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オールスターゲーム
オールスター初日
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今年からオールスターゲームは2日間に渡って開催される。
初日は今年殿堂入りした往年の選手を表彰するセレモニーの他、毎年恒例のホームラン競争に、今年から新たに採用された、投手が9つに分けられたストライクゾーンのパネルに投げる、ストラックアウトという競技でスタジアムを盛り上げる。
先ずは初日。
グラウンドでは、今年殿堂入りした3名を表彰するセレモニーからスタート。
今年殿堂入りしたのは、琉球マシンガンズ一筋でプレーし、引退後は監督として初のリーグ制覇を成し遂げた、喜屋武 盛実(きゃんもりさね)
2人目は、東北マーリンズのエースとして207勝を挙げ、最優秀防御率2回、最多勝3回、奪三振王1回、シーズン最多の337奪三振を記録した、尾崎 陽光(おざきようこう)
3人目は、東京キングダムの球団社長で日本のプロ野球界にポスティングシステムを提案した池田 恒春(いけだつねはる)
表彰式では、殿堂入りのトロフィーを贈呈され、場内から盛大な拍手が送られた。
ちなみに、尾崎の長男でもある雄太(ゆうた)は現在社会人野球の名門、全日本製鉄のエースで、今年のドラフトの目玉として注目を集める。
Glanzも1位指名をする予定だ。
表彰セレモニーが終わり、ホームベースには1から9まで書かれた21cm四方のパネルが用意された。
ルールは、1ゲームの持ち球は12球。
持ち球が残りパネル数より少なくなるとゲームオーバーとなり、数多く的を射抜いたピッチャーが勝者となる。
各ラウンド形式でのトーナメント戦行われ、優勝したピッチャーには賞金100万円が贈呈される。
選ばれたピッチャーは、ネプチューンリーグでは天海、中澤、那須川、翔田、中邑、マクダウェル、与謝野、金の8人。
アポロリーグでは、小橋、梁屋、澁谷、ルーガー、山内、浦田、仁村、片岡の8人が選ばれた。
第1ラウンド初戦は、レッズの金対ドルフィンズの片岡。
金は立て続けにパネルを射抜く。
アウトコース高めから低め、インコース高めから低めと言った具合に、外側からのパネルを射抜き、コントロールの良さをアピール。
1度もミスをする事なく、あっという間に真ん中低めのパネル1枚となった。
しかし、ここから金のコントロールが狂い出す。
9球目は僅か外に外れ、10球目はコースは良かったが高めに浮いて惜しくも外れる。
11球目、力み過ぎてワンバンになり、残るは1球となった。
大きく息を吐いて最後の1球を投げた。
「あぁ~…惜しい」
ボールは内側に逸れて終了。
金は8枚を射抜いた。
今度は片岡の投球。
初球、ド真ん中と真ん中内側のパネルを同時に射抜く。
【うぉ~、スゲー】
一度に2枚を射抜いたとあって、場内は歓声に包まれた。
2球目はインハイ、3球目はアウトハイと順調に射抜く。
気を良くした片岡は、4球目にカーブを投じた。
弧を描き、ブレーキのかかったボールはアウトローギリギリでパネルに当たった。
【うぉ~、カーブで当てたぞ!】
これにはネプチューンリーグベンチからも歓声が起こる。
残るは真ん中高め、真ん中低め、アウトコースの真ん中、インコース低めの4枚。
片岡は冷静に確実に的を射る。
残る最後は真ん中高めのパネルのみとなった。
片岡はプレッシャーを楽しむかのように、最後の1球は全力のストレートを投げた。
バカーン!
