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虎猫姫は冷徹皇帝と月を乞う
虎猫姫は冷徹皇帝と月を乞う-3
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彼女は高飛車だが愚かではない。この植栽図があれば密かに自分の利を得ることもできるのに。凛花は植栽図を見つめ、心の中で密かにそう訝しむ。
「わたくし、祖父よりこちらの図を借りておりましたの。ですが、 薬草に詳しくないわたくしが持っていても宝の持ち腐れ。それならば『薬草姫』と名高い朔月妃さまに……と、急ぎお持ちしましたの」
訪問は嫌がらせでも、無礼を働こうとしたわけではないのよ? と弦月妃が微笑む。それこそ、そういうつもりだったと言っているようなものだが、凛花は何も言わずににっこりと微笑み返す。
「お気遣いいただきありがとうございます。大切に使わせていただきます。弦月妃さま」
(まあいいか! 何か魂胆があろうが嫌がらせだろうが、ずっと欲しかった植栽図が手に入ったんだもの!)
小花園の植栽図など、あの薬草園の価値が分からない者にとっては、取るに足らないがらくただろう。だが、凛花にとってはまさに宝物、宝の地図だ。
(ああ、どんなものを植えていたのだろう? どんな風に薬草園を作り、どのような管理をしていたのだろう?)
小花園は調査をしながら、少しずつ整備を進めている最中だ。知りたかったこと、答えに繋がる切っ掛けがここに記されているはず。
凛花はお茶そっちのけで巻物に見入ってしまった。そのうちに、心の底から嬉しくなってきて、月妃らしくと貼り付けた微笑みが素のものに塗り替わってしまう。
「あら。私ったら弦月妃さまの前で失礼いたしました。この度は本当にありがとうございます! 弦月妃さま」
凛花はにっこりと、満面の笑みで弦月妃にそう言った。
嬉しそうに植栽図を撫でる凛花を横目に、弦月妃はお茶を一口だけ飲むとさっさと席を立った。植栽図を渡してしまえばもう朔月宮になど用はない。そのような感じだ。
「お忙しいところお邪魔しましたわ。ごきげんよう。朔月妃さま」
お忙しいというのは、さすがに嫌味なのだろうなと凛花も理解する。
突然の訪問だったため、弦月妃が来ていると知らない者が多数なのだ。
だから、やっと凛花直々に『星祭の準備に取り掛かるように』と申し付けられた女官たちは、宮をばたばたと行き来しているのだ。
「お騒がせしまして、失礼いたしました」
「……星祭の準備かしら?」
「はい。徐々に進めているところです」
すると、弦月妃が扇の裏側でクスリと笑った。
「わたくしも祈念舞のお稽古で忙しいの。朔月妃さまも、わたくしの舞を楽しみにしてくださると嬉しいわ」
「ええ。お忙しい中ありがとうございました」
(弦月妃さまも忙しかったのか。それなのにわざわざ植栽図を手渡しに来てくれて……ああ、貴重なものだと理解してのことかもしれない。高飛車だし疑惑はあるけど、真実悪人ではないのかも)
弦月宮から保護した明明の今後のことも思うと、そうであってほしいと凛花は思った――のだが。弦月妃は不愉快だという顔で凛花を一瞥すると、紅梅色の衣をひるがえし、足早に朔月宮を去っていった。
突然笑みを消し歪められた顔に、凛花は『何かやらかしたのでは?』と思う。
「……ねえ? 麗麗。私、何か失言したかしら」
「はい。凛花さまにはまだお教えしておりませんでしたが、星祭での祈念舞と祝詞の奏上は、望月妃、もしくはその候補となる寵姫のお役目なのだそうです」
『わたくしの舞を楽しみにしてくださると嬉しいわ』
弦月妃のあの言葉は、自分が望月妃候補だと言っていたのだ。
「ああ、あれはそういう意味だったのね」
「はい。寵姫として知られている凛花さまに対して、まったく失礼な方です。ですが……」
麗麗はぷっと噴き出す。
「いい返しでしたね、凛花さま」
「本当ね。変な返しをしなくてよかったわ」
先程の凛花の言葉は、『無駄なお稽古をしているのね? ご苦労さま』と嫌味を言ったようなものだ。失言といえば失言だが、今回は無難に『お忙しい中ありがとうございました』と返して正解だった。
含まれている意味が推察できない時には、できるだけ言葉少なくするに限る。
もしさっき、『楽しみにしております』と凛花が言ったなら、弦月妃が祈念舞を舞うことを認めたとみなされたかもしれない。『やれるものならやってみろ』という挑発にも取られたかもしれないが。
「あー……後宮って難しいわね」
少し気が沈んでしまう。やっぱりこういうやり取りは神経を削るし、凛花には向いていない。心に繊細とは言えない虎を飼っているので。
