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04:『いつか万物の希望となる』(約40分)
後半パート
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○地下劇場あるかでぃあ(夜)
少花(しょうか):「良かった、来てくれて。もしかしたらグレちゃったんじゃないかと思った」
万希(まき):「……早く行けよ」
少花(しょうか):「あ、やっぱりちょっとグレちゃったかな?」
新(にい):「はんこーき? 人間にしかないものは、何でも面白い!」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「ねえ万希くん? 今回きみの居る場所は舞台から客席に変わったけれど、これからやることは、いつもと同じだよ」
万希(まき):「はぁ…?」
少花(しょうか):「これからここで上演するのは、【君のための朗読劇】。君だけのために、心を込めて上演します」
万希(まき):「…『俺のための』……?」
少花(しょうか):「この劇のタイトルは、『救出されたねこのおはなし』だよ」
万希(まき):「……? ……(何かに気づいたような)」
少花(しょうか):「……何か、覚えがあるんじゃないかい?」
万希(まき):(……救出された、猫………………)
新(にい):「あのね、ボクの名前を教えてあげる。ボクは、【新(にい)】。にいっていうんだ」
万希(まき):「…ニー……?」
万希(まき):(あれ……? なんか、それ……どこかで………いや、気のせい、か……?)
新(にい):「じゃあ、いってきますにゃ。がんばって伝えるから、ちゃんと聞いててね!」
万希(まき):「………」
万希(まき):なんで……こんなことになった……?
万希(まき):なんで俺は、客席にいるんだ……?
万希(まき):なんで……なんで、あの舞台で………少花さんの隣に、別の奴が立ってるんだ………!
万希(まき):「俺は……」
○万希の心中
万希(まき):俺は、母さんの求めているものになりきることができなかった。
万希(まき):『本当は別の人との子供が欲しかったのよ』……それが、幼い頃、いちばん聞かされた言葉だった。
母さんは父さんと結婚する前、大好きだった恋人がいたという。生涯かけた大恋愛だったのだと、いつも言っていた。
でも、その恋人は、他に好きな人ができたと言って母さんから離れていってしまったらしい。
そういうことだってある。仕方のないことだったのだろう。…けれど、最愛の恋人を失った母さんの心は壊れ、……何とかすがりつく先を探し求めた。
そして見つけたのが、『恋人との間に子供を授かったと思い込む』ことだった。
誰でもいいから誰かと結婚して子供をつくり、その子供を、『あの人』との子供なのだと思い込むことを、母さんは唯一の心の支えとしていたのだ。
万希(まき):幼かった俺は、そんな母さんがただただ可哀想で、母さんの理想に近付けるように、毎日必死に『求められている通りの自分』を作ろうとしていた。
『あの人』はこれが好きだった。『あの人』はこんな癖があった。『あの人』ならこういう時こうするはず。その一つ一つを頑張って覚えて、精一杯表現していたつもりだったけれど……それでも母さんの理想には届かなかったみたいで、「全然似てないじゃない!!」と叱責されるばかりの日々だった。
俺はそれでも構わないから、もっと頑張って母さんを喜ばせたいと思っていたけれど、耐えられなくなったのは父さんだった。
万希(まき):父さんは、母さんの思惑を知らずに結婚して、こんな結果を呼んでしまったこと…特に、息子の俺がこんな目にあうことになってしまったことを、とても後悔していた。
そんな父さんがついに、母さんを家から追い出して俺と二人で暮らすことを決意したのだ。
泣いていた母さんを可哀想に思いながらも、小学校に上がったその頃の俺には、自分のことだけでいっぱいだった母さんと、心から俺のことを思ってくれている父さんのどっちについていくべきかは、…もうわかるようになっていた。
万希(まき):父さんがかつての母さんを愛して結婚に至ったのは、母さんが『この世のあらゆる命に目を向け耳を傾け、声を聴こうとしている』姿に惹かれたからだという。
けれど、今の母さんの姿を見て、それが命に対する愛情ではなく別のものだったのだとわかったと話していたけれど……その辺りは、小学生の俺にはまだよくわからなかった。……いや、ここはきっと今も、まだよくわかっていない。
それはそれとして、その話の後に父さんはこんなことを言った。
『母さんのことは間違いだったけれど、でもお前には本当に、【全ての命あるものたちの心に寄り添う力がある】』
その言葉を聞いた時は、そんなの嘘だと思った。だって俺は、母さんの心に寄り添うことができなかった。全ての命に寄り添うことができるというのに、一番近くにいる大事な人を救うことができなかったんだ。
それでも父さんは、その言葉を決して曲げなかった。
【万希】という名前は、万物にとっての希望。いつか万物の希望となるようにと願って、父さんが付けた名前だったのだ。
俺は、いつか母さんにも届くようにと、頑張ってあらゆる生き物たちと通じ合おうとするようになった。
すると、どんな動物たちも植物たちも、ヒトと同じように喜びや悲しみの心を持っているのだと知った。
万希(まき):どんな小さな命でも、その重さは同じなのだ。そう思った時、自分に特別な力があるのなら、いつか誰かを救いたいと思った。
誰にも気付かれずに潰されてしまう小さな声を、もしも見つけることができるのなら……母さんのために何もできなかった俺でも、存在している意味があるんじゃないかって。
そう思ったんだ。
新(にい):『………助けて』
万希(まき):――でも。
万希(まき):その声を聴いてしまったから、俺は………
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』
少花(しょうか):「朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』」
万希(まき):………………え?
