【本編完結】大学一のイケメンに好きになったかどうか聞かれています。

羽波フウ

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本編2

お姫様抱っこ

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「いきなりどうしたのさ。"ちょっと来い!黒崎は連れてくるな"って。びっくりしたんだけど」

 いきなり呼んだにもかかわらず、一瞬にして1人で現れたアジュ。
 愛だね…栄。


「優里ちゃんのお悩み相談だよ」

「お悩み?」



 かくかくしかじか。説明をすると、アジュはうーんと考え込んだ。

「なるほど。優里は黒崎とそういうことをしたいわけだ」

「ち、違う…そういうことじゃなくて、なんて言うか…そういうことを求められないって、恋人じゃなくて友達に近いっていうか…」

「別にそういうことをしない恋人もありだと思うけど?」

 うーん、そうなんだけどそうじゃない。
 確かにそういうのもありなのかもしれないけど。俺が思ってるのは違う。

「なんかさ、春樹ってモテるじゃん。女の子いっぱい寄ってくるし、かわいい子も美人な子もいっぱいだし。今は俺のこと好きって言ってくれてるけど、やっぱり女の子の方がいいなってなるんじゃないかと思ったりもするから、本当はそういうことするの怖いんだけど。でも、それよりも!!春樹としてみたいっていうか、求められたいっていうか……わ!!!」

 真面目に真っ赤になりながら話している途中で、誰かが俺に後ろから抱きついてきた。

「優里!!!そんな風に思っててくれたんだね!」

 それはそれは満面の笑みで俺に抱きついてきた男、春樹。
 なんでここにいるの??


「優里が男となんて怖いって思うかなと思って控えてたんだけど、大丈夫ってことだよね?安心して、できるだけ優しくするし」

「ふぇ」

「そもそも優里の身体見たら、ね。一緒に寝るのも大変だったんだよ?女の子なんかより優里の方がかわいいし。俺が今もこれからもずっと好きなのは優里だけだからね?わかった?」

「は、はぃ?」


 いろんな驚きで固まって動けないでいると、春樹は座っている俺の膝の裏と背中に腕をいれて、そのまま持ち上げた。
 いわゆる"お姫様抱っこ"である。

「周りに人いるから下ろして!!」

 恥ずかしさでいっぱいな俺は彼の腕の上で暴れるが、全く下ろしてくれる様子はない。

「大丈夫、誰も見てない」

「んなわけ!!!」

 もがくが降りられない…なんで?


「これ、相談料ね」

「わぁ一万円だあ」

 俺が栄に渡す予定だった奢りのお金は春樹が渡していた。しかも、一万円かい。


 そして抵抗むなしく、お姫様抱っこのままお店の外へ。
 抵抗するのが無駄だと思い始めて少しおとなしくする俺。
 店の前に止まっているいつ呼んだのか相変わらず謎なタクシーに乗り込む。

 もちろん行き先は家。










 春樹に引きずられるようにして家の中に入る。
 彼は玄関の扉を閉じると、こちらに振り向いて俺の首に手を回し、

「ふっ…ん……」

 いきなり深いキスをされる。
 口が開いていたので簡単に舌の侵入を赦す。

「鼻で息をして」

 初めての大人なキスにとまどいながら言われた通りに…む、無理……普通に難しい。

「んーっ…」

 だんだんと力が抜けてきて立っていられなくなり、春樹の胸の辺りにしがみつくように寄りかかる。
 すると、それを察した彼が

「腰抜けちゃった?気持ちよかった?」

 と妖艶な笑みで聞いてくる。
 そっか、これが腰抜け……

「そろそろあっち行こうか」




 立てないので当然歩けない俺は、再びお姫様抱っこで運ばれる。落ちないように、と彼の首に腕を回して掴まる。
 もはやなんというか、うん。嬉しいと思っている俺がいるのが怖い。
 その間もついばむようなキスを。どちらからでもなく。


 辿り着いたのは…まあ、寝室。
 われ物を扱うかのようにとても優しく、俺をベッドに降ろす春樹。
 そしてそのまま俺を押し倒す。

「かわいーね、優里」

 髪にキスし出す。う、動けん。
 絶賛乙女の気持ちを味わっている俺…悪くない、けど!!!髪じゃなくてさぁ。

「くちにして」

 いつもじゃ考えられないほどの甘い声で。

「仰せのままに」


 先ほどのものよりももっとすごいキスを。
 あれが最上級じゃなかったんですかぁぁぁ!!!
 めちゃくちゃ気持ちいいんですけどぉ……で、俺の息子さんはとてもお元気に…
 慌ててそれをごまかすように、よりキスを強請る。


 2人の唾液が混ざりあってチョコよりも甘い。
 それをついゴクンと飲み込むと春樹は満足そうに笑った。
 あ~なんてイケメンなんだろ。
 とボーっと彼を見つめる俺の視界の端に主張の激しくなった…彼の息子さんらしきものが。

 まてよ。これ…もしかして……
 じっと見つめる俺の視線に気づいた春樹は

「優里も辛そうだよね?」

 と言ってそこに触れてこようとする。

「ま、まって!!」

 と俺は叫ぶが、聞こえていなかったかのように無視して俺のズボンを下ろそうとする彼。

「ち、ちょっ、はるきぃ」

 彼の大きな手を掴む。

「まって!!!」

 やっと止まってくれた春樹。

「どうしたの?」

「ま、まだ心の準備が……はずかしい…」

 目に涙がたまる。
 嫌なわけではない。はずかしいのだ。イケメンで、それはそれは立派なものを持っていそうな彼に自分のを見られるのが。
 しかも今日、本番なんて聞いてないし。いろいろと…準備とか…ね?まだだし。


「いきなりごめんね、大丈夫。今日は最後までやらないから」















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