゃ。力を受け取れ」
マカミ様がそう言うと、目の前に二つの光が現れた。それは僕の身体に飛んできて、触れると溶け込むようにスーッと消えた。これでスキルを受け取った事になるのだろうか?
「うむ、しっかり受け取れたようじゃな。馴獣と言うスキルは、動物にかなり懐かれやすくなり、会話が出来るようになる上、従える事が出来る。」
「従える?」
「獣魔術師、と言うモンスターを従えて戦わせる職業があるのじゃが…そやつらはせいぜい下級~中級のモンスターしか制御出来ぬ。じゃがトオルがその気になれば神獣級すら従える事が出来るぞ。」
「そのスキルは…動物の意思を無視した、無理矢理な物でしょうか…?」
「トオルの動物に好かれるという、元々の能力を強化しただけじゃ。動物の意思に干渉するスキルではない。」
それを聞いて安心した。動物の意思を無視して無理矢理従わせて、そんなもの僕の望む共存ではないからだ。しかし獣魔術師か…先程マカミ様はあっちの世界にはモンスターを嫌いか、恐れている者しかいないと聞いたが。
「トオルの考えている事は分かるぞ。奴らはモンスターを替えが利く駒としか考えておらぬ。従わせる方法も魔術で無理矢理じゃ、トオルは獣魔術師とは分かり合えぬじゃろうな。」
「えぇ、分かり合えると思えませんね。」
「さて…名附じゃが、名を持たぬモンスターに名付けてやる事で、モンスターのステータスを上げてやる事が出来る。」
「なるほど。」
「あと、あっちで死んでも困るからトオルのステータスも底上げしておいたぞ。」
「えっ、はぁ、まぁ…それは構いませんが。」
底上げしておいた、と言われてもゲームのようにステータスが表示されて見えるわけでもないし、全然実感が無い。自分の腕や脚を見てみても、筋肉量は変わっていない…本当に強くなったのだろうか?
「今のトオルは岩も素手で砕けるし、弾丸程度は跳ね返せるぞ。その状態よりもっと強くなりたければ鍛える事じゃな。」
「それ化け物じゃないですか、これ以上はいいです。」
「む、そうか。ではそろそろあちらの世界に行くぞ、準備はいいな?」
「はい、いつでもどうぞ。」
返事をすればマカミ様が遠吠えをした。すると目の前に大きなゲートのような物が現れた。ギリシャ神話に出てきそうなデザインだ…つまり神々しい。僕は荷物が入った旅行鞄をしっかりと持ち、マカミ様と共にゲートをくぐった。
ここから僕の異世界生活が始まる。
「はい、お願いします。」
「主に授けるスキルは【馴獣(じゅんじゅう)】と【名附(なつけ)】じゃ。力を受け取れ」
マカミ様がそう言うと、目の前に二つの光が現れた。それは僕の身体に飛んできて、触れると溶け込むようにスーッと消えた。これでスキルを受け取った事になるのだろうか?
「うむ、しっかり受け取れたようじゃな。馴獣と言うスキルは、動物にかなり懐かれやすくなり、会話が出来るようになる上、従える事が出来る。」
「従える?」
「獣魔術師、と言うモンスターを従えて戦わせる職業があるのじゃが…そやつらはせいぜい下級~中級のモンスターしか制御出来ぬ。じゃがトオルがその気になれば神獣級すら従える事が出来るぞ。」
「そのスキルは…動物の意思を無視した、無理矢理な物でしょうか…?」
「トオルの動物に好かれるという、元々の能力を強化しただけじゃ。動物の意思に干渉するスキルではない。」
それを聞いて安心した。動物の意思を無視して無理矢理従わせて、そんなもの僕の望む共存ではないからだ。しかし獣魔術師か…先程マカミ様はあっちの世界にはモンスターを嫌いか、恐れている者しかいないと聞いたが。
「トオルの考えている事は分かるぞ。奴らはモンスターを替えが利く駒としか考えておらぬ。従わせる方法も魔術で無理矢理じゃ、トオルは獣魔術師とは分かり合えぬじゃろうな。」
「えぇ、分かり合えると思えませんね。」
「さて…名附じゃが、名を持たぬモンスターに名付けてやる事で、モンスターのステータスを上げてやる事が出来る。」
「なるほど。」
「あと、あっちで死んでも困るからトオルのステータスも底上げしておいたぞ。」
「えっ、はぁ、まぁ…それは構いませんが。」
底上げしておいた、と言われてもゲームのようにステータスが表示されて見えるわけでもないし、全然実感が無い。自分の腕や脚を見てみても、筋肉量は変わっていない…本当に強くなったのだろうか?