「よし。こういう時は気晴らし! 麗麗、ちょっとだけ小花園を見に行ってもいい? せっかく植栽図が手に入ったんだもの、少しだけ調査したいの」
今、小花園では明明を筆頭に、薬草や野草、畑仕事に親しみのある宮女たちが作業をしているはずだ。
そろそろ八つ刻だ。労いがてら、お茶とお菓子を差し入れるのもいいだろう。
「ええ。私も気分転換がしたいと思っていたところでした」
麗麗は頷くと『ん~っ!』と腕を伸ばし、ニカリと笑った。
◆◆◆
明明は汗を拭い、フゥと息を吐いた。
薄い日射しの中、小花園で働いているのは明明を筆頭に五人ほど。皆、平民出身の宮女たちだ。薬草の知識があったり、畑仕事に慣れている者をと募ったのは、主である凛花だ。
「だいぶスッキリしてきたかしら」
明明は被った笠の、大きなひさしの陰から顔を上げ小花園を見渡した。
今は少しずつ人を増やし、繁殖している植物を調べ、余分な分を間引き整備している最中だ。しかし手を付け始めたのが春で、今は初夏。植物たちが一番茂るいい時期とも重なって、作業は一進一退だ。
「……いい匂い」
明明は草の香りを目一杯に吸い、深呼吸をする。ああ、少し青臭くて清々しい大好きな匂いだ。明明はそう思い微笑む。
少し前までいた……というか、ほとんど閉じ込められ酷使されていた弦月宮とは大違いの環境だ。同じ月妃でも、人柄と配下への待遇がこうも違うものかと今も驚く。
正式な所属は大書庫となっているが、明明の主は朔月宮の凛花だ。
「よし、もうちょっと頑張ろ――」
「――皆! 休憩にしてください!」
その声にハッと後ろを振り向くと、明明たちと同じく笠を被り細袴を穿いた、凛花と麗麗がいた。
◆◆◆
小花園の四阿で、薬草畑を眺めながらのお茶の時間だ。普通では考えられないが、同じ板の間に凛花と宮女が座り菓子を摘まんでいる。
最初は畏れ多いと地べたに平伏した宮女たちだったが、凛花が『私、故郷ではいつもこうだったのよ? 同じ畑で働く私たちは、ここでは仲間でしょう?』とあっけらかんとした顔で言い、裸足で地べたに降り、宮女の土で汚れた手を取った。それから、ここでは身分の上下はなし。『仲間』として仕事をし、お八つを楽しむ。
「明明、仕事の進み具合はどう?」
「はい! 雑草の駆除は大体終わりましたが、この陽気ですのでまぁ……いたちごっこですね。繁殖力が強すぎる薬草は一旦大幅に刈り、貴重と思われるものは鉢へ移したり、仮の畑へ移動させてます」
報告しながらぽりぽり摘まんでいるのは、米粉の揚げ菓子だ。まとわせてある水飴の甘さが疲れに沁みる。
「なるほど。意外と面白い薬草が残っているのね。ここの土地に合ってるのかな……?」
凛花は明明が記していた図を覗きながら、冷茶を一飲みする。そしてうずうずした様子の宮女たちに微笑むと、「皆も何か気付いたことはある? 遠慮なく教えてちょうだいね」と言った。
それを合図に、皆は順番に凛花に話しかけ始める。
「朔月妃さま、あちらのほうに蜂の巣を見つけました。きっと植物の育成を助けてくれるでしょう」
「朔月妃さま、一部、土の具合が気になるところがございました」
「朔月妃さま、あちらの茂みに実のなる木を見つけました」
「朔月妃さま、食材としても使える芋類がございました! 美味しそうです!」
「へえ! どれも気になる……もう少し人を増やして調査したいところね。明明は? 報告書はあとで読ませてもらうけど、他に何か気になることはなかった?」
その言葉に、明明はそっと口を開いた。
「実は先程……数名の宦官が視察に参りました。その後、何故か神月殿の月官まで来まして……。あ、月官はもちろん女性でしたので、皆に危険はございませんでした。どちらも特に何かを聞かれたり、調査していたような様子はなかったのですが……」
「宦官と月官が?」
なんだその組み合わせは。別々に来たとはいえ、同日に顔を見せたことなどない者たちが急に訪れたのは気になる。
「麗麗、どう思う?」
凛花はすぐそこで素振りをしている侍女に意見を求めた。麗麗は元神月殿の人間だ。自分よりも宮中や月官のことを理解しているはず。
「そうですね……何か企んでると思いますが、申し訳ございません。私には見当は付きません!」
きっぱりとそう言った。
予想通りの答えだったので、がっかりはしないが苦笑が漏れた。
だが凛花は、麗麗のこんなところが好きだ。裏表で顔を使い分ける者ばかりの後宮で、麗麗のような実直な侍女は貴重だし、一緒にいて心地よい。まあ、こういう場面であまり期待できないのは残念ではあるが。
「やっぱり、『植栽図』と何か関係があるのかな」
弦月妃から突然譲り受けた、あの小花園の植栽図だ。小花園は宦官の管轄であり、凛花が管理を任された今も厳密には宦官の管轄内ではある。
宦官と弦月妃。両者に何らかの思惑がないとは考え難い。だが月官は……?