万希(まき):『ちょっと待って……【救出されたねこのおはなひ】じゃ……』
少花(しょうか):「いいえ。いいんですよ、これで」
○朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』
少花(しょうか):あるところに、とても純粋な心を持った、幼い少年がおりました。
万希(まき):「………」
少花(しょうか):少年は、一度は自分の居場所を見失ってしまったものの、いつでも一心に愛情を注いでくれる父の教えを胸に、新たな目標に向かって前向きに歩き出したところでした。
新(にい):『ぼくは、あらゆる命に寄り添うことができる。お父さんがそう言ってくれた。具体的に何ができるのか、よくわからないけれど……誰かのためにできることがあるんだって信じて、頑張っていればきっといつかは、ぼくが生まれてきた意味もわかるはずなんだ』
万希(まき):「………」
少花(しょうか):どんな小さな命にも、寄り添ってその声を聴く。それが自分の使命だと、少年は信じていたのです。
そんなある日のこと。
少年と父は、少し遠くの商店街で夕食の買い物を済ませ、仲良く家路を辿っているところでした。
……しかし、町の様子が何やらおかしいことに気付き、人の流れる方へとついて行ってみると……
新(にい):『お父さん、消防車だ! 近くで火事があるのかな?』
『そうみたいだな。野次馬はよくないし、あまり近くへ行ったら危ないから、ここまでにして早く帰ろう』
『うん、そうだね!』
万希(まき):「……!!」
少花(しょうか):二人は何事もないことを願いながら、火事の現場から早々に離れることにしました。
万希(まき):「それは……その話は………!!」
少花(しょうか):その時です。
万希(まき):「待ってくれ!!!」
新(にい):『あれ…? いま何か、聴こえたような……』
万希(まき):「…あ………」
新(にい):『お父さん、ちょっと待って。何か、声が聴こえるんだ。とても小さい……でも必死に生きようとしている、……「助けて」って声だ!』
万希(まき):「やめろ!!!」
少花(しょうか):少年は、小さな声に真剣に耳を傾け、声の正体と心を通わせようとしました。
新(にい):『どこにいるの?』
万希(まき):「やめろ!!!」
新(にい):『きみは今、どこにいるの? 助けに行くよ』
万希(まき):「もう……やめてくれ………」
新(にい):『…! 聴こえた! 返事が聴こえたよ! 子猫だ。火事の中に、小さな子猫が閉じ込められてる!』
万希(まき):「………」
新(にい):『お父さん、どうしよう! このままじゃこの子、死んじゃうよ!』
『そうは言っても……火事の中に取り残された猫なんて、どうしようもないだろう? 家の人間たちは幸いみんな避難したと近くの人たちが話しているのが聞こえたし、…可哀想だが諦めるしか……』
『でも、生きたいって言ってるよ!』
『……』
『小さい命だけど…生きたいって、助けてって必死に叫んでる! お父さん、ぼく、子猫を助けに行きたいよ! これがきっと…ぼくの役目なんだ!』
万希(まき):「…!」
万希(まき):あの時俺が……あんなことを言ったから………
新(にい):『わかった。父さんが行ってこよう』
『え?』
少花(しょうか):少年の強い思いを、父はしっかりと受け止めました。
新(にい):『子猫のことは父さんが必ず助けるから、お前はここで待っていなさい』
『でも……どうやって…? まさか、火事の中に………』
少花(しょうか):心配する少年の頭を優しく撫で、父は一言だけを残すと、人混みの中へと駆け出して行きました。
新(にい):『絶対に追いかけてきてはいけないよ。お前はいつか万物の希望となる大事な子、【万希】なのだから』
万希(まき):「………………父さん……っ」
万希(まき):あの時俺が。
後先も考えずに、小さな命を助けたいと言ったから。
それが自分の使命だと、生きる意味だと思い込んでいたから。
母さんのために生きることができなかった俺が、唯一許された「存在する理由」だと思っていたから。
だから……馬鹿みてぇに何も考えずに、「助けたい」なんて身の丈にも合わないことを言って……
そのせいで……父さんは………
新(にい):『お前はいつか、万物の希望となる』
『ちがう……ぼくは希望なんかじゃない。ぼくが父さんを殺したんだ。ぼくなんていなければ……ぼくなんて、ほんとは最初から必要なかったはずなのに……』
万希(まき):なんで、生まれてきてしまったんだろう…? ぼくなんて、何もできないのに。
新(にい):『もう、嫌だよ………もう…消えてしまいたい』
少し間
少花(しょうか):そこへ。
新(にい):『ねえ、きみ』
万希(まき):………
新(にい):『……え、…誰……? なに………?』
『きみの力を、僕に貸してくれないかい?』
万希(まき):……!
