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第1話 半透明人間
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影が薄い半透明人間。
それが彼の一番の特徴だ。
栗原第三高校
栗原町一の優秀学校
この学校に通う生徒はあらゆる面で優れている。その生徒たちから注目を浴びている存在がいるのだが・・・
俺はたぶんこれが周りのためにあるものなんだと思う。俺が歩いても周りは誰一人として俺に気がつかない。
そう・・・・影が薄いんだ俺は。
俺の名前は鈴木大地(すずきだいち)。
平凡中の平凡。才能なんてないし、せめてをいえば友達が少ない。
そんな俺にはある悩みがある。それは、
キィッ
下足だなを開けると
「・・・またか」
なぜか手紙が入っていること。
それらにはどれも「鈴木くんへ」とかかれていて、ハートのシールで封がされている。
実はこの学校では鈴木という名字の男子全員の下足だなに同じような手紙が入っているという現象が起こっているのだ。そして、その現象の原因こそが誰あろう彼である。
ここ栗原第三高校にはある噂がながれている。
1つは鈴木という影の薄い半透明人間がいること。
そしてもう1つはその鈴木という生徒が実はイケメンだということ。
その噂によって学校じゅうの女子が今や完全に鈴木に夢中になっているのだ。
そして、当の本人はそれを別の鈴木だと思っていた。
「参ったなあ・・・この手紙どうしよう。
俺、鈴木さんのこと知らないしなぁ・・
だいたい何年生なんだ?」
(自分のことです。)
結局本人は手紙をどうすればいいか分からず教室にたどり着いた。
彼が自分の席にたどり着くと、
「よう、鈴木!」
「おはよう、武田。」
声を掛けてきたのは、鈴木の親友で、唯一鈴木をはっきり見ることができる
武田竜次(たけだりゅうじ)だ。
「今日もあったのか?」
「ああ、本当に迷惑だ。」
武田は、鈴木のために鈴木の正体が彼であるということを教えていない。
というのも鈴木は目立つことが嫌いだ。
第一、鈴木は自分がイケメンという自覚がないのだ。
「そんなことより聞いたか?
B組の内田が鈴木に告るってさ」
「へー。まぁ俺には関係ないけど。」
内田は校内で五本の指の中に入るほどの美少女だがある問題があった。
「とりあえず見に行かないか?」
「え?いや、別にいいけど。」
ということで、昼休み
校舎裏には100人を超える生徒たちがあつまっていた。
生徒たちの視線の先には、内田とその取り巻き数人。しかし、いつまで経っても鈴木が現れない。当たり前だ。本人は脇で見ている。しかも、武田以外誰にも見えていない。
「遅いな・・・」
「ああ、そうだな・・・(お前だがな)」
と、そのとき内田が
「よし、あれやるわよ」
と、いうと校内のほうに歩いていった。
「あきらめたのか?」
「単純にふられたな」
周りの野次馬たちが次々とそんなことをいって去っていく。鈴木と武田も戻ろうとしたそのときだった。
「鈴木ーーーーっ!!!!」
アナウンスが流れた。
その声は間違いなく内田のものだった。
彼女はとても過激なことをやる人間だった。
「鈴木!調子のってんじゃないわよ!