「凛花さま。月官といえば、神月殿にも薬草園がございます。もしかしたらその繋がりで視察に訪れたのでは……?」
「そうね。皇都・天満の神月殿は、国一番の薬師がいる薬院ですものね」
その可能性はある。
埋もれていた『望月妃の小花園』の整備が始まったと聞けば、薬草を扱う者なら気になって当然だ。
凛花もここを譲り受けた際に、この小花園とここを拓いた望月妃のことを調べてみた。すると望月妃の逸話が色々残っていたのだ。
その望月妃は少し変わった妃だったようで、薬草を使うことに秀で、皇帝の寵愛を一身に受けていたらしい。こんな薬草園を作ることを許されていたのだから、それはそうだろう。
「あの……植栽図が手に入ったのですか? 凛花さま」
「ああ、そうなのよ明明。あとで明明と、老師にも見ていただこうと思ってるの」
「それはいいですね! 黄老師も小花園の調査をしたがっておられましたし、主上に許可をお願いしてはどうでしょう?」
「そうね。一度書庫で植栽図と、明明が調査してくれた図とを見比べて、これからの畑づくりを考えましょう!」
宦官と月官のことは考えても分からない。ひとまず動向に注意をしておくと、凛花は不安げな明明たちにそう告げた。
(月官のことは朱歌さまに相談してみようかな……?)
例の騒動後、凛花は暁月妃・朱歌とも友誼を結んだ。今では薄月妃・霜珠と三人でお茶会をする仲だ。
宦官については、老師に相談するしかないだろう。
小花園は、本来は望月妃のものだ。管理をする者がいなかったため、宦官の管轄になっているに過ぎないが、譲り受けた凛花も望月妃ではない。ただの寵姫だ。
(小花園の権利がちょっと不安定よね……。寵姫らしく主上におねだりして正式に譲り受けることはできるだろうけど……)
あまりしたくないなあ。凛花はそう思った。
おねだりするのが恥ずかしいわけではない。こんなに素晴らしい薬草畑のためなら、羞恥を押しておねだりくらいできるが――
(そんな風に道理を曲げ手に入れたものは、宦官や他の月妃との間に軋轢を生むかもしれない)
いつか望月妃になる決意ができた時に、困るようなことは避けたい。
――と、そう思ったところで、凛花はじわりと頬を朱に染めた。
(やだ。望月妃になったら……って思っちゃった)
紫曄や周囲に望まれても、色々と理由を付けてはぐらかしていた望月妃の位だったが、いま何も考えずに思ってしまったのだ。もしも、いつか望月妃になったら、と。
それは多分、凛花の素直な心が紫曄の隣にいたいと欲しているからだ。凛花はそんな気持ちを自覚して、熱くなった頬を手で扇ぐ。
「……さて。私も少し畑を見回ろうかな」
今は紫曄のことより薬草だ!
凛花は菓子でべた付いた指をこっそりペロと舐め、笠を被った。日除けの笠ではあるが、もうしばらくすれば陽はゆるゆると傾いていく。本当はじっくり見回りたいが、今日のところは我慢。
「ざっとでも植栽図と照らし合わせたいし……。そうね、奥まった所を見てみよう」
明明の調査図にはまだいくつかの空白地帯がある。
植物がうっそうと茂って林のようになっている場所や、畑の少し奥に立ち並ぶ樹木、どういう意図からか分からない、点在している小さな畑なども未調査だ。
「凛花さま、ご一緒します!」
「明明。ありがとう」
そういえば麗麗はどこに行ったのか? と、周囲を見回すと、宮女たちに囲まれた麗麗が朽ちた倒木を抜いていた。たまにしかここへ来ない麗麗は力仕事担当なのだ。
「そうそう、凛花さま。あの蔓だらけの林、天星花でした!」
「天星花?」
「はい! 今は蕾が開き始めたところです」
天星花とは、星祭で飾りとして使われる植物だ。
藤によく似た花だが、花弁の先端が尖っていて、花の形が星に似ているので天星花と呼ばれている。白や薄紅、淡い紫、濃い青色と様々な色があるのも飾りとして人気の理由だ。
花は初夏から夏の終わりまで楽しめ、切っても長持ちする。それから蔓の部分は、しなやかなので加工にも向いている。祭りの時期には花冠の要領で輪っかにし、そこら中に飾られるので街中が華やかになるものだ。
「でも、天星花には何の薬効もないと思ったけど……。明明は何か知ってる?」
「いえ、私も薬効はないものと教えられました。よく似た別の植物なんでしょうか?」
さて、それはどうだろう。心当たりはないが、とりあえず見てみるか……と、凛花はその蔓林へ向かった。
「本当ね、天星花だ。う~ん……? 星祭で大量に使うために植えたとか?」
それとも『望月妃の薬草園』の象徴として植えられたのか? それにしては奥まった場所だが、『星』は月妃を表すとも聞いたし、そうかもしれない。
「それにしたって、ぐっちゃぐちゃね? 天星花用の棚が必要ね」