新(にい):『なんで……ぼくがフツウじゃないって知ってるの?』
『嫌な言い方をするね。でも、その答えは、僕もフツウじゃないからかな?』
『…だめだよ、こんな力……ないほうがいいんだ』
『そんなこと言わないでさ。どうせ捨てるつもりなら、勿体ないから僕に預けてみてよ』
『でも………』
『ね? いいでしょう?』
『ぼくなんていないほうがいいんだ』
『僕にはきみが必要なんだ』
万希(まき):………
万希(まき):「俺なんていない方がいいんだ」
少花(しょうか):「僕には君が必要なんだ」
万希(まき):……あの時、アンタが現れて、新しい道を与えてくれたから。
だから俺は今もここに居られる。
新(にい):『…どーしよっかなー?』
『ね、お願い』
『う~……』
『ん?』
『……なんかぼく、そのカオによわいみたいだ』
『それはよかった♪』
万希(まき):……だから、これぐらい伝わってくれよな。
俺は確かにアンタのために生きていきたいと思ってる。一度は要らないと思った命を、アンタに全部くれてやったっていいんだ。
けど、俺が今ここに居るのは、アンタのためなんかじゃない。
俺がここに居たいから。傍に居たいから。
だから俺はここに居るんだよ。
少花(しょうか):……そっか。
………うん。わかった。ありがとう、万希くん。
万希(まき):このぐらい言わなくてもわかれよ。
○朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』終演
少花(しょうか):「以上です。ご清聴ありがとうございました」
万希(まき):「あーあ、まどろっこしいことしやがって。ここまでしないとわからないって何なんだよ」
少花(しょうか):「それだけじゃないよ」
万希(まき):「は?」
新(にい):「はぁー! 終わった~! 緊張したにゃあ!」
万希(まき):「そうだコイツ! こんなワケわかんねー奴に俺の場所取って代わられるとか、マジありえねー!」
新(にい):「ワケわかんねー奴じゃないも~ん」
万希(まき):「じゃあ誰なんだよ!」
少花(しょうか):「朗読劇」
万希(まき):「……あ?」
少花(しょうか):「『救出されたねこのおはなし』」
万希(まき):「は……?」
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』
新(にい):『……怖いよぉ……熱いよぉ……助けて……誰か………』
万希(まき):………
新(にい):『………無理だよね』
万希(まき):……?
新(にい):『…今まで、真剣に生きたことなんてなかったもんね。いつも適当に遊んで、適当に暮らしてただけだし……。…こんなとこまできて、……今更助かりたいなんて言ったって……誰も…聞いてなんかくれないよ……』
新(にい):『……でも………虫がよすぎだとしても………………もっと…生きたい……』
万希(まき):おまえ……
新(にい):『何の役にも立たないし……ちっちゃいし………ちっぽけなボクだけど………………生きたい………もっと生きていたいよお!!』
万希(まき):………
新(にい):『…ここにいたのか。よかったな……お前の叫び声は、ちゃんと届いていたんだぞ』
『助けてくれるの…? ボク、……(泣きながら)生きられるの?!』
新(にい):『窓から何か投げ出されてわ!』
『あれ猫じゃない!?』
『…っ! ちゃくち、できた。どこ? ねえ、どこにいるの?』
万希(まき):助かったのか……?
新(にい):『どこにいるの? ボクの声を聴いてくれた人! 会いたいよ…! 一生かけてこのご恩を返したいよ!!』
万希(まき):…!
