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7月 オールスターゲーム
特別な休日
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99ersとの2連戦はともに1点差で惜敗した。
Glanzも接戦で粘りを見せたが 2日連続で城戸の決勝タイムリーに屈した。
中田が城戸を獲りたい理由のもうひとつは Glanz戦には滅法強く 昨年は.439 3HR 24RBIと大暴れ。
そんな天敵を味方に引き込めば99ers相手に少しでも優位に戦えるはずだと。
それに 白石がチームを出たいと宣言したとしても Glanzには不動のショートストップ石川がいる。
石川を他のポジションに追いやってまでも白石を獲得したいとは思わない。
今オフの補強は困難を極めそうだ。
オールスターゲームの投票が締め切られ 出場選手が確定した。
Glanzでは 投手では片山 降谷 真咲の3人。
野手ではロビンソン 唐澤 森高の3人で計6人が出場する。
オールスターゲーム開催まで残り1週間を切った。
Glanzはこの日本拠地さいたま S Villageの室内練習場で汗を流した後 明日からペナント前半の最終戦でもある
甲府ブレーブスとの2連戦を敵地風林火山スタジアムで対戦する。
ローテーション通りに行けば 初戦の先発は中邑 2戦目は伊達という順番なのだが 前半戦最後という事もあって 総力戦で2連勝を狙うつもりだ。
しかし 天気予報だと明日 明後日の甲府の天気は日中雨で試合を行えるかどうか怪しい雲行きだ。
そして翌日。
案の定 天気は雨で止む気配は無さそうだ。
主催者側から早めに今日の試合は中止と発表された。
選手は球場で軽めの調整を行い宿舎に戻った。
更にその翌日 天候はまたもや雨。
屋外球場故に天候には勝てず この日も中止と発表され
ペナントレース前半戦が終了した。
Glanzは2位のマーリンズと0.5ゲーム差で東地区首位。
だが 東地区は激戦区とあって あっという間に首位から転落してしまう可能性が高い。
「今年はオールスター期間何もする事が無いから、ゆっくりと休ませてもらおうかな」
Glanzは昨年東地区3位という成績のせいで オールスターゲームに中田はベンチ入りする事は無く その期間は休日に充てようとしている。
しかし そう簡単に休ませてくれない人物が約一名…
RRRRRRRRR♪
と自宅の電話が鳴った。
「おーい、電話だぞ!」
家では亭主関白の中田が電話に出ろと妻に促す。
「…全く、近くに居るんだから電話とればいいじゃないの」
妻の美紗はキッチンで夕飯の支度をしていたが バタバタとしながら電話をとった。
「ハイ、中田でございます」
【あ、モシモシ、美紗ちゃん?オレだけど、中ちゃんいるかな?】
声の主は榊だった。
「あら、榊さん?ちょっと待ってて下さいね…お父さん、榊さんから電話ですよ!」
「アァ、恭ちゃんから?スマホに直接掛ければいいのに」
何の用だと思いながら電話に出た。
「ハイ、モシモシ」
【おぉ、中ちゃん!実はさぁ、近くまで来てるんだけど、今からソッチに行ってもいいかな?】
「エッ、今からかよ?」
時計を見た。
夕方の6時を回っていたところだった。
「お前、まさかウチの飯食いに来るワケじゃねぇよな?」
【酷いなぁ、その言い草は!偶然だってば!】
図星だった。
バツ2で男やもめな榊は家庭の味に飢えている。
しかも 中田の妻は料理が得意という事もあって 榊はそれを狙ってお邪魔しようとしていた。
「まぁ、いいや…その代わり、手土産持ってこいよ」
【リョーカイっ!!そんじゃ、また後で!】
そう言って電話を切った。
「あのヤロー、メシ時を狙ってやがったな」
どうせ帰れと言っても しつこく玄関に居座るつもりだろと思い 渋々承諾した。
Glanzも接戦で粘りを見せたが 2日連続で城戸の決勝タイムリーに屈した。
中田が城戸を獲りたい理由のもうひとつは Glanz戦には滅法強く 昨年は.439 3HR 24RBIと大暴れ。
そんな天敵を味方に引き込めば99ers相手に少しでも優位に戦えるはずだと。
それに 白石がチームを出たいと宣言したとしても Glanzには不動のショートストップ石川がいる。
石川を他のポジションに追いやってまでも白石を獲得したいとは思わない。
今オフの補強は困難を極めそうだ。
オールスターゲームの投票が締め切られ 出場選手が確定した。
Glanzでは 投手では片山 降谷 真咲の3人。
野手ではロビンソン 唐澤 森高の3人で計6人が出場する。
オールスターゲーム開催まで残り1週間を切った。
Glanzはこの日本拠地さいたま S Villageの室内練習場で汗を流した後 明日からペナント前半の最終戦でもある
甲府ブレーブスとの2連戦を敵地風林火山スタジアムで対戦する。
ローテーション通りに行けば 初戦の先発は中邑 2戦目は伊達という順番なのだが 前半戦最後という事もあって 総力戦で2連勝を狙うつもりだ。
しかし 天気予報だと明日 明後日の甲府の天気は日中雨で試合を行えるかどうか怪しい雲行きだ。
そして翌日。
案の定 天気は雨で止む気配は無さそうだ。
主催者側から早めに今日の試合は中止と発表された。
選手は球場で軽めの調整を行い宿舎に戻った。
更にその翌日 天候はまたもや雨。
屋外球場故に天候には勝てず この日も中止と発表され
ペナントレース前半戦が終了した。
Glanzは2位のマーリンズと0.5ゲーム差で東地区首位。
だが 東地区は激戦区とあって あっという間に首位から転落してしまう可能性が高い。
「今年はオールスター期間何もする事が無いから、ゆっくりと休ませてもらおうかな」
Glanzは昨年東地区3位という成績のせいで オールスターゲームに中田はベンチ入りする事は無く その期間は休日に充てようとしている。
しかし そう簡単に休ませてくれない人物が約一名…
RRRRRRRRR♪
と自宅の電話が鳴った。
「おーい、電話だぞ!」
家では亭主関白の中田が電話に出ろと妻に促す。
「…全く、近くに居るんだから電話とればいいじゃないの」
妻の美紗はキッチンで夕飯の支度をしていたが バタバタとしながら電話をとった。
「ハイ、中田でございます」
【あ、モシモシ、美紗ちゃん?オレだけど、中ちゃんいるかな?】
声の主は榊だった。
「あら、榊さん?ちょっと待ってて下さいね…お父さん、榊さんから電話ですよ!」
「アァ、恭ちゃんから?スマホに直接掛ければいいのに」
何の用だと思いながら電話に出た。
「ハイ、モシモシ」
【おぉ、中ちゃん!実はさぁ、近くまで来てるんだけど、今からソッチに行ってもいいかな?】
「エッ、今からかよ?」
時計を見た。
夕方の6時を回っていたところだった。
「お前、まさかウチの飯食いに来るワケじゃねぇよな?」
【酷いなぁ、その言い草は!偶然だってば!】
図星だった。
バツ2で男やもめな榊は家庭の味に飢えている。
しかも 中田の妻は料理が得意という事もあって 榊はそれを狙ってお邪魔しようとしていた。
「まぁ、いいや…その代わり、手土産持ってこいよ」
【リョーカイっ!!そんじゃ、また後で!】
そう言って電話を切った。
「あのヤロー、メシ時を狙ってやがったな」
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