「はい。蔓が絡んでいるこの木も切らないといけませんね。お茶の木かな? とも思ったんですけど……何でしょう?」
「うぅ~ん……? 私たちだけじゃはっきり分かりそうにないわね。老師に相談して、庭師を紹介してもらいましょう」
この木と蔓の奥はどうなっているのだろう? 凛花はそう思い、地面に顔をつけるようにして木々の間から覗き見る。すると、朽ち果てた小さな屋根が見えた。
「……四阿かな? 祠か何かかも?」
「あら、そんなものがありましたか。何かお祀りしていたのなら、ここを優先的に綺麗にするべきでしたね」
失敗した~! と明明も地面にへばりつき奥を覗く。
「薬草園だし、神農か瑶姫か……」
月魄国は月の女神を崇めているが、その他にも神は様々祀られている。
農業の神、薬草の神、鍛冶の神や酒の神などもいる。後宮の薬草園という場所を考えれば、女性であり『満薬草』という万能の薬草創造の伝説を持つ、瑶姫の可能性が高そうだ。
「あっ……? 凛花さま、ちょっとこちらへ来てください!」
そのまま地面から観察を続けていた明明が、慌てた様子で凛花を呼んだ。木々の合間から伸びていた植物を手にした明明は、険しい顔をしていた。
「どうかした? 明明」
「これ……」
何故か背で隠すようにして、明明はその植物を凛花に見せた。
「……『骨芙蓉』?」
まさかと思いつつ、頭に浮かんだその名を凛花は口にした。
芙蓉に似たその花は白く可憐だが、花弁の裏側を見てみると真っ黒だった。これは骨芙蓉の最も分かりやすい特徴だ。それから『実をつけずに朽ちる』という特徴もあり、縁起が悪いと嫌われている。なんとも気の毒な花だ。
だが、この花の特性はこれだけではない。
「うちの実家でも扱っていたので、多分間違いありません。……後宮にあるはずのない薬草です」
骨芙蓉は、加工すれば避妊薬となる薬草。そして根は、堕胎薬にもなる猛毒だ。
「後宮では禁忌の薬ね……」
これはまずい。
こんなものを栽培していると知れたなら、罰されるのは確実だ。
「明明、大至急『骨芙蓉』の駆除を。隅々まで調べてちょうだい」
「はい。かしこまりました」
険しい顔で頷き合う二人の背後では、宮女たちの『きゃー!』『麗麗姐さま素敵!』と楽しそうな声が上がっていた。振り向くと、麗麗が五本目の朽ち木を抜き、天高く掲げたところだった。逞しさが眩しい。
「麗麗姐さまって?」
「麗麗さんって頼りになるんで、最近そう呼ぶ子が多いんです」
明明がクスッと笑って言うと、ふとこちら側を見た麗麗が「あっ!」と口を開け頬を真っ赤に染めた。『麗麗姐』と呼ばれ、得意顔で力自慢をしていた場面を主に見られてしまった……! と、慌てて朽ち木を背中に隠すが時すでに遅し。
凛花は「あはは!」と笑い、自慢の侍女に手を振った。
その後も、明明と二人で周囲に他におかしな薬草はないかと調べていた。すると意外なものを見つけた。
草で埋もれた石畳……の、道だ。
目で辿っていくと、どうやらあの天星花の蔓林の奥に伸びているよう。
「怪しいなあ」
この一帯は、小花園でも特別な場所なのかもしれない。よく調査をしなければ。凛花はそう思い、しかし少々面倒なことになりそうだと、足下に向けて溜息を落とした。
「あら? こんなところに百薬草が? どこかから種が飛ばされてきたのかな……?」
百薬草はどこにでもよくある薬草だ。使い勝手がよく、様々な症状に効く薬を作れるため『百薬草』という名が付けられた。
(でも、これも調合によっては……)
月経不順を整えるなど、後宮にとって有益な薬にもなるが、これも避妊薬にもできるのだ。少々面倒な加工が必要になるし、百薬草は本当に何にでも使える上にありふれたもの。さすがにこれは禁止薬草ではないはずだ。
「明明、『百薬草』の分布も一緒に調べてくれる?」
「『百薬草』ですか? それならあっちに群生してましたけど……あら、こんなところにも生えていたんですね」
「そうみたい。これは問題ないと思うけど、あれがあった以上、百薬草も報告しないわけにはいかないわ」
「わたくし、祖父よりこちらの図を借りておりましたの。ですが、 薬草に詳しくないわたくしが持っていても宝の持ち腐れ。それならば『薬草姫』と名高い朔月妃さまに……と、急ぎお持ちしましたの」
訪問は嫌がらせでも、無礼を働こうとしたわけではないのよ? と弦月妃が微笑む。それこそ、そういうつもりだったと言っているようなものだが、凛花は何も言わずににっこりと微笑み返す。
「お気遣いいただきありがとうございます。大切に使わせていただきます。弦月妃さま」
(まあいいか! 何か魂胆があろうが嫌がらせだろうが、ずっと欲しかった植栽図が手に入ったんだもの!)
小花園の植栽図など、あの薬草園の価値が分からない者にとっては、取るに足らないがらくただろう。だが、凛花にとってはまさに宝物、宝の地図だ。
(ああ、どんなものを植えていたのだろう? どんな風に薬草園を作り、どのような管理をしていたのだろう?)
小花園は調査をしながら、少しずつ整備を進めている最中だ。知りたかったこと、答えに繋がる切っ掛けがここに記されているはず。
凛花はお茶そっちのけで巻物に見入ってしまった。そのうちに、心の底から嬉しくなってきて、月妃らしくと貼り付けた微笑みが素のものに塗り替わってしまう。
「あら。私ったら弦月妃さまの前で失礼いたしました。この度は本当にありがとうございます! 弦月妃さま」
凛花はにっこりと、満面の笑みで弦月妃にそう言った。
嬉しそうに植栽図を撫でる凛花を横目に、弦月妃はお茶を一口だけ飲むとさっさと席を立った。植栽図を渡してしまえばもう朔月宮になど用はない。そのような感じだ。
「お忙しいところお邪魔しましたわ。ごきげんよう。朔月妃さま」
お忙しいというのは、さすがに嫌味なのだろうなと凛花も理解する。
突然の訪問だったため、弦月妃が来ていると知らない者が多数なのだ。
だから、やっと凛花直々に『星祭の準備に取り掛かるように』と申し付けられた女官たちは、宮をばたばたと行き来しているのだ。
「お騒がせしまして、失礼いたしました」
「……星祭の準備かしら?」
「はい。徐々に進めているところです」
すると、弦月妃が扇の裏側でクスリと笑った。
「わたくしも祈念舞のお稽古で忙しいの。朔月妃さまも、わたくしの舞を楽しみにしてくださると嬉しいわ」
「ええ。お忙しい中ありがとうございました」
(弦月妃さまも忙しかったのか。それなのにわざわざ植栽図を手渡しに来てくれて……ああ、貴重なものだと理解してのことかもしれない。高飛車だし疑惑はあるけど、真実悪人ではないのかも)
弦月宮から保護した明明の今後のことも思うと、そうであってほしいと凛花は思った――のだが。弦月妃は不愉快だという顔で凛花を一瞥すると、紅梅色の衣をひるがえし、足早に朔月宮を去っていった。
突然笑みを消し歪められた顔に、凛花は『何かやらかしたのでは?』と思う。
「……ねえ? 麗麗。私、何か失言したかしら」
「はい。凛花さまにはまだお教えしておりませんでしたが、星祭での祈念舞と祝詞の奏上は、望月妃、もしくはその候補となる寵姫のお役目なのだそうです」
『わたくしの舞を楽しみにしてくださると嬉しいわ』
弦月妃のあの言葉は、自分が望月妃候補だと言っていたのだ。
「ああ、あれはそういう意味だったのね」
「はい。寵姫として知られている凛花さまに対して、まったく失礼な方です。ですが……」
麗麗はぷっと噴き出す。
「いい返しでしたね、凛花さま」
「本当ね。変な返しをしなくてよかったわ」
先程の凛花の言葉は、『無駄なお稽古をしているのね? ご苦労さま』と嫌味を言ったようなものだ。失言といえば失言だが、今回は無難に『お忙しい中ありがとうございました』と返して正解だった。
含まれている意味が推察できない時には、できるだけ言葉少なくするに限る。
もしさっき、『楽しみにしております』と凛花が言ったなら、弦月妃が祈念舞を舞うことを認めたとみなされたかもしれない。『やれるものならやってみろ』という挑発にも取られたかもしれないが。
「あー……後宮って難しいわね」
少し気が沈んでしまう。やっぱりこういうやり取りは神経を削るし、凛花には向いていない。心に繊細とは言えない虎を飼っているので。
「よし。こういう時は気晴らし! 麗麗、ちょっとだけ小花園を見に行ってもいい? せっかく植栽図が手に入ったんだもの、少しだけ調査したいの」
今、小花園では明明を筆頭に、薬草や野草、畑仕事に親しみのある宮女たちが作業をしているはずだ。
そろそろ八つ刻だ。労いがてら、お茶とお菓子を差し入れるのもいいだろう。
「ええ。私も気分転換がしたいと思っていたところでした」
麗麗は頷くと『ん~っ!』と腕を伸ばし、ニカリと笑った。
◆◆◆
明明は汗を拭い、フゥと息を吐いた。
薄い日射しの中、小花園で働いているのは明明を筆頭に五人ほど。皆、平民出身の宮女たちだ。薬草の知識があったり、畑仕事に慣れている者をと募ったのは、主である凛花だ。
「だいぶスッキリしてきたかしら」
明明は被った笠の、大きなひさしの陰から顔を上げ小花園を見渡した。
今は少しずつ人を増やし、繁殖している植物を調べ、余分な分を間引き整備している最中だ。しかし手を付け始めたのが春で、今は初夏。植物たちが一番茂るいい時期とも重なって、作業は一進一退だ。
「……いい匂い」
明明は草の香りを目一杯に吸い、深呼吸をする。ああ、少し青臭くて清々しい大好きな匂いだ。明明はそう思い微笑む。
少し前までいた……というか、ほとんど閉じ込められ酷使されていた弦月宮とは大違いの環境だ。同じ月妃でも、人柄と配下への待遇がこうも違うものかと今も驚く。
正式な所属は大書庫となっているが、明明の主は朔月宮の凛花だ。
「よし、もうちょっと頑張ろ――」
「――皆! 休憩にしてください!」
その声にハッと後ろを振り向くと、明明たちと同じく笠を被り細袴を穿いた、凛花と麗麗がいた。
◆◆◆
小花園の四阿で、薬草畑を眺めながらのお茶の時間だ。普通では考えられないが、同じ板の間に凛花と宮女が座り菓子を摘まんでいる。
最初は畏れ多いと地べたに平伏した宮女たちだったが、凛花が『私、故郷ではいつもこうだったのよ? 同じ畑で働く私たちは、ここでは仲間でしょう?』とあっけらかんとした顔で言い、裸足で地べたに降り、宮女の土で汚れた手を取った。それから、ここでは身分の上下はなし。『仲間』として仕事をし、お八つを楽しむ。
「明明、仕事の進み具合はどう?」
「はい! 雑草の駆除は大体終わりましたが、この陽気ですのでまぁ……いたちごっこですね。繁殖力が強すぎる薬草は一旦大幅に刈り、貴重と思われるものは鉢へ移したり、仮の畑へ移動させてます」
報告しながらぽりぽり摘まんでいるのは、米粉の揚げ菓子だ。まとわせてある水飴の甘さが疲れに沁みる。
「なるほど。意外と面白い薬草が残っているのね。ここの土地に合ってるのかな……?」
凛花は明明が記していた図を覗きながら、冷茶を一飲みする。そしてうずうずした様子の宮女たちに微笑むと、「皆も何か気付いたことはある? 遠慮なく教えてちょうだいね」と言った。
それを合図に、皆は順番に凛花に話しかけ始める。
「朔月妃さま、あちらのほうに蜂の巣を見つけました。きっと植物の育成を助けてくれるでしょう」
「朔月妃さま、一部、土の具合が気になるところがございました」
「朔月妃さま、あちらの茂みに実のなる木を見つけました」
「朔月妃さま、食材としても使える芋類がございました! 美味しそうです!」
「へえ! どれも気になる……もう少し人を増やして調査したいところね。明明は? 報告書はあとで読ませてもらうけど、他に何か気になることはなかった?」
その言葉に、明明はそっと口を開いた。
「実は先程……数名の宦官が視察に参りました。その後、何故か神月殿の月官まで来まして……。あ、月官はもちろん女性でしたので、皆に危険はございませんでした。どちらも特に何かを聞かれたり、調査していたような様子はなかったのですが……」
「宦官と月官が?」
なんだその組み合わせは。別々に来たとはいえ、同日に顔を見せたことなどない者たちが急に訪れたのは気になる。
「麗麗、どう思う?」
凛花はすぐそこで素振りをしている侍女に意見を求めた。麗麗は元神月殿の人間だ。自分よりも宮中や月官のことを理解しているはず。
「そうですね……何か企んでると思いますが、申し訳ございません。私には見当は付きません!」
きっぱりとそう言った。
予想通りの答えだったので、がっかりはしないが苦笑が漏れた。
だが凛花は、麗麗のこんなところが好きだ。裏表で顔を使い分ける者ばかりの後宮で、麗麗のような実直な侍女は貴重だし、一緒にいて心地よい。まあ、こういう場面であまり期待できないのは残念ではあるが。
「やっぱり、『植栽図』と何か関係があるのかな」
弦月妃から突然譲り受けた、あの小花園の植栽図だ。小花園は宦官の管轄であり、凛花が管理を任された今も厳密には宦官の管轄内ではある。
宦官と弦月妃。両者に何らかの思惑がないとは考え難い。だが月官は……?
「凛花さま。月官といえば、神月殿にも薬草園がございます。もしかしたらその繋がりで視察に訪れたのでは……?」
「そうね。皇都・天満の神月殿は、国一番の薬師がいる薬院ですものね」
その可能性はある。
埋もれていた『望月妃の小花園』の整備が始まったと聞けば、薬草を扱う者なら気になって当然だ。
凛花もここを譲り受けた際に、この小花園とここを拓いた望月妃のことを調べてみた。すると望月妃の逸話が色々残っていたのだ。
その望月妃は少し変わった妃だったようで、薬草を使うことに秀で、皇帝の寵愛を一身に受けていたらしい。こんな薬草園を作ることを許されていたのだから、それはそうだろう。
「あの……植栽図が手に入ったのですか? 凛花さま」
「ああ、そうなのよ明明。あとで明明と、老師にも見ていただこうと思ってるの」
「それはいいですね! 黄老師も小花園の調査をしたがっておられましたし、主上に許可をお願いしてはどうでしょう?」
「そうね。一度書庫で植栽図と、明明が調査してくれた図とを見比べて、これからの畑づくりを考えましょう!」
宦官と月官のことは考えても分からない。ひとまず動向に注意をしておくと、凛花は不安げな明明たちにそう告げた。
(月官のことは朱歌さまに相談してみようかな……?)
例の騒動後、凛花は暁月妃・朱歌とも友誼を結んだ。今では薄月妃・霜珠と三人でお茶会をする仲だ。
宦官については、老師に相談するしかないだろう。
小花園は、本来は望月妃のものだ。管理をする者がいなかったため、宦官の管轄になっているに過ぎないが、譲り受けた凛花も望月妃ではない。ただの寵姫だ。
(小花園の権利がちょっと不安定よね……。寵姫らしく主上におねだりして正式に譲り受けることはできるだろうけど……)
あまりしたくないなあ。凛花はそう思った。
おねだりするのが恥ずかしいわけではない。こんなに素晴らしい薬草畑のためなら、羞恥を押しておねだりくらいできるが――
(そんな風に道理を曲げ手に入れたものは、宦官や他の月妃との間に軋轢を生むかもしれない)
いつか望月妃になる決意ができた時に、困るようなことは避けたい。
――と、そう思ったところで、凛花はじわりと頬を朱に染めた。
(やだ。望月妃になったら……って思っちゃった)
紫曄や周囲に望まれても、色々と理由を付けてはぐらかしていた望月妃の位だったが、いま何も考えずに思ってしまったのだ。もしも、いつか望月妃になったら、と。
それは多分、凛花の素直な心が紫曄の隣にいたいと欲しているからだ。凛花はそんな気持ちを自覚して、熱くなった頬を手で扇ぐ。
「……さて。私も少し畑を見回ろうかな」
今は紫曄のことより薬草だ!
凛花は菓子でべた付いた指をこっそりペロと舐め、笠を被った。日除けの笠ではあるが、もうしばらくすれば陽はゆるゆると傾いていく。本当はじっくり見回りたいが、今日のところは我慢。
「ざっとでも植栽図と照らし合わせたいし……。そうね、奥まった所を見てみよう」
明明の調査図にはまだいくつかの空白地帯がある。
植物がうっそうと茂って林のようになっている場所や、畑の少し奥に立ち並ぶ樹木、どういう意図からか分からない、点在している小さな畑なども未調査だ。
「凛花さま、ご一緒します!」
「明明。ありがとう」
そういえば麗麗はどこに行ったのか? と、周囲を見回すと、宮女たちに囲まれた麗麗が朽ちた倒木を抜いていた。たまにしかここへ来ない麗麗は力仕事担当なのだ。
「そうそう、凛花さま。あの蔓だらけの林、天星花でした!」
「天星花?」
「はい! 今は蕾が開き始めたところです」
天星花とは、星祭で飾りとして使われる植物だ。
藤によく似た花だが、花弁の先端が尖っていて、花の形が星に似ているので天星花と呼ばれている。白や薄紅、淡い紫、濃い青色と様々な色があるのも飾りとして人気の理由だ。
花は初夏から夏の終わりまで楽しめ、切っても長持ちする。それから蔓の部分は、しなやかなので加工にも向いている。祭りの時期には花冠の要領で輪っかにし、そこら中に飾られるので街中が華やかになるものだ。
「でも、天星花には何の薬効もないと思ったけど……。明明は何か知ってる?」
「いえ、私も薬効はないものと教えられました。よく似た別の植物なんでしょうか?」
さて、それはどうだろう。心当たりはないが、とりあえず見てみるか……と、凛花はその蔓林へ向かった。
「本当ね、天星花だ。う~ん……? 星祭で大量に使うために植えたとか?」
