The Baseball 主砲の一振り 続編2

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インターカンファレンス終盤

実況中継

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「さぁ、ここ武蔵野ボールパークでは武蔵野スカイウォーカーズ対北九州ドジャースの交流戦が始まるところであります。
解説はお馴染みの玉井尻 臭生さん、実況はワタクシ、鉾田 珍之助でお送りいたします!
玉井尻さん、今日もヨロシクお願いします!」



「おう、ほこちんシクヨロな。
それにしても、ドジャースが首位とはなぁ…」


「そうですね…ここでアポロリーグの現在の順位を紹介しますと、
首位がドジャース。
2位はドルフィンズ。
3位がヤンキース。
4位がマシンガンズ。
5位がニックスで、
最下位がウォーリアーズという順位です」



「昨年優勝したマシンガンズは比嘉が抜けて4位。
ウォーリアーズは那須川が抜けて最下位だろ。
ヤンキースも3位とは言え、外崎が抜けたせいでこの順位なんだから、不調と言えば不調だよな」



「そうですね、その3選手は名古屋99ersに移籍して、ネプチューンリーグの首位に立ってますからね~」



「ヤマオカのオヤジも思いきった戦力補強したよなぁ…
挙句に吉川まで獲得だろ?
こりゃ、このまま突っ走るんじゃないのか」


「えーっと、首位の99ersと2位のスカイウォーカーズとのゲーム差は2.5
去年、一昨年と交流戦首位だったスカイウォーカーズが交流戦三連覇を果たせば、ゲーム差も随分と縮まるのではないかと思います」



「今のところ、スカイウォーカーズは交流戦全勝だろ?」


「はい、そうですね。
全勝のは、スカイウォーカーズと99ersの2チームですね」



「この2チームは数年前まで最下位争いをしていたヘボチームだったからなぁ。
何が起こるかホントに分かんないなぁ」



「さぁ、もうすぐ時刻は午後6時になります。
この試合は午後6時にプレイボール予定です。
ドジャースの先発は、かつてこの武蔵野ポールパークでエースナンバーを付けていた降谷。
スカイウォーカーズは、ドルフィンズからトレードして2連勝の鴻池。
玉井尻さん、ドジャースの先発降谷は古巣相手にどのようなピッチングをすると予想されますか?」


「ん~、そうだなぁ…
この降谷ってのは、今年調子良いじゃん?」


「そうですね、今年は5勝0敗、防御率は1.32とトップですね」


「それに対して、スカイウォーカーズの先発は鴻池か…
コイツのコントロールはまさに、針の穴を通す程の良さだけど、勢いだったら降谷…
ウーン、スカイウォーカーズは降谷を打ち崩せるのかがカギなんだけど、今日は厳しいんじゃないかなぁ」






そして試合が始まった。






玉井尻の予想通り、試合はドジャースのペースで進む。



序盤は静かな投手戦で両チーム共にランナーを出すものの、決定打にはいたらず。



試合が動いたのは5回の表。


先頭の4番ポールがフォアボールで歩くと、5番吉岡は鴻池のスライダーを上手くライトへ運び、第14号ツーランで2点を先制。


スカイウォーカーズも、3番財前、4番鬼束と連続ヒットでチャンスを作るが、5番毒島が降谷の新球、縦のスライダーで三振。



8回には、3番斐川が二番手ピッチャー東雲のシンカーを弾丸ライナーでライトスタンドへ6号ソロで追加する。


スカイウォーカーズは最終回に結城の6号ソロで1点を返すが、抑えの切り札橘が後続を打ち取り、1対3でスカイウォーカーズが敗れた。





「玉井尻さんの予想通り、スカイウォーカーズは降谷
を打ち崩す事が出来ませんでした」


「だろ、勢いのあるピッチャーを打つのは難しいんだよ」


「なる程、なる程。降谷の勢いの前に敗れ去ったというワケですね」


「そういう事。
鴻池も悪くは無いんだが、ドジャースの打線が良いんだろうな」


「そうですね…特に3番斐川に対して3打数3安打ですからね…
さすが4割打者というだけあって、死角が無いですね」



「明日は誰が先発予定なんだ?」


「えーっと、明日は…
ドジャースが左の矢樹。対するスカイウォーカーズはドラフト2位の桐生が先発予定ですね」



「矢樹ってのは、あれだろ?
ニックスをクビになって、トライアウトでドジャースに入団したヤツだろ?」


「えぇ、そうですね。
昨年ニックスから戦力外通告を受けて、合同トライアウトで今年からドジャースに加わった6年目のピッチャーですね」



「7勝してるだっけ?スゴいよな!
あのハゲ、よくこんな半分ポンコツなピッチャーを再生させたよな」


「ハゲ…いや、失礼しました。
小倉監督は矢樹を左のエースとして期待してますからね」



「そう考えると、コイツも勢いがあるよな。
明日も敗けるんじゃないのか?」


「なる程、明日の試合も苦戦するというワケですね?」


「と思うけどね。
ヨシ、終わったからオレはキャバクラに行ってくるねぇ~っ!ほこちん!後は上手くまとめてくれ」


玉井尻はサッサと退席して球場近くの繁華街に消えた。



「以上で試合を終わります。
解説は玉井尻臭生、実況は鉾田珍之助がお送りいたしました。
それではまた明日!」




明日もまともな解説が出来るのだろうか。
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