【うぉ、やったパーフェクトだ!】
【スゲーっ!】
【いいぞ、片岡!】
僅か8球でパーフェクトを達成。
片岡は大観衆に手を挙げて応え、ベンチに下がった。
この先書くのが面倒臭いので、以降はダイジェストにする。
第2試合は本拠地の英雄、翔田とヤンキースのエース小橋の対決。
共にリーグを代表するピッチャーとあって、接戦を期待したのだが、翔田が僅か4枚で終了。
小橋はアウトローのパネルのみを残した8枚を射抜き、小橋が第2ラウンド進出となった。
第3試合はマシンガンズのエースルーガーと、精密機械の異名をとるレッズの与謝野の対決。
コントロールより球の威力でグイグイ押すルーガーが不利と思われたが、7枚を射抜いた。
負けじと与謝野も持ち前のコントロールで次々とパネルを射抜くが、不慣れなせいか狙った所とは僅かに外れる。
終わってみれば、ルーガー7枚 与謝野5枚でルーガーが第2ラウンド進出。
ダイジェストを書くのも面倒臭いので、とりあえず第2ラウンド進出のピッチャーは、片岡、ルーガー、小橋、マクダウェル、梁屋、中邑、天海、澁谷の8人。
第2ラウンド初戦はパーフェクトを達成した片岡と、球界最高の投手、天海の対決。
先行は天海。
速い球で次々とパネルを吹っ飛ばす。
余興とは言え、対決となれば決して手を抜かない。
ましてや好戦的な天海がおチャラけるなんて事は一切しない。
ここまでコントロールミスもせず、7枚を射抜いた。
残るはインコース高めとアウトコース低めの2枚。
「ヘヘッ、今度はオレがパーフェクトやったるわ!」
8球目は155km/hのストレートでインハイのパネルを勢いよく吹っ飛ばす。
【ゲッ、155km/hだってよ!】
【ヤッパスゲーよ、天海は!】
【天海っ、パーフェクト狙え!】
場内からあと1球コールが起こった。
「この大歓声の中でフツーに投げてもつまらんの…
ファンの声援に応えるのがプロやしなぁ」
不敵な笑みを浮かべ、天海が9球目を投げた。
アウトコースだが、高めに浮いた。
(あぁ、外れた)
と誰もがそう思った次の瞬間、ストーンとボールは落ちてアウトローのパネルを射抜いた。
【お、落ちた…】
天海はフォークで最後のパネルを当てた。
【カッコイイ!さすが天海だぜ!】
【天海ぃ~、サイコーだぜ!】
【スゲー落ちたぜ!】
あと1球コールから、天海コールへと変わった。
「ま、ざっとこんなもんや」
さも当然と言った表情でファンの声援に手を挙げて応えた。
「マジかよ…最後フォークで的に当てるなんて」
片岡は唖然とした表情のままだ。
格の違いを見せつけられた片岡は、結局天海のプレッシャーに押し潰され、6枚で第2ラウンド敗退となった。
初日は今年殿堂入りした往年の選手を表彰するセレモニーの他、毎年恒例のホームラン競争に、今年から新たに採用された、投手が9つに分けられたストライクゾーンのパネルに投げる、ストラックアウトという競技でスタジアムを盛り上げる。
先ずは初日。
グラウンドでは、今年殿堂入りした3名を表彰するセレモニーからスタート。
今年殿堂入りしたのは、琉球マシンガンズ一筋でプレーし、引退後は監督として初のリーグ制覇を成し遂げた、喜屋武 盛実(きゃんもりさね)
2人目は、東北マーリンズのエースとして207勝を挙げ、最優秀防御率2回、最多勝3回、奪三振王1回、シーズン最多の337奪三振を記録した、尾崎 陽光(おざきようこう)
3人目は、東京キングダムの球団社長で日本のプロ野球界にポスティングシステムを提案した池田 恒春(いけだつねはる)
表彰式では、殿堂入りのトロフィーを贈呈され、場内から盛大な拍手が送られた。
ちなみに、尾崎の長男でもある雄太(ゆうた)は現在社会人野球の名門、全日本製鉄のエースで、今年のドラフトの目玉として注目を集める。
Glanzも1位指名をする予定だ。
表彰セレモニーが終わり、ホームベースには1から9まで書かれた21cm四方のパネルが用意された。
ルールは、1ゲームの持ち球は12球。
持ち球が残りパネル数より少なくなるとゲームオーバーとなり、数多く的を射抜いたピッチャーが勝者となる。
各ラウンド形式でのトーナメント戦行われ、優勝したピッチャーには賞金100万円が贈呈される。
選ばれたピッチャーは、ネプチューンリーグでは天海、中澤、那須川、翔田、中邑、マクダウェル、与謝野、金の8人。