新(にい):『あら、あんた、「二ー」じゃない! 生きてたんだね!』
『おばちゃん! ボク生きてるよ! 帰ってこれたんだよ!』
『(微笑ましげに)相変わらずちっちゃい声でニーニー鳴いてること』
万希(まき):そっか……そっか………おまえが……
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』終演
新(にい):「ボクはね、ずっとずーっと、キミのことを探してたんだよ? おじいちゃんになって、寿命がきても見つけられなくて、1回は死んじゃったんだけどね? 絶対に諦めないって決めてたから、生まれ変わってまたキミを探し続けたんだ」
万希(まき):「なんで、そこまで…」
新(にい):「猫はマイペースだけど、ほんとはとってもギリガタイから」
万希(まき):「………」
新(にい):「ボクはあの時、ほんとに怖くて、死にたくなくて、でもこの世界はニンゲンが優先だし……ちっぽけなボクなんて誰も助けてくれないって思ってた。でも、キミはボクの小さな声を聴いてくれた。だからボクは助かった。生きることができた。この命ぜんぶを使ってでも、キミにご恩を返したかったんだ」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「『要らない』なんて、もう簡単に言えないね?」
万希(まき):「………あぁ、そうかもな」
少花(しょうか):「よかった」
万希(まき):「知ってたのか? コイツのこと」
少花(しょうか):「さてねぇ?」
万希(まき):「やっぱ知ってたのか…。あ~、とんだ道化だ!」
新(にい):「よかったにゃ!」
○カフェArcadia・店内(夜)
万希(まき):「ありがとうございました~! …(伸びをしながら)やーっと最後の客退場! 今日もお疲れ、俺!」
新(にい):「おつかれ~♪」
万希(まき):「…おまえなんでまだ居んだよ」
少花(しょうか):「お疲れ様。今日もよく働いてくれてありがとう」
新(にい):「ど~いたしまして」
万希(まき):「おまえじゃねーよ!」
少花(しょうか):「二人ともお腹すいたでしょう? まかない用意したよ」
新(にい):「にゃっ!? やったー! ごはん? おやつ?」
万希(まき):「あ、残念。これ期待しちゃダメなやつだぞ?」
新(にい):「?」
少花(しょうか):「ひどいなぁ。今日は格別に上手くできたのに」
万希(まき):「わかったからもうさっさと出せ」
少花(しょうか):「じゃーん♪ やっと会えたね♡再会のトマトゼリー!」
万希(まき):「キモイ名前つけんな」
新(にい):「にゃっ!? これ、金魚さん…?」
少花(しょうか):「ほら、ちゃんと金魚に見えてるみたいだよ?」
万希(まき):「なんでどんどん上手くなってるんだよ…」
新(にい):「にゃはぁ~、美味しそう~♡」
万希(まき):「なんで好評なんだよ…」
少花(しょうか):「諦めない心が大事なんだよ」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「なんてカオするの。そんなに金魚ゼリー嫌い?」
万希(まき):「だから金魚ゼリーって呼ぶな! ……いや、そうじゃなくて、ちょっと気になってることがあってさ」
少花(しょうか):「ん?」
新(にい):「♪♪~(トマトゼリーに夢中)」
万希(まき):「……朗読劇は、…いつも決まり事があっただろ?」
少花(しょうか):「決まり事?」
万希(まき):「あの劇は……物語の主人公である【観客】に、――『絶望を見せる』ものだろう?」
少花(しょうか):「………」
少し間
万希(まき):「今回の劇は、観客である【俺】にとっては、確かに辛い過去を見せられたものではあったけど。……でも、お約束である【絶望】は、与えられた気がしない」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「なぜだ?」
少花(しょうか):「…そうだね」
万希(まき):「少花さん」
少花(しょうか):「それは」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「……『次回で』わかるんだ」
万希(まき):「え……?」
新(にい):「?」
少花(しょうか):「次回も、また観客になって。新くん、次もキャストを頼めるかな?」
新(にい):「もちろん~」
万希(まき):「次って……」
少花(しょうか):「そういうことだから」
万希(まき):「これまで、次回に持ち越すことなんか一度もなかったのに…」
少花(しょうか):「そうだね」
万希(まき):「………(困惑)」
少花(しょうか):「今回はそれだけ、特別なんだ」
万希(まき):「………」
新(にい):「大丈夫だよ!」
万希(まき):「え?」
新(にい):「マキはつよい! だから大丈夫!」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「うん。そういうこと」
万希(まき):「少花さん…」
少花(しょうか):「じゃあ、今日はお先に失礼するよ。悪いけど後片付け、二人でお願いね」
新(にい):「は~い。おつかれさま~」
万希(まき):「………」
ドア閉まる
少花(しょうか):『蝶子さん。いよいよ時が来ました。……これが僕達の、最後の舞台になってしまうかもしれない』
少花(しょうか):『……でも。それでもあの子には、知ってもらわないといけないから』
少花(しょうか):「蝶子さん、僕は」
04・END
少花(しょうか):「良かった、来てくれて。もしかしたらグレちゃったんじゃないかと思った」
万希(まき):「……早く行けよ」
少花(しょうか):「あ、やっぱりちょっとグレちゃったかな?」
新(にい):「はんこーき? 人間にしかないものは、何でも面白い!」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「ねえ万希くん? 今回きみの居る場所は舞台から客席に変わったけれど、これからやることは、いつもと同じだよ」
万希(まき):「はぁ…?」
少花(しょうか):「これからここで上演するのは、【君のための朗読劇】。君だけのために、心を込めて上演します」
万希(まき):「…『俺のための』……?」
少花(しょうか):「この劇のタイトルは、『救出されたねこのおはなし』だよ」
万希(まき):「……? ……(何かに気づいたような)」
少花(しょうか):「……何か、覚えがあるんじゃないかい?」
万希(まき):(……救出された、猫………………)
新(にい):「あのね、ボクの名前を教えてあげる。ボクは、【新(にい)】。にいっていうんだ」
万希(まき):「…ニー……?」
万希(まき):(あれ……? なんか、それ……どこかで………いや、気のせい、か……?)