「今のトオルは岩も素手で砕けるし、弾丸程度は跳ね返せるぞ。その状態よりもっと強くなりたければ鍛える事じゃな。」
「それ化け物じゃないですか、これ以上はいいです。」
「む、そうか。ではそろそろあちらの世界に行くぞ、準備はいいな?」
「はい、いつでもどうぞ。」
返事をすればマカミ様が遠吠えをした。すると目の前に大きなゲートのような物が現れた。ギリシャ神話に出てきそうなデザインだ…つまり神々しい。僕は荷物が入った旅行鞄をしっかりと持ち、マカミ様と共にゲートをくぐった。
ここから僕の異世界生活が始まる。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
異世界で俺はチーター
田中 歩
ファンタジー
とある高校に通う普通の高校生だが、クラスメイトからはバイトなどもせずゲームやアニメばかり見て学校以外ではあまり家から出ないため「ヒキニート」呼ばわりされている。
そんな彼が子供のころ入ったことがあるはずなのに思い出せない祖父の家の蔵に友達に話したのを機にもう一度入ってみることを決意する。
蔵に入って気がつくとそこは異世界だった?!
しかも、おじさんや爺ちゃんも異世界に行ったことがあるらしい?
竜と獣医は急がない
蒼空チョコ@モノカキ獣医
ファンタジー
かつて冒険者が夢を懐き、旅した境界域という名の秘境。けれどそれも昔。死んでも祭壇で復活できた冒険者の亡霊化や、深層の魔物の低層進出という異常現象に見舞われ、現在は資源の採掘すら難しくなっている。
それらは全て、私利私欲で開発、採掘して自然の調和を乱したことに端を発している。
そんな世界で獣医のカドはある竜に出会い、そして窮地を救われた。
聞くところによると、竜にはどうしてもしたいことがあるらしい。その願いを叶えて恩を返すためにも力が必要だった。
自分に出来るのは獣医療――そして、この世界で見出された死霊術師としての才能だ。例えばサラマンダーの粘液から医療器具を作ったり、その熱を滅菌に利用したり。怪我をしている魔物を治療するついでに素材の一部を頂いたり、使い魔にしたりと生きる術を身に着けていく。
ダンジョン内に広がる神秘・生態系の探求と、そこに住まう人類と魔物の悩み解決、冒険を獣医の知識と技術をもとにおこなうストーリー。
破滅する悪役五人兄弟の末っ子に転生した俺、無能と見下されるがゲームの知識で最強となり、悪役一家と幸せエンディングを目指します。
大田明
ファンタジー
『サークラルファンタズム』というゲームの、ダンカン・エルグレイヴというキャラクターに転生した主人公。
ダンカンは悪役で性格が悪く、さらに無能という人気が無いキャラクター。
主人公はそんなダンカンに転生するも、家族愛に溢れる兄弟たちのことが大好きであった。
マグヌス、アングス、ニール、イナ。破滅する運命にある兄弟たち。
しかし主人公はゲームの知識があるため、そんな彼らを救うことができると確信していた。
主人公は兄弟たちにゲーム中に辿り着けなかった最高の幸せを与えるため、奮闘することを決意する。
これは無能と呼ばれた悪役が最強となり、兄弟を幸せに導く物語だ。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)
丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】
深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。
前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。
そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに……
異世界に転生しても働くのをやめられない!
剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。
■カクヨムでも連載中です■
本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。
中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。
いつもありがとうございます。
◆
書籍化に伴いタイトルが変更となりました。
剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~
↓
転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる