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9月・優勝争いの混沌とした戦い
最下位ながら好調なチーム
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外崎は滝沢を脅威に感じた。
リード キャッチング スローイング 肩の強さは1級品だが
唯一とも言える欠点がフレーミングだ。
外崎はフレーミングを上手く使いこなせない。
何度かトライしようと練習したのだが
向いてないのか ぎこちないキャッチングになってしまう。
これはダメだ…こんなモンよりも他の部分を磨いてナンバーワンキャッチャーはオレだという証明をしてやる。
と心に決めた。
その外崎が滝沢のフレーミングを見て警戒心を抱いた。
過去には現在Dodgersの正捕手でもある保坂がフレーミングの使い手として知られるが
外崎は保坂をキャッチャーとして認めてなかった。
何故ならば 保坂は強引すぎるリードでありながら
打たれれば自分のリードよりも投げたピッチャーが悪いと責任転嫁する事が多い。
(こんな自分勝手なヤツがキャッチャーなんて、オレは絶対に認めないぞ)
そう思い 保坂のリードをことごとく打ち返した。
しかし 一昨年に滝沢が入団した事で強い危機感を感じた。
柔らかいキャッチング スムーズ且つ正確なスローイング。
リードはまだ改善の余地があるものの
フレーミングという武器がある。
いずれ近いうちにナンバーワンキャッチャーの称号は滝沢のものになるに違いないと思った。
ならば キャッチャーとして覚醒する前に叩き潰しておかねば と外崎は心理的に揺さぶりをかけた。
外崎はフルカウントまで粘ったが 7球目のフォークに手を出しピッチャーゴロで倒れた。
その後も両チーム共に得点に結びつく事は出来ず
延長12回により無得点のまま引き分けに終わった。
順位だが ネプチューンリーグ西地区は
1 名古屋99ers
2 京都Super Phoenix 1.5差
3Fukuoka Dodgers 2.5差
4 北陸レッズ 6.5差
東地区の順位は
1 SAITAMA Glanz
2 東北マーリンズ 0.5差
3 千葉ヤンキース 2.0差
4 甲府ブレーブス 4.5差
Glanzが辛うじて東地区首位に立ってるのだが
いつ順位が入れ替わってもおかしくない程の混戦模様だ。
99ersとの3連戦を終えたGlanzは本拠地に戻り
明日から甲府ブレーブスとの3連戦が始まる。
甲府ブレーブスは東地区4位という順位だが
上位食いが得意で マーリンズや99ersは負け越している。
その原動力はリーグ2位の打率.337と好調な4番結城の打棒でチームを牽引する。
本拠地さいたま S Villageの室内練習場では
白石が額に大粒の汗を滴らせながら黙々とバットを振り続けている。
Glanzに移って未だノーヒット。
そろそろ一本出てもおかしくないのだが。
「フゥ…何とか、スイングの感覚は元に戻りつつあるな」
オールスター前から上体が前に突っ込んでしまうフォームになってしまい 元のフォームに戻そうとしている最中だ。
「バッティングって、つくづく難しいよな」
タオルで汗を拭い 練習を切り上げた。
そして翌日。
先発はブレーブスが左腕の高山。
対するGlanzは右の桐生。
ブレーブスのスターティングメンバー
1 2B 上原 0
2 SS 青島 2
3 1B 結城 23
4 DH 原田 6
5 3B 池田 1
6 CF 室井 24
7 RF 鴻上 9
8 LF バーグマン 35
9 C 武内 10
P 高山 11
Glanzのスターティングメンバー
1 RF ルイス 39
2 SS 白石 5
3 LF 唐澤 1
4 CF 森高 7
5 3B ロビンソン 2
6 1B 小津 51
7 DH 毒島 6
8 2B 石川 8
9 C 滝沢 9
P 桐生 21
ラストバッターの滝沢は今日もマスクを被り
正捕手の毒島は7番指名打者で出場。
白石と同じく一軍に昇格したばかりの小津もまだノーヒットで 試合前には畑中バッティングコーチが付きっきりでフリー打撃を行っていた。
「あの…毒島さん」
その小津が隣に座っている毒島に声を掛けた。
「どうした?」
「いや、実は…今日もノーヒットならどうしたらいいですかね?」
「ん?ノーヒット?…う~ん」
毒島は腕を組んで考え込んだ。
「ノーヒットったって、この先全く打てないって事は無いんだから、今まで通りのバッティングをすりゃ良いんじゃないのかな?」
「今まで通りっすか?」
「そうだよ、今まで通りの練習をしてればいいんだよ。何も、ムリに練習法を変えたって打てるとは限らないだろ?」
「あぁ…なる程」
その言葉が妙に当てはまったように感じた。
リード キャッチング スローイング 肩の強さは1級品だが
唯一とも言える欠点がフレーミングだ。
外崎はフレーミングを上手く使いこなせない。
何度かトライしようと練習したのだが
向いてないのか ぎこちないキャッチングになってしまう。
これはダメだ…こんなモンよりも他の部分を磨いてナンバーワンキャッチャーはオレだという証明をしてやる。
と心に決めた。
その外崎が滝沢のフレーミングを見て警戒心を抱いた。
過去には現在Dodgersの正捕手でもある保坂がフレーミングの使い手として知られるが
外崎は保坂をキャッチャーとして認めてなかった。
何故ならば 保坂は強引すぎるリードでありながら
打たれれば自分のリードよりも投げたピッチャーが悪いと責任転嫁する事が多い。
(こんな自分勝手なヤツがキャッチャーなんて、オレは絶対に認めないぞ)
そう思い 保坂のリードをことごとく打ち返した。
しかし 一昨年に滝沢が入団した事で強い危機感を感じた。
柔らかいキャッチング スムーズ且つ正確なスローイング。
リードはまだ改善の余地があるものの
フレーミングという武器がある。
いずれ近いうちにナンバーワンキャッチャーの称号は滝沢のものになるに違いないと思った。
ならば キャッチャーとして覚醒する前に叩き潰しておかねば と外崎は心理的に揺さぶりをかけた。
外崎はフルカウントまで粘ったが 7球目のフォークに手を出しピッチャーゴロで倒れた。
その後も両チーム共に得点に結びつく事は出来ず
延長12回により無得点のまま引き分けに終わった。
順位だが ネプチューンリーグ西地区は
1 名古屋99ers
2 京都Super Phoenix 1.5差
3Fukuoka Dodgers 2.5差
4 北陸レッズ 6.5差
東地区の順位は
1 SAITAMA Glanz
2 東北マーリンズ 0.5差
3 千葉ヤンキース 2.0差
4 甲府ブレーブス 4.5差
Glanzが辛うじて東地区首位に立ってるのだが
いつ順位が入れ替わってもおかしくない程の混戦模様だ。
99ersとの3連戦を終えたGlanzは本拠地に戻り
明日から甲府ブレーブスとの3連戦が始まる。
甲府ブレーブスは東地区4位という順位だが
上位食いが得意で マーリンズや99ersは負け越している。
その原動力はリーグ2位の打率.337と好調な4番結城の打棒でチームを牽引する。
本拠地さいたま S Villageの室内練習場では
白石が額に大粒の汗を滴らせながら黙々とバットを振り続けている。
Glanzに移って未だノーヒット。
そろそろ一本出てもおかしくないのだが。
「フゥ…何とか、スイングの感覚は元に戻りつつあるな」
オールスター前から上体が前に突っ込んでしまうフォームになってしまい 元のフォームに戻そうとしている最中だ。
「バッティングって、つくづく難しいよな」
タオルで汗を拭い 練習を切り上げた。
そして翌日。
先発はブレーブスが左腕の高山。
対するGlanzは右の桐生。
ブレーブスのスターティングメンバー
1 2B 上原 0
2 SS 青島 2
3 1B 結城 23
4 DH 原田 6
5 3B 池田 1
6 CF 室井 24
7 RF 鴻上 9
8 LF バーグマン 35
9 C 武内 10
P 高山 11
Glanzのスターティングメンバー
1 RF ルイス 39
2 SS 白石 5
3 LF 唐澤 1
4 CF 森高 7
5 3B ロビンソン 2
6 1B 小津 51
7 DH 毒島 6
8 2B 石川 8
9 C 滝沢 9
P 桐生 21
ラストバッターの滝沢は今日もマスクを被り
正捕手の毒島は7番指名打者で出場。
白石と同じく一軍に昇格したばかりの小津もまだノーヒットで 試合前には畑中バッティングコーチが付きっきりでフリー打撃を行っていた。
「あの…毒島さん」
その小津が隣に座っている毒島に声を掛けた。
「どうした?」
「いや、実は…今日もノーヒットならどうしたらいいですかね?」
「ん?ノーヒット?…う~ん」
毒島は腕を組んで考え込んだ。
「ノーヒットったって、この先全く打てないって事は無いんだから、今まで通りのバッティングをすりゃ良いんじゃないのかな?」
「今まで通りっすか?」
「そうだよ、今まで通りの練習をしてればいいんだよ。何も、ムリに練習法を変えたって打てるとは限らないだろ?」
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その言葉が妙に当てはまったように感じた。
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