新(にい):「じゃあ、いってきますにゃ。がんばって伝えるから、ちゃんと聞いててね!」
万希(まき):「………」
万希(まき):なんで……こんなことになった……?
万希(まき):なんで俺は、客席にいるんだ……?
万希(まき):なんで……なんで、あの舞台で………少花さんの隣に、別の奴が立ってるんだ………!
万希(まき):「俺は……」
○万希の心中
万希(まき):俺は、母さんの求めているものになりきることができなかった。
万希(まき):『本当は別の人との子供が欲しかったのよ』……それが、幼い頃、いちばん聞かされた言葉だった。
母さんは父さんと結婚する前、大好きだった恋人がいたという。生涯かけた大恋愛だったのだと、いつも言っていた。
でも、その恋人は、他に好きな人ができたと言って母さんから離れていってしまったらしい。
そういうことだってある。仕方のないことだったのだろう。…けれど、最愛の恋人を失った母さんの心は壊れ、……何とかすがりつく先を探し求めた。
そして見つけたのが、『恋人との間に子供を授かったと思い込む』ことだった。
誰でもいいから誰かと結婚して子供をつくり、その子供を、『あの人』との子供なのだと思い込むことを、母さんは唯一の心の支えとしていたのだ。
万希(まき):幼かった俺は、そんな母さんがただただ可哀想で、母さんの理想に近付けるように、毎日必死に『求められている通りの自分』を作ろうとしていた。
『あの人』はこれが好きだった。『あの人』はこんな癖があった。『あの人』ならこういう時こうするはず。その一つ一つを頑張って覚えて、精一杯表現していたつもりだったけれど……それでも母さんの理想には届かなかったみたいで、「全然似てないじゃない!!」と叱責されるばかりの日々だった。
俺はそれでも構わないから、もっと頑張って母さんを喜ばせたいと思っていたけれど、耐えられなくなったのは父さんだった。
万希(まき):父さんは、母さんの思惑を知らずに結婚して、こんな結果を呼んでしまったこと…特に、息子の俺がこんな目にあうことになってしまったことを、とても後悔していた。
そんな父さんがついに、母さんを家から追い出して俺と二人で暮らすことを決意したのだ。
泣いていた母さんを可哀想に思いながらも、小学校に上がったその頃の俺には、自分のことだけでいっぱいだった母さんと、心から俺のことを思ってくれている父さんのどっちについていくべきかは、…もうわかるようになっていた。
万希(まき):父さんがかつての母さんを愛して結婚に至ったのは、母さんが『この世のあらゆる命に目を向け耳を傾け、声を聴こうとしている』姿に惹かれたからだという。
けれど、今の母さんの姿を見て、それが命に対する愛情ではなく別のものだったのだとわかったと話していたけれど……その辺りは、小学生の俺にはまだよくわからなかった。……いや、ここはきっと今も、まだよくわかっていない。
それはそれとして、その話の後に父さんはこんなことを言った。
『母さんのことは間違いだったけれど、でもお前には本当に、【全ての命あるものたちの心に寄り添う力がある】』
その言葉を聞いた時は、そんなの嘘だと思った。だって俺は、母さんの心に寄り添うことができなかった。全ての命に寄り添うことができるというのに、一番近くにいる大事な人を救うことができなかったんだ。
それでも父さんは、その言葉を決して曲げなかった。
【万希】という名前は、万物にとっての希望。いつか万物の希望となるようにと願って、父さんが付けた名前だったのだ。
俺は、いつか母さんにも届くようにと、頑張ってあらゆる生き物たちと通じ合おうとするようになった。
すると、どんな動物たちも植物たちも、ヒトと同じように喜びや悲しみの心を持っているのだと知った。
万希(まき):どんな小さな命でも、その重さは同じなのだ。そう思った時、自分に特別な力があるのなら、いつか誰かを救いたいと思った。
誰にも気付かれずに潰されてしまう小さな声を、もしも見つけることができるのなら……母さんのために何もできなかった俺でも、存在している意味があるんじゃないかって。
そう思ったんだ。
新(にい):『………助けて』
万希(まき):――でも。
万希(まき):その声を聴いてしまったから、俺は………
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』
少花(しょうか):「朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』」
万希(まき):………………え?
