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5月・インターカンファレンス 交流戦
何がなんでもトレードする!
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山田はこのトレードに興味を示したが 石橋を叩いて渡る性格の彼がすんなりとOKするワケがない。
「悪いが、返事は1週間後にしたいのだが」
「何でだよ、決して悪い話じゃないんだぜ?今も1週間後も大して変わらないだろうが」
しかし山田は慎重だ。
「それは分かっている…分かっているんだが、少し考える時間が欲しい」
「なぁ、GM」
榊がタバコを火をつけながら話しかける。
「…ここは禁煙だぞ!それに、GMともあろう人物がタバコを吸うなんて言語道断!」
山田は健康志向だ。
選手はおろか コーチ陣にも禁煙を命じる程だ。
そのお陰でニックスで喫煙者は1人も居ない。
「GMだろうが、監督だろうが、タバコが吸いたければ吸うし、飲みたければ酒を飲むぜ」
「いいから、早く火を消せ!大体、飲食店での喫煙は条例で禁じられているはずだぞ!」
「んな事ねぇよ、居酒屋や喫茶店はまだ吸えるし、ファミレスだって喫煙席があるじゃないか」
いつの間にか【嫌煙家VS愛煙家】という図式に変わっていった。
「…タバコを吸う首脳陣のチームにルイスを渡すワケにはいかない」
「それとこれは関係ないだろうが!」
「そうだそうだ!」
「テメーら嫌煙家は何かと言えば喫煙者を悪者にしやがって!」
「喧しい!とにかく、喫煙者のいるチームとはトレード出来ない!」
「何だと、コラ」
榊が山田の胸ぐらを掴んだ。
「おい、よせ!」
「ケンカしに来たんじゃないんだぞ」
中田と勅使川原が止めに入った。
「全く…現役時代と変わらず、野蛮なヤツだな」
スーツのシワを直し コップの水を1口飲んだ。
「まあまあ、そうカリカリすんな」
「そうそう、落ち着くにはまず一服したらどうだ?」
「だから、私はタバコが大嫌いと言ってるだろうがっ!!」
【ギャハハハハハハwww】
3人とも山田をからかってるようにしか見えない。
「もういい!不愉快だっ!この話は無かった事にする」
山田が席を立った。
「オイオイ、や~まだ。そんな事言っちゃっていいのかなぁ?」
中田には秘策があるみたいだ。
「何だ、何が言いたい?」
「これ見てもらうかな」
ジャケットの内ポケットから数枚の写真をテーブルに置いた。
「ゲッ!こ、これは」
山田の顔色がみるみると青くなった。
その写真は 山田がお忍びで足繁く通うSM倶楽部での痴態だった。
「や~まだ…オメー、随分とインテリなイメージだけど、その実態は女王様に痛ぶられるドMヤローらしいな?」
【ダーッハッハッハッハッwww】
「…クソっ、あの倶楽部は会員制で極秘なハズなのに何で…」
「テメーの素性は10日前から調査済みだ!」
中田は知り合いの興信所に依頼して 山田の身辺を徹底的に調査した。
その結果 山田は月に数回松本市内にある会員制のSM倶楽部に変装しながらプレイを愉しんでいる情報を掴んだ。
「じゃあ、これを撮影したのは?」
待ってましたとばかりに中田が答えた。
「そんなの簡単な事よ。ここの女王様に袖の下を使ってオメーが辱めを受けてる写真を撮ってくれって頼んだのさ」
そのお陰で 中田はケッコーな額を使ったそうな。
「ひ、卑怯だぞ!これで私を脅すつもりか!」
「脅す?チョット待ってくれよ、誰がオメーを脅すって?」
「まぁ、こっちの要望を飲んでくれたら…ってとこかな」
「さすが中ちゃん、追い込みがハンパじゃねぇよ」
たちまち形勢逆転となった。
「何がなんでもルイスをよこせって事か?」
「そういう事。あっ、交換トレードじゃなく、金銭トレードでヨロシク」
「何っ!交換じゃなく金銭だと?」
「おーっと、じゃあこの写真バラ撒いてもいいってワケだな?」
写真をトランプのようにシャッフルする。
「くっ…よかろう、金銭トレードでルイスを渡そうじゃないか」
【やったーっ!!】
3人は顔を見合せ 満面の笑みで万歳三唱をした。
