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異世界への扉
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この扉の向こうに何があるのかわからないが、神様が入れと言うなら危険は無いだろう。ドアノブに手を掛けようとすると、扉は僕の意思を察したかのように自動で開いた。
「まさかの自動ドア。…お邪魔します?」
目の前に広がる広くて真っ白な空間。家具も無いし人も何もいない、神様の悪戯だったのだろうか。引き返そうと振り返ると、今通ってきたばかりの扉が無い。
「なんで…」
「あぁ、やっと喋れるわい。」
「えっ!?」
「なんじゃ童よ、儂が喋るのがそんなにおかしいかの?」
いや、神様なら喋ってもおかしくないが、今まで無言だったので喋れないのかもしれないと若干諦めていた。故に驚いたのだが…うん?童とは?
「あの、神様…僕はもう子供じゃないですよ。」
「主なんぞ儂から見たら、まだまだ童よ。儂が何年生きておると思う?」
神様が楽しそうにくつくつと笑った。そしてリラックスするかのようにその場に寝そべると、僕を見上げて言う。
「主も座るが良い。儂から頼みがあるのじゃ」
「頼み、ですか。」
言われるがまま座って神様の目を見返す。すると神様は一度息を吐き出すと語り始めた。
「まず…儂はなんだと思う?」
「神様ですよね?」
「当たってはいるが、この世界の神ではない。」
「…?」
「この世界の住人は二次元、三次元とよく言うじゃろ。三次元はこちらの世界、二次元はこの世界とは異なる世界、わかるな?」
「それは分かります。」
「ここまで言えば分かるよのう、二次元の世界は本当にあるのじゃ。」
「おぉ…」
ヲタクが聞いたら泣いて喜びそうだ。スケールの大きな話だが、この神様が二次元から来た神様だという事は分かった。
「前にこちらに来ていた理由は、とある性質を持った人間を探しに来ていたからじゃ。獣を愛し愛される、スキルを与えるに相応しい人間をのう。」
「スキル…ゲームのような話ですね。」
「主らの想像する二次元そのままじゃからの。」
「ヲタクが狂喜乱舞しますね。」
「うむ。それでだ、偶然見付けた主はそういう性質じゃった。あの時はまだ本当に童だった故、今まで待った。ここは三次元と二次元の世界の境目、儂の頼みというのはじゃな…」
「はい。」
「人間とモンスター達の争いを鎮めてほしいのじゃ。このままではいつかどちらかが滅びる、どうかあちらの世界を救ってはくれんかのう…?」
「何故、僕でないと駄目なのでしょうか?」
「向こうの世界にはモンスターが嫌いか、嫌いではないが恐れておる人間しかおらぬ。このスキルは獣を心の底から愛し、愛される者しか習得出来ぬ…主が適任なのじゃ。」
「まさかの自動ドア。…お邪魔します?」
目の前に広がる広くて真っ白な空間。家具も無いし人も何もいない、神様の悪戯だったのだろうか。引き返そうと振り返ると、今通ってきたばかりの扉が無い。
「なんで…」
「あぁ、やっと喋れるわい。」
「えっ!?」
「なんじゃ童よ、儂が喋るのがそんなにおかしいかの?」
いや、神様なら喋ってもおかしくないが、今まで無言だったので喋れないのかもしれないと若干諦めていた。故に驚いたのだが…うん?童とは?
「あの、神様…僕はもう子供じゃないですよ。」
「主なんぞ儂から見たら、まだまだ童よ。儂が何年生きておると思う?」
神様が楽しそうにくつくつと笑った。そしてリラックスするかのようにその場に寝そべると、僕を見上げて言う。
「主も座るが良い。儂から頼みがあるのじゃ」
「頼み、ですか。」
言われるがまま座って神様の目を見返す。すると神様は一度息を吐き出すと語り始めた。
「まず…儂はなんだと思う?」
「神様ですよね?」
「当たってはいるが、この世界の神ではない。」
「…?」
「この世界の住人は二次元、三次元とよく言うじゃろ。三次元はこちらの世界、二次元はこの世界とは異なる世界、わかるな?」
「それは分かります。」
「ここまで言えば分かるよのう、二次元の世界は本当にあるのじゃ。」
「おぉ…」
ヲタクが聞いたら泣いて喜びそうだ。スケールの大きな話だが、この神様が二次元から来た神様だという事は分かった。
「前にこちらに来ていた理由は、とある性質を持った人間を探しに来ていたからじゃ。獣を愛し愛される、スキルを与えるに相応しい人間をのう。」
「スキル…ゲームのような話ですね。」
「主らの想像する二次元そのままじゃからの。」
「ヲタクが狂喜乱舞しますね。」
「うむ。それでだ、偶然見付けた主はそういう性質じゃった。あの時はまだ本当に童だった故、今まで待った。ここは三次元と二次元の世界の境目、儂の頼みというのはじゃな…」
「はい。」
「人間とモンスター達の争いを鎮めてほしいのじゃ。このままではいつかどちらかが滅びる、どうかあちらの世界を救ってはくれんかのう…?」
「何故、僕でないと駄目なのでしょうか?」
「向こうの世界にはモンスターが嫌いか、嫌いではないが恐れておる人間しかおらぬ。このスキルは獣を心の底から愛し、愛される者しか習得出来ぬ…主が適任なのじゃ。」
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