万希(まき):『ちょっと待って……【救出されたねこのおはなひ】じゃ……』
少花(しょうか):「いいえ。いいんですよ、これで」
○朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』
少花(しょうか):あるところに、とても純粋な心を持った、幼い少年がおりました。
万希(まき):「………」
少花(しょうか):少年は、一度は自分の居場所を見失ってしまったものの、いつでも一心に愛情を注いでくれる父の教えを胸に、新たな目標に向かって前向きに歩き出したところでした。
新(にい):『ぼくは、あらゆる命に寄り添うことができる。お父さんがそう言ってくれた。具体的に何ができるのか、よくわからないけれど……誰かのためにできることがあるんだって信じて、頑張っていればきっといつかは、ぼくが生まれてきた意味もわかるはずなんだ』
万希(まき):「………」
少花(しょうか):どんな小さな命にも、寄り添ってその声を聴く。それが自分の使命だと、少年は信じていたのです。
そんなある日のこと。
少年と父は、少し遠くの商店街で夕食の買い物を済ませ、仲良く家路を辿っているところでした。
……しかし、町の様子が何やらおかしいことに気付き、人の流れる方へとついて行ってみると……
新(にい):『お父さん、消防車だ! 近くで火事があるのかな?』
『そうみたいだな。野次馬はよくないし、あまり近くへ行ったら危ないから、ここまでにして早く帰ろう』
『うん、そうだね!』
万希(まき):「……!!」
少花(しょうか):二人は何事もないことを願いながら、火事の現場から早々に離れることにしました。
万希(まき):「それは……その話は………!!」
少花(しょうか):その時です。
万希(まき):「待ってくれ!!!」
新(にい):『あれ…? いま何か、聴こえたような……』
万希(まき):「…あ………」
新(にい):『お父さん、ちょっと待って。何か、声が聴こえるんだ。とても小さい……でも必死に生きようとしている、……「助けて」って声だ!』
万希(まき):「やめろ!!!」
少花(しょうか):少年は、小さな声に真剣に耳を傾け、声の正体と心を通わせようとしました。
新(にい):『どこにいるの?』
万希(まき):「やめろ!!!」
新(にい):『きみは今、どこにいるの? 助けに行くよ』
万希(まき):「もう……やめてくれ………」
新(にい):『…! 聴こえた! 返事が聴こえたよ! 子猫だ。火事の中に、小さな子猫が閉じ込められてる!』
万希(まき):「………」
新(にい):『お父さん、どうしよう! このままじゃこの子、死んじゃうよ!』
『そうは言っても……火事の中に取り残された猫なんて、どうしようもないだろう? 家の人間たちは幸いみんな避難したと近くの人たちが話しているのが聞こえたし、…可哀想だが諦めるしか……』
『でも、生きたいって言ってるよ!』
『……』
『小さい命だけど…生きたいって、助けてって必死に叫んでる! お父さん、ぼく、子猫を助けに行きたいよ! これがきっと…ぼくの役目なんだ!』
万希(まき):「…!」
万希(まき):あの時俺が……あんなことを言ったから………
新(にい):『わかった。父さんが行ってこよう』
『え?』
少花(しょうか):少年の強い思いを、父はしっかりと受け止めました。
新(にい):『子猫のことは父さんが必ず助けるから、お前はここで待っていなさい』
『でも……どうやって…? まさか、火事の中に………』
少花(しょうか):心配する少年の頭を優しく撫で、父は一言だけを残すと、人混みの中へと駆け出して行きました。
新(にい):『絶対に追いかけてきてはいけないよ。お前はいつか万物の希望となる大事な子、【万希】なのだから』
万希(まき):「………………父さん……っ」
万希(まき):あの時俺が。
後先も考えずに、小さな命を助けたいと言ったから。
それが自分の使命だと、生きる意味だと思い込んでいたから。
母さんのために生きることができなかった俺が、唯一許された「存在する理由」だと思っていたから。
だから……馬鹿みてぇに何も考えずに、「助けたい」なんて身の丈にも合わないことを言って……
そのせいで……父さんは………
新(にい):『お前はいつか、万物の希望となる』
『ちがう……ぼくは希望なんかじゃない。ぼくが父さんを殺したんだ。ぼくなんていなければ……ぼくなんて、ほんとは最初から必要なかったはずなのに……』
万希(まき):なんで、生まれてきてしまったんだろう…? ぼくなんて、何もできないのに。
新(にい):『もう、嫌だよ………もう…消えてしまいたい』
少し間
少花(しょうか):そこへ。
新(にい):『ねえ、きみ』
万希(まき):………
新(にい):『……え、…誰……? なに………?』
『きみの力を、僕に貸してくれないかい?』
万希(まき):……!