かくしてGlanzに新たな戦力が加わった。
その翌日 Glanzはルイスを金銭トレードで獲得した事を発表。
背番号は39 年俸は推定3200万で早ければ3日後の交流戦からチームに合流する。
「悪いが、返事は1週間後にしたいのだが」
「何でだよ、決して悪い話じゃないんだぜ?今も1週間後も大して変わらないだろうが」
しかし山田は慎重だ。
「それは分かっている…分かっているんだが、少し考える時間が欲しい」
「なぁ、GM」
榊がタバコを火をつけながら話しかける。
「…ここは禁煙だぞ!それに、GMともあろう人物がタバコを吸うなんて言語道断!」
山田は健康志向だ。
選手はおろか コーチ陣にも禁煙を命じる程だ。
そのお陰でニックスで喫煙者は1人も居ない。
「GMだろうが、監督だろうが、タバコが吸いたければ吸うし、飲みたければ酒を飲むぜ」
「いいから、早く火を消せ!大体、飲食店での喫煙は条例で禁じられているはずだぞ!」
「んな事ねぇよ、居酒屋や喫茶店はまだ吸えるし、ファミレスだって喫煙席があるじゃないか」
いつの間にか【嫌煙家VS愛煙家】という図式に変わっていった。
「…タバコを吸う首脳陣のチームにルイスを渡すワケにはいかない」
「それとこれは関係ないだろうが!」
「そうだそうだ!」
「テメーら嫌煙家は何かと言えば喫煙者を悪者にしやがって!」
「喧しい!とにかく、喫煙者のいるチームとはトレード出来ない!」
「何だと、コラ」
榊が山田の胸ぐらを掴んだ。
「おい、よせ!」
「ケンカしに来たんじゃないんだぞ」
中田と勅使川原が止めに入った。
「全く…現役時代と変わらず、野蛮なヤツだな」
スーツのシワを直し コップの水を1口飲んだ。
「まあまあ、そうカリカリすんな」
「そうそう、落ち着くにはまず一服したらどうだ?」
「だから、私はタバコが大嫌いと言ってるだろうがっ!!」
【ギャハハハハハハwww】
3人とも山田をからかってるようにしか見えない。
「もういい!不愉快だっ!この話は無かった事にする」
山田が席を立った。
「オイオイ、や~まだ。そんな事言っちゃっていいのかなぁ?」
中田には秘策があるみたいだ。
「何だ、何が言いたい?」
「これ見てもらうかな」
ジャケットの内ポケットから数枚の写真をテーブルに置いた。
「ゲッ!こ、これは」
山田の顔色がみるみると青くなった。
その写真は 山田がお忍びで足繁く通うSM倶楽部での痴態だった。
「や~まだ…オメー、随分とインテリなイメージだけど、その実態は女王様に痛ぶられるドMヤローらしいな?」
【ダーッハッハッハッハッwww】
「…クソっ、あの倶楽部は会員制で極秘なハズなのに何で…」
「テメーの素性は10日前から調査済みだ!」
中田は知り合いの興信所に依頼して 山田の身辺を徹底的に調査した。
その結果 山田は月に数回松本市内にある会員制のSM倶楽部に変装しながらプレイを愉しんでいる情報を掴んだ。
「じゃあ、これを撮影したのは?」
待ってましたとばかりに中田が答えた。
「そんなの簡単な事よ。ここの女王様に袖の下を使ってオメーが辱めを受けてる写真を撮ってくれって頼んだのさ」
そのお陰で 中田はケッコーな額を使ったそうな。
「ひ、卑怯だぞ!これで私を脅すつもりか!」
「脅す?チョット待ってくれよ、誰がオメーを脅すって?」
「まぁ、こっちの要望を飲んでくれたら…ってとこかな」
「さすが中ちゃん、追い込みがハンパじゃねぇよ」
たちまち形勢逆転となった。
「何がなんでもルイスをよこせって事か?」
「そういう事。あっ、交換トレードじゃなく、金銭トレードでヨロシク」
「何っ!交換じゃなく金銭だと?」
「おーっと、じゃあこの写真バラ撒いてもいいってワケだな?」
写真をトランプのようにシャッフルする。
「くっ…よかろう、金銭トレードでルイスを渡そうじゃないか」
【やったーっ!!】
3人は顔を見合せ 満面の笑みで万歳三唱をした。
かくしてGlanzに新たな戦力が加わった。
その翌日 Glanzはルイスを金銭トレードで獲得した事を発表。
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