アポロリーグでは、小橋、梁屋、澁谷、ルーガー、山内、浦田、仁村、片岡の8人が選ばれた。
第1ラウンド初戦は、レッズの金対ドルフィンズの片岡。
金は立て続けにパネルを射抜く。
アウトコース高めから低め、インコース高めから低めと言った具合に、外側からのパネルを射抜き、コントロールの良さをアピール。
1度もミスをする事なく、あっという間に真ん中低めのパネル1枚となった。
しかし、ここから金のコントロールが狂い出す。
9球目は僅か外に外れ、10球目はコースは良かったが高めに浮いて惜しくも外れる。
11球目、力み過ぎてワンバンになり、残るは1球となった。
大きく息を吐いて最後の1球を投げた。
「あぁ~…惜しい」
ボールは内側に逸れて終了。
金は8枚を射抜いた。
今度は片岡の投球。
初球、ド真ん中と真ん中内側のパネルを同時に射抜く。
【うぉ~、スゲー】
一度に2枚を射抜いたとあって、場内は歓声に包まれた。
2球目はインハイ、3球目はアウトハイと順調に射抜く。
気を良くした片岡は、4球目にカーブを投じた。
弧を描き、ブレーキのかかったボールはアウトローギリギリでパネルに当たった。
【うぉ~、カーブで当てたぞ!】
これにはネプチューンリーグベンチからも歓声が起こる。
残るは真ん中高め、真ん中低め、アウトコースの真ん中、インコース低めの4枚。
片岡は冷静に確実に的を射る。
残る最後は真ん中高めのパネルのみとなった。
片岡はプレッシャーを楽しむかのように、最後の1球は全力のストレートを投げた。
バカーン!
【うぉ、やったパーフェクトだ!】
【スゲーっ!】
【いいぞ、片岡!】
僅か8球でパーフェクトを達成。
片岡は大観衆に手を挙げて応え、ベンチに下がった。
この先書くのが面倒臭いので、以降はダイジェストにする。
第2試合は本拠地の英雄、翔田とヤンキースのエース小橋の対決。
共にリーグを代表するピッチャーとあって、接戦を期待したのだが、翔田が僅か4枚で終了。
小橋はアウトローのパネルのみを残した8枚を射抜き、小橋が第2ラウンド進出となった。
第3試合はマシンガンズのエースルーガーと、精密機械の異名をとるレッズの与謝野の対決。
コントロールより球の威力でグイグイ押すルーガーが不利と思われたが、7枚を射抜いた。
負けじと与謝野も持ち前のコントロールで次々とパネルを射抜くが、不慣れなせいか狙った所とは僅かに外れる。
終わってみれば、ルーガー7枚 与謝野5枚でルーガーが第2ラウンド進出。
ダイジェストを書くのも面倒臭いので、とりあえず第2ラウンド進出のピッチャーは、片岡、ルーガー、小橋、マクダウェル、梁屋、中邑、天海、澁谷の8人。
第2ラウンド初戦はパーフェクトを達成した片岡と、球界最高の投手、天海の対決。
先行は天海。
速い球で次々とパネルを吹っ飛ばす。
余興とは言え、対決となれば決して手を抜かない。
ましてや好戦的な天海がおチャラけるなんて事は一切しない。
ここまでコントロールミスもせず、7枚を射抜いた。
残るはインコース高めとアウトコース低めの2枚。
「ヘヘッ、今度はオレがパーフェクトやったるわ!」
8球目は155km/hのストレートでインハイのパネルを勢いよく吹っ飛ばす。
【ゲッ、155km/hだってよ!】
【ヤッパスゲーよ、天海は!】
【天海っ、パーフェクト狙え!】
場内からあと1球コールが起こった。
「この大歓声の中でフツーに投げてもつまらんの…
ファンの声援に応えるのがプロやしなぁ」
不敵な笑みを浮かべ、天海が9球目を投げた。
アウトコースだが、高めに浮いた。
(あぁ、外れた)
と誰もがそう思った次の瞬間、ストーンとボールは落ちてアウトローのパネルを射抜いた。
【お、落ちた…】
天海はフォークで最後のパネルを当てた。
【カッコイイ!さすが天海だぜ!】
【天海ぃ~、サイコーだぜ!】
【スゲー落ちたぜ!】
あと1球コールから、天海コールへと変わった。
「ま、ざっとこんなもんや」
さも当然と言った表情でファンの声援に手を挙げて応えた。
「マジかよ…最後フォークで的に当てるなんて」
片岡は唖然とした表情のままだ。
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