新(にい):『なんで……ぼくがフツウじゃないって知ってるの?』
『嫌な言い方をするね。でも、その答えは、僕もフツウじゃないからかな?』
『…だめだよ、こんな力……ないほうがいいんだ』
『そんなこと言わないでさ。どうせ捨てるつもりなら、勿体ないから僕に預けてみてよ』
『でも………』
『ね? いいでしょう?』
『ぼくなんていないほうがいいんだ』
『僕にはきみが必要なんだ』
万希(まき):………
万希(まき):「俺なんていない方がいいんだ」
少花(しょうか):「僕には君が必要なんだ」
万希(まき):……あの時、アンタが現れて、新しい道を与えてくれたから。
だから俺は今もここに居られる。
新(にい):『…どーしよっかなー?』
『ね、お願い』
『う~……』
『ん?』
『……なんかぼく、そのカオによわいみたいだ』
『それはよかった♪』
万希(まき):……だから、これぐらい伝わってくれよな。
俺は確かにアンタのために生きていきたいと思ってる。一度は要らないと思った命を、アンタに全部くれてやったっていいんだ。
けど、俺が今ここに居るのは、アンタのためなんかじゃない。
俺がここに居たいから。傍に居たいから。
だから俺はここに居るんだよ。
少花(しょうか):……そっか。
………うん。わかった。ありがとう、万希くん。
万希(まき):このぐらい言わなくてもわかれよ。
○朗読劇『一人のニンゲンとあらゆる命のおはなし』終演
少花(しょうか):「以上です。ご清聴ありがとうございました」
万希(まき):「あーあ、まどろっこしいことしやがって。ここまでしないとわからないって何なんだよ」
少花(しょうか):「それだけじゃないよ」
万希(まき):「は?」
新(にい):「はぁー! 終わった~! 緊張したにゃあ!」
万希(まき):「そうだコイツ! こんなワケわかんねー奴に俺の場所取って代わられるとか、マジありえねー!」
新(にい):「ワケわかんねー奴じゃないも~ん」
万希(まき):「じゃあ誰なんだよ!」
少花(しょうか):「朗読劇」
万希(まき):「……あ?」
少花(しょうか):「『救出されたねこのおはなし』」
万希(まき):「は……?」
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』
新(にい):『……怖いよぉ……熱いよぉ……助けて……誰か………』
万希(まき):………
新(にい):『………無理だよね』
万希(まき):……?
新(にい):『…今まで、真剣に生きたことなんてなかったもんね。いつも適当に遊んで、適当に暮らしてただけだし……。…こんなとこまできて、……今更助かりたいなんて言ったって……誰も…聞いてなんかくれないよ……』
新(にい):『……でも………虫がよすぎだとしても………………もっと…生きたい……』
万希(まき):おまえ……
新(にい):『何の役にも立たないし……ちっちゃいし………ちっぽけなボクだけど………………生きたい………もっと生きていたいよお!!』
万希(まき):………
新(にい):『…ここにいたのか。よかったな……お前の叫び声は、ちゃんと届いていたんだぞ』
『助けてくれるの…? ボク、……(泣きながら)生きられるの?!』
新(にい):『窓から何か投げ出されてわ!』
『あれ猫じゃない!?』
『…っ! ちゃくち、できた。どこ? ねえ、どこにいるの?』
万希(まき):助かったのか……?
新(にい):『どこにいるの? ボクの声を聴いてくれた人! 会いたいよ…! 一生かけてこのご恩を返したいよ!!』
万希(まき):…!
