I Love Baseball 主砲の一振り 6

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3月・4月 ペナントレース開幕

ヤバいぐらいに調整が間に合わない!

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来日早々退場となったロビンソン。


「Boss, I'm sorry... I'll concentrate on playing and do my best from now on.(ボス、申し訳ない…次は全力でプレーに集中してベストを尽くす)」


中田には自身の非を詫びた。


「ガッハッハッハ!いいって事よ、その代わりシーズンが始まったら、目いっぱい働いてくれよな!」


「Of course, boss! That's why I came to Japan.(勿論だボス!その為にオレは日本に来たんだ)」



とは言え 中田の胸中は穏やかではない。



(ホントに大丈夫かよ…コイツが活躍してくれなきゃ、オレは1年で監督を辞める事になるんだぞ…)



成績如何では 己の進退を懸けなければならない。



それは中田だけではなく ヘッドコーチの勅使川原やGMの榊も中田と心中する構えだ。


榊は「オレたちは一蓮托生、だから三位一体なんだよ」と口癖の様に言うのだが 要は連帯責任で一緒に辞める事らしい。


Glanzはオープン戦7戦目でようやく初勝利を挙げたのだが、相手のエラー絡みによる失点でなんとか勝てたような内容だ。




【Glanzはようやく勝利したが、とても手放しで喜べるような試合展開では無かった。
このままでは優勝どころか、最下位に転落する可能性が高い】



【頼みの新外国人ロビンソンは万全とは言い難い状態で、シーズンが始まったら日本のピッチャーに抑えられるだろう】


各スポーツ紙では辛辣な記事が載っている。




だがオープン戦を重ねる毎に調子は徐々に上向きになっていった。


打線はイマイチだが 勅使川原の考案した【終盤の左腕トリオ】は順調な仕上がりを見せる。


7回はアクーニャ 8回はジェイク 最終回は真咲が抑えて新たな勝利の方程式が確立しつつある。




オープン戦も終盤に差し掛かり 開幕に向けて選手たちは猛アピールする。



「よぉ、開幕のメンバー決まったのかよ?」


「ん?いや、まだ決まってないんだけどな」


「ちなみに、現時点で当確してるメンバーは誰なんだ?」



一蓮托生の3人は監督室で開幕一軍のメンバーを誰にしようか決めあぐねていた。
 

「開幕投手は誰にする?」


「ん~、妥当なところで中邑じゃないかな」


「中邑かぁ…」


「だったら、開幕戦は中邑じゃなく片山の方がいいんじゃないのか」


「それもいいんだけど…誰にしよっかなぁ」



そのうち3人とも禁断症状が出て 堪らず外の喫煙所に向かった。



「やっぱ、タバコは止めらんないよな」


「オレ、禁煙するの止めよう」


「どうせ禁煙なんてムリなんだから、ずっと吸ってりゃいいじゃん」


紫煙を燻らせながら 3人は満足気な表情を浮かべている。



「もういいよな、このメンバーで」


「おぅ、いいと思うよ」


「ま、こんなもんが妥当だろ」



そんなこんなで開幕一軍のメンバーが確定した。


Glanzの開幕戦は 京都でSuper Phoenixと激突する。


昨年はネプチューンリーグ西地区の3位だったが
今年は戦力補強を積極的に行い 球団創立2年目でリーグ制覇 そして日本一を狙うには十分の戦力だ。



その準備万端なチーム相手にGlanzはスタートダッシュを決める事が出来るのだろうか。
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