私のところに来なさいよ!」
「うわーーーーーー(かわいそうに)」
「うわーーーーーー
(鈴木がうわーーーーーーって思ってる)」
過激なのはこれだけではない
「おい!内田の取り巻きが鈴木を探しているってよ!」
しかし、過激なのはそこまで。
彼女は彼のことを甘く見すぎていた。
なぜなら彼は半透明人間。
普通の人間には簡単には見えない。
結局その後鈴木は見つからず、内田の告白は残念ながら失敗に終わった。
半透明人間。
それは存在はしているが、周りに気づかれない影の薄い人間。
そして、栗原第三高校の半透明人間鈴木大地は周りに好かれているが、本人はそれに気づいていない。
第2話に続く
それが彼の一番の特徴だ。
栗原第三高校
栗原町一の優秀学校
この学校に通う生徒はあらゆる面で優れている。その生徒たちから注目を浴びている存在がいるのだが・・・
俺はたぶんこれが周りのためにあるものなんだと思う。俺が歩いても周りは誰一人として俺に気がつかない。
そう・・・・影が薄いんだ俺は。
俺の名前は鈴木大地(すずきだいち)。
平凡中の平凡。才能なんてないし、せめてをいえば友達が少ない。
そんな俺にはある悩みがある。それは、
キィッ
下足だなを開けると
「・・・またか」
なぜか手紙が入っていること。
それらにはどれも「鈴木くんへ」とかかれていて、ハートのシールで封がされている。
実はこの学校では鈴木という名字の男子全員の下足だなに同じような手紙が入っているという現象が起こっているのだ。そして、その現象の原因こそが誰あろう彼である。
ここ栗原第三高校にはある噂がながれている。
1つは鈴木という影の薄い半透明人間がいること。
そしてもう1つはその鈴木という生徒が実はイケメンだということ。
その噂によって学校じゅうの女子が今や完全に鈴木に夢中になっているのだ。
そして、当の本人はそれを別の鈴木だと思っていた。
「参ったなあ・・・この手紙どうしよう。
俺、鈴木さんのこと知らないしなぁ・・
だいたい何年生なんだ?」
(自分のことです。)
結局本人は手紙をどうすればいいか分からず教室にたどり着いた。
彼が自分の席にたどり着くと、
「よう、鈴木!」
「おはよう、武田。」
声を掛けてきたのは、鈴木の親友で、唯一鈴木をはっきり見ることができる
武田竜次(たけだりゅうじ)だ。
「今日もあったのか?」
「ああ、本当に迷惑だ。」
武田は、鈴木のために鈴木の正体が彼であるということを教えていない。
というのも鈴木は目立つことが嫌いだ。
第一、鈴木は自分がイケメンという自覚がないのだ。
「そんなことより聞いたか?
B組の内田が鈴木に告るってさ」
「へー。まぁ俺には関係ないけど。」
内田は校内で五本の指の中に入るほどの美少女だがある問題があった。
「とりあえず見に行かないか?」
「え?いや、別にいいけど。」
ということで、昼休み
校舎裏には100人を超える生徒たちがあつまっていた。
生徒たちの視線の先には、内田とその取り巻き数人。しかし、いつまで経っても鈴木が現れない。当たり前だ。本人は脇で見ている。しかも、武田以外誰にも見えていない。
「遅いな・・・」
「ああ、そうだな・・・(お前だがな)」
と、そのとき内田が
「よし、あれやるわよ」
と、いうと校内のほうに歩いていった。
「あきらめたのか?」
「単純にふられたな」
周りの野次馬たちが次々とそんなことをいって去っていく。鈴木と武田も戻ろうとしたそのときだった。
「鈴木ーーーーっ!!!!」
アナウンスが流れた。
その声は間違いなく内田のものだった。
彼女はとても過激なことをやる人間だった。
「鈴木!調子のってんじゃないわよ!
私のところに来なさいよ!」
「うわーーーーーー(かわいそうに)」
「うわーーーーーー
(鈴木がうわーーーーーーって思ってる)」
過激なのはこれだけではない
「おい!内田の取り巻きが鈴木を探しているってよ!」
しかし、過激なのはそこまで。
彼女は彼のことを甘く見すぎていた。
なぜなら彼は半透明人間。
普通の人間には簡単には見えない。
結局その後鈴木は見つからず、内田の告白は残念ながら失敗に終わった。
半透明人間。
それは存在はしているが、周りに気づかれない影の薄い人間。
そして、栗原第三高校の半透明人間鈴木大地は周りに好かれているが、本人はそれに気づいていない。
第2話に続く
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