新(にい):『あら、あんた、「二ー」じゃない! 生きてたんだね!』
『おばちゃん! ボク生きてるよ! 帰ってこれたんだよ!』
『(微笑ましげに)相変わらずちっちゃい声でニーニー鳴いてること』
万希(まき):そっか……そっか………おまえが……
○朗読劇『救出されたねこのおはなし』終演
新(にい):「ボクはね、ずっとずーっと、キミのことを探してたんだよ? おじいちゃんになって、寿命がきても見つけられなくて、1回は死んじゃったんだけどね? 絶対に諦めないって決めてたから、生まれ変わってまたキミを探し続けたんだ」
万希(まき):「なんで、そこまで…」
新(にい):「猫はマイペースだけど、ほんとはとってもギリガタイから」
万希(まき):「………」
新(にい):「ボクはあの時、ほんとに怖くて、死にたくなくて、でもこの世界はニンゲンが優先だし……ちっぽけなボクなんて誰も助けてくれないって思ってた。でも、キミはボクの小さな声を聴いてくれた。だからボクは助かった。生きることができた。この命ぜんぶを使ってでも、キミにご恩を返したかったんだ」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「『要らない』なんて、もう簡単に言えないね?」
万希(まき):「………あぁ、そうかもな」
少花(しょうか):「よかった」
万希(まき):「知ってたのか? コイツのこと」
少花(しょうか):「さてねぇ?」
万希(まき):「やっぱ知ってたのか…。あ~、とんだ道化だ!」
新(にい):「よかったにゃ!」
○カフェArcadia・店内(夜)
万希(まき):「ありがとうございました~! …(伸びをしながら)やーっと最後の客退場! 今日もお疲れ、俺!」
新(にい):「おつかれ~♪」
万希(まき):「…おまえなんでまだ居んだよ」
少花(しょうか):「お疲れ様。今日もよく働いてくれてありがとう」
新(にい):「ど~いたしまして」
万希(まき):「おまえじゃねーよ!」
少花(しょうか):「二人ともお腹すいたでしょう? まかない用意したよ」
新(にい):「にゃっ!? やったー! ごはん? おやつ?」
万希(まき):「あ、残念。これ期待しちゃダメなやつだぞ?」
新(にい):「?」
少花(しょうか):「ひどいなぁ。今日は格別に上手くできたのに」
万希(まき):「わかったからもうさっさと出せ」
少花(しょうか):「じゃーん♪ やっと会えたね♡再会のトマトゼリー!」
万希(まき):「キモイ名前つけんな」
新(にい):「にゃっ!? これ、金魚さん…?」
少花(しょうか):「ほら、ちゃんと金魚に見えてるみたいだよ?」
万希(まき):「なんでどんどん上手くなってるんだよ…」
新(にい):「にゃはぁ~、美味しそう~♡」
万希(まき):「なんで好評なんだよ…」
少花(しょうか):「諦めない心が大事なんだよ」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「なんてカオするの。そんなに金魚ゼリー嫌い?」
万希(まき):「だから金魚ゼリーって呼ぶな! ……いや、そうじゃなくて、ちょっと気になってることがあってさ」
少花(しょうか):「ん?」
新(にい):「♪♪~(トマトゼリーに夢中)」
万希(まき):「……朗読劇は、…いつも決まり事があっただろ?」
少花(しょうか):「決まり事?」
万希(まき):「あの劇は……物語の主人公である【観客】に、――『絶望を見せる』ものだろう?」
少花(しょうか):「………」
少し間
万希(まき):「今回の劇は、観客である【俺】にとっては、確かに辛い過去を見せられたものではあったけど。……でも、お約束である【絶望】は、与えられた気がしない」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「なぜだ?」
少花(しょうか):「…そうだね」
万希(まき):「少花さん」
少花(しょうか):「それは」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「……『次回で』わかるんだ」
万希(まき):「え……?」
新(にい):「?」
少花(しょうか):「次回も、また観客になって。新くん、次もキャストを頼めるかな?」
新(にい):「もちろん~」
万希(まき):「次って……」
少花(しょうか):「そういうことだから」
万希(まき):「これまで、次回に持ち越すことなんか一度もなかったのに…」
少花(しょうか):「そうだね」
万希(まき):「………(困惑)」
少花(しょうか):「今回はそれだけ、特別なんだ」
万希(まき):「………」
新(にい):「大丈夫だよ!」
万希(まき):「え?」
新(にい):「マキはつよい! だから大丈夫!」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「うん。そういうこと」
万希(まき):「少花さん…」
少花(しょうか):「じゃあ、今日はお先に失礼するよ。悪いけど後片付け、二人でお願いね」
新(にい):「は~い。おつかれさま~」
万希(まき):「………」
ドア閉まる
少花(しょうか):『蝶子さん。いよいよ時が来ました。……これが僕達の、最後の舞台になってしまうかもしれない』
少花(しょうか):『……でも。それでもあの子には、知ってもらわないといけないから』
少花(しょうか):「蝶子さん、僕は」
04・END
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