I Love Baseball 主砲の一振り 6

3月・4月 ペナントレース開幕

1勝2敗

Super Phoenix2番手ピッチャー君塚は 1番武藤をスクリューで空振りの三振に仕留めるが 続く2番石川にはセンターへの犠牲フライで三塁ランナー藤村がホームを踏んで2点目を挙げる。

Glanzは2点を先制して その裏は片山からジェイクが160km/h超えのフォーシームとパワーシンカーと呼ばれるツーシーム そして昨年から使いだした新球【Jake up（ジェイクアップ）】と呼ばれるチェンジアップの握りでカーブの様に縦に割れる変化球で打線を翻弄する。

そして最終回は今年からGlanzの守護神に任命された真咲が120km/h台の遅くて速いストレートと87～92km/hのスローカーブを上手く使い3人で片付け試合終了。


Glanzが終盤の一打で開幕戦を勝利で飾った。

片山は幸先よく1勝をマーク。

ジェイクにはホールド 真咲はセーブポイントが付いた。



「はぁ～、どうにか勝てたけど…監督ってのは、疲れるモンだなぁ」


監督として初勝利を挙げた中田だが 疲れきった様子だ。


「あたりめーだろ、これから先もっとしんどい場面に出くわすぜ」


ヘッドコーチの勅使川原がハハハと笑い飛ばす。



「冗談じゃねぇよ、この先やっていけるか不安になってくるじゃんかよ」


「監督ってのはそんなもんだろ…これから140試合、勝った負けたと一喜一憂しながら、ペナントレースを戦い抜かなきゃなんねぇんだからな」


もっともらしい事を言う。


「そうなんだが…それにしても、ストレスが溜まりやすい仕事だなぁ」


そう言いつつも 初勝利の実感を噛み締めていた。




翌日の第2戦はGlanzがエース中邑
Super Phoenixはかつてのチームメイトで 昨年11勝7敗 
防御率はリーグ3位の3.14と安定した成績を残した
北乃翔。


試合は前日に続いてGlanzが4回に新外国人のロビンソンが 北乃の高めに入ったスライダーを右中間スタンドへ来日初アーチで先制。


Glanz先発の中邑は5回まで無四球のピッチングだったが 6回に姫野にフォアボールを与える。

3番清武にはフォークで5個目の三振を奪ったのだが
4番飯伏に102km/hのスローカーブを完璧に捕らえられ
今シーズン第1号のツーランホームランで逆転を許す。


Glanzは再三ランナーを出すものの Super Phoenixのリリーフ陣に抑えられ 得点には到らず。


逆にSuper Phoenixは8回に再び飯伏が2番手ピッチャー流川のストレートをドンピシャのタイミングでフルスイング。


打球はピンポン玉の様にグーンとセンターバックスクリーンへ飛び込む2打席連続のソロアーチで3点目を追加。


最終回はSuper Phoenixの守護神 大島が150を超えるストレートと落差十分のフォークでピシャリと抑え 
Super Phoenixの勝利。



第3戦はGlanzが桐生 対するSuper Phoenixは昨年8勝8敗の左腕 松島。


序盤は静かな投手戦で両チーム共無得点のまま中盤へ。


6回の表 Glanzは8番庵野が左中間へ今シーズン第1号のソロホームランで先制。


しかし7回の裏 Super Phoenixは3番清武がレフト線へのツーベースヒットで塁に出ると 4番飯伏がライトオーバーのタイムリースリーベースヒットで同点に追いつく。


8回には7番鷹村 8番北斗の連続ツーベースヒットで逆転を許す。


Glanzも最終回にランナー2人を出すものの 守護神大島のフォークで最後のバッター毒島が三振。


結局 1勝2敗でGlanzは負け越した。


「スタートダッシュってのは難しいもんだなぁ」


試合後 記者団に囲まれ中田はため息混じりにコメントした。