The Baseball 主砲の一振 続編4

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16球団と、新しいチーム名

16チーム拡張決定!

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試合はスタートした。


東山は初回からエンジン全開。


1番比嘉をショートゴロ、2番吉川をレフトフライ、3番飛鳥を魔球ワンシームで見逃しの三振で三者凡退に抑える。


99ersの先発衛藤も毎回ランナーを出すものの、要所要所を締めるピッチングでスカイウォーカーズ打線を無得点に抑える。


ゲームが動いたのは5回の裏。


この回先頭の城戸がライト線を破る二塁打で出塁。


続く秋山はセンター前のヒットで城戸が一気にホームイン。


99ersが先取点を挙げた。


スカイウォーカーズも7回の表にランナー二塁という場面で、石川が衛藤のストレートをレフトスタンド上段に飛び込む第14号ツーランで逆転に成功。


しかし8回の裏、99ersは3番飛鳥が2番手ピッチャー流川の甘く入ったフォークを捕え、同点の第8号ソロで振り出しに戻す。


その後は両チーム共にチャンスの場面で凡退。


延長12回の末、引き分けに終わった。


これで1勝1敗1引き分けのイーブンで同率首位のまま、地元吉祥寺に戻る。


明日からレッズとの二連戦がスタート。


その後は東北へ移り、マーリンズとの二連戦が終わるとオールスターゲームが始まる。


今回はキングダムの本拠地東京ボールパークで開催する。



スカイウォーカーズが地元吉祥寺に戻った頃、日本プロ野球機構は新たな2チーム追加の会見を行った。


一つ目は全国的に衣類品の生産、販売を行い、全国に250店舗を持つ、国内第2位のシェアを誇る【ZAP】が親会社となり、新球団としての加盟が決定。

オーナーは同会社の代表取締役でもある、由荷黒夫(ゆにくろお)

本拠地は由荷の地元でもある、香川県高松市となる。



もう一つは、主にカードゲーム、トレーディングカード、ゲームソフト、キャラクターグッズの開発、製作、販売、各種コンテンツのプロデュースを手がける【サイバーファクトリー】が親会社。


オーナーは同企業の会長でもある、婆茶琉夫(ばあちゃるお)


本拠地は婆の地元、山梨県甲府市に決定。


これで16球団が正式に決まり、丸食とZAPの2球団はアポロリーグ、投資家でもある株を筆頭に数人の投資家によって球団を経営するグループと、サイバーファクトリーの2球団がネプチューンリーグへの参入が決定した。


つまり来年からは16球団でペナントを争う。


しかし、16球団となれば選手の確保も必要となる。


分配ドラフトや戦力外となった選手の獲得をする為、戦力的にも厳しい状況になるのは必至だ。

両リーグが8チームとなる為、ペナントレースは各リーグで西地区、東地区と4チームに分け、首位のチーム同士がプレーオフを行い、勝利したチームがリーグ優勝となる。

プレーオフは1回戦で、その後は日本一を決めるチャンピオンズカップとなる。



「驚いたなぁ…来年から16チームとは。
オマケに、ウチは球場も変わるわ、チーム名も変わるわで…あまりにも急だな」


何度も言うが、こんな急な展開は現実では有り得ない。


そこは小説なのでご理解頂きたい。





「なぁ、ヒロト…分配ドラフトとなれば、この選手が欲しいからくれと言われたら、拒否権は無いのかな?」


中田は分配ドラフトの内容が気になるようだ。


「いや、いくら何でもそんな事は出来ないでしょう!プロテクトから外れた選手が分配ドラフトの対象になるだけで、球団が絶対にこの選手を渡したくないとなれば、プロテクト枠に入れておけばいいだけです」


「プロテクトねぇ…プロテクトって、何だ?」


「プロテクトとは、保護の意味です。
つまり、チームとしてこの選手は絶対に必要だとなれば、プロテクト枠に入れれば獲られる事はありません」


「へぇ~、それがプロテクトってワケか…オレですらチンプンカンプンなのに、あのバカ(榊)はプロテクトって意味は…」


「まぁ…推して知るべしというところでしょうね」


案の定、榊はプロテクトの意味が分かってなかった。

「プロテクターの親戚みたいなもんか?」


それを聞いた高梨球団社長は開いた口が塞がらない状態になった。


風雲急を告げる日本プロ野球界、この16チーム増設は吉と出るか凶と出るか?




翌日、スカイウォーカーズの本拠地エスタディオ・ジーマ・ブリューイングでレッズとの試合がスタートした。


先発はレッズが左のベテラン笹川、対するスカイウォーカーズは8球団競合の末に入団した冴島が満を持して一軍初登板となる。



試合は、初先発とは思えぬ程の落ち着きを見せる冴島が、MAX152km/hのストレートを軸に、2種類のスライダーと高速チェンジアップと呼ばれる140km/h前半のチェンジアップでレッズ打線相手に奪三振の山を築く。


ルーキーの初先発とあって、打線は援護する。


4回に藤村が今シーズン13個目の盗塁を決めると、2番石川は笹川の高めに浮いたストレートをレフトスタンドへ第15号ツーランで先制する。


冴島は6回に3番ジョーイの第14号ソロを浴びたが、7回を投げて被安打4、7奪三振、1失点の内容でマウンドを下りた。


8回は流川、最終回は守護神降谷が3人で抑え、スカイウォーカーズが1点差を守りきった。


冴島はプロ初勝利、降谷は24セーブをマーク。


翌日はレッズが金、スカイウォーカーズが桐生の先発。


スカイウォーカーズに相性の良い金は決め球のスライダーで3番唐澤、4番森高、5番吉岡と連続三振を奪う。


桐生も負けじとレッズ打線を5回までパーフェクトに抑える。


しかし、7回に4番新外国人のホフマンが桐生の153km/hのストレートをレフトスタンドへ第12号ソロを叩き込む。


スカイウォーカーズも再三チャンスの場面が訪れるが、金の粘り強いピッチングの前に凡退。


最後まで金を打ち崩せず、1対0の完封負けを喫した。


これで順位は再び99ersが0.5ゲーム差で首位に立った。



終わり


続編5に続く。
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