それとも『望月妃の薬草園』の象徴として植えられたのか? それにしては奥まった場所だが、『星』は月妃を表すとも聞いたし、そうかもしれない。
「それにしたって、ぐっちゃぐちゃね? 天星花用の棚が必要ね」
「はい。蔓が絡んでいるこの木も切らないといけませんね。お茶の木かな? とも思ったんですけど……何でしょう?」
「うぅ~ん……? 私たちだけじゃはっきり分かりそうにないわね。老師に相談して、庭師を紹介してもらいましょう」
この木と蔓の奥はどうなっているのだろう? 凛花はそう思い、地面に顔をつけるようにして木々の間から覗き見る。すると、朽ち果てた小さな屋根が見えた。
「……四阿かな? 祠か何かかも?」
「あら、そんなものがありましたか。何かお祀りしていたのなら、ここを優先的に綺麗にするべきでしたね」
失敗した~! と明明も地面にへばりつき奥を覗く。
「薬草園だし、神農か瑶姫か……」
月魄国は月の女神を崇めているが、その他にも神は様々祀られている。
農業の神、薬草の神、鍛冶の神や酒の神などもいる。後宮の薬草園という場所を考えれば、女性であり『満薬草』という万能の薬草創造の伝説を持つ、瑶姫の可能性が高そうだ。
「あっ……? 凛花さま、ちょっとこちらへ来てください!」
そのまま地面から観察を続けていた明明が、慌てた様子で凛花を呼んだ。木々の合間から伸びていた植物を手にした明明は、険しい顔をしていた。
「どうかした? 明明」
「これ……」
何故か背で隠すようにして、明明はその植物を凛花に見せた。
「……『骨芙蓉』?」
まさかと思いつつ、頭に浮かんだその名を凛花は口にした。
芙蓉に似たその花は白く可憐だが、花弁の裏側を見てみると真っ黒だった。これは骨芙蓉の最も分かりやすい特徴だ。それから『実をつけずに朽ちる』という特徴もあり、縁起が悪いと嫌われている。なんとも気の毒な花だ。
だが、この花の特性はこれだけではない。
「うちの実家でも扱っていたので、多分間違いありません。……後宮にあるはずのない薬草です」
骨芙蓉は、加工すれば避妊薬となる薬草。そして根は、堕胎薬にもなる猛毒だ。
「後宮では禁忌の薬ね……」
これはまずい。
こんなものを栽培していると知れたなら、罰されるのは確実だ。
「明明、大至急『骨芙蓉』の駆除を。隅々まで調べてちょうだい」
「はい。かしこまりました」
険しい顔で頷き合う二人の背後では、宮女たちの『きゃー!』『麗麗姐さま素敵!』と楽しそうな声が上がっていた。振り向くと、麗麗が五本目の朽ち木を抜き、天高く掲げたところだった。逞しさが眩しい。
「麗麗姐さまって?」
「麗麗さんって頼りになるんで、最近そう呼ぶ子が多いんです」
明明がクスッと笑って言うと、ふとこちら側を見た麗麗が「あっ!」と口を開け頬を真っ赤に染めた。『麗麗姐』と呼ばれ、得意顔で力自慢をしていた場面を主に見られてしまった……! と、慌てて朽ち木を背中に隠すが時すでに遅し。
凛花は「あはは!」と笑い、自慢の侍女に手を振った。
その後も、明明と二人で周囲に他におかしな薬草はないかと調べていた。すると意外なものを見つけた。
草で埋もれた石畳……の、道だ。
目で辿っていくと、どうやらあの天星花の蔓林の奥に伸びているよう。
「怪しいなあ」
この一帯は、小花園でも特別な場所なのかもしれない。よく調査をしなければ。凛花はそう思い、しかし少々面倒なことになりそうだと、足下に向けて溜息を落とした。
「あら? こんなところに百薬草が? どこかから種が飛ばされてきたのかな……?」
百薬草はどこにでもよくある薬草だ。使い勝手がよく、様々な症状に効く薬を作れるため『百薬草』という名が付けられた。
(でも、これも調合によっては……)
月経不順を整えるなど、後宮にとって有益な薬にもなるが、これも避妊薬にもできるのだ。少々面倒な加工が必要になるし、百薬草は本当に何にでも使える上にありふれたもの。さすがにこれは禁止薬草ではないはずだ。
「明明、『百薬草』の分布も一緒に調べてくれる?」
「『百薬草』ですか? それならあっちに群生してましたけど……あら、こんなところにも生えていたんですね」
「そうみたい。これは問題ないと思うけど、あれがあった以上、百薬草も報告しないわけにはいかないわ」
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