【本編完結】大学一のイケメンに好きになったかどうか聞かれています。

羽波フウ

文字の大きさ
上 下
30 / 32
番外編

兄弟(前編)

しおりを挟む



 今から二週間前の休日のこと。


「ねえ春樹」

「ん?何?」


 家の優里のお気に入りのソファーの上に2人でゲームをしているときに優里が話しかけてきた。
 現在やっているのはマリカ。気を抜けば一発KOなこのときに何だろうか。

「春樹ってお兄さんと連絡とってないんだっけ」

「あ?……あぁそうだね」

 突然すぎる俺の兄の話題に思わず横にいる優里を見そうになる俺。危ない、危ない。
 優里はずっと前を向いたままである。

「連絡しようとか思わないの?」

「うん。あんまり思わないね。連絡先を知っていると言っても電話とかする気ないし、そもそも忙しいだろうし」

「ふーん」


 そのまま途切れた会話。

 この勝負、当然俺は負けた。





 そんなことがあったなと思い出したのは、今、俺のスマホに1通のメールがきたからだった。差出人は我が兄、秋夜。

『今度の日曜日、新宿駅に12:00に来い。話したいことがある』


 大変一方的すぎる内容である。
 正直無視してもいいだろうが、なぜだろうか、優里が一枚噛んでいる気がしてならない。

 仕方がないので『了解』とだけ返事をし、優里には『来週の日曜日出かける』と連絡すると、『おっけー、楽しんできてね』との返信。


 うーん、これは知ってるな。





 兄は今、青橋というところにいるらしい(スイ情報)。
 青橋は白季と友好な関係を結んでおり、優里はそこの次男と仲がよく、自分の正体を明かしているという。

 ときどき優里は青橋に遊びに行っているが……そこで兄と会っていたりしていないだろうな!?
 会ってないよな??

 兄に会ったら必ず確認しなくては。









 (後編へつづく)








しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【BL】SNSで出会ったイケメンに捕まるまで

久遠院 純
BL
タイトル通りの内容です。 自称平凡モブ顔の主人公が、イケメンに捕まるまでのお話。 他サイトでも公開しています。

薄幸な子爵は捻くれて傲慢な公爵に溺愛されて逃げられない

くまだった
BL
アーノルド公爵公子に気に入られようと常に周囲に人がいたが、没落しかけているレイモンドは興味がないようだった。アーノルドはそのことが、面白くなかった。ついにレイモンドが学校を辞めてしまって・・・ 捻くれ傲慢公爵→→→→→貧困薄幸没落子爵 最後のほうに主人公では、ないですが人が亡くなるシーンがあります。 地雷の方はお気をつけください。 ムーンライトさんで、先行投稿しています。 感想いただけたら嬉しいです。

憧れのスローライフは計画的に

朝顔
BL
2022/09/14 後日談追加しました。 BLゲームの世界の悪役令息に憑依してしまった俺。 役目を全うして、婚約破棄から追放エンドを迎えた。 全て計画通りで、憧れのスローライフを手に入れたはずだった。 誰にも邪魔されない田舎暮らしで、孤独に生きていこうとしていたが、謎の男との出会いが全てを変えていく……。 ◇ハッピーエンドを迎えた世界で、悪役令息だった主人公のその後のお話。 ◇謎のイケメン神父様×恋に後ろ向きな元悪役令息 ◇他サイトで投稿あり。

ド陰キャが海外スパダリに溺愛される話

NANiMO
BL
人生に疲れた有宮ハイネは、日本に滞在中のアメリカ人、トーマスに助けられる。しかもなんたる偶然か、トーマスはハイネと交流を続けてきたネット友達で……? 「きみさえよければ、ここに住まない?」 トーマスの提案で、奇妙な同居生活がスタートするが……… 距離が近い! 甘やかしが過ぎる! 自己肯定感低すぎ男、ハイネは、この溺愛を耐え抜くことができるのか!?

名もなき花は愛されて

朝顔
BL
シリルは伯爵家の次男。 太陽みたいに眩しくて美しい姉を持ち、その影に隠れるようにひっそりと生きてきた。 姉は結婚相手として自分と同じく完璧な男、公爵のアイロスを選んだがあっさりとフラれてしまう。 火がついた姉はアイロスに近づいて女の好みや弱味を探るようにシリルに命令してきた。 断りきれずに引き受けることになり、シリルは公爵のお友達になるべく近づくのだが、バラのような美貌と棘を持つアイロスの魅力にいつしか捕らわれてしまう。 そして、アイロスにはどうやら想う人がいるらしく…… 全三話完結済+番外編 18禁シーンは予告なしで入ります。 ムーンライトノベルズでも同時投稿 1/30 番外編追加

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

政略結婚のはずが恋して拗れて離縁を申し出る話

BL
聞いたことのない侯爵家から釣書が届いた。僕のことを求めてくれるなら政略結婚でもいいかな。そう考えた伯爵家四男のフィリベルトは『お受けします』と父へ答える。 ところがなかなか侯爵閣下とお会いすることができない。婚姻式の準備は着々と進み、数カ月後ようやく対面してみれば金髪碧眼の美丈夫。徐々に二人の距離は近づいて…いたはずなのに。『え、僕ってばやっぱり政略結婚の代用品!?』政略結婚でもいいと思っていたがいつの間にか恋してしまいやっぱり無理だから離縁しよ!とするフィリベルトの話。

激重感情の矢印は俺

NANiMO
BL
幼馴染みに好きな人がいると聞いて10年。 まさかその相手が自分だなんて思うはずなく。 ___ 短編BL練